【必読※迷惑書き込みの対処方法をまとめました。】

オリカ作成掲示板

パワー∞とか100など無茶苦茶なキャラを作らないでください。
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回数稼ぎと思われるようなスレ、レスがある場合、削除いたします。
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■--強さと弱さ(シンフォニー編)
++ クォーツ (オリカ王)…152回          

さぁ、遂にシンフォニー編突入です。
今回の投稿で早くも新キャラ登場、イラスト解説は今日のブログに掲載しておきます。
シンフォニーとその敵対者・シェードの関わりについては、今後をお楽しみに。では、どうぞ。

所変わって、こちらは音程族の統治領域。その中心部、王の宮殿で、シンフォニーはある考え事をしていた。
それは、辺境世界での激闘からずっと、何とも言えない違和感が拭い去れないことであった。
違和感の正体も分からず、拭い去る方法など分かる筈もなかった。
「いったい…この違和感は何…?」
考えても考えても、答えは出なかった。気晴らしの為、少し外を歩いていくことにした。

知らせは受けていたが、暗黒雲の活性化が予想以上に酷い。いつ闇月族の手の者がやってくるか分からない。いや、もしかしたら既に、闇月族からの刺客が送り込まれているかもしれない。
そう考え、隠れやすい森の中を歩くことにした。ところが、これが思わぬ出会いのきっかけとなった。

森の中を歩くこと数分。次第にブツブツと考え事が漏れてしまっていた。
「強くなることで、民を守れる…。でも、強くなったと思ってもそれより強い者が出てくる…。結局、それの繰り返しで…イタチごっこで…」
小声ではあるが、それでも聞こえる人には聞こえてしまいそうな感じである。まるで念仏のような状態になってしまっていた彼女の小声を、何者かが聞き取った。
「あ〜ら、何かお悩みかしら?」
「…え?ど、どこ?」
突如聞こえてきた声。森の中ということで、声が反響してしまって位置を特定しづらい。どこから聞こえてきたのか?見渡しても分からない。
アナタ、悩み事が念仏みたいにブツブツと出てきてたわよ。私にはよ〜く聞こえたわ」
そう言うやいなや、声の主はシンフォニーの目の前にいきなり飛び降りてきた。どうやら、近くの木に登っていたようである。水色に近い色の髪を、特徴的な結び方で結ってある。あとはYシャツスパッツ、といった簡素な服装。人間のようにも見えるが、雰囲気はどことなく人間とは別な生物であるように思えた。
(122.30.10.204).. 2008年10月25日 05:45   No.214001

++ クォーツ (オリカ王)…153回       
本日は2本。次回からは1本ずつ…かな?
続きどうぞ。

「…見慣れない顔だけど、あなたは一体?」
「私はミズーリ。まぁ、この世界の人からすれば見慣れない存在ではあるわね」
ミズーリと名乗った声の主、やや軽めの声だ。初対面であるシンフォニーに対して、彼女が音程族の王と知ってか知らずか、改まった様子はない。
アナタ、この音程族の領域の王でしょ?何をブツブツと悩んでたの?」
ミズーリ、見た目こそ少女だが、精神面では大人顔負けといった風貌のようなものを持つ女性である。そして、物怖じというものを知らない。
初対面であり、しかも相手が王だというのに、敬語を使うこともなければ改まることもない。本来なら無礼な行いであり、咎められる行為なのだが、今のシンフォニーからすればどうでもよかった。

というより、彼女こそ知らないものの、時空族にも王に対して敬語を使わない「外の住人」がいるのだが。ここでは割愛しよう。

それはさておき、なんとなく違和感の謎を解く手掛かりが得られるかもしれない、そう思ってシンフォニーはミズーリに悩みを打ち明けてみた。
「…あなたには分かる?強くなったと思っても、更に強い者が出てきて、それのイタチごっこになってることのもどかしさ」
それに対し、ミズーリは平然としていた。先程と変わらない調子で、答えを返す。
「強さのイタチごっこ…。なるほど、確かにこれはもどかしいわね。私もこのもどかしさは昔経験したことがあるの。だから少しは分かるわ」
彼女の過去についてはまた後ほど聞くとして、今は話の続きを聞いた。
「強さのイタチごっこってね、結局戦う人なら誰でもしてしまうことなの。抗えない運命みたいなもの。だけど、強くなること自体はいいことよ。だから、ここでちょっと視線を反らしてみるの」
「視線を…反らす?」
思わぬ答えが返ってきた。「視線を反らす」とはまたどういうことか。シンフォニーは思わず呟いてしまった。構わず、ミズーリは続ける。
「そう、"強くなる"こと一辺倒じゃらちが明かないの。だから、強くなるからこそ考えてみるのよ。"弱さ"ってどういうことなんだろうって。
私はね、強さも弱さも、同じコインの表と裏のような関係だと思うわ。表裏一体ってヤツね。いくら強くなったって、結局残る弱さだってあるし、何より"強くなったことによる傲慢"が敗北に繋がることも珍しい例じゃないわ。
それを昔の私はたくさん見てきたんだけど、そこからある結論を導き出したの。そうしたら、私のイタチごっこのもどかしさは消えたわ」
「…どういう、結論なの?」
導き出された「結論」とは?シンフォニーの悩みは、早くも解決の兆しを見せていた。
「導き出した結論、それはね、
『強さは弱さを生む』
ってこと。さっきも言ったみたいに、強くなったからといってそれが必ずしも"強さ"となるわけじゃない。時には"弱さ"にもなる。
強大な力を得たからって、それを使いこなせなければ意味無いでしょ?それと同じことよ」
「…"強さ"が、"弱さ"に?本当にそうなの?」
「どうやらアナタは"力が力に負ける"光景しか見てなかったみたいだけど、現実はそれだけじゃないのよ。決して、力だけが"強さ"の基準じゃないわ。"力"とは別なものにも"強さ"はあるの」
「力とは別なもの…」
"強さは弱さを生む"、これがミズーリから出された答えだった。"強さ"とは?"弱さ"とは?セイガら他の部族王にはない観点が、シンフォニーの心に生まれつつあった。

(122.30.10.204).. 2008年10月25日 06:47   No.214002
++ クォーツ (オリカ王)…154回       
昨日言い忘れてたんですが、ウェリスさん。
レオン編のオマケ(?)ストーリー投下ありがとうございます。
中身が分からんものですから、すっかり忘れてました。あの部分。
というわけで、本日は1本投下。

「"強さ"は"弱さ"を生む…"力とは別なもの"…力だけが"強さ"ではなく…強くなったことが傲慢に繋がることもある…」
シンフォニーは、宮殿の自室に戻っていた。ミズーリから教えられた、イタチごっこのもどかしさを解消する答え。これをより確かなものにする為、自室で思考を広げてみることにしたのだ。
ミズーリとは、あの後別れている。だが、『また悩んだら相談に乗ってあげる』と彼女は言い残している。どうやら力になってくれるようだ。

自然だけでなく、戦う者同士の関係も弱肉強食。強き者が弱き者を制するのは当然のことだ。しかし、"強き者"になる基準のようなものは存在しない。一般的には強大な魔力やエネルギーを持っていたり、身体能力が高レベルであることが多い。だが、それらは所詮"力"という1つの概念でしかない。では、本当に大事なのは何か?
と、ここまで考えて、シンフォニーはあることを唐突に思い出した。辺境世界でのコンクル・シオンとの戦いで、スーパーダイボウケンがコンクルを打ち倒した時のことだ。
彼、正確には5人で合体しているので彼らか、彼らは確かに"力"もあった。だが、その"力"ではまだ上回っていた筈のコンクルを圧倒したのは、彼らの1つになった心だった。

彼らは冒険者であることに誇りを持っており、もはや魂の一部。心に燃えたぎる冒険者魂が、冷徹なコンクルには眩しすぎた。そして、熱すぎた。
そこからも学べる筈だ。"力"="強さ"ではなく、"心"或いは"魂"+"力"="強さ"だと。

そしてもう1つ、シンフォニーは思い至った。何故コンクルが、スーパーダイボウケンには敗れ去ったのか。実は、シンフォニーがミズーリから教えられたことはもう1つある。
『この世には、"勝利の方程式"がある』と。そしてそれは、宇宙に共通する真理だと。

"心"("魂")+"力"="強さ"

古今東西、宇宙共通、"心"や"魂"なくして強くなれることはない、そう教えられた。
シンフォニーは、共感していた。何故、辺境世界での戦いの間に気づけなかったのだろう。解き方さえ分かれば簡単に解けるような問題に延々と苦悩し続けているみたいで自分が情けなかった。
だが、彼女が出したかった"答え"に、少しずつではあるものの近づきつつあった。

一方その頃、上空を覆い尽くす暗黒雲から、蝙蝠の翼を持った影と無数の鬼の影が、地上に降り立とうとしていた。

(122.30.10.204).. 2008年10月26日 05:04   No.214003
++ クォーツ (オリカ王)…155回       
今日から3連休、更新も3連続。
1本ずつでも最低3本は更新できるわけです。
で、今日も1本。

シンフォニーがミズーリと出会い、イタチごっこの"答え"に近づき始めた日の翌日。
結局、まだ完全に固まったわけではないが、確かに"答え"に近づいている。シンフォニーはそう感じていた。実際、今の彼女の考えをミズーリが聞いたなら、ミズーリもそう思うだろう。

"強さ"とは?"弱さ"とは?その真の意味に気づくのは、難しいようで簡単だ。言葉で述べるより、心で感じた方がよっぽど早く理解できるだろう。
何故なら、真の"強さ"の大前提は「心」だから。能力などによる「力」ではなく、その人が持ちうる「心」こそが強くなる鍵である。
何かに支配されていない、真に自分に素直な心。それが"強さ"と"弱さ"の分岐点。
「…最も大切なのは心…。『真(まこと)の強さは真(まこと)の心に宿る』…!」
シンフォニーは呟いた。自分が少し前から求め続けていた"答え"を。そう、見出したのである。自分なりの「"強さ"の観点」を。

『強さは弱さを生む』
『真の強さは真の心に宿る』

真の"強さ"と偽りの"強さ"、今のシンフォニーにならその区別もつくであろう。"強さ"に対する確固たる観点を見出したのだから。
セイガら他の3人にはない、"強さ"に対して疑問を投げかける彼女だけの観点。
この世の真理の一部を、シンフォニーは知らぬ内にその手に掴んでいた。

その日の夜、暗黒雲が蠢いた。そして、無数の鬼が音程族領域の南域の森に降下していく。ここで一旦体制を整えるつもりなのだろう。
その光景を、ミズーリは密かに目撃していた。そして駆けだした。このことを、音程族の王であるシンフォニーに知らせる為に。

(122.30.10.204).. 2008年11月01日 04:46   No.214004
++ クォーツ (オリカ王)…156回       
小休止的な意味が強くなってる気がする辺境世界編。ひとまずシンフォニー編でも開始。
今回は、ある格闘家がメイン。あと、実況さんのセリフだけは《》とさせていただきますね。

西区域でミステリアスな出来事が起こっていた一方で、嵐の夜となっていた中央区域では熱狂的な声が響いていた。
その原因は、現在中央区域で行われている、総合格闘技トーナメント。プロレスボクシングといったジャンルにはこだわらず、格闘家達がしのぎを削り合うメジャーイベントだ。
毎年秋から年末にかけて、大規模なトーナメントバトルが繰り広げられている。いわば、辺境世界での"お祭り"の1つなのである。

そんなトーナメントバトルの1試合が、まさに今行われようとしていた。どうやらこの日の初試合らしく、実況と解説がそれぞれ自己紹介する。
《さて、今夜もやって参りました、辺境世界恒例行事、総合格闘技トーナメント!司会及び実況は、オイラ、テュールが務めるぜ。解説は、なんと政治3幹部の1人レジストさんが来ているぜ!レジストさん、よろしくお願いします》
「よろしくお願いします。3幹部代表で来ちゃいました、皆さんもよろしく」
実況ことテュールは、どうやら毎年実況を務めているらしい。今年で10年目という噂だ。
解説ことレジストは、さっぱりした感じの服装をしている人型精霊。政治3幹部の1人で、その名の通り辺境世界の政治運営を支える存在だ。

客席はヒートアップ。何があったかといえば、なんと言っても選手の入場であろう。赤と青、2つの出入り口から1人ずつ選手が入ってくる。そして熱い戦いを繰り広げるのだ。
全身ムキムキマッチョな巨漢や、パワーよりもスピードを武器に戦う小柄な少年、はたまた人間世界でいうカポエラで戦うファンタスティックな女性、挙げ句の果てには人間世界でいう少林寺拳法で相手を圧倒する坊主男まで、多種多様な選手がしのぎを削り合う。

ハードかつ情熱的な試合がいくつも繰り広げられながら、やがて実況・テュールのテンションが爆発した。どうやらこの日の大勝負のようだ。
《さぁ、いよいよきたぜ!!本日の大勝負、最大の目玉、"真っ赤な闘魂"の入場だ!!!》
その言葉と同時、客席は更にヒートアップ。そして"真っ赤な闘魂"と呼ばれて飛び出してきた、文字通り真っ赤な男の姿に、客席のボルテージは限界突破といった感じである。異常なまでの人気者らしい。男が高らかに名乗りを上げた。
「よう!待たせたなお前ら!"真っ赤な闘魂"こと、ティスターとはぁ、俺のことよ!!」
会場のいたるところから声援が飛ぶ。多くの者が彼・ティスターを心から応援しているようだ。会場の声量に負けじとテュールが司会を続ける。
《いつでも恐ろしい人気を誇る"真っ赤な闘魂"に挑む青コーナーは、期待の新人にして脅威の二刀流槍使い、ルドゥクだー!》
「応援、よろしく!」
既にリングに上がっているルドゥク、テュールの紹介通り両手に槍を持っている。しかも、それぞれが結構重そうだ。握力は相当なものだろう。
そんな彼にも、ティスターへのものに負けず劣らずの大きな声援が飛ぶ。実力派新人らしく、ファンも多そうだ。ティスターもルドゥクも、ファンからの熱すぎるくらいの声援に元気に答える。
実は、彼らのタイトルマッチは辺境世界では割と注目度が高いらしく、"真っ赤な闘魂"と期待の新人のどちらが勝利するのか、それだけは絶対見届けたいという格闘技ファンも多いのだという。

そんなこんなで、会場を埋め尽くす観客からの熱すぎる声援が響く中、勝負のゴングが鳴った。

(122.30.10.204).. 2008年11月02日 07:12   No.214005
++ クォーツ (オリカ王)…157回       
本日はメイン側。1本。
シンフォニー編は、他の3編よりも短くなるかもです。何しろ、辺境世界パートが短いんで。
では、どうぞ。

暗黒雲から、無数の鬼と蝙蝠の翼を持った男が舞い降りる。近場の森林を根城とし、進撃体制を整える。整えるには、半日ほど費やした。

その間に、ミズーリ、ならびに巡回していたショベラーとミキラーから闇月族襲来の緊急連絡が出された。音程族の間に、戦慄が走る。
戦うことを嫌うシンフォニーが王であったからこそ、音程族の領域は他よりも平和だった。だが、その平和の地が、侵略者によって汚される。
誰だって、こんなことを喜ぶ筈はなかった。力ある者達は、こぞって戦闘参加を志願する。だがそれでも、報告にあった鬼の大群に太刀打ちできそうな数には思えなかった。
「…行きましょう、私達の住む場所を守る為に」
だが、シンフォニーの決意のこもった一言が、音程族の民を突き動かした。
「みんな、急いで戦いの準備を!」
この一言を合図に、音程族の戦士達は各方面へ散った。そして、シンフォニー自身も、戦場へ飛び出す準備にかかった。

一方、部隊の合流が落ち着くまではあまり動けない闇月族部隊。その筆頭に立つ、蝙蝠の翼を持つ男。彼は空を見上げていた。降り立った当初は夜だったが、徐々に日が昇り始めている。眩しく輝く朝日を眺め、今度は率いる鬼達を見る。
鬼達は皆、今にも突っ走っていきそうな状態だ。戦いたくて仕方ないのだろう。そんな彼らを黙らせると、男は北側を向き、呟いた。
「この美しい朝焼けが、これから死に逝く貴方への手向け(たむけ)ですよ。音程王…」
そう言うと、「フフフフフ」と不気味に笑った。男の狙いは、シンフォニーであった。

(122.30.10.204).. 2008年11月03日 05:53   No.214006
++ クォーツ (オリカ王)…158回       
本日は辺境世界パートその2。1本。
ブログにてルドゥクの紹介予定であります。

「先手必勝!」
ゴングが鳴るやいなや飛び出したのは、2本の槍を携えるルドゥクだ。青と水色、それぞれティアマトとアプスと呼ばれる2本の槍が、うっすらと輝き始める。
「かわしきれるかな?この連撃を!」
ティアマトとアプスを交互に、素早く突き出し、ティスターに迫る。だが、ティスターはルドゥクの雨あられの連続攻撃をひょいひょいとかわしている。しかも余裕の表情だ。

《おーっと、ルドゥク得意の通称"無双連撃"がかすりもしない!もはや"真っ赤な闘魂"にとっては余裕に回避できてしまうのかー!?》
メインの対決だけあってか、テュールの実況にも熱が入る。一方で、解説のレジストは冷静を保っているようだ。
「正直なところ、多分ボクシングとかでの回避練習に似てるんじゃないかしらねー」
《つまり、日頃の練習と同じような状態と?》
「ま、そんなところね。まぁ何にせよ、ルドゥクは攻め方を変えるべきね」

「んじゃ、そろそろこっちもいくぜ…!」
そう言うやいなや、なんと両手でティアマトとアプスを掴み、ルドゥクの動きを止めてしまう。更にそのまま右側のロープに投げ飛ばす。当然、反動で跳ね返ってくるルドゥクに対し――
「くらいな、この俺の炎のパンチを!」
拳に魔力の炎を纏わせ、強烈な右ストレートをルドゥクに見舞う。腹に直撃し、思いっきり飛ばされまた跳ね返り、今度は左ストレートが腹にめり込む。そしてまた吹っ飛び、跳ね返り――
「なんの…これしき!」
次の右ストレートには対応が間に合った。ルドゥクは2本の槍で右ストレートを受け止め、やっとリングに着地した。くらったのはたった2発、だがその2発がかなり痛い。勿論、このままで終わるつもりは一切ないわけだが。

《ルドゥク、これは痛すぎる先制ダメージ!一方で、ティスターは肩慣らしでも終えたかのように臨戦態勢に入っているぞ!》
「あの吹っ飛びようはプロボクサー顔負けね」
レジストさん、この状況からの逆転はありうるんでしょうか?》
「当然、ありうるわね。何しろ、まだ始まったばかり。ルドゥクの反撃が気になるところよ」

「さ、さすがは"真っ赤な闘魂"…やってくれるじゃないか…!ゲホゲホ」
「おいおい、初っぱなからむせてるぞ?俺を満足させてくれるんだろーな?正々堂々と」
「…当、然!」
そう言った直後、ティスターすらも驚く程の瞬発力でルドゥクは彼に急接近。更に2本の槍の内、ティアマトの先端部が2つに分かれ、その間にアプスの柄の一部が差し込まれた。
「さっきのお返し、ツインズドゥーク!!」
連結した槍は大剣となり、ルドゥクは大剣をティスターめがけて振り下ろす!
《出たー!ルドゥクの必殺技、ツインズドゥークだ!!やっぱ今回も大剣か!》
「大剣の方がパワーがあるから、真っ向勝負ならこの形態ね。でも、この大会でまだ一度もツインランサー形態を使ってないのよね…」
そう、ツインズドゥークは大剣の他、2本の槍の柄同士を連結してのツインランサー形態も持っている、2パターンの技なのだ。しかしルドゥクは好んで大剣形態を使う為、ツインランサー形態はいまいち出番がないのである。

(122.30.10.204).. 2008年11月11日 06:17   No.214007
++ クォーツ (オリカ王)…159回       
今日も1本、辺境世界パート
ブログではレジストの紹介を予定。
足の痛みと戦いながら執筆…orz

《大剣形態でのツインズドゥークがティスターを襲う!さぁどうする?真っ赤な闘魂!!》
「もう何回もその技を見てきたんだ、いい加減"アレ"のタイミングも掴めるんだよ!」
そう言い、ティスターが起こした行動とは――
「真剣白刃取り!?」
ルドゥクが驚くのも無理はない。大剣が簡単に、見事に白刃取りされたのだから。ただ、通常の真剣白刃取りと違うのは、ここでテュールがツッコむこの点であろうか。
《なんと、まさかの真剣白刃取り!でも、止めているのは手じゃなくてグローブのリングだ!勢い余って言っちまったけど、コレを真剣白刃取りと呼んでいいのか、かなり疑問だぁ!》
「呼ぶか呼ばないかは、あなた次第。ね」
《それ、どこで知ったネタですか…》
「さてと、大剣での攻撃はもう通じないぞ。ルドゥク!今回は俺の勝ちだ!」
その言葉と同時、ティスターは大剣を放り出し、バランスを崩したルドゥクの脇腹に強烈なアッパーを叩き込む。これがクリーンヒットし、ルドゥクは宙を舞った。その後、狭い放物線を描きながらリングのど真ん中に落下したのである。

《ツインズドゥーク、遂に破られるー!まさに企み砕くアッパーカット!だぜ!》
「元ネタの歌からね」
《元ネタとか言わないでくださいよ…》
「それはさておき、ルドゥクにとってはかなり苦しいわね。もう大剣形態でのツインズドゥークは通じないし、今のアッパーによるダメージも心配なのよ。逆転できるとしたら、その為の手段は安易に想像できてしまうから、ティスターに読まれやすい。正念場ってところね…」
ルドゥクにとってのチャンスは、そう多くは残されていなかった。ティスターと渡り合えるとすれば、普段使っていない技を使うしかないのだが、ルドゥクの場合はその技が何なのか簡単に想定できてしまうのである。
レジストの言った通り、ルドゥクにとってはここが正念場なのであった。

(122.30.10.204).. 2008年11月12日 05:26   No.214008
++ クォーツ (オリカ王)…160回       
辺境世界パート。1本にしようと思ったけど、文字数制限に引っかかっちゃったので2分割でお送り致しますです。
ティスターVSルドゥク、遂に決着。

「(いつもは使わないけど、パワーで勝てないならやり方を変えなきゃね…)」
必殺技であるツインズドゥークの内、好んで使う大剣形態が破られたルドゥク。逆転するならもう一方を使うしかないのだが、読まれやすいのはいかんともしがたい。
「(だけど…迷ってる暇は、ない!)」
ティスターから受け続けたダメージも大きい。あまり余裕というものはなかったのである。そして決断し…駆けた。

《おぉーっと!ルドゥクが駆けだした!どうする気なのかー!?》
「いくぞ、ティスター…ツインズドゥーク!!」
《出たー!柄同士を連結させた、ツインランサー形態のツインズドゥーク!逆転なるか!?》
「くると思ってたぜ、そのある意味での隠し球がよ!だがな、それでも俺は勝つぜ!!」
《ティスターも駆けだした!真っ向から迎え撃つつもりだー!グローブには炎が揺れる!レジストさん、これをどう見ますか?》
「ツインランサー形態なら、パワーではなくテクニックでの勝負を挑む筈。それに対し、ティスターがどこまでルドゥクのテクニックについていけるか。ここが勝負の分かれ目だと思うわ」
基本的にパワーはテクニックに振り回されやすい傾向にある。レジストの言うとおり、それにティスターがどこまで対処できるのかが、勝負の明暗を分けるのである。

「そろそろフィニッシュといくぜ!くらえ!マグナムパンチャー!!」
《出たー!ティスターの必殺技、マグナムパンチャー!!無数の素早い火炎パンチが、ルドゥクに襲いかかるー!》
マグナムパンチャー、それは、両腕をまるで注射器などのピストンを高速運動させるかの如く前後させ、それにより無数の火炎パンチを繰り出す、ティスターの必殺技である。
《…ちょっと待ってください、なんと、ルドゥクは火炎パンチの全てをツインランサーで裁いている!これは凄い!ティスターも思わず唖然!》
「隙あり!」
連打の最後の1発を打ち終え、構え直すほんの一瞬。それこそが、マグナムパンチャーの最大の欠点、唯一つけ込める隙であった。ルドゥクは、見事にその隙をつくことに成功したのだ。
お返しと言わんばかりにティスターの左の脇腹に与えられた強烈な一撃。これにはティスターも顔をしかめる――が、それだけだった。

(122.30.10.204).. 2008年11月15日 06:20   No.214009
++ クォーツ (オリカ王)…161回       
ちょいと短めだけど、分割パート2。
決着と共に大会は終わるのですが…辺境世界のモンスター達に異変が起こり始めたようです。

《なんと!ティスター、直撃を受けたものの吹っ飛ばない!これはどうしたことかー!?》
「ツインランサー形態の場合、大剣形態と違ってパワーがないから、直撃したとしても、相手によっては決定打にならないようね」
《しかも、よく見れば左腕でツインランサーを抱き抱えているぞ!ヤツは無敵か!?そして、この状況からどうする気だ!?》
そう、一撃が加えられた直後、ティスターは左腕でガッチリとツインランサーを抱き抱えたのだ。その後の、シメのカウンターを決める為に。
「言ったろ?俺の勝ちだってな」
「…!!」
そして叩き込まれたカウンターの一撃は…見事にルドゥクの腹のど真ん中にめり込んでいた。魔力の炎で燃えたぎりながら。
この一撃が決定打になったのだろう、ルドゥクは意識を失い、その場に崩れ落ちた。そして、試合終了を告げるゴングが鳴り響いた。
《試合終了ー!今回の目玉ライバル対決は、"真っ赤な闘魂"の勝利に終わったぁー!!》
「あ、"真っ赤な闘魂"たぁ、俺のことよ!!」
《最後に決め台詞まで決まったー!!今回の総合格闘技大会はこれにて終了!実況はこのテュール、解説はレジストさんでお送り致しました!》

かくして、ティスターの勝利という形で、辺境世界の総合格闘技大会は幕を閉じたのであった。

一方で、静けさ漂う西区域の夜の砂漠地帯。本来なら、夜は殆どのモンスターは眠りに就いていて、正規ルートでなくとも安全なエリアは広い筈なのだが、今は何かが違っていた。
砂漠の至る所で、砂が爆発するかのように荒れ狂っていた。その近くには、モンスターらしき影が無数に存在していた。
時々、目と思われる部分が怪しく発光し、荒れ狂っていた。見境なしに暴れていた。

この異変は、後日、西区域だけでなく、辺境世界の全域で起きることとなる…。

(122.30.10.204).. 2008年11月15日 06:39   No.214010
++ クォーツ (オリカ王)…168回       
久々に月光世界パート。久々にっていっても、所詮3回ぐらいしか空いてないわけですが。
本日は1本。

眩しい朝日が昇り、それはまるでこれから起こる出来事の一部始終を監視するかのようだ。
そして、一瞬だけ、闇月族部隊の根城となっている森林地帯を強い風が吹き抜けた。
それが、戦いの合図となった。
南の森林から、闇月族部隊が一斉に宮殿へ向け進撃を開始したのである。
それと同様に、宮殿から音程族部隊が飛び出し、防衛ラインを形成した。とはいえ、数という面では闇月族部隊の方に分があったのだが。

これには音程族領域にいるモンスター達もざわめきだした。何事かと思っているのだろう。
モンスター達のざわめきの音色がそのまま戦いを告げるオーボエ代わりとなった。
その音色は、人間時代でいう戦国時代の大きなホラ貝から放たれる音と似ていた。

他の部族と違い、鬼達の武器が誰かの武器とぶつかる、即ち物理的な戦いは少ない。
何故なら、音程族の民の殆どが『音』を武器として扱っている為、物理的な武器を必要としない空間攻撃を可能としているからである。
しかしながら、加勢しているミズーリ、ショベラー、ミキラーの3名だけは物理的な武器で戦う戦士である為、仲間はずれの感は強いか。
そんな彼らは、後方で呪文の詠唱を続けるシンフォニーのガードに徹することになっている。シンフォニーの詠唱は時間がかかるものが多い為、集団戦では詠唱中の護衛が必要となるのだ。
一応護身用のナイフもあるにはあるが、相手の数が多すぎる為役に立たず、護衛を付ける他なかったのである。彼女自身は不満だったようだが。
迫る鬼達の行く末は、張り倒されるか、殴り倒されるか、石化させられるか、この3つしかなかった。ことごとく玉砕していったのである。

そんな光景を上空から見やる、蝙蝠の翼が生えた男。彼は闇月族の音程族派遣部隊の総合指揮を任されている。つまり、幹部のような存在である。
密かに舌なめずりをする男の視線の先には、シンフォニーがいた。音程王であるシンフォニーは、彼の最重要ターゲットであった。
「フフフ…音程王シンフォニー。この私、吸血鬼シェードが直々に消して差し上げましょう…!」
その顔は、まるでこれから大きないたずらをしようとする子供の如き笑い顔だった。

(122.30.10.204).. 2008年12月06日 05:05   No.214011
++ クォーツ (オリカ王)…163回       
辺境世界パート。1本。
モンスターの変調が、月光世界だけでなく辺境世界にまで現れて…。

「最近…妙だなぁ」
倒したモンスターの死骸を回収しつつ、フィンはそう呟いていた。
辺境世界を巡り続けているモンスターハンターである彼は、いち早く察知していた。
最近、モンスター達が凶暴化しているように思えるのだ。特に、元々好戦的なモンスターの凶暴化は酷い。周辺の村などが被害を受けている。
おまけに、この現象は辺境世界の全域で起きていた。例外など何もなく。

数日後、同じようにモンスターの凶暴化を知った人々から報告を受けた中央区では、緊急で対策会議を開いていた。
だが、会議のテーブルについているのは3人。1人は、総合格闘技大会で解説役として出ていたレジスト。残る2人は、彼女の同僚である。
片方は、赤い髪に赤い目、オレンジと水色の帽子を被っている。もう片方は、金髪に黄緑の目、頭には緑のバンダナ帽を被っている。

「早速だが、知っての通りモンスターの凶暴化は深刻な問題。なんとかしないと」
赤い髪の男が切り出す。彼は、3人の中でリーダー格らしい。
「報告を称号すると、陸海空、どの地域でも、例外なく凶暴化しているみたいだし…ね」
レジストが現状を話す。そう、もはや辺境世界の中で凶暴化していないモンスターなどいなかった。フィンが最初に凶暴化したものをみつけてから、僅か数日で急速に広まっていったのである。
「凶暴化の原因は不明…ってか。多分、どいつもこいつも機嫌悪いんじゃねーの?」
「んなわけないだろ、少しは真面目に考えろ」
金髪の男が、場違いなボケをかます。するとすかさず、赤い髪の男にツッコまれる。
「そうそう、事態は深刻なのよ。でも、もしかしたらお祭り状態なのかも」
「お前もかよ」
レジストはというと、金髪の男を非難すると同時に自分もボケていた。当然、ツッコまれる。
「お前らなぁ、モンスターの凶暴化だぞ?考えてもみろ、ヘタすると辺境世界最大の危機だぞ。特にクラスタ、お前は少し緊張感を持てよ」
「へーへー、相変わらずシュルツは真面目なこったい。優等生でも気取ってるんかねー?」
「はいはい、シュルツもクラスタもそれくらいにして。話が進んでないじゃない」
「お前もその原因の一端だぞ、レジスト…」
赤い髪の男はシュルツ、金髪の男はクラスタという。レジストも含め、シュルツ以外はどうもボケ混じりらしい。特にクラスタは重傷なようだ。
「とにかく、だ。俺達『政治三幹部』が本格的に動かないといけないらしい」
「そうね、空の幹部である私、海の幹部のクラスタ、そして陸の幹部のシュルツ」
「この全員が動かねぇと事態は収められそうにないみてぇだな」

(122.30.10.204).. 2008年11月22日 05:11   No.214012
++ クォーツ (オリカ王)…164回       
新たに判明した、陸の幹部と海の幹部。
この2名もブログ紹介予定
辺境世界パート続き、1本。

政治三幹部、それは東西南北の4区域の代表達だけでは扱いきれないような事業や事件を処理する為に選ばれた、文字通りの幹部達である。
陸海空の三すくみで成り立っており、それぞれに1人ずつ、計3人の幹部がいる。
キャリアよりも行動力を求められた結果、3人とも若者が選ばれた。あくまで三幹部に求められるのは、最低限の生活常識と、様々な出来事に積極的に関わろうとする行動力なのである。
陸の幹部シュルツ、空の幹部レジスト、海の幹部クラスタ。この3名には、それがあった。
彼らの生活拠点は、中央区域のセントラルタワーだ。ここで自分達が出向くべき時を待ちつつ、3人で分担して内政も行っている。
そして、彼らが出向くべき時とは、今回のモンスター凶暴化などのように世界規模で被害が生じるような事件が発生した時であった。

一方で、西区域のオアシスでも、モンスターの凶暴化に悩まされていた。
何故なら、凶暴化したモンスターの一部が、正規ルートにも侵入してくるようになったからだ。本来、正規ルートにはモンスターは侵入してこない筈なのだが、その理屈は通用しなくなっていた。
オアシスにまでは被害は及んでいないが、このままでは迂闊に外に出歩けない。実質上、オアシスに住まう者達は孤立してしまったのである。
うーむ、これはどうしたものか…」
オアシスの長、ローレルも頭を悩ませる事態だ。このような現象は初めてなのだから。
「大丈夫、万が一ここに攻め込まれたって、クレセンで片っ端から薙ぎ倒すからさ」
「はは、頼もしいお嬢さんだなぁ」
ローレルの心配をよそに、レミアはいつも通りの調子でオアシスの防衛を宣言する。いくら時代を越えているとはいえ、経験自体はまだ浅い筈。
そんな乙女が力強い宣言をしてくれるのだから、頼もしいとしかいえないローレルだった。

モンスターの凶暴化が原因なのか、いつでも波の高い辺境世界の海が、今は激しく荒れていた。
更には、何か不吉なことが起こる前兆かのように分厚い灰色の雲が空を覆いつつあった。

「…あり得ない…そんなことって…」
地下世界、万物の泉の中で、ユニバースは何か異変を感じ取った。
漏れた言葉から察するに、辺境世界では起こりえなかったことであることは間違いないだろう。

(122.30.10.204).. 2008年11月23日 05:57   No.214013
++ クォーツ (オリカ王)…165回       
辺境世界パート。1本。
最近、就職戦線に異常アリとはよくいったものでして。酷いですよね、今。
受かっても落とされる―そんな恐怖の時代が幕を開けてしまっているのです。
そんなご時世で就職なんぞできるかバカヤローなどと思いつつ、今日も書くのです。

辺境世界の空を覆い始めた分厚い灰色の雲。それは次第に渦を巻き、突然中心から半径5キロほどの穴が空いた。そして、動きを止めた。

「間違いないな」
「間違いないわね」
「間違いねぇ」
シュルツ、レジスト、クラスタは、その異変に対して何かを確信した。その何かとは―

『巨大な、次元ゲート』

そう、雲に空いた穴は、ただの穴ではなく、世界と世界を繋ぐ次元ゲートだったのである。しかもかなり巨大で、ここまで大きなものは辺境世界でもかなり珍しいものだ。
それが何故、モンスター凶暴化の真っ只中で開いたのか。寧ろ、他の世界への安全を考慮すれば、閉じられるべきシロモノであるというのに。

巨大次元ゲートの真意にまず気づいたのは、万物の泉にて異変を感じ取ったユニバースだった。
「…泉に引きこもってる場合じゃないわね…」
そう言うと、一瞬で姿を消した。テレポートにより、セントラルタワーまで瞬間移動したのだ。
目的は三幹部。自分が感じ取ったことを、彼らに知らせなければならないと思ったからだ。

「…ということは、あの次元ゲートはこの世界に干渉する為の中継システムだと?」
「そう。誰が開いたのかまでは分かりませんが、あのゲートからはモンスターを凶暴化させる力が放出されています。そして…」
「凶暴化したモンスター達を、犯人がまとめて自分の世界に連れ込む為のものってか…」
「となると、犯人は兵を欲していることになる…でも、どうやってあんな巨大なゲートを…?」
話を聞き、ユニバースに確認するシュルツ。彼に答えるユニバースの話から、ゲートのもう1つの目的を推理するクラスタ。そして、レジストは犯人の心境を推理する。やがて、結論が導き出された。このゲートを開くような存在といえば―
『ネヴィア!』
ネヴィアの情報なら、かつてセイガ達が辺境世界に迷い込んだ際、ダイボウケンが彼らから得たものを知らされている。月光世界を侵略すべく、突如現れた存在だと。その侵略の矛先が、辺境世界にも向けられようとしていたのである。

(122.30.10.204).. 2008年11月29日 05:59   No.214014
++ クォーツ (オリカ王)…166回       
本日はメインサイド。長くなったので2本。
ネヴィアの侵略の矛先は、月光世界だけでなく辺境世界にまで及ぶ…。
今回はネヴィアオンリーっぽい話。ちょっと状況整理の意味もあります。
そして今回、次元ゲートが開かれた真の目的が白日の下に晒されます。

「次元の壁の融解率、40%を突破しました」
「うむ」
ここは、ネヴィアが常駐している闇月族司令室。ネヴィアは、部下からの報告を聞いていた。
「融解率が100%になるまで、あとどのくらいはかかるのだ?」
「はっ、このペースでいきますと、早くて2週間ほどかと思われます」
「そうか…。よろしい、下がれ」
知りたいことは知った――部下を退室させると、メモリーチップデスクの端末に差し込み、ウィンドウを展開した。その画面には―

『闇月族、月光との戦闘記録』

とあった。

『戦闘1、可変三銃士が4部族王と交戦。一時はこれを苦戦させるが、反撃に転じられ敗北』

『戦闘2、ネヴィアが4部族王の進撃に対して応戦。圧倒的な実力差で、これを撃破。以後、部族王らは辺境世界へ飛ばされたと断定』

『戦闘3、辺境世界にて、セントラルタワー四天王と4部族王が交戦。最終的にセイガに重傷を負わせることに成功するが、アドベンチャーチームの援護により敗北』

『戦闘4、同じく可変三銃士及びコンクル・シオンと4部族王が交戦。可変三銃士はアドベンチャーチームによって撃破されるが、コンクル・シオンは圧倒的な力で4部族王のほぼ全員を戦闘不能に陥れた。だが、彼もまたスーパーダイボウケンによって、敗北を喫する』

「ふむ、ここまでが派遣前までの戦闘か」
ネヴィアが月光世界の各方面に部隊を派遣する前までの戦闘記録である。

(122.30.10.204).. 2008年11月30日 05:50   No.214015
++ クォーツ (オリカ王)…167回       
続き。
あ、昨日シュルツの紹介を投下しておいたので、宜しければドウゾ。

終わった戦闘に関しては、随時記録が残されていくのだ。そして今も、新たにいくつかの記録が届けられていたところだった。
そう、派遣後の戦闘記録である。

『戦闘5、月光世界にて、ソウル率いる派遣部隊が流星族と交戦。ソウルはセイガと互角の勝負をしたが、最終的に撃破される』

『戦闘6、同じくアマノジャク率いる部隊と気功族が交戦。途中、スパイとして先行派遣した筈のヴォルクからの裏切りが発覚、アマノジャク自らが処刑。この行為がグレンドルの怒りを買い、壮絶な戦いの末、これに敗れる』

『戦闘7、同じくサイエンス率いる部隊が時空族と交戦。他と違い、サイエンスとレオンは独立行動中に戦闘を開始した模様。途中でムーンライトの介入を受けるが、特に攻撃行為は確認できず。最後、サイエンスはレオンに撃破される』

『戦闘8、同じくシェード率いる部隊が音程族領域に降下、体制を整えた上で音程族と戦闘開始。現在、戦闘継続中』

以上が、これまでに起こった、もしくは起こっている、闇月族と月光世界の者との戦闘記録の全てである。記録にもある通り、現在シェードの部隊と音程族は戦闘継続中だ。
「これだけ投入してもまだ粘り強く抵抗されるとはな…。やはり、辺境世界からの流れ者達が抵抗に関与しているとしか思えん」
そう呟き、一瞬微笑してから更に呟いた。
「だが、かけておいた"保険"が、遂に始動した。これで、一気に殲滅させることも容易くなる筈なのだ。そう、月光世界も辺境世界も1つになってしまえば、凶暴化した無数のモンスターを配下に加えるだけで、世界の征服は一気に進むことだろう…。フフフ…フハハハハハハハハ!」

なんということであろうか。先程の"次元の壁の融解率"の話は、ネヴィアの目論む"月光世界と辺境世界の融合"までの進行状況だったのだ。
辺境世界には、月光世界以上にモンスターの多い世界だ。それ故、モンスター達が凶暴化すれば、確実に大パニックとなる。その状況を月光世界にも伝染させることで、4部族の弱体化と同時に兵力増強を謀り、一気に世界を征服してしまおうという、暴挙というべき大作戦であった…。

(122.30.10.204).. 2008年11月30日 06:14   No.214016
++ クォーツ (オリカ王)…168回       
本日は音程族VS闇月族で。1本。
あと2週間ほどで冬休みが訪れる学校も多いでしょう…時が経つのは早いもんです。

ネヴィアが恐るべき計画を進めている一方で、音程族は闇月族部隊と激しく交戦していた。
空間攻撃という、効果範囲に優れた攻撃手段を多く持つことが幸いしたか、数の不利というものはあまり感じさせない。互角の勝負だ。
だが、倒しても倒しても現れる鬼達に苦戦を強いられているのは事実。次第に夜が更け、やがては真っ暗になってしまった。
だが、それこそがシェードの待っていた瞬間だった。彼の最も得意とする戦闘状況、即ち深い夜になるまでじっと待っていたのである。
またもや舌なめずりをし、シンフォニーめがけて急降下した。任務遂行の為に。

それをいち早く察知できたのは、ミズーリだった。魔力を用いた突風をあらぬ方向に飛ばす―と思いきや、その突風を何かが避けるのをシンフォニーも確認できた。耳を澄ませば、僅かながら羽音が聞こえる。だが、それは注意して聞かないと分からない程小さい。それをミズーリは瞬時に聞き取り、羽音のする方向を突き止めた。

ミズーリは、感覚が優れている精霊だ。特に第六感に優れている。以前、森の中でシンフォニーの微かな呟きを聞き取ったのもそのおかげである。後から聞いた話では、生まれつきらしい。
そして彼女は、月光世界の住人ではない。ではどこの住人なのかというと、唐突に語られた。

「フフフ、よくぞ私の接近を察知しましたね、辺境世界からの流れ者よ!」
「(辺境世界?まさか、あそこから月光世界に来たっていうの?あのゲートを使って?)」
そう、ミズーリもまた辺境世界の住人である。彼女と初対面した時、シンフォニーが彼女のことを別の世界の住人であるように思えたのも無理のない話であった。実際、別世界の者だったから。
「それがどうかしたの?あんたの突撃コースなんて、単調ですぐ分かったわよ!」
またも突風を起こす。今度は当たった。これによりバランスを崩し、シェードは地面に落ちた。だが、さすがに闇月族の幹部。すぐさま体制を立て直し、攻撃態勢に移る。
ショベラーとミキラーがそれぞれの技で迎撃に当たるが、相手はかなり素早いようで、ことごとくかわされる。何度も何度もかわしつつ、シェードは突然大の字になった。
そして彼から放たれたのは――敵も味方も無差別の、悪夢を告げる"音"だった。

(122.30.10.204).. 2008年12月06日 04:54   No.214017
++ クォーツ (オリカ王)…169回       
音程王VS吸血鬼の続き。1本。
ホントに冬休み前に終わっちゃうような…。

シェードから放たれた"音"、それは超音波。その超音波が、ミズーリやショベラー、ミキラーを苦しめることになった。
「…っ!?な、何、これ…!?」
「体が、しびれて…」
「こ、この超音波に、身体機能を麻痺させる効果があると、分析結果に…」
そう、ショベラーの分析通り、今シェードが放っている超音波には、相手の身体機能を麻痺させる効果があるのだ。勿論、普通の超音波ではそういうことは起こらないのだが、そこら辺の考えは捨ててしまった方がいいだろう。何せ、相手は未知の存在・闇月族なのだから。
「フフフ…。あなた達に抵抗されると非常に面倒なのでね…。先に始末させてもらいますよ!」
不気味に笑いながら、シェードが爪を光らせて突撃してきた。特殊超音波のせいでまともに動けないミズーリ達は、いい的だ。

シェードの発言からすると、闇月族でも辺境族についてはある程度マークしているようだ。邪魔になるなら始末するように、ネヴィアから命令されたのだろう。

「さぁ…安らかに眠…!?」
「楽章名・奏!!」
ミズーリに一撃を加えようとしたその時、突如強力な魔法攻撃がシェードを襲った。一連のやりとりの間に、ひっそりと詠唱していたシンフォニーによるものだった。
「む…っ、ぬおっ!?」
とっさに回避するが、広範囲かつ攻撃密度の高いシンフォニーの『楽章名・奏』による魔力攻撃には対処しきれない。何発か被弾し、自慢の翼も片方おしゃかにされたようだ。
いきなりの奇襲。それに対し怒りもあらわにシェードは攻撃の主=シンフォニーを睨む。対するシンフォニーも、シェードを睨んでいる。よく見ると、声こそ聞こえづらいが口は動いている。
何か詠唱をしているのだろう。もしまた先程のような攻撃がこようものなら、おそらく対処できない。翼を片方やられたことで、バランスが崩れて本来の機動性を発揮できないのだ。
ふと、シンフォニーの口の動きが止まった。次の瞬間、状況は動いた。

「楽章名・奏!!」
再び、広範囲かつ攻撃密度の高い攻撃。いくら先程パターンを見ているとはいえ、密度の高さと機動性のハンデのせいで1回目の時よりも被弾していく。この一撃で、左腕ともう片方の翼もやられた。シェードにとって、大ダメージであった。
「く…っ。やりますね、音程王。この吸血鬼シェードをここまで追いつめるとは…」
素早く投擲用ナイフを取り出しながら、シンフォニーはどこか冷めた感じで言った。
「悪いけど、私、戦いは嫌いなの。だから、あなたには早く去ってもらいたいの」
「ほう、何を言い出すかと思えば…」
シンフォニーからの最終通告的な発言に対し、シェードは一旦間をおいてから、こう言った。
「私はね、この世界から弱き者を消す為に生きているんです。そして真の強さを手に入れ、最強の座につき、いずれは世界の王として君臨するのが我が夢。今、ライバルこそいるものの、夢の実現に近づいてきたんですよ。所詮、あなた如きが止められるような、ヤワなシェード様じゃないこと、今から教えて差し上げます」
そう言うと、シェードの体に異変が起きた。

(122.30.10.204).. 2008年12月07日 07:01   No.214018
++ クォーツ (オリカ王)…170回       
シェードとの決着近し。1本。
あと1週間ほどで冬休みに突入する私。
シェードに設定追加しちゃいました、すいませんウェリスさん。

「……うおぉぉぉおおおおおお!!」
「っ!?」
雄叫びを上げ、シェードの体が変貌した。体は異常活性化した筋肉で肥大化し、爪は禍々しく伸び、背中からは新たに2枚の、巨大な翼が生えた。

その姿は、後ほど「魔王」と称された。

「ぅううああああああああああ…!!」
「なっ…何だ、コイツ…!?」
「シェードが…」
「変身した…!?」
一方で、超音波による麻痺が解けたミキラー、ショベラー、ミズーリもまた驚いていた。
敵にさえ敬語を使うような、紳士のような出で立ちだったあのシェードがモンスターと化したのだ。無理のない話である。
シンフォニーも、静かに投擲用ナイフを構えて臨戦態勢を継続している。
「…音程王…貴様には止められまい!世界の王という座を掴む為、使えるものは何でも使った!その結果がこの真の体!!圧倒的な力で敵をズタズタに引き裂く、禍々しき体ぁ!!!」

どうやらモンスター化すると意識が狂うらしい。彼らしくない、気の狂ったような大声を出しながら、両腕を振り上げた。そして、振り下ろした。
長い爪がシンフォニーに襲いかかる。とっさに跳躍してかわすが、その直後に彼らしからぬものが襲いかかってきた。
風圧による衝撃波だ。直接狙われたシンフォニーだけでなく、シェードの半径2メートル以内にいた者全てが吹き飛ばされた。
「……哀れな話ね…」
「何っ!?」
衝撃波で吹き飛ばされ、近くにあった大木に叩きつけられながらも、シンフォニーはシェードに鋭い視線を送り続けていた。
そして、猛威を振るい続けるかと思われたシェードの体に、またもや異変が起きた。

(122.30.10.204).. 2008年12月13日 05:06   No.214019
++ クォーツ (オリカ王)…171回       
シンフォニーVSシェード、決着。
でも、まだ少し続きます。ネヴィアの動き、辺境世界の動き、など。
では、決着編をどうぞ。

「な、なんだこれは…体が、体がぁぁっ!!」
左腕と背中から、シェードの体は砂のように次々と崩れてゆく。崩壊の起点となったのは、変身前にダメージを受けた場所だった。
「こ、この…小娘がああぁぁぁっ!!」
残っている右腕の爪を伸ばし、切り掛かる…が、これまた崩れてしまった。振り下ろす時の風圧に耐えられなかったようだ。
「確かにその姿の力は凄まじい…王にだってなれるかもしれない。でも…変身前に大きなダメージを受けていると、その部分を起点として体を維持できなくなるみたいね…!」
「ぐぅっ!?」

シンフォニーの言うとおり、シェードの変身した姿は非常に不安定であった。
力を徹底的に求めた結果、身体機能のバランスにズレが生じ、それ故に肉体へのダメージが悪影響を及ぼし、自己崩壊に繋がってしまうのだ。
シェード自身も把握していなかったこの致命的な欠点は、シンフォニーの勝利の鍵として露呈してしまったのだった。

"強さ"を求めすぎたが故に道を誤り、己自身が滅びることになる。つまり"弱さ"である。

「"強さ"は"弱さ"を生む…地獄で反すうしながら後悔するといいわ…。トドメ刺すから…」
シンフォニーが、今までとは違う詠唱を始めた。新しい技か。それはシェードも分かった。
だが、今のシェードには何も出来ない。動くだけで体の崩壊が進んでしまうのだから。
そして、トドメの一撃は放たれた。
「裁きの譜歌(ジャッジメント・ソング)!!」
詠唱完了と共に、シェードの周りを取り囲むように無数の光の剣が現れた。光の剣によって描かれたサークルは、シェードの動きを封じるフィールドとなっていた。
続いて、今にも裁きを下そうとしているかのように、巨大な光の剣がぬうっ姿を現した。
「さぁ…せいぜい最後の懺悔でもしなさい…」
巨大な光の剣の切っ先がシェードの頭に突きつけられ、シンフォニーは冷たく言い放った。
「懺悔など…することなし!」
「そう…じゃあ、消えなさい」
あくまでも意地を張るシェードに対し、シンフォニーはもはや冷徹とも呼べる声でそう告げた。
そして、巨大な光の剣がシェードを真っ二つに叩き切り、サークル内で爆発が起きた。

爆発による煙が晴れた時、サークル内にあったのはシェードの翼1枚だけだった。

(122.30.10.204).. 2008年12月14日 06:25   No.214020
++ ウェリス (オリカ王子)…115回       
お久しぶりです。・・・って範囲じゃないですよね^^;
冬休みにもうすぐ入りますが、出来るだけ書きに来れるよう頑張ります!
―って言ってサボらないようにしないと。。。(ぇ


一方ギルドたちは鬼達と対峙している。
どうやら、此方が優勢になってきたようだ。
「皆頑張れー!パワーマーチング!」
ヴァーチェが術を放つと雪のように空から光が舞い降りた。
その光が仲間の体に当たり、輝く!
「ヴァーチェ、助かる!―剛断旋(ゴウダンセン)!!」
スフォルツが身体ごと旋回、迫り来るゴルドの腕を切り落とした。
「何っ!?こうなったら・・・聖落連牙衝(セイラクレンガショウ)!」
「無駄な足掻きを・・・唸れ、大いなる刃!ツァンドファング!!」
剣が2本砕け散った。
―それはどちらの剣もゴルドの物だった。
そして彼自身もキズを負い、倒れた。
長とも言えるゴルドが倒れた為か、鬼達はたじろいだ。
「隙ありッ!爆烈焦(バクレツショウ)!」
フォーコが本から炎を呼び出し、鬼達を焼き尽くす!
その時、シンフォニーがいる場所から闇を引き裂くような光が放たれていた!
「うおっ!?まぶしっ!!」
アパショナーが顔を覆いながら言った。
鬼達は光が苦手なのか、その光で倒れていった。
「あれは・・・裁きの譜歌(ジャッジメント・ソング)か!?」
ギルトは知っていた。
シンフォニーが新たな技を習得した事。
それは音程族の技の中でも強力で、使えるものはそうそういない・・・と。

しかし、ギルトが感じたのはそれでは無い。
「・・・シンフォニーの身に、何かを感じる・・・!」
物心付いた時には、ギルトは走り出していた。

(220.213.104.15).. 2008年12月19日 21:25   No.214021
++ ウェリス (オリカ王子)…116回       

「シンフォニー!」
「ギ、ギルト!?そっちの方は大丈夫なの!?」
少し焦り、シンフォニーはギルトを見る。
走ってきた為か、呼吸が乱れている。
ギルトは頷き、焼け焦げた大地を見た。
裁きの譜歌(ジャッジメント・ソング)によって焦がされた大地だった。
そのミステリーサークルのような地に羽が一枚。
―おそらく敵の物だろうと思った。
その時、背後で気配が蠢いた。
「!?」
2人は振り向くと、そこには先程倒した筈のシェードがいた。
全身焼き焦げ、片翼が千切れ飛んでいる。
それでも魔物と化した身体は動き続ける。
1激でも攻撃を打ったら、それで最後だろう。
「私は・・・まだ死ぬわけにはいかん・・・音程王・・・貴様を・・・殺す!!」
片翼を広げ、超音波を放つ構えをする。
心臓辺りで巨大な気が渦を巻く。
それは・・・巨大な闇の気だった。
「死んでしまえぇぇぇぇっっっ!!!」
身体が崩壊する・・・。
ぶちり、ぶちりと身体が悲鳴を上げているのも聞こえていた。
―だが、今はそれどころではない。
どす黒い超音波が此方に来る!!!
『これじゃあ・・・避けられない!!』
シンフォニーは初めて死を覚悟した。
死ねないと分かっている。でも・・・
シンフォニーは自分の身体を守った。
 
不思議だ。
超音波の音も、当たった感覚も、何も無い。
死ぬと聴覚は勿論、感覚が無くなると聞いたことがある。
―じゃあ、死んでしまったの・・・?
 
恐る恐る、その目を開けた。
身体は無傷だった。
理由は目の前にあった。
「ギルド・・・!」
ギルドが倒れていた。

(220.213.107.193).. 2008年12月19日 22:01   No.214022
++ ウェリス (オリカ王子)…117回       
「ギルド!ねぇ、しっかりしてよ!」
ギルドがゆっくり目を開けた。
が、いくら治癒術を使ったとしても間に合わない事は明らかだった。
「ゴメンな・・・シンフォニー・・・。また1人にしちまって・・・。」
シンフォニーはただ涙を流し、彼を抱きしめる事しか出来なかった。
「でも・・・分かってるだろ・・・。お前は音程族の・・・王だ・・・。だから・・・何があっても生き延びろ・・・!」
「ギルト・・・御免なさい。私のせいで・・・、私のせいで・・・!!」
涙を拭う事も出来ない。
ただ、彼を―失ってしまいそうな彼を見つめ、抱く事だけが全て。
ただ、それだけだった。
ギルトはゆっくり手を伸ばし、シンフォニーの涙を拭った。
そして、首に手をかけ、ネックレスをシンフォニーの手に置いた。
「これは・・・」
それはギターの形をして、真ん中に音程族にしかない宝石、音力石が埋まっていた。
「俺の・・・母さんからの・・・形見。・・・そして、俺からの・・・形見さ・・・。」
そう言って、シンフォニーの首にかけた。
「俺は・・・後悔なんてしていない・・・。シンフォニーを・・・大事な人を・・・守ったからな・・・。」
零れ落ちた涙がぽたりぽたり、とギルトの頬に落ちる。
その1粒の涙でもしも彼の怪我が治るなら・・・と願ってしまう自分がいる。
「シンフォニー・・・この・・・歪みきった世界を・・・皆と救い出してくれ。・・・それが・・・俺の願いだ・・・!」
「うん・・・。うん・・・!」
シンフォニーは強く頷き、ギルトを抱いた。
その腕に抱かれ、ギルトはゆっくり息を引き取った。

―世界の救済をただ、祈って―

「はは、くはははは・・・!」
崩壊した体がまだ生きていたか、シェードは笑った。
「残念だったな・・・!音程王よ!!」
シンフォニーは立ち上がり、シェードを睨んだ。
その目には悲しみと怒りが篭っていた。
「貴方を・・・許すわけにはいかない!!この死に底無いッッ!!!」
シンフォニーの足元に魔方陣が広がる。
が、詠唱は一瞬にして終わった。
「これが貴方に送る裁き!受けなさい!!―裁きの譜歌!!」
あの上級術を、一瞬にして放つ。
もう、迷いなど無い。
そう言うように、巨大な剣はシェードの身体を今度こそ貫いた。

(220.213.107.193).. 2008年12月19日 22:26   No.214023
++ クォーツ (オリカ王)…172回       
確かに、お久しぶりというにも間が空きすぎてますけどね…。取り敢えずお久しぶりです。
ストーリー投下ありがとうございます。シンフォニー編はもうちょいで完結です。
では、続きどうぞ。2本にします。

今度こそ、シェードは倒れた。そこで、ショベラーとミキラーが急いでギルドを医療施設に運んでいく。だが、疑問の声が出た。
「既に彼は死んだと分かっている筈なのに、何故手を施そうとするの?」
声の主は、ある意味で意外なものだった。シェードに対する怒りと悲しみでいっぱいいっぱいのシンフォニーだったのである。
彼女に答えるは、未だに彼女の足元に広がっている魔法陣を見つめるミズーリだ。
「あなただって、本当は認めたくないんでしょ?彼の死を…」
「そ、それは…」
確かにそうだった。シンフォニーはギルドの死を心の奥では認めきれていない。だがそれも、分かる人にはあっさりと分かってしまうことだ。
「それはね、生きとし生ける者として、正しいことなの。『"もがきあがくこと"こそ生命の本質』って教えがあるわ。己の死というものに対して、決してそれを認めず、あがき続けること。要するに、覆しようのない事実になるまでは、絶対に諦めてはいけないってことよ」

ミズーリがシンフォニーに教えた、『"もがきあがくこと"こそ生命の本質』という教え。これは、辺境世界では義務教育で教えられることなのである。つまり、民の大半は知っていることになる。
辺境世界は、かつての分断災害から逃げ延びた者達によって新たに住居世界として発展させた、まさに辺境の世界だ。その発展は常に"もがきあがくこと"によって成り立ってきたのである。
生命というものは、己に降りかかる困難に対して何らかの形であがきを見せるものだ。時にはもがき苦しむことだってある。だが、それこそが生命の本質であり、生きている証なのだ。
特にフィンやテュールといった古参メンバーには深く心に刻まれている掟のようなものらしく、彼らの倫理観に大きく影響していたりする。
ミズーリが古参メンバーであるかは仲間内ですら定かではないが、それでもこの教えが彼女の心にも深く刻まれていることだけは確かである。

医療班によって賢明の処置が施されたが、結局ギルドは死亡と断定された。だが、できることはやったのが現状だ。誰も否定することはない。

(122.30.10.204).. 2008年12月20日 05:27   No.214024
++ クォーツ (オリカ王)…173回       
それと同時進行で、ショベラーとミキラーはギルドがシンフォニーに渡したネックレスの解析を行っていた。このネックレスから、プレシャス特有の特殊反応が感知された為である。
「…やはり、これはプレシャスと見て間違いありません。チーフに報告を」
ネックレスをケースにしまい、通信端末を起動させるよう促すショベラー。
「OK。でも、だからといって僕達が管理していい筈がないよ、そのネックレス」
端末を起動させつつ、改めてネックレスの持ち主を定めるミキラー。彼は、いくらプレシャスだからといって自分達がネックレスを管理することに否定の意を唱えた。
「では、一体誰が?」
「愚問だね。シンフォニーに決まってるじゃないか。これは、彼女友達と、その母親の形見なんだからさ」
ショベラーからケースを受け取り、端末へと視線を戻す。やがてその画面には、ダイボウケンの姿が映った。健在であるのは明らかだ。

「そうか…やはりこの世界にもプレシャスが…」
ショベラーとミキラーによって、月光世界にもプレシャスがいくつもあることは完全に理解できた。そして、シンフォニーが図らずもその一部の所有者になったということも。
「だが、そのネックレスが友の形見であるというならば、俺達が管理する理由はない。シンフォニーに返してやってくれ」
ミキラーと同様、ダイボウケンもまたネックレスの所有権はシンフォニーにあると定めた。何が起ころうとも、少なくとも月光世界にとってマイナスにはならないだろうという判断からだった。
本来なら、プレシャスと断定した時点で専用ケースに保管し、辺境世界にある本部へと送られることになるのだが。ここはチーフとしての特例処置を施すことでそれを免除した。

「いいのですか?これはさすがに"ミスター"に怒られる可能性が…」
「問題ない。"ミスター"も納得した上での特例処置だからな、おとがめはナシだ」
"ミスター"とは、アドベンチャーチームを統括するボスのような存在である。チーフであるダイボウケンに指令を打診し、プレシャスを回収させる司令塔だ。正式名称は「ミスター・ボイス」。だが、それ以外のことは謎に包まれている。
そんな存在に咎められるのではないか、そんなショベラーの危惧は取り越し苦労だったようだ。理由は、ダイボウケンが述べた通り。"ミスター"も納得しての特例処置だったのだから。

だが、彼らは知らなかった。今現在、自分達の故郷である辺境世界で、世界の存在自体が揺るぎかねない大異変が起こっていることを…。

(122.30.10.204).. 2008年12月20日 05:50   No.214025
++ クォーツ (オリカ王)…174回       
明後日から冬休み突入であります、私。
ずっと前に話した、冬休み中の超連続更新企画。実行に移せそうです。
っと、シンフォニー編も残すはネヴィアら闇月族の動きと、辺境世界の異変への対処ぐらい。
では、まずは辺境世界編で。2本でどうぞ。

「…ダメね、各区域の通信、途絶」
レジストが全ての通信端末を調べるが、どの端末からも応答は全くない。砂嵐のようなノイズがただただ続くだけである。
「ターミナル同士のリンクも切れちまってる」
クラスタからの報告も芳しくない。辺境世界では唯一ともいえる、大陸を越える術。そのターミナル同士のリンクが使えないとなれば、民達はそれぞれの大陸に閉じこめられることになる。

各区域共に、ほぼ全てのシステムが機能停止、もしくはそうなる寸前に陥っていた。今頃民達は、大混乱に陥っている筈である。

「まさか、月光と辺境、2つの世界の境目をなくしてしまおうだなんてな…」
シュルツは、ただただ空を覆い尽くさんとする巨大ゲートを睨みつけながら呟いた。
各区域で凶暴化したモンスター達が、相次いでターミナル近辺に集中的に出没。ターミナルは甚大な被害を受けてしまっている。各区域の中心部も、かなりの被害が出ている筈である。
そしてその元凶であるゲートは、未だに拡大を続けていた。ユニバースいわく、水平線まで達したら前人未踏の悪夢が始まるという。
その悪夢は即ち、月光世界と辺境世界の融合ということであるのは間違いなかった。

月光世界と辺境世界は、その祖を同じとしながらも、それぞれで独自の文化と生活形態を構成して今日まで生きている。
いくら他者による意図的なものであるにせよ、この2つが融合した際、それぞれの民同士の間で紛争などが起こる可能性は否定できない。
それ故、外交問題を任されている身としては、2つの世界の融合だけは避けたかった。だが、その原因となるゲートへの対処法が何一つなかった。それが、シュルツにとってもどかしかった。

ゲートの周辺には、放電と思われる光がほとばしり始めている。ゲートを維持するエネルギーが活性化している証拠である。
凶暴化したモンスターが暴れ回り、主要都市やターミナルはもはや機能を維持できない。特にターミナルは致命的で、たとえ事態が収まったとしても、復旧で何日費やすハメになるか分かったものではない。だが、今はそんなことを言っている場合ではない。それ以前の問題なのである。

万が一月光世界と辺境世界が融合してしまえば、もはや何が起きるか分からなかった。

(122.30.10.204).. 2008年12月21日 05:52   No.214026
++ クォーツ (オリカ王)…175回       
ふいに、1つのコンピューターの画面が真っ黒になった。それに気づいたのはクラスタだった。
それと同時、セントラルタワー全体が不気味な音を立てて沈黙した。
「やべっ、全体動力システム停止!!」
クラスタが告げた、全体動力システムの停止。それは、セントラルタワーにとっての完全機能停止を意味している。全体動力システムによって、セントラルタワーの全ての機能が働くのだから。

「ここがオシャカになったってことは、きっと他の区域も、もう…」
辺境世界において、セントラルタワーほど頑強なシステムはない。つまり、ここが機能停止に陥ったということは、既に他の区域の主要システムも完全に停止しているということになる。
ゲートへの対処もできず、為す術もなく機能を停止していく辺境世界。レジストの脳裏には、言葉にできない不安がよぎった。

だが、意外な言葉が辛うじて残っていた広域放送用のスピーカーから飛んだ。全区域に向けて。

「諸君!政治三幹部が1人、シュルツである!間に合わせではあるが、議長承認を得た上で発令する!戦える者は、ただちに戦う準備をせよ!この異常事態は、全て異世界からの侵略者、闇月族の長、ネヴィアによるものである!
ヤツは、この辺境世界と上にある月光世界を融合させ、一気に侵略するつもりである!2つの世界が融合してしまえば、辺境世界とて無事では済まない!それよか、我らの全てが、土足で踏み込んできた侵略者によって踏みにじられる!
もがきあがくことこそ、生命の本質!今、その教えに従い、もがきあがく時が来た!ネヴィアと、闇月族と戦うのだ!月光世界の者にとっても、我らにとっても、闇月族は共通の敵!だから戦うのだ!本来祖を同じくする我らと月光の民、たとえどこかでいざこざが生まれようとも、必ずや解決できる筈なのだから!
戦うのだ!あがくのだ!命ある限り!!」
一応、通信システムが生きている間に、ゲートと凶暴化についての説明は終えている。そして、シュルツはいつの間にか議長ことフィリーから承認を得て、広域放送用のスピーカーへと駆け込んだ。そして告げた。戦闘態勢への移行を。
シュルツはいわば代理、この言葉は殆どフィリーによるものである。だが、フィリーは普段東区域にいる存在。それ故、この状況下で彼の意志を伝えるには代理が必要となっていたのだった。

では、何故このような発令に至ったのか?答えは簡単だ。ゲートへの対処法がない以上、もはや世界の融合という事態は避けられない。
ならばいっそ、可能な限り体勢を整え、世界の融合によって現れるであろう闇月族の軍を速攻で一網打尽にしてしまおうというのである。
当然、モンスターからの妨害は入るだろうが、元々もがきあがくことで生きてきた集団である。逆に迎撃できるだけの技量を皆持ち合わせているという。発展の中で、何度となくモンスター達と戦ってきたのだから。

ゲートの端が水平線に達するまでにそう時間はない。だがその頃には、各区域共に戦闘態勢を整えていた。こんな事態を引き起こしてくれたネヴィアを倒したくて仕方ないのである。

そして、辺境世界最後になるやもしれぬ日の出が始まった。戦いの合図の如く。

(122.30.10.204).. 2008年12月21日 06:24   No.214027
++ クォーツ (オリカ王)…176回       
ネヴィア側の動き。1本で。
今回でシンフォニー編はファイナル。後は最終章こと第4章にて描かれます。
キャラ投下スレも用意しておきます。

「…そうか、シェードも敗れたか」
「ハッ、既に部隊は撤退を始めております」
「ふむ、よろしい。下がれ」
遂にシェードも敗れた―部下から報告を受けたネヴィアは、若干ではあるが焦っていた。ここまでに幹部級を多く派兵してきたが、それはことごとく敗れ去っていった。
おまけにコンクル・シオンとの連携もとれなくなり、まさに孤立無援の状態となったのである。
いくら最終計画(月光世界と辺境世界の融合)が完遂されると分かったとはいえ、さすがにマズイ。幹部が少なくなったことによる指揮能力の低下が懸念材料だった。

「今度ばかりは、私も出なければならぬか…」
幹部級が少ない為、最終計画完遂後の指揮系統の混乱は免れない。
できるだけ多くの指令端末を用意し、万全の状態でモンスター達を配下にしなければならないのだが、現状の戦力では難しかった。
「次元の融解率はもうすぐ100%となる…。新たに幹部を生み出す暇もないか」
幹部ということは、それなりの能力と技量を同時に保有している必要がある。特に指揮能力は必須条件で、これが最も教育に時間がかかるポイントだった。新たな幹部を生み出す余裕はなかった。
他にも、来るべき決戦の勝敗を左右する留意点はいくつかあった。その1つは―
「4部族が同盟を組むのは既に分かっているが、世界の融和によってこちらに出現する辺境族がどう出るか、だな…」

2つの世界の融和により、月光世界と辺境世界という境目はなくなる。モンスターだけでなく、そこに住まう民までもこちら側に強制転移させられることになる。
もしその民達が、武器を手に取り戦闘態勢を整えていたとしたら?その矛先は、ほぼ間違いなく闇月族に、ネヴィアに向けられる筈だ。
共通の敵を前にして、月光世界の民と辺境世界の民が手を取り合い、世界を越えた同盟を結ぶことも簡単に想定できるのである。
だが、これは最終計画を発動させた後しばらくしてから判明した、いわば計算ミスである。最終計画で招き入れるのは、あくまで凶暴化したモンスターだけ。民まで招き入れるつもりは全くなかったのだ。次元の壁がなくなることの意味を、ネヴィアは計算に入れていなかったのだった。

「かくなる上は…私自ら戦場に赴き、私に仇なす者全てを消し去るしかないか…」
いつになく強大なエネルギーを駆け巡らせ、ネヴィアは静かに拳を握りしめていた。

決戦の時は、近い。

―シンフォニー編・完―

(122.30.10.204).. 2008年12月23日 06:07   No.214028

■--旧友と因縁(レオン編)
++ クォーツ (オリカ王)…135回          

さて、やたらと遅くなりましたがレオン編スタート。
扱ったことのないキャラも頑張って出してみますんで、暖かく見守っていただけたらなと思います。
ウェリスさんの投稿も気長にお待ちしてます。
最初はレオンじゃない人が出るんですけどね(ぁ

月光世界の全域を覆い尽くす暗黒雲。その一角、時空族の領域の上空だけは一際黒かった。理由はただ1つ、他の3領域よりも多くの兵(鬼)が配備されているからに他ならない。レオンを始め、時空族の面々は臨戦態勢に入っていた。

そんな中、時空族領域の上空を飛ぶ、月光世界では見慣れないものが。ジェット機型で、翼にはアドベンチャーチームのマークがある。
「やれやれ、こんなに分厚い雲じゃ太陽の光も見えないか。困ったことだ。…チェンジ!」
ジェット機型から稀身族特有の身体が出てくる。更に両翼のビームガンが両手に移動する。そして機首の部分が帽子のように頭にセットされて変形(チェンジ)完了である。機首とビームガン以外は背部ユニットとなる。
「どうやら、先遣隊のお出ましのようだな」
ビームガンを構える。数メートル先には、多数の鬼がひしめく群れが見える。しかし、群れとはいえ規模は大きくない。彼の言うとおり、先遣隊でしかないのだ。
彼に気づいた鬼達が、彼に向けて攻撃する。雨あられの攻撃を華麗に避け、立て続けにビームガンを連射して一気に仕留める。残った半分ほどの鬼達は引いた。
「…次は本隊だろうな…。レオン殿に報告しないとな」
そう呟くと、彼はジェット機にチェンジし、その場を去った。行き先は、時空族の兵隊の基地だった。

「暗証コード確認、入ってよし」
コードが刻まれたメンバーカードを提出し、見張りである下級兵から許可をもらって基地に入る。勿論、この時は人型(?)だ。レオンに直接会うことはできない為、軍士長であるリグレットに報告。リグレットを通してレオンにも知らせるのである。真っ直ぐに隊長室へ向かう…のだが、あまり慣れた場所ではないせいか、邪魔にならないように通路の壁際でいちいち地図を見なければならないという醜態を晒すハメになっていた。
(123.218.1.239).. 2008年08月16日 06:03   No.211001

++ クォーツ (オリカ王)…135回       
遅れてようやく主役登場、すんません。
布石みたいなの書いておきたかったもんで…。

「失礼します」
「えぇ」
副軍士長であるランスの声を聞き、リグレットが答える。ランスと共に、先の稀身族の男も軍士長の部屋に入ってきた。
「時空族防衛隊、特別協力員ジェッター、軍士長殿に会う為ここに来ました」
「用件は?あと、何故ランスと一緒なのかも聞かせてくれると嬉しいのだけど」
ジェッターは短い手で頑張って敬礼、リグレットに挨拶する。彼はアドベンチャーチームの一員なのだが、新しく入ったばかりの新人。チーム中唯一の航空戦力として、最も空戦が予想される時空族のフォローをダイボウケンから命じられたのである。ダイボウケンがレオンに話を通したらしく、現在は防衛隊の特別協力員として迎えられており、現在に至る。
「まずランス殿と一緒にいる件ですが、お恥ずかしながらここまで来る途中で迷ってしまいまして。運良くランス殿と出会えたので、案内してもらった次第です」
「…早めに内部構造を覚えておきなさい…」
「ごもっとも。そして用件の方ですが、先程偵察飛行していたところ、暗黒雲にて敵軍の動きが確認できましたので、軍士長殿からレオン殿にも伝えていただきたいと思いまして」
途端、リグレットの眼差しが変わった。戦いが迫る戦士特有の、緊張感に満ちた眼差しだ。
「そう、報告ご苦労様。私からレオン様には話しておくから、偵察に戻れ。何かあったら、副長に報告してくれればいい」
「了解しました。先遣隊が戻って暫く経ちます。そろそろ心の方も準備しておいた方がいいでしょう。では、これにて」
ジェッターは軽く会釈すると、部屋を後にした。その後、出口に着くまでの間に再び迷いかけたのは彼だけの秘密である。

一方で、リグレットから報告書を受け取ったレオンもまた、緊張感を高めていた。敵がすぐそこまで来ている。それが唯一にして最大の要因だ。
「もうすぐ、戦い…ですか」
「心構えの方はできているか?」
「!?」
突然、背後から謎の声が聞こえた。だが、この声には聞き覚えがある。そして、目の前に姿を現した男には、尚更見覚えがあった。
「ムーンライト…!?」
「覚えてもらえて光栄だな、時空王殿」
振り向いた時に目の前に現れたその姿は、レオンが幼少の頃に見ていたものと全く同じ姿。黒と薄い黄色が特徴的で、鋭角的なフォルム機械生命体であり、暗殺術に長けた寡黙な男。分断災害前は、時空族と音程族の親善外交大使として影に忍び交流を支えてきた男。名は、ムーンライト。
「聞かせてください、辺境世界でのあの戦いで言っていた、あの話の真意を」
「お前達の敵ではない…そう言った筈だ」
「何故、あの時コンクル・シオンと?」
「術を探す為だ」
「術?」
「そう、辺境世界から月光世界に戻る術だ。コンクルの元で動いていれば、有力な手掛かりが掴めると思い、隠密将軍シャドウと名乗って配下にいたのだ。そして、見つけることができた」
「月光世界と辺境世界を結ぶ、セントラルタワー最上階にある泉を模したゲート!」
「そう。だが、そこはコンクルによって厳重な守りだ。そこで、他にゲートがないかと密かに捜索し、もう1つのゲートを発見した」
「他にあったんですか、ゲートが…」
「うむ。それもまた泉を模していた。それを通り、拙者はこうして月光世界に戻ってきた」
辺境世界の地下にあった特殊な泉には触れず、この姿に戻った理由は「偽装していた」とごまかしたムーンライト。外交官らしい、世界を越えたトラブルを避ける為の判断と嘘であった。

(123.218.1.239).. 2008年08月16日 05:55   No.211002
++ クォーツ (オリカ王)…133回       
今回は辺境世界。1本です。
全てを調査し終えたと思った遺跡に変化が…。

3つ目の部屋は、壁に古代文字が羅列されている以外には特に何もない。イテンはそう思っていた。しかし、レミアには何やら心当たりがあるのか、中央付近の床を調べ始めた。
「…ねぇ、どうしたの?」
「この部屋には、確かシェルターを兼ねてる隠し部屋へのエレベーターがある筈なんだ。で、それを呼び出すスイッチが床に偽装してあるから…」
確かに、床に紛れ込ませているなら床を調べるしかない。だが、どこにあるかまでは覚えていないようだ。ひとまずイテンもスイッチを探す。
探し始めてから数分後、イテンが気づいた。
「ねぇ、ここ少しへこんでない?」
「どれどれ…あっ、これだよこれ!」
レミアも確認し、これがスイッチだと発覚する。位置は、入り口から見て南西の隅っこ。分かりやすいといえば分かりやすいが、知らない人、忘れた人にとっては分からないことに変わりはない。
「このスイッチを…踏んでっと!」
レミアが両足で思いっきりスイッチを踏む。すると、部屋の奥の方の床の一部がせり上がり、エレベーターらしきものが出現した。
「もしかして、これも…?」
試しにプロゥブストーンを扉に当てると、扉の上の宝石が発光し、扉が開いた。やはり、このエレベーターもプロゥブストーンが必要らしい。
「よぉし、それじゃあレッツゴー!」
景気よく移動ボタンを押したのはレミアだ。探検が楽しいのか、元々こんな性格なのか。そんなイテンの些細な疑問をスルーするかのように、エレベーターは順調に降りていった。
そしてエレベーターは目的の場所に到着し、再び扉を開いた。まずイテンが出てきて、驚いた。
「うっそ〜、何コレ」
「どうしたの?」
続いてレミアも出てきて、イテンが驚いた理由を尋ねる。イテンは無言で前方をゆびさしており、その方向にあるものを見て納得した。
「あー、コレ、ルナ族の村にはちょこちょこ来ていたツキグモ……の化石か何かだね」
ツキグモとは、辺境世界では西区域にのみ存在していた固有種の蜘蛛。しかし「大いなる災い」が起こった後は個体数が激減、絶滅寸前になっており、西区域でさえも滅多に見かけなくなった蜘蛛である。腹部に月を思わせる色の模様があることからツキグモと命名された。
「…この細い棒みたいなのって…」
「多分、乾燥しきって風化してる糸だね」
風化しているとはいえ、蜘蛛の糸に触るというのには少し拒否感がある。そんなわけで、イテンはトレントブレードで風化した糸を切っていた。一方のレミアは、平然と素手で壊していた。
「……別に風化してるんだからさ、触れたって砂っぽさしか残らないって…」
「で、でも…研究施設にたまたま紛れ込んでいた蜘蛛に体這いずり回られてからというもの、蜘蛛とか蜘蛛の糸とかはかなり苦手なんだよぉ…」
相当なトラウマなのだろう、若干ため息混じりで声をかけるレミアに対するイテンの声は涙混じりだ。乙女はデリケート…というのとは違うのだろうか?レミアはそんなことを思っていた。

(123.218.1.239).. 2008年08月13日 05:43   No.211003
++ クォーツ (オリカ王)…134回       
前回の続きです。1本。
メインとそうじゃないのとで文字の色分けした方がいいのかなーと思案中。

風化した糸を壊していく内、段々ツキグモの死骸を多く見るようになってきた。妙なことに、いくつかの死骸には何かに食べられたような痕跡がある。しかも、風化している糸に絡まっている。
「…や、やっぱり気味悪いよぉ…」
「うーん…共食いされた連中かな…」
「余計気味悪いよぉ!」
この部屋に来てからというもの、イテンの声は常に涙混じりだ。しかも、この乾燥死骸が恐怖に更に拍車をかけてくれるものだから、どうしようもないなとレミアは既に諦めている。レミアは周辺に転がっている欠けた死骸が共食いの犠牲者のものであると推理。進路上に転がっているものはどけつつ更に奥へ進む。

やがて辿り着いたのは、かなりこぢんまりとした感じの扉だった。プロゥブストーンで開き、中に入った2人はとんでもないものを見た。
「ひゃ〜、これじゃまるで蜘蛛の根城だね」
「いやああああああああああああ!!」
レミアはあっけにとられるだけだったが、イテンはもう完全に泣いた。何しろ、ここには2メートルはあろうかという巨大なツキグモが堂々と構えている上に、その周りには通常サイズのツキグモがこれでもかというくらいに密集してバリケードを作っているのだから。ところが、よく見るとバリケードを成しているツキグモの一部が現在進行形で共食いしているのが見える。
「…何やってるんだか…アレ?……あーっ!」
「何?…ぐすっ、どうしたの?…ぐすっ」
未だに泣きやまないが、それでも話すぐらいにまでは回復したようだ。イテンがレミアに尋ねる。涙混じりで。
「巨大ツキグモが…培養カプセルの上にぃ!」
「えーっ!?」
これには思わず涙も吹っ飛んだ。イテンも恐怖を堪えつつ改めて確認し…。
ホントだ、カプセルとその周辺を完全に占拠しちゃってるよ。ひっどーい…」
「ねぇ、カプセルの子は助けるんでしょ?」
「それは、そうだけど…」
「なら、遂にクレセンの出番だね!」
「え?」
次の瞬間には、レミアの手元に三日月型の何か=クレセンが飛んできた。クレセンには何やら特殊な技術が使われているのだろう、レミアの手にくっつくような感じで彼女の手に収まった。

(123.218.1.239).. 2008年08月14日 05:19   No.211004
++ クォーツ (オリカ王)…135回       
メイン(月光世界側)ストーリーの方は色を変えることにしました。前の分も後で変えておきます。今回も1本。

「コンクル・シオンに忠誠を誓っていないというのなら、お願いがあります」
「うん?」
「一緒に戦ってほしいのです。貴方にも、この世界を守る大切な戦力になっていただきたい」
レオンからの頼みは、現状ではある意味で当然のことだった。ジェッターからの偵察データから察するに、闇月族と戦うには相当な戦力が必要だろう。人手は多い方がいいに決まっている。辺境世界に飛ばされていた時の戦いから、彼の腕は十分戦場でエースと呼ばれる程のものであると分かっている。だからこそレオンは彼に頼んだ。
「…………」
「…………」
しばしの沈黙。まるで、ムーンライトが根比べを挑んでいるかのようだった。沈黙の時間は、およそ30秒弱。そして、ようやくムーンライトが(実際にはマスク越しだが)口を開いた。
「…良かろう。お前の…いや、貴君の覚悟はうかがい知ることが出来た。協力しよう」
「ありが…」
「ただし。1つだけ条件がある」
レオンがお礼を言おうとしたまさにその瞬間に、ムーンライトは突きつけるように付け加えた。思わずのけぞるレオン。
「条件…?」
「そうだ。今すぐとはいわないが、その陰険な発言を早めに直してもらうことだ。些細な揉め事が原因で連携に支障が出ては困る」
当のレオンには、その条件の根拠がまるで分からなかったが、ムーンライトの突きつけた証拠音声を聞いた瞬間、納得せざるをえなかった。
以前、フィリーが仲裁に入ったからこそ事なきを得た揉め事があった。目の前にいる者全てが味方などと誰が言った、そんな感じの揉め事。珍しく、というより初めて、シンフォニーが怒りをあらわにした場面でもあった。それだけ、レオンの発言には反感を買ったのだろう。
彼らが辺境世界に飛ばされてからずっと監視していたムーンライトからすれば、親善外交大使であること以前に「なんとかしなければ」と思ったのであった。証拠音声を録音しておいたのも、レオンに確実に直してもらう為だ。
「…いいでしょう、努力はしてみます」
「うむ…了解した(珍しく怒りをあらわにしたシンフォニーの前で平然としていたからな…所詮はこの程度の回答しかないか…)」
レオンが条件をのむことを表明、それを了解したムーンライトはどこかへ消えた。しかしその声には、半分だけ諦めの感情がこもっていたことを、レオンは知るよしもなかった。

(123.218.1.239).. 2008年08月16日 05:45   No.211005
++ クォーツ (オリカ王)…136回       
対決はまだなれど、名前だけバラパターン。
なんかこうしないと落ち着かないもんで…。
ジョーク好きな黒歴史(何ソレ)も登場。

一際濃い暗黒雲の中、じっくりと攻める時を待つ2人。1人は、白衣を着た落ち着いた性格の青年・固塊液サイエンス。もう1人は、猫の耳や尻尾を持ち独特な喋り方をする少女・乱猫鬼キャルツ。ネヴィアによって時空族領域へと派遣された2人であるが、攻めるタイミングを掴み損ねていた。原因は2つある。まず1つは、ジェッターが周辺を偵察飛行しているから。

そしてもう1つは、いつからか時空族領域に住み着いている彼・リライの行動であった。何かを仕掛けているように見えなくもないが、暗黒雲の向こうからでは詳しくは見えない。
「…ふ〜っ、これでよし。これでいつでも迎撃可能だな!うんうん、いい仕事した」
かなり満足げな顔でその場を去るリライ。サイエンス達は知るよしもないが、実は彼もルナ族。しかし「大いなる災い」以前から月光世界へ転移していた為、巻き込まれることなく時を過ごしていたらしい。人間年齢150歳はあろうかという長生きさんだ。ちなみに、転移したのは100年前。
「何やってたんだろう?」
「さぁ…。迎撃準備とかいっていたから、多分罠か何かじゃないかな?」
キャルツの疑問に、サイエンスは的確な回答を下す。そう、リライは罠を仕掛けていたのだが…。
「なああああっ!?」
事もあろうに、なんとスカイが落ちた。勿論、何気なく歩いていただけ。落ちた原因は…。
「底なし沼?…一体何故…」
「考えてないで助けてくれよ〜」
スカイを目の前にして考え込むのは、彼のパートナーであるアース。考え込む内に別な方向で犠牲者発生。かかったのはウェザーだ。
「なっなっなっ、何コレー!?」
下から強烈な水流が押し上げてくる罠のようだ。ウェザーはそのまま吹っ飛ばされ、絶妙な距離と角度で先程の底なし沼に落ちた。
「…何なんですか、これは…」
そこにレオンがやってきた。帰る途中だったのである。慎重に歩を進めるが、そこへ。
「何やってるんだよ、もー」
「リライ?」
罠を仕掛けた張本人がやってきた。異変を察知して戻ってきたらしい。
「せっかく、闇月族迎撃の為の罠を配備しておいたというのに」
「じゃあ、これ全部リライが!?」
レオンが驚くのも無理はない。リライがこのような罠を作れることなど知らなかったからだ。
「僕は底なし沼を初めとする水関連の罠を作るのも得意なのだ。いつ闇月族が攻めてくるか分からないからね、迎撃の時間稼ぎにでもと思って罠を配備しておいたんだ」
「大丈夫なんですか?」
「モチのロン、絶対安心。猫の子一匹通さないからね!」
「なら、先程までここにいなかったエアーがいるのはなんででしょうか?」
「…え?」
ウェザーの助手をしているというエアー。確かに先程まではいなかった筈。
「…なああああ!?君、どこからやって来た!」
「どこって、空から」
「へ?」
「ちょっと風の魔術を応用して」
「…しまったぁ!空からの襲撃を忘れてた!!」
ウェザーがご丁寧に解説してくれた。リライが配備した罠には、空からの襲撃を阻めるものは何一つなかったのであった。

(123.218.1.239).. 2008年08月19日 05:56   No.211006
++ クォーツ (オリカ王)…137回       
本日リライのイラスト投下予定です。
辺境世界編。遂にレミアの実力が明らかに。

「さっさとそこをどいてもらおうかな!」
クレセンを手に、ツキグモのバリケードに突っ込んでいくレミア。当然のようにツキグモが糸を吐いて応戦してくるが、レミアには通じない。
「いっけぇ!ムーンライトソニック!」
クレセンを何度か振るう。振るう度に三日月型の衝撃波がツキグモ達を薙ぎ倒していった。倒されたツキグモはもれなく真っ二つで、ポンポンと女王ツキグモの方へ飛び散っていく。
「むむ〜っ、負けてられないもん!」
そんな戦いぶりを見て、イテンの対抗心に火がついた。蜘蛛恐怖症ということを忘れていつものようにツキグモを切り倒す。
「吹っ飛ばしてやる、ブレイドツイスター!」
トレントブレードを持って両腕を広げ、そのまま高速回転。青と黄色の竜巻となってツキグモの群れに突撃し、一瞬で何十匹ものツキグモを切り裂いた。目の前には、女王ツキグモがいた。
女王ツキグモは臨戦態勢だ。子供であるツキグモ達を蹴散らされたのだから当然ではあるのだが。
「キシャアアアアアアア!」
子供を蹴散らされたことに対する怒りを込めて糸を吐く。女王だけあって糸も太い。2人はとっさに避け、女王を挟み撃ちにする。トレントブレードの射撃とムーンライトソニックで同時に攻撃するが、女王が回転しながら放った糸が壁になって届かない。それどころか、その糸によってイテンが床に貼り付けられてしまった。
「あっ、イテン!」
「しまった…!これじゃ動けない…!」
なんとか振り切ろうとするも、女王の糸はかなり固く、とてもではないが自力での脱出は不可能。レミアにも同じ末路を辿らせようと女王はレミアの方を向く。今にも糸を吐き出しそうだ。
「(どうしよう…このままじゃあたしもヤバイけど、イテンは動けない分もっとヤバイ!この状況を打破できるとしたら…そうだ!)
切り倒せ、クレセントムーン!!」
レミアはハンマー投げの要領でクレセンを投げ飛ばした。高速回転しつつ飛翔するクレセンは、女王の頭部を3回切り、更にイテンの自由を奪っている糸を切断してレミアの元に戻った。レミアは華麗にキャッチしつつ女王に接近し、クレセンで十字切りをお見舞いした。

(123.218.1.239).. 2008年08月21日 04:56   No.211007
++ クォーツ (オリカ王)…138回       
休みの日こそ稼がねば。
そんな考えの人の心境が身にしみて分かり始めてきた私。社会人の悲しき性なのか?
VS女王ツキグモ戦、決着。そして…?

クレセントムーンによる斬撃が3回ともクリーンヒットし、倒れ込む女王。
イテンも自由に動けるようになり、形勢逆転。だが、女王は諦める様子はないらしい。
渾身の力を込めて、2本の前足を薙ぎ払うように振ってきた。直撃は避けたが、風圧だけでも十分な威力があった。踏ん張るだけで精一杯だ。
「…っ、さすがに簡単にはやられないか!」
「なら、これをくらっても耐えられる!?」
今度はイテンが走る。素早く女王の懐に飛び込み必殺の一撃を放つ。
「ブレイドツイスター!!」
女王が糸を吐くが、トレントブレードによって引き裂かれる。そして小型ブースターで勢いを増した斬撃で、女王を壁に叩きつけた。
「どうだ!」
今度こそ、女王ツキグモは沈黙。壁からずるずると崩れ落ちたまま動かなくなった。

「…ふしゅ〜…。怖かった…」
「頑張ったよ、十分に」
ようやく戦士から少女に戻ったイテンは、やっぱりツキグモへの恐怖でへたり込んだ。レミアは彼女を立ち上がらせながら、さっきまで女王が占拠していたカプセルを見る。かつて自分が入っていたカプセルと同型のものだと分かった。
すると、勝手にカプセルのハッチが開いた。中にいる者は既に起きていたようだ。ハッチから出てきた者は、2人には信じられない人物だった。レミアだけが生き残りである筈の、ルナ族だ。
「あの怪物をどけてくれたのはあなた達ね?どうもありがとう!」
「…へ?」
イテンは考え込むし、レミアは間の抜けた声が出てしまう。思わず尋ねる。
「えっと…ルナ族…だよね?」
「そうよ?アタイはルナ族のレイル。でも、リライはいないの?」
『リライって、誰?』
レミアのものと同型のカプセルから出てきたルナ族・レイル。レミアとは違った事情でカプセルに入っていたというのだが…?

(123.218.1.239).. 2008年08月24日 10:55   No.211008
++ クォーツ (オリカ王)…139回       
本日も1本投下。
更新ペースが遅いのはご愛敬です。

「……まったく、リライときたら…」
敵よりも味方の方が被害を被ると判断し、罠は全て撤去させることに。その風景はまるで大掃除である。状況を見物しながら、レオンはため息混じりに呟いていたのであった。
「…しかし、我々には防衛設備というものがないのだから…」
だが、リライの行動はある意味で当然だ。闇月族という名の敵が目前に迫っている以上、防衛策は多い方がいいに決まっている。
あながち否定できるものでもなかった。

一方で、サイエンスとキャルツは、進撃準備を整え、今まさに攻撃に移ろうとしていた。
「さぁて、そろそろいくよ…」
「にゃははっ!みんな引き裂いてやるからね!」
キャルツの叫びに鬼達も反応、今にも飛び出していきそうな勢いを見せる。それを確認したかのように、サイエンスが動く。
「総員、進撃開始!」
「りょーかいっ!」
キャルツが、そして無数の鬼達がサイエンスの指令に答え、彼を筆頭に時空族領域へと本格的な進撃を開始したのであった。

(123.218.1.239).. 2008年08月31日 05:07   No.211009
++ クォーツ (オリカ王)…140回       
遂に進撃を開始したサイエンス達。
レオン編もようやっと折り返し地点です。
本日も1本。

暗黒雲からのエネルギーが強くなる。闇月族が動き出した証拠だ。それと同時に、多数の鬼が徒党を組んで襲撃してきた。
「総員出撃!絶対に中心部へは進ませるな!」
軍士長リグレットの指令のもと、次々と防衛軍が出撃していく。己の故郷そのものを守る戦い故か兵士達の士気は高い。慌ただしく兵士達が出撃していく光景をなんとなく見つめている男が1人。
「…なんか、騒がしいな…。鬼達が来たのか?」
先程やっと罠の撤去を終えたばかりのリライである。闇月族の進撃開始を察知すると、彼もまた動き出した。左手に三日月型の何かを持って。

「いったい何事ですか?」
慌ただしくなっていたのは軍だけではない。時空族の王たるレオンもまた、闇月族襲撃の報告を受けて足取りを速めていた。口調はいつもと変わらない冷静さを保っているが、足取りは彼の内心にある焦りを露呈させていた。
王として、民を守らなければならない。その自覚があってこそだった。

軍の出撃開始から数分後、鬼達と兵士達がぶつかり合った。鬼達の棍棒と兵士達の短剣や斧が金属音を立てながらぶつかり合い、時折火花を散らす。まさにしのぎを削る戦いとなっていた。

特別参入ではあるものの、唯一の航空戦力であるジェッターは上空からの援護射撃に回っていた。
2つのビームガンで西部劇に出てくるガンマンさながらの早撃ちを披露し、鬼達を沈めていく。当然、鬼達からの反撃がくるが、高い飛行能力を生かして余裕の回避。回避しては1匹、また1匹と鬼を沈めていくジェッターは、大戦果を上げていたのであった。
「ん?あれは…人型?本命ってヤツか!」
鬼達を沈めていく中、密かに別な進行ルートをとっていたサイエンスとキャルツを発見。上空という全方位からの攻撃にさらされる位置にいる自分を攻撃しないことから、ジェッターは2人が別働隊として動いていることを見抜いた。
「何が目的だ?アイツら…」
しかし、鬼の数がまだまだ多く、兵士達が数の面で押され始めている為、ジェッターがサイエンス達を追跡することはできなかった。

(123.218.1.239).. 2008年09月06日 03:45   No.211010
++ ウェリス (オリカ王子)…113回       
何とか来れました。。。
クォーツさん、本当にスミマセン;
ちょっとずつ更新できるよう頑張りたいです^^
あ、私も揃えて青文字に設定しますー
 
鋼と鋼がぶつかり合う音が大きく響く。
そう、自分もこの中で戦わなければならない。
―王として・・・。
レオンは机にあった剣を腰に刺すと、外へ出ようとした。
が・・・
『そういえば、もしもの事があったと考えると・・・』
レオンは来た道を引き返した。
『そうだ!あれを盗られてしまってはまずい!』
彼は急いだ―

先程の鋼の音は聞こえない。
レオンは何か機会に触れていた。
音を立て、機械が作動する。
彼は文字盤に触れ、何かをしていた。
そう。盗られてしまわないよう、鍵をかけていた。
文字盤に触れる指が早くなる。
モニターに大量の文字が叩き込まれる。
この大量の文字こそがパスワード。
一切分かりはしない。
「これで大丈夫な筈。後は・・・ここをバレないようにしなくては・・・。」
ここは隠し部屋で分かりにくいのだが、相手の事。
大量に兵士を連れ、探し当ててくるはずだ。
仮に部屋を当てたとしても、パスワードさえ打っておけば・・・
そう思ったがやはり不安はある。
しかし、秘密は秘密。これ以上隠す方法は無いのだ。
『こうなれば・・・二重ロックをかければ・・・。』
そう考え隠し入り口に鍵、そして先程行った機械の鍵の二重ロックを行った。
これで安心できるわけではないが・・・かけるしかない。
「どうか・・・盗られないように・・・。それだけ祈るしかありませんか・・・。」
レオンは隠し部屋を後にした。

足音が次第に大きくなる。
大規模な戦いの始まりを告げる鐘のように、大きく。
レオンは駆け出した―!

(220.213.115.241).. 2008年09月18日 22:27   No.211011
++ クォーツ (オリカ王)…141回       
少々遅くなりましたが、ウェリスさん投稿ありがとうです。レオンが隠した秘密…。
それはさておき、一旦辺境世界編。
あと、文字色合わせてくださってありがとうございますです、助かります。

「…ってことは、リライっていう彼氏がいつ戻ってきてもいいように、カプセルに入ってたってわけ?」
「そういうこと」
リライとは誰か、何故カプセルにいたか、洗いざらいレイルから説明を受けたイテンとレミア。
話によると、レイルとリライは恋仲らしく、リライが単身で月光世界に行くのを止めなかった。その後『大いなる災い』の話を聞き、辛うじて無事だったカプセルの1つに入って眠ることで、滅びを逃れ、リライを待ち続けることにしたという。
3人は知るよしもないが、当のリライは今も月光世界にのうのうと滞在中である。
だが、レイルはそれを心で感じ取っていたというのだ。相当彼のことが好きなのだと分かる。

「アタイも月光世界に出ることにしたわ」
「出る方法なんて、あるの?」
「ええ、この世界の地下に、月光世界へと通じるゲートらしきものがあるって聞いたことがあるの。リライはそれを探し当てたみたいだし、多分残ってる筈」
イテンは当然のようなことを聞いてしまう。だが自分が知らない以上は疑問でしかないことだ。
しかし、リライが月光世界へ飛んだのは随分と昔のことだ。変化があったなら、それによってゲートが無くなったとも考えられる。
それでも、レイルはゲートの存在を信じた。月光世界へ行き、リライと再開することを諦めてはいないようだ。
「…地下世界っていっても、当てはあるの?」
レミアの言うことはもっともだ。地下世界という情報だけでは、まだ広すぎる。もう少し限定的になるような手掛かりが必要なのである。
「あるわよ、少しくらい」
その目は自信たっぷりといった感じだった。

(123.218.1.239).. 2008年09月23日 05:47   No.211012
++ クォーツ (オリカ王)…142回       
冬休み辺りに、1日丸々使って超連続更新しようかなー?とか計画中。
どこまでいくかは分かりませんけど。あと、本当にやるかも分かりませんけど。

「この辺境世界の地下世界には、東西南北の区域にそれぞれ1つずつ、更に中央区域に1つ、合計5つのゲートがあるって聞いたことがあるの」
レイルは『当て』について話した。地下世界には5ヶ所にゲートがあり、そのどれを使っても月光世界へ飛べるのだという。
5ヶ所もあれば、その内1ヶ所ぐらいは健在なゲートもあるだろう、とイテンもレミアも納得していた。『当て』とするには十分だったからだ。

「でも、1人で大丈夫?」
「地下には地上よりも危険なモンスターもいるって話だし、あたし達も…」
「ノープロブレム」
イテンやレミアの心配を、レイルはあっさり一刀両断してくれた。腕には自身があるようだ。
「こう見えても、アタイは辺境世界トップクラスの格闘家なの。それに、ソウセツもあるし」
ソウセツ、それはレイルの専用武器である。ヌンチャクをモチーフとしており、六角棒に当たる部分が三日月型になっているのが特徴。レイルの話によれば、魔力を念力のように使うことで、変幻自在の動きを見せるという。
おあつらえ向きとはこのことか、生き残っていた1匹のツキグモがイテンに飛びかかってきた。だが、ツキグモがイテンに触れることはなかった。レイルが恐るべき素早さでソウセツを操り、ツキグモを叩き潰したからである。
『すっご〜…』
これにはイテンは勿論、レミアも驚いた。レイルの実力の高さがすぐに分かった。それと同時に、レイルなら地下世界でも大丈夫だろう、モンスターの方が逃げるだろうと思ったのだった。

「久々の外が砂漠だなんてね…」
レイルはやや自嘲気味な感じで呟いた。何年もの間カプセルの中で時を過ごし、いざ出てみれば里は滅びていた。「大いなる災い」に対して、自分が何も出来なかった、しなかったことへの気持ちの表れでもあった。
暫く歩いて、イテンの案内でローレルのオアシスへとやってきたレミアとレイル。イテンと同じようなお出迎えを受け、今後の方針を確認する。
イテンは、引き続きプロゥブストーンに反応する遺跡を探す旅へ。最初はレミアにも来てもらおうかと思ったが、別にルナ族の遺跡が他にあるわけでもないので自分で却下。
レミアは、ローレルからの誘いでオアシスに住むことに。もう遺跡には用はなく、身を寄せられる場所もなかったのが理由だ。
そしてレイルは、地下世界でゲートを探し、月光世界へ転移することで固まっている。帰る里がなくなったのだから、いっそのことこちらからリライに会いに行こうということらしい。

それぞれがそれぞれの方針を固めた頃には、砂漠は夜になっていた。夜空には、ルナ族の名残を示すかのように三日月が浮かんでいた。

(123.218.1.239).. 2008年09月27日 04:44   No.211013
++ クォーツ (オリカ王)…144回       
さて、レオンが隠した秘密とやらが気になる今日この頃。必然的にストーリーに絡むもんで。
闇月族が欲しがる謎のアイテムとは…?
そことは距離を置いて、1本。
…と思ったけど、書いてる内に長くなったんで今日は2本にしときやす。

戦闘開始は夕刻、いつの間にか夜になっていた。いつになく綺麗な三日月だったが、それを気にする者は殆どいなかった。若干1名を除いて。
数では鬼達の方が上。次第に押され始める兵士。押され始めると共に、正面以外への警戒心が薄れていく。"横"への気が配れなくなる。
そこを、サイエンスとキャルツは上手く利用していた。鬼達の進行ルートの少し東、茂みになっているエリアを自分達のルートとしているのだ。

だが、それさえも気づいていた者がいた。追撃には回れなかったが、ジェッターもその1人。しかし、ここでサイエンスとキャルツに一泡吹かせたのは、意外な人物であった。
「おっ、変なところには変なのがいるもんだ」
『!?』
サイエンスもキャルツも、突如聞こえてきた声の主を探す。しかし、見回しても姿は見えない。異変はそれだけではない。徐々に自分達が沈んでいくような感覚を2人は感じていた。この異変について、ご丁寧に謎の声が告げる。
「あぁ、それ底なし沼。僕が作ったんだ。早く抜けないとどうなっても知らないよ?」
「ちょっ、罠は全部撤去したんじゃなかったのかにゃ!?これ卑怯にゃ!」
淡々と告げる謎の声に対し、キャルツが不満を言い散らす。が、謎の声はまるで相手にしていないかの如く淡々としたままだ。
「文句言ってる暇あったら、自分の身の心配したら?これから君達、"狩られる"んだからさ」
そう謎の声が告げた瞬間、黒くて長い何かがキャルツに向けて飛んできた。底なし沼に嵌っているせいで身動きがとりにくいのだが、キャルツはなんとか黒い何かを弾いた。弾かれて底なし沼に落ちたそれは、大きな矢だと分かった。
矢の飛んできた方向から、放った主の位置を割り出したサイエンス。服に忍ばせていた薬品ビンの1つを取り出すと、矢が飛んできた方向に思いっきり投げた。割れる音と爆発する音がした。どうやら爆薬を詰め込んだものらしい。
「ふー、危ない危ない。物騒なもん持ってるね、まったく。おちおち構えてもいられやしない」
「いい加減、姿を見せたらどうだい?」
「いいよ、丁度綺麗な三日月というライトもあるし、登場シーンとしては見栄えがいいかな」
サイエンスの問いにそう答えると、声の主がその姿を見せた。後ろに細く束ねた長髪と両腕にある袖を延長したような衣装が特徴的だ。左手には2つの三日月が重なったような弓形の武器『ムーンティアー』、右手には先程放ったものと同一の漆黒の矢を持っている。月明かりがスポットライトの如くその姿を照らす。そして、口を開いた。
「お約束通り、姿を見せたよ」
「…子供…?」
「なんか変な衣装!にゃははっ!」
やっと底なし沼から抜け出し、泥だらけの体でそれぞれにリアクションを見せる2人。が、キャルツの発言が嫌な引き金となった。

(123.218.1.239).. 2008年10月04日 06:32   No.211014
++ クォーツ (オリカ王)…155回       
「ひにゃっ!?」
突然、キャルツの腹のど真ん中に向けて声の主が矢を放った。思わず飛び退くキャルツに対し、声の主が怒りを込めた声で告げた。
「口の利き方に気をつけろ。これは僕の一族の民族衣装なんだ。民族衣装を小馬鹿にすることはタブーだと教育されてないのか?」
ムーンティアーを構え、一瞬で右手に漆黒の矢を形成し、怒りの眼差しでキャルツを睨む声の主。"民族衣装"という言葉が気になり、サイエンスが尋ねた。
「君…どこの種族?」
「誰かに素性を尋ねるなら、自己紹介ぐらいはするのが流儀だろう?」
確かにそうだ。道案内ぐらいならどうでもいいことだが、素性を聞くなら名前ぐらいは知っておきたいのが言葉を持つ者の性。サイエンスは冷静に対処した。
「あぁ、そうだね。僕は固塊液サイエンス。こっちは乱猫鬼キャルツ。闇月族の刺客さ」
「僕はリライ。この世界の下の世界、辺境世界に住むルナ族の一員だ」
「(ルナ族…?いや、どうでもいいか)」
サイエンスはルナ族について知っているようだったが、それを口にすることはなかった。今そのルナ族であるリライは、自分達を"狩る"気満々だ。特にキャルツに対しては敵意剥き出しのようだが、衣装にケンカを売られたのが原因だろう。なのでキャルツには悪いがスルー。
「参ったな…これから時空族の王に用があるっていうのに、思わぬ邪魔が入ったからね」
「思わぬ邪魔で悪かったね」
キャルツに殺気を放ちつつ、ムーンティアーをサイエンスに向けるリライ。リライとサイエンスの間のしばしの沈黙、それをキャルツが破った。
「さっさと突破するまでにゃ!」
「あ、こら、よせ!」
サイエンスの制止も聞かず、キャルツがリライに飛びかかった。が、そこから一撃が見舞われることはなかった。何故なら、彼女に向けて銃弾が飛んできたのだから。

慌ててバックステップで避けるキャルツ。今度は何だとばかりに銃弾が飛んできた方向を見やる。これはサイエンスやリライも同様だった。
「別な方向で物音がするからどうしたかと思えば、別働隊がいたとは…」
「これはこれは軍士長殿。自ら偵察に?」
現れた銃撃の主は、軍士長リグレット。どうにか鬼のラインを崩し、ジェッターが彼女に報告を入れていたのだ。別働隊がいると。
その別働隊は、リライによって見事に足止めをくらい、リグレットがその場を部下に任せて偵察に出た。そして、こうなったのだった。
「こうなったら、2人共引き裂いてやるにゃっ!覚悟するのにゃ!」
キャルツが爪を伸ばし、再び飛びかかる。その速さはかなりのもので、思わずリグレットがたじろいだ。が、リライは平然としている。静かにムーンティアーを構え、漆黒の矢をつがえ、放った。2本同時に。
「おっと!?」
その内1本は、キャルツではなくサイエンスに向けられていた。ある意味で予想外の一撃に、思わず飛び退くサイエンス。これにはキャルツも動揺し、それが大きな隙となった。
「隙だらけよ!」
そこにリグレットが追い打ちをかけた。

(122.30.10.204).. 2008年11月02日 06:11   No.211015
++ クォーツ (オリカ王)…145回       
レオンとサイエンスのご対面はもう少し後。ちょっとサイエンスにとってはハンデになってしまうようなことを、今回リライがしちゃいます。
今回は1本で斬ります(字違

「にゃにゃにゃにゃにゃ!?」
「くっ、すばしっこい!」
隙をついたまでは良かったが、キャルツは持ち前の敏捷性で辛うじてリグレットの銃撃を避け続けている。紙一重ではあるが。
先程リライが放った矢は避けている。だが、これも紙一重でのこと。ヘタすれば当たっていた。
「…ただ撃つだけじゃダメね。しかし、どうすればいいものか…」
ほんの少しではあるが、なかなかキャルツに当たらないことにリグレットは焦っていた。
ジェッターからの情報によれば、こちらが闇月族の部隊の中核。仕留め切れなければ、援軍が嫌と言うほど沸いてくる筈なのだから。

一方リライとサイエンスもまた戦闘再開。ここでサイエンスは、思わぬ苦戦を強いられていた。
リライの攻撃と回避のモーションが早いのだ。決して移動速度が特段速いわけではない。サイエンスと互角。だが、モーションの、即ち反射神経の速さはサイエンスを圧倒的に上回っていた。
「速い…こいつ!」
「よっと、これをかわしきれるか!?」
うめくサイエンスから距離をとり、茂みの向こうへと消えるリライ。そして次の瞬間。その茂みから何本もの漆黒の矢が放たれた。その全てが、サイエンスを包囲するかのように迫ってきた。
「こいつ、矢の弾道を、変え…ぐっ!」
うめきながらも回避していたが、1本当たった。左の脇腹に深く傷ができている。痛みから思わず膝を突いた。かすったどころではなく、完全に切り裂かれている。矢の大きさがどれほどのものかを、如実に物語ってしまいそうだ。
「さて、フィニッシュといこうか!?」
茂みから姿を現し、ジャンプ。サイエンスにトドメの一撃を放つ。だが、これも直撃にはならなかった。とっさにサイエンスが回避しようとしたからだ。しかし、これも被弾。今度は右腕に大きな切り傷ができてしまう。
「フィニッシュにはならなかったか…」
だが、2ヶ所に受けた傷はいずれも深い。新たに走る激痛に、サイエンスはうめくしかない。それでも立ち上がっている辺り、さすがは闇月族から送られてきた刺客、ということか。
リライの表情は、未だ緊張感を示していた。

(123.218.1.239).. 2008年10月05日 05:47   No.211016
++ クォーツ (オリカ王)…146回       
ようやっとレオン編のメイン。
即ち、レオンとサイエンスのご対面です。
え?辺境世界編はどうしたかって?ちょっとストーリーのネタ切れで途切れてますorz
今回も1本。

リライに思わぬ苦戦を強いられ、2ヶ所に深い傷を負ったサイエンス。だが、激痛に耐え、リライをキツく睨みつける。
リライはそれに動じない。まるで、獲物を狩る狩人のように。その目は、ジョーク好きな普段の彼とは別人のようだった。いや、実際別人になっている。その目には冷徹さしかなかった。

実はリライには、愛人であるレイルにさえ語ったことのない過去がある。初めてムーンティアーを使っての模擬戦で、ジョーク好きであることから生まれた甘さと隙が原因で大怪我をしたことがあるのだ。その際、ムーンティアーを作った鍛冶屋の男からこう言われた。

『ムーンティアーという"弓矢"を持つお前は、いわば狩人だ。そしてお前の敵は獲物だ。獲物に対して、情けも慈悲も冗談もいらない。そして狩人に必要なのは冷徹さ、それだけだ』

それ以来、リライは戦闘時は冷徹な狩人と化すようになった。そして今、まさにサイエンスが獲物の、リライがそれを狩る狩人の立場に置かれているのだ。ムーンティアーという弓矢によって。
ジョークも何もなしに、リライが至近距離からトドメを刺そうと構えたその時だった。

「待ってください!」
サイエンスにとっては忘れようにも忘れられない声。彼は一瞬で確信した。自分の目の前に、"標的"としてきた"旧友"がやって来たのだと。そして駆け寄ってきた声の主に対し、サイエンスは友と接するかのように声をかけた。
「やぁ。久し振りだね。レオン…」
「サイエンス…やはり、君だったんですね…」
未だ眼光に冷徹さが残るリライを下がらせ、レオンはサイエンスと向かい合った。レオンからすればまず2ヶ所の傷が気になったが、リライと戦闘していたことを考慮して敢えて触れないことにした。その代わりもう1つ気になることを聞いた。
「何故…君が闇月族に…?」
レオンと別れた後のサイエンスの、闇月族に至るまでの動向についてだった。

(122.30.10.204).. 2008年10月11日 05:56   No.211017
++ クォーツ (オリカ王)…147回       
レオン編も他2編と同様に、ストーリーのメインテーマ(レオンとサイエンスの会合)がそのままクライマックスに直結します。
今回は本来ならウェリスさんに任せたいところなのですが、本人がきびし〜い状況下なので私的設定を加えた上で勝手にいっちゃいます。
すんません。

レオンは率直に気になっていた。確かに別れて以来、彼の消息を特に追っていたわけではない。だが、だからこそ知りたい。何故サイエンスが、今自分が敵としている闇月族にいるのかを。
それを察したのか、サイエンスは語った。
「君が時空族の王として道を歩んだように、僕もまた科学者としての道を歩んだ」
服装と懐に忍ばせているものからすれば安易に想定できることではあるが、本人の口から語られれば説得力もある。納得できるわけだ。サイエンスはゆっくりと、更に続ける。
「だが独学で研究を進めるには限界があった。僕は欲しかった、"研究を進める力"が。そしてある日、知ったんだ。闇月族にはその"力"があると」
研究に行き詰まったサイエンスを救ったのが闇月族で、闇月族に協力することで研究を続けることに成功したという。
見方によっては、自分の研究の為だけに侵略者と協力しているともとれる経緯であった。これにはレオンも憤る。静かに、ではあるが。
「では、君は自分の研究が続けられるなら、この世界はどうでもいいと?」
「さすがに滅びるのは勘弁してほしいけど、別に滅びるわけじゃないし、どうでもいいかな」
レオンの怒気のこもった質問に、サイエンスはいつも通りの口調で返す。まるで問題視していないようだ。レオンの心の中の怒りは更に強まる。

一方、リグレットとキャルツの戦いは終わりに近づいていた。キャルツも反撃してきたのだろう、リグレットも負傷している。だが、反撃にも的確に対処し、カウンターお見舞いした。
よって、キャルツも負傷しているのである。どちらが酷いかというと、実は圧倒的にキャルツの方が重傷だったりするのだが。
両者とも、援軍はこなかった。何故なら、その援軍同士が戦闘中なのだから。また、辛うじて離脱できた鬼は、リライによって片っ端から射抜かれた。その時のリライの目は、やはり冷徹。
結果、いつまで経ってもリグレットとキャルツのタイマン勝負なのであった。
「…そろそろ、終わりにしてあげる。散りなさい、リボルバーキャノン!!」
リグレットが必殺の一撃を放つ。キャルツも必殺技を出そうとしたが、それにより回避という反応が遅れた。襲い来る弾丸が、キャルツを紙切れのように貫き、沈黙させた。

(122.30.10.204).. 2008年10月12日 05:58   No.211018
++ クォーツ (オリカ王)…148回       
今回、遂にレオンとサイエンスの戦いが始まります。友だったからこその因縁、その決着をつける時がやってまいりました。
いつも通り1本。2分割でお送り致しますです。そろそろレオン編も終わり…かな(ぇ

レオンは久々に会えた友に対し、怒りを抱いていた。サイエンスのやっている研究そのものは自分も賛同していたし、消息さえ分かっていれば支援することも考えてはいた。
だが、友は今、闇月族という侵略者に"研究を進める力"というエサで引き込まれ、侵略者の一員となっている。
それがレオンにとって許せない。
「今すぐ、闇月族と手を切ってください。奴らは侵略者なんですよ」
友としてのせめての情け。できれば殺し合いはしたくない。できればこちらに引き込みたい。
だが、サイエンスはそんなレオンの心を突き飛ばすかのように、これを拒否した。
「そうはいかないんだ。あの研究を進めるには、膨大な"力"が必要だ。時空族が誇る機械技術じゃどうにもならない問題なんだ。それを解消する為にも、僕は闇月族から離れる気はない」

しばしの沈黙。
時には言葉よりも確かな沈黙がある。分かりやすく言えば「空気を読む」といったところか。
そういった沈黙に限って、非常に重苦しい。どちらがそれを破り、仕掛けるのか。まるで根比べでもしているかのようだ。
そして数秒後、沈黙は破られた。

両者同時に、攻撃を仕掛けたのだ。

「サイエンス…君のその考え、僕は絶対に認めません!改心させてあげます!」
「心を改めるのはどっちかな…レオン!」
互いに炎を飛ばし合う。サイエンスもまた、炎属性の魔法を得意とするのだ。しかも、彼の魔法はレオンのそれよりも数段強烈だった。
「さぁ、どうしたんだいレオン。僕を改心させるんじゃなかったのかい!?」
威力、範囲、共にレオンより優れるサイエンスの火炎魔法。普通に戦えば厄介きわまりない攻撃ではある。だが、レオンには秘策があった。
「な、なに!?」
突然、サイエンスの火炎魔法が止められた。まるでその場で凍結したかのように止まったのだ。原因は、レオンの秘策にあった。
「…知りませんでしたか?時空族の王たる僕は、限定的ではあるものの時間を操れるんですよ」
言いながら、すれ違い様に一撃を見舞う。直撃ではないが、手応えはあった。更に増える、サイエンスの傷跡。これで3ヶ所になる。

トラベリング・ブレード――剣を中心に半径1メートル以内であれば、対象の時間を一時的にコントロールできる超高度な魔法技。これを用いることで、サイエンスの火炎魔法を止めたのだ。
辺境世界にてコンクル・シオンから受けた時間制御攻撃からヒントを得て修得した、レオンの新たな必殺技である。

(122.30.10.204).. 2008年10月13日 06:15   No.211019
++ クォーツ (オリカ王)…149回       
正直なところ、就職試験に落ちたからって特にバタバタ動くわけではないんです。
まず、個人的に良さそうな企業が見つからない限りはどうしようもないわけで…。
というわけで、今日も書くのです。レオンVSサイエンス、旧友同士の戦いに終止符が打たれます。

「く…っ」
リライから受けた2ヶ所、レオンから受けた1ヶ所、計3ヶ所の傷が一斉に痛む。レオンからのものはリライほどではないが、それでも痛むことに変わりはない。痛みに耐えながら、必至に立ち上がるサイエンスではあったが…。
「これで、チェックメイトです」
「…っ!」
反撃、というものをレオンは許してくれそうにない。自身の剣をサイエンスの胸元に突きつけ、あくまで冷静に言い放つレオン。そう、このままいけば間違いなくトドメの一撃となるのだ。
先程の一撃だって、敢えて直撃は避けた。友を殺すのは忍びない。できれば殺したくないのがレオンの心境だった。だが、闇月族の虜にも近い状態になっていたサイエンスには、もう通じない。

「まだ…終わっていない!」
「っ、サイエンス!!」
懐から素早く薬品ビンを取り出したサイエンスは、それを勢いよくレオンに向けて投げた。避けるより切り捨てた方が早いと判断したか、レオンは薬品ビンを切り捨てる。切り捨てられたことで散らばるように飛散する液体、それに向けてサイエンスは火炎魔法を放った。
「フレイム・マジック!」
必殺技であるフレイム・マジックの威力を、発火性のある薬品で増幅しようという魂胆だったのだ。サイエンス渾身の一撃、それは間違いなくレオンを包み込み―止まった。切り裂かれた。
そう、またしてもトラベリング・ブレードだ。停止した炎の中から姿を現したレオン。だが、彼の服は所々焦げていた。どうやら完全回避にまでは至らなかったらしい。軽傷ではあったが。

「もう、分かったでしょう?君の攻撃は、もはや僕には通じない。戻ってきて下さい」
そう言ったレオンの目には、友への怒りと哀れみの両方がこもっていた。闇月族に引き込まれたということには、怒りも哀れみもあったのだ。
レオンの最後の賭けにも似た通告、それさえも、今のサイエンスには届かなかった。
「……そうはいかない、と言った筈だよ」
正直、レオンは困った。どうすればサイエンスを改心させられるというのか。敵を倒す戦略は沸いても、友を改心させる術は思いつかない。策と心理は違う。それを痛感せざるをえなかった。
そして、困惑しているレオンはサイエンスから見れば隙だらけだった。こっそりと懐から薬品ビンを取り出す。そのビンのラベルには…『最終兵器』とだけ書かれていた。だが、その一文だけでも、その薬品の恐ろしさを伺うには十分だろう。

(122.30.10.204).. 2008年10月18日 05:39   No.211020
++ クォーツ (オリカ王)…150回       
「(悪いね、レオン…僕はどうしてもあの研究を続けたいんでね…。君とはここでお別れだ)」
心の中でそう呟きつつ、取り出した『最終兵器』なる薬品ビンをレオン目掛けて投げ――
薬品ビンは、消えていた。
「どういうことだ!?何故消えた!?」
「サイエンス?」
「隙だらけだったぞ、時空王よ」
どこから現れたのか、レオンから見て左側のそう遠くない位置に、機獣らしき存在がいた。月明かりが、リライの時と同じくそれを照らす。
「…ムーンライト…?」
「お前か、さっきのビンを消したのは!」
「これのことか」
レオンとサイエンス、それぞれがぞれぞれの疑問をぶつける。月明かりに照らされたムーンライトは、薬品ビンを持って腕を組み、仁王立ちしていた。異様なプレッシャーが放たれている。
「研究の為とあらば、旧友さえも殺す…か。実にくだらないな、こんなものまで作りおって」
そういうと同時、ビンを放り出し――両腕から飛び出したブレードで一瞬で細切れにした。その途端大爆発が起きるが―無傷だ。
ムーンライトは静かに、強くレオンに告げた。

「旧友を殺したくない気持ちは分かる。だが、その旧友は今、お前を殺そうとしている。互いにやらねばならぬことがあるというのなら、お前もその意地を貫いてみせろ。時空族の王としてではなく、1人の人間としてだ」

ムーンライトが、過去にどのような経験をしてきたのかは誰も知らない。だが、その言葉には確かな説得力と威圧感があった。それは即ち、彼自身も似たような経験をしたことを意味している。
説得力と威圧感と根拠に満ちたムーンライトの言葉は、レオンにある決心をさせた。それは決して褒められたようなことではないが、旧友とのあらゆる意味での決着をつける為にはせざるをえない決心であった。レオンの心から、迷いが消えた。

「このぉ…フレイム・マジック!!」
「…トラベリング・ブレード」
サイエンスの火炎魔法を、レオンの時を操る剣が切り裂き、サイエンス自身をも切り捨てた。静かに、そして迷い無く、レオンはサイエンスを斬った。レオンの決意とは、サイエンスを倒すこと。永遠眠りにつかせることだった。
新たに刻まれた、サイエンスの4ヶ所目の傷。今までの中で最も深く、そして致命的だった。

(122.30.10.204).. 2008年10月18日 06:19   No.211021
++ クォーツ (オリカ王)…151回       
長きに渡って続いたレオン編も、遂に完結。
月光神羅の第3章も、残すはシンフォニー編のみとなります。クライマックス近し…。
あくまで可能性の域を出ませんが、ヘタすると冬休み辺りで月光神羅が完結しちゃうかもしれません。遅くても来年2月〜3月には完結見込み。
私の学校、卒業生は翌年の2月から授業ないんです。なので時間は割ととれるかと。
前置きが長くなりましたが、レオン編ラストをどうぞ。怒りと哀れみの果てに待つのは…?

ムーンライトの言葉によって迷いの消えたレオンの一撃は、サイエンスに致命傷を与えた。その一撃には、レオンの怒りと哀れみが存分に込められていた。それは威力の増加に繋がった。
「…終わったな」
レオンとサイエンスの戦いのことなのか、それとも防衛隊と鬼軍団の戦闘のことをいうのか、どちらにせよ、ムーンライトは勝利を確信していた。
「どのみち、もうヤツは助からない。迷いを捨てたのだから、ひと思いにトドメを刺したらどうだ?それとも、言いたいことでもあるか?」
そう、ムーンライトの言うとおり、サイエンスはもう助からない。先の一撃による傷は、かなり深い。そう遠くない内に出血多量で息絶える筈。何かを伝えるなら、まだ息がある今の内だった。

「…レオン…今、やられて…やっと…分かったことがある…。君は僕と似ている…」
「サイエンス…」
「僕は…研究の為に…闇月族に…協力して…君を殺そうと…した…。君は…時空族の…王として…僕を殺す…。似てるんだ…"自分が抱えるもの"の為なら…平気で友を殺せるところが…」
実は、サイエンスもまた悩んでいた。戦闘前、まさか時空族の王が旧友のレオンであるとは知らず、どうしようものかと考えていた。レオンと同じように、なんとか自分の側に引き込めないかと考えた。しかし、戦闘開始直前の会話でレオンよりも早くこの迷いは消え失せ、"自分が抱えるもの"の為にレオンを殺そうとした。
レオンも、ムーンライトからの言葉で迷いは消え失せ、サイエンスを殺すと決めた。
「お別れですね…サイエンス」
「……さよなら…だね…レオン…」
そう言った直後、サイエンスは息を引き取った。

結局のところ、レオンもサイエンスも、"旧友"として共通点を持っていた。
『"自分の抱えるもの"の為なら平気で友も殺せる残虐性』という、否定できない共通点を。
今のレオンの頭から、このことが離れることはなかった。おそらく、今後も離れないだろう…。

キャルツもサイエンスも倒れたことで、完全に指揮系統が混乱した鬼軍団。そこへ統率力の乱れない防衛隊が猛反撃を仕掛ける。ある鬼は逃げ、ある鬼は無謀な戦いをした。
最終的に、時空族領域へと派遣された闇月族の戦力は、戦闘直前の約9割を失う結果となった。対して時空族防衛隊の損害は約3割だった。

闇月族の残存勢力が全面撤退し、時空族領域は静かな夜明けを迎えていた。見渡してみれば、戦いに疲れた戦士達がつかの間の休息を迎えているのが伺える。その中には、リライやジェッターも混じっている。リライも途中から鬼討伐に参加し、ジェッターとの連携で大戦果を挙げていた。
夜明け特有の景色を眺めつつ、レオンはサイエンスの言葉を思い出していた。彼と自分は似ていると。そして、心に刻むように呟いた。
「その言葉…一生忘れませんよ、サイエンス」

―レオン編・完―

(122.30.10.204).. 2008年10月19日 05:18   No.211022
++ ウェリス (オリカ王子)…114回       
レオン編、有難う御座います^^
次はシンフォニー編ですが・・・出来るだけ参加できるよう頑張りたいです!

レオン編のおまけ的(?)ストーリーを1つ・・・
今回はいつもの書き方とちょっと違う部分がありますよw

戦いは長くは無かった。
しかし、部屋に戻るのが凄く久しぶりな気がして止まなかった。
サイエンスを殺したことに迷いも戸惑いも無かった。
自分の道を誤るなんて、そんな事は出来ない。
―それが王だから。
ひとまず隠し部屋に向かった。

「馬鹿な・・・何故このような事に・・・!」
レオンは驚くしかなかった。
隠し部屋に入るための扉が崩壊している。
壁と同じ色、材質のため、分かりにくい筈なのに。
崩壊した扉はもう扉の意味など無いかのよう。
内部がしっかり見えるほどに壊されている。
『でもパスワードはかけている。中の物は取られていない筈です。』
冷静に、だが焦りながらも中に入る。
機会に傷や損傷は無かった。
指を動かし、パスワードを打つ。
「・・・!」
絶句する以外、何も無い。

パ ス ワ ー ド は 解 か れ て い た 。

「そんな・・・そんな筈は!」
データを確認するが・・・
何一つとしてデータは残っていなかった。
データは盗まれたのだ。

「ネヴィア様、これを。」
部下の1人がネヴィアに欠片を手渡した。
「ご苦労であった。」
ネヴィアは欠片を見、満足気に頷いた。
「しかし驚いたものだ―」
欠片をじっくり見つめ、呟いた。
「時空族に欠片があるとはな。クク・・・なるほど、奴がずっと残していたという事か・・・。」
部下が何故長いパスワードを当てたか?
ネヴィアは手に持った資料を見る。
「まさかこれがパスワードになるとはな。私は本当に奴に助けられてばかりだな・・・!」
部下に下がるよう命じると、欠片を横に置いた。
「欠片は残り1つ・・・。そう、これさえあれば良いのだ。これさえあれば・・・!」
ネヴィアの声は静かな部屋に反響した。
決戦は―近い。

(220.213.108.180).. 2008年10月19日 22:27   No.211023

■--3章キャラ投稿場
++ ウェリス (一旦書いてみる)…55回          

さてさて、月光神羅も残すところあと3,4章ですw
前みたいにバテバテで更新遅れなどが起こらない様に頑張りたいところです;
では早速キャラデータいってみよ〜っ!!

名前:流星王セイガ
パワー:13
種族:流星族
必殺技:流星・聖牙斬(リュウセイ・セイガザン)
ライバル:魂吸者ソウル
データ:辺境族の激闘で力量が上がったセイガ。新たな技を習得し、迫り来る闇月族に立ち向かう!
セイガ
「絶対に流星族を―いや、世界を救い出す!」
月光ウェハ
月光神羅の世界の上空にある暗黒雲は、既に全世界を埋め尽くしてしまったらしいゾ!

名前:気功王グレンドル
パワー:13
種族:気功族
必殺技:炎龍爆連舞(エンリュウバクレンブ)
ライバル:岩砕鬼アマノジャク
データ:辺境族の激闘で力量の上がったグレンドル。その上がった力はもはや砕けない物など無い程!
レンドル
「覚悟しな!一瞬で砕け散れ!!」
月光ウェハ
闇月族では最近動きが活発になってきているらしいゾ!
(220.213.111.164).. 2007年09月12日 21:02   No.193001

++ ウェリス (一旦書いてみる)…56回       
名前:時空王レオン
パワー:13
種族:時空族
必殺技:トラベリング・ブレード
ライバル:固塊液サイエンス
データ:辺境族の激闘で力量が上がったレオン。辺境族で見た機械類に触れたお陰か偏差値も上がり、戦略的な戦いを見せる!
レオン
「決して読まれることの無い戦略を見なさい!」
月光ウェハ
ネヴィアの行っている行動は、時空族に深く関係があるらしいゾ!

名前:音程王シンフォニー
パワー:13
種族:音程族
必殺技:裁きの譜歌(ジャッジメント・ソング)
ライバル:吸血鬼シェード
データ:辺境族の激闘で力量が上がったシンフォニー。技術面でも能力がUPし、強力な魔術と投擲ナイフで敵を仕留める!
シンフォニー
「戦いは嫌だけど・・・この世界のためなら戦う!」
月光ウェハ
セイガ達がいない間に戦っていたセイナ達も、腕を上げたらしいゾ!

(220.213.112.23).. 2007年09月12日 23:22   No.193002
++ クォーツ (一旦書いてみる)…54回       
投下スレができたようなので新登場キャラを。
とはいえ、2章で登場させられなかったヤツもいるのでそっちが優先。ステータスは2章の投下スレを参照。
今回は控えめでいきます。

名前:メデュール
パワー:10
種族:辺境族/流天使
必殺技:粛清の魔弾(しゅくせいのまだん)
データ:辺境世界の中央部に密かに潜伏していた流天使。魔力とは違った特殊な力の弾を出すことができ、当たった者に災いをもたらす。
パートナー:フィリー
メデュール
「まだ…終わらないな」
月光ウエハ
「メデュールは常に浮いていて、彼を覆う半透明の物質から大きな目玉が浮き上がるらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年09月13日 05:05   No.193003
++ ウェリス (一旦書いてみる)…57回       
さて、気になる(?)セイガ達のライバル投稿です。

名前:魂吸者(コンキュウシャ)ソウル
パワー:13
種族:闇月族
必殺技:黒龍・闇月斬(コクリュウ・アンゲツザン)
ライバル:流星王セイガ
データ:仮面を被っていて、口元以外の表情が全く分からない。魔剣を使っていることや髪型からセイガに似ているが・・・?
ソウル
「お前がセイガか・・・貴様を倒す!」
月光ウェハ
ネヴィアは何故かソウルだけに興味を持っているらしいゾ!

名前:岩砕鬼(ガンサイキ)アマノジャク
パワー:13
種族:闇月族
必殺技:掌破斬衝撃(ショウハザンショウゲキ)
ライバル:気功王グレンドル
データ:一人で斧や長剣といった多くの武器を扱う、気の荒い青年。強い敵と戦うことを常に意識している。
アマノジャク
「強そうな奴だな!面白くなってきたゼ!!」
月光ウェハ
アマノジャクは剣術のほか、体術も使えるらしいゾ!

(220.213.98.19).. 2007年09月16日 03:14   No.193004
++ ウェリス (一旦書いてみる)…58回       
続きです〜w

名前:固塊液(コカイエキ)サイエンス
パワー:13
種族:闇月族
必殺技:フレイム・マジック
ライバル:時空王レオン
データ:研究員のような白衣を着た青年。見た目によらず強力な魔術などを放ってくる。
サイエンス
「やぁ。久しぶりだね。レオン・・・。」
月光ウェハ
サイエンスとレオンは旧友らしいゾ!

名前:乱猫鬼(ランビョウキ)キャルツ
パワー:11
種族:闇月族
必殺技:キャッツラッシュ
ライバル:軍士長リグレット
データ:猫の耳や尻尾を持つ陽気な女の子。一風代わっているが、尋常ではない長さの爪は強力である。
キャルツ
「にゃははっ!皆引き裂くからねっ!」
月光ウェハ
ネヴィアは何故か時空族だけ多くの部下を連れ込もうとしているらしいゾ!

名前:吸血鬼(キュウケツキ)シェード
パワー:13
種族:闇月族
必殺技:ブラッディ・スラッシュ
ライバル:音程王
データ:背中に蝙蝠の翼の生えた男。実際の蝙蝠のように早く飛べ、超音波攻撃や爪などで攻撃する。
シェード
「私の爪から生きれるとでも思っているのですか?」
月光ウェハ
シェードは吸血鬼でも、十字架や太陽の光が苦手だと言う事は無いらしいゾ!

(220.213.98.19).. 2007年09月16日 03:15   No.193005
++ クォーツ (一旦書いてみる)…56回       
今回は2体。上司と部下…っぽい(ぇ
多いと出しても出し切れないもので…(苦笑

名前:ヘイム
パワー:4
出身地:辺境世界・中央部
必殺技:レインボー・クリエーション
データ:「虹の騎士団」を結成した張本人。七色の服と騎士団の紋章型のバッジがトレードマーク。魂があれば物質なしで生命体を「創造」することができる。
部下(パートナー):メデュール
ヘイム
「次はどんな「ヒト」を創造しようかなー?」
月光ウエハ
「ヘイムの創造の力は禁忌の力とされているらしいゾ!」

名前:滅爆のボマー
パワー:5
出身地:辺境世界
必殺技:滅びの爆魔(ほろびのばくま)
データ:ヘイムによって「創造」された「虹の騎士団」の1人。騎士のイメージとは程遠いが、彼に攻撃を加えた者は精神を攻撃される。
上司(パートナー):ヘイム
ボマー
「ヘイム様ー!誰の精神を壊せばいいんだ!?」
月光ウエハ
「虹の騎士団は、メデュールがまとめているらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年10月06日 19:23   No.193006
++ ウェリス (一旦書いてみる)…59回       
更新遅れすぎですね・・・;
申し訳ないッス。。。

名前:月閃剣(ゲッセンケン)スターリィ
パワー:11
種族:流星族
必殺技:浄魔滅殺陣(ジョウマメッサツジン)
ライバル:神掌腕キラー
データ:遂に仮面をとったスターマン!セイガも知らない事実を打ち明ける。心と武器を新たにし、セイガ達と共に前線で戦う!
スターリィ
「俺の素顔を見たな?―どうなるか教えてやるよ!」
月光ウェハ
スターリィが仮面をはずした瞬間、セイナはその素顔に一目惚れしてしまったらしいゾ!

名前:必弓者(ヒッキュウシャ)キュウセイ
パワー:7
種族:流星族
必殺技:爆牙(バクガ)
パートナー:狩人セイハ
データ:セイハの元に弟子入りした狩人。今ではセイハと並ぶほどの実力で、弓道場の跡継ぎとしても選ばれている。
キュウセイ
「ボクのターゲットはお前サ!絶対逃がさないよ!」
月光ウェハ
キュウセイの百発百中と言える腕は、セイガ自身も関心しているらしいゾ!

(220.213.96.78).. 2007年10月01日 02:35   No.193007
++ クォーツ (一旦書いてみる)…56回       
今回も騎士団メンバー
後にブログイラスト描いておきますね。

名前:制裁のルカイ
パワー:9
出身地:辺境世界
必殺技:対極の裁き(たいきょくのさばき)
データ:虹の騎士団の1人で、炎と水の対となる力を同時に振るう少年。右の剣は炎、左の剣は水の能力を持っている。規律に興味があり、それに対して厳格。
上司(パートナー):ヘイム
ルカイ
「調子に乗っていると、痛い目に遭いますよ!」
月光ウエハ
「ルカイの剣は魔力で精製されるらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年10月06日 19:24   No.193008
++ ウェリス (一旦書いてみる)…60回       
ブログの方のコメントはしていませんが、しっかり拝見していますよ〜。
ルカイも見ました。自分も頑張らなくては!(とは言っても現在スレシンに投稿するための絵を制作していますが;)

名前:練習者セイショウ
パワー:6
種族:流星族
必殺技:舞乱剣(ブランケン)
ライバル:×
データ:木刀を扱うまだまだ練習身の子供。しかし練習生とは言い難い様な実力で、その内真剣を持って戦う日も近いと言われている。
セイショウ
「練習生だからってオイラの力をなめるなぁっ!」
月光ウェハ
セイショウは剣術だけでなく魔術も練習生以上らしいゾ!

名前:風流のフウセイ
パワー:9
種族:流星族
必殺技:ゴットウインド
ライバル:×
データ:流星族の中でも稀な風の力のみが長けた青年。星の力等は然程高くは無いものの、風の術を使えば星の力は関係の無くなるほど
フウセイ
「風は俺の味方さ!いつだって力を貸してくれる!」
月光ウェハ
フウセイは風の魔術の他、風の動きを読む事も出来るらしいゾ!

(220.213.100.254).. 2007年10月03日 02:21   No.193009
++ ウェリス (一旦書いてみる)…61回       
名前:爆牙石(バクガセキ)ガンタス
パワー:11
種族:気功
必殺技:爆破石牙弾(バクハセキガダン)
ライバル:黒龍鎌ブロード
データ:石で出来たハンマーを、幼いながら軽々と扱う。拳などを使った肉弾戦には不向きだが、ハンマーから繰り出される技は全てを砕くと言われている。
ガンタス
「オラの一撃、その身で受けるダス!」
月光ウェハ
ガンダスの語尾には、何故か「〜ダス」と付いてしまうらしいゾ!

名前:魔拳士ヴォルク
パワー:8
種族:?
必殺技:業魔焦破拳(ゴウマショウハケン)
パートナー:気功王グレンドル
データ:グレンドルが戻ってきてすぐ気功族にやってきた記憶の無い少年。魔術と格闘の両方を使いこなす事が出来るのだが・・・?
ヴォルク
「あれ・・・?ここは一体?」
月光ウェハ
ヴォルクには、決していう事の出来ない話があるらしいゾ!

(220.213.100.254).. 2007年10月03日 02:33   No.193010
++ クォーツ (一旦書いてみる)…57回       
イラスト化に伴ってヘイムとルカイの一部を修正しますた。ルカイは口調を、ヘイムは紹介を。
で、騎士団メンバーはまだ増える。

名前:析瞬のチック
パワー:6
出身地:辺境世界
必殺技:電光痛刺(でんこうつうし)
データ:虹の騎士団の1人で、かなり小さい。ルカイと同じ系統だが能力は大きく異なり、瞬時に敵の弱点を見つけ、瞬時にそれを突く。
上司(パートナー):ヘイム
チック
「勝者の資質は2つある。1つは敵の弱点を見抜く術、もう1つはそれを突くスピードさ。」
月光ウエハ
「チックの大きさは○ロコ○約1冊分だが、両腕の魔力針の痛さは尋常ではないらしいゾ!」

近日イラスト化予定です。何気に久々の「きほんはまる」系だったり。

(221.184.252.213).. 2007年10月07日 07:08   No.193011
++ ウェリス (一旦書いてみる)…63回       
更新が遅れてしまって本当に申し訳ないです。
時間を見つけつつ頑張って更新したいです。
とりあえず遅れた分多めに貼っておきますね。

名前:爆岩使(バクガンシ)グレイブ
パワー:9
出身地:気功
必殺技:崩龍爆岩断(ホウリュウバクガダン)
データ:気功族でもトップといえる頭脳を持っている。皮肉屋だが岩を扱う技は強力で、全てを砕くといわれている。
ライバル:×
グレイブ
「どけ!ヒヨっ子どもが!」
月光ウエハ
グレイブは自分より下の物の事を「ヒヨっ子」と呼んでいるゾ!

名前:拳女(ケンジョ)ダリア
パワー:7
出身地:気功族
必殺技:破魔・剛拳(ハマ・ゴウケン)
データ:気功族の中の女性でも特に腕力・筋力の強い少女。男勝りのその力は神授かりとも言われる。
ライバル:×
ダリア
「アンタ達情けないね〜。女は度胸よっ!」
月光ウエハ
ダリアの「拳女」という称号は、腕力・筋力が強い女性の事を表すらしいゾ!

ちなみにグレイブは『地球(テラ)へ・・・』というアニメにいるキャラです。
名前も性格も同じです;(ヒヨっ子もそうですよ;
ダリアの台詞はエメラルダっぽい感じを出そうと思って書きました。
女は度胸!(は?

(220.213.103.111).. 2007年10月20日 00:58   No.193012
++ ウェリス (一旦書いてみる)…63回       
名前:断風閃(ダンプウセン)エアー
パワー:8
出身地:時空族
必殺技:フライング・エア
データ:ウェザーの助手で、主に風速などを調べるのが得意。そのお陰なのか、術では風の術が得意である。
先輩(パートナー):空予報者ウェザー
エアー
「ウェザー先輩!風の予測が完了しました!」
月光ウエハ
エアーはかなりの働き者だが、全く疲れを見せた事がないらしいゾ!

名前:時空戦士ロスト
パワー:11
出身地:時空族
必殺技:時空旋風刃(ジクウセンプウジン)
データ:アーヴィンの旧友で巨大な斧で戦う。実力はアーヴィンと同じ位で、2人のコンビは未だ倒せたものがいないとか。
パートナー:時空使いアーヴィン
ロスト
「いくぞアーヴィン!我々の力を見せてやろう!」
月光ウエハ
ロストの斧はかなりの重さがあり、扱えるのはロスト以外誰もいないらしいゾ!

名前:呼宇招(コウショウ)アース
パワー:9
出身地:時空族
必殺技:バーンメテオ
データ:魔術などは不得意なものの、物体を呼び出す力は大きくレオンに並ぶほど。無口で言葉を話す事はあまり無いが、冷たいわけではない。
ライバル:冷氷嬢プリズン
アース
「・・・一瞬で終わらせる・・・。」
月光ウエハ
アースは一見何も持っていないように見えるが、実は隠しナイフなどが沢山あるらしいゾ!

名前:閃空剣士(センクウケンシ)スカイ
パワー:8
出身地:時空族
必殺技:断斬時空剣(ダンザンジクウケン)
データ:アースと共にいる少年。ボーッとしている事が多く、その上とても無愛想。恋愛に対しても鈍感であるが、アースは彼を頼りにしているようだ。
パートナー:呼宇招アース
スカイ
「さて、こいつ等を倒すとすっか〜。」
月光ウエハ
スカイは体形は細いのにも関わらず大食いで、空を見上げる事が趣味らしいゾ!

スカイはもとネタありで、テイルズオブエターニアの主人公、リッドです。

(220.213.103.111).. 2007年10月20日 00:45   No.193013
++ クォーツ (一旦書いてみる)…58回       
更新ご苦労様です。
さてさて、イラストは本日投下の、コイツを。

名前:創源使(そうげんし)ユニバース
パワー:50
出身地:辺境世界
必殺技:ジ・エンド・オブ・ユニバース
データ:辺境世界において万物の創世と抹消を司るといわれる精霊。物理的な戦闘力は皆無に等しいが、錬成能力の応用で場を制圧可能。
敵対者(ライバル):ヘイム
ユニバース
「決して、創造という行為を軽々しく見てはいけないのですよ…」
月光ウエハ
「ユニバースはヘイムの軽々しい創造行為に嫌悪感を抱いているらしいゾ!」

ブログの方で解説文は投稿済みですが、ユニバースの錬成は転用することで物質を光に還すことができる恐怖の能力です。

(221.184.252.213).. 2007年10月20日 03:47   No.193014
++ クォーツ (一旦書いてみる)…61回       
間をおいての連続投稿。
今回は、神羅系では珍しい料理関連のキャラ。

名前:爆裂料理人(ばくれつコック)チェスト
パワー:5
出身地:辺境世界
必殺技:バーニング・クッキング
データ:辺境世界随一の料理人。熱い魂と華麗な技で辺境世界の名だたる食通達をうならせる。密かにユニバースと交信できる…?
相棒(パートナー):起捕のタイマー
チェスト
「タイマー、そのゲストさんを逃がすなよ!
 辺境定食、一丁上がりぃ!!」
月光ウエハ
「チェストとタイマーは固い絆で結ばれているらしいゾ!」

名前:起捕(きばく)のタイマー
パワー:3
出身地:辺境世界
必殺技:スタート・オア・ストップ
データ:チェストの相棒として、その時計のような体と一時的に時間を操る力を行使する。実は虹の騎士団の1人だった。
相棒(パートナー):爆裂料理人チェスト
タイマー
「おうよ!しっかり止めとくぜチェスト!
 ほらほら、逃げるなっての」
月光ウエハ
「タイマーは虹の騎士団の1人だったが、ヘイムのある部分に嫌気がさし脱走したらしいゾ!」

どちらも元ネタはDMカード。そして元ネタでもパートナー同士の2体でした。

(221.184.252.213).. 2007年10月22日 04:41   No.193015
++ ウェリス (一旦書いてみる)…64回       
上げていただいて有難うございますw
あの怪奇現象(?)って、何が原因なんでしょうね?
来た瞬間、「アレ!?1章何処行った!?」とか言っていましたよ;ビビりました;
あと、オリカ絵も見させていただきましたよ〜♪

名前:爆炎士コン・フォーコ
パワー:8
種族:音程族
必殺技:バーストフレイム
パートナー:熱詩アパショナー
データ:アパショナーの弟で、同じくロックの歌詞を担当している。アパショナーに比べてはまだまだ未熟だが、評判は彼に並ぶほど。
コン・フォーコ
「いつまでも兄貴には負けられねぇぞ!」
月光ウェハ
2人はよく歌詞を書いて、どちらの出来がいいか競い合っているらしいゾ!

名前:強戦士(キョウセンシ)スフォルツ
パワー:11
種族:音程族
必殺技:ツァンドファング
ライバル:豪腕拳ゴルド
データ:音程族の中で強さを持つものといわれる『強戦士』の称号を持っている。手に持っている大剣の力は巨大的!
スフォルツ
「その身に受けよ!我が一撃!」
月光ウェハ
スフォルツのように武器を持って戦うのは、音程族では珍しいゾ!

名前:陽響(ヨウキョウ)ヴァーチェ
パワー:7
種族:音程族
必殺技:マーチング・ライト
パートナー:静響のヴォーチェ
データ:陽気で活発な少女。音楽でも陽気なマーチなどが好き。そっくりの兄と共に暮らしているが、いつも五月蝿く世話を焼いてしまう。
ヴァーチェ
「女の子はいつも陽気でいなくちゃ!」
月光ウェハ
ヴァーチェとヴォーチェは顔立ちがそっくりでも、性格はま逆らしいゾ!

名前:静響(ジョウキョウ)ヴォーチェ
パワー:9
種族:音程族
必殺技:クラシック・ブルー
パートナー:陽響ヴァーチェ
データ:陽気なヴァーチェとはま逆で、静かで不器用な青年。好きな曲がクラシックだということも彼女と全く違っている。
ヴォーチェ
「ヴァーチェ、もう少し静かにするんだ。」
月光ウェハ
ヴォーチェは怒る事も苦手で、怒るのはごく稀の事らしいゾ!

コン・フォーコはアパショナータと同じく『火の様に』という意味。
スフォルツは『特に強く』という意味のスフォルツァンド。
ヴァーチェは『陽気に』という意味のヴィヴァーチェで、ヴォーチェは『静かに』という意味のソットヴォーチェをいじって作りましたw

(220.213.114.24).. 2007年10月27日 22:51   No.193016
++ ウェリス (一旦書いてみる)…65回       
名前:神掌腕(シンショウワン)キラー
パワー:11
種族:闇月族
必殺技:光滅豪魔斬(メッショウゴウマザン)
ライバル:月閃剣スターリィ
データ:異空間から幾つもの腕を呼び出す能力を持っている。予告も無く飛び出す腕は敵を翻弄し、錯乱させる!
キラー
「あはは!どんどん痛めつけてあげるよ!」
月光ウェハ
キラーの呼び出す腕には武器が握られていたり等さまざまらしいゾ!

名前:黒龍錬(コクリュウレン)ブロード
パワー:11
種族:闇月族
必殺技:錬牙双刃斬(レンガソウジンザン)
ライバル:爆牙石ガンタス
データ:巨大な鎌を軽々と扱う事が出来る。鎌の刃に付いている魔石は、見たものの動きを封じ込める力を持っている。
ブロード
「せいぜい苦しみ、足掻くのだな!」
月光ウェハ
ブロードの鎌の魔石は頑丈で、通常の攻撃で割るのは不可能らしいゾ!

名前:冷氷嬢(レイヒョウジョウ)プリズン
パワー:9
種族:闇月族
必殺技:双牙冷氷刃(ソウガレイヒョウジン)
ライバル:呼宇招アース
データ:いつも虚ろな瞳で2本のタガーを扱っている。氷の魔術を得意としていて、魔術と剣術の2つを扱う姿は、まさに戦う令嬢。
プリズン
「目標発見。・・・凍てつきなさい。」
月光ウェハ
プリズンの言語はいつも機械的で、聞き取り難いほど小さいらしいゾ!

名前:豪腕拳(ゴウワンケン)ゴルド
パワー:11
種族:闇月族
必殺技:聖破爆砕拳(セイハバクサイケン)
ライバル:強戦士スフォルツ
データ:通常の2本の腕に加え、背中から4本の腕がある。それぞれ武器を握っているが、連続の攻撃に耐えた者は未だにいない。
ゴルド
「この全てをかわしきれるかな!?」
月光ウェハ
ゴルドの腕に捕まると、二度と逃れる事は不可能と言われているらしいゾ!

(220.213.114.24).. 2007年10月28日 01:02   No.193017
++ ウェリス (一旦書いてみる)…66回       
名前:黒青鬼(コクショウキ)
パワー:5
種族:闇月族
必殺技:水流鬼(スイリュウキ
パートナー:黒赤鬼&黒黄鬼
データ:ネヴィアの部下で、水の魔力を主に扱う。棍棒を振り回しつつ放たれる魔術は一般人にとっては致命傷とも言える。
黒青鬼
「ギィィィィ!!!」
月光ウェハ
最近、ネヴィアの部下が何やら忙しく動き回っているらしいゾ!

名前:黒赤鬼(コクシャクキ)
パワー:5
種族:闇月族
必殺技:爆炎鬼(バクエンキ)
パートナー:黒青鬼&黒黄鬼
データ:ネヴィアの部下で、炎の魔力を主に扱う。部下とは言い難いほどの火力は、鉄をも溶かすと言われている。
黒赤鬼
「ヒィィィィ!!!」
月光ウェハ
黒青鬼達が使っている棍棒はとてつもなく固く、割ろうとしてもこちらが割れてしまうほどらしいゾ!

名前:黒黄鬼(コクオウキ)
パワー:5
種族:闇月族
必殺技:雷神鬼(ライジンキ)
パートナー:黒青鬼&黒赤鬼
データ:ネヴィアの部下で、雷の魔力を主に扱う。威力の高い雷は、落ちただけで地面が砕ける程で、普通の雷とはケタ違い。
黒黄鬼
「キシャァァァッ!!!」
月光ウェハ
黒黄鬼は稀に自分の棍棒に雷が感電し、自滅する時があるらしいゾ!

自分の3章キャラは以上ですね。
後はクォーツさんがOKでしたら、小説に移りましょう!

(220.213.114.24).. 2007年10月28日 01:25   No.193018
++ クォーツ (一旦書いてみる)…63回       
前から言っている通り、あまり多いと未登場で終わるキャラが出かねない状態です^^;
というわけで、私からの投稿はここら辺で区切りたいと思います。

小説の展開の方ですが、まずはジェッター以降のアドベンチャーチームを出す予定です。
虹の騎士団やユニバースらその他のキャラと同時進行になりそうですがw

ではでは、次からは3章突入ってことで。

(221.184.252.213).. 2007年10月28日 02:35   No.193019
++ ウェリス (一旦書いてみる)…67回       
風邪気味で早退しましたが、返信だけは・・・!(コラ

では早速小説に取り掛かりますねw(まだ1文字も書いてないです;
展開の方、了解しました!
同時進行頑張ってくださいねw

後、ブログの方にスターマンの絵を貼っておいたので、気が向いたらどうぞ〜☆

(220.213.105.13).. 2007年10月31日 17:38   No.193020
++ クォーツ (一旦書いてみる)…64回       
返信もかねて、出し忘れそうになっていたヤツらを投下しておきます。
ただし、彼らは人間の言葉は喋れないのでセリフはないです。だって、彼らですもん(意味不明

ブログの方はしっかりと拝見しておりますよ〜。スターマンとかも見ました。赤毛キャラが多めなのは気のせいだと解釈しておきますね。
なにせ、私が「きほんはまる」系を多くやっちゃってますし(ぁ

名前プライヤー
パワー:3
出身地:辺境世界
必殺技:逆転湾曲(ディメンジョンプライヤー)
データ:辺境世界の地下にある古代遺跡から発掘された3体のツールロボット。リーダーであり落ち着いた性格のDP-C1、決めポーズにこだわるDP-R2、バランス感覚に問題があるDP-L3の3機で構成されていて、常に3機一緒で行動する。
AIユニット(人工知能)がかなり旧式である為人間の言葉は喋れないが、逆に人間の言葉を理解することはできる。
月光ウエハ
「プライヤーズは目の部分の点滅と電子音でコミュニケーションをとるらしいゾ!」

3機をまとめて紹介したのでやたら長くなりましたが、更に補足を加えていきます。
プライヤーズは3機で合体することで、空間湾曲ツール「ディメンジョンプライヤー」になり、空間の一部を切り離すことができます。
また、3機が直列合体することでスパナ形態となり、相手にダメージを与えたり、障壁を貫いて突破することもできます。
ちなみに、発掘したのは辺境世界に残留しているアドベンチャーチームの誰か。ダイボウケンらからの打診でセイガ達に送られるという予定です。

異様に長くなりましたが、でわ。

(221.184.252.213).. 2007年11月04日 05:00   No.193021
++ クォーツ (オリカ王)…130回       
130回目はレオン編その1を予定していたんですが、キャラデータを手っ取り早くみたいのでスレ上げも兼ねてキャラ投下。
彼はルナ族の黒歴史。

名前:リライ
パワー:7
種族:辺境族(ルナ族)
必殺技:ムーンストライク
データ:ルナ族の流れ者で、なかなか茶目っ気が抜けないジョーク好き。弓術と格闘技を得意とし、また水関係の罠を作るのも特技の1つ。
リライ
「鬼と組む?…いや、冗談だよ」
月光ウエハー
「リライは大いなる災いの前から月光世界にいた為、知らない内に生き残りになったらしいゾ!」

彼は、レオンとサイエンスの対決に妙なものを加えてしまい、ジョークトラブルを起こしてしまいます(ぇ)どういうことかは以後のお楽しみ。

(123.218.1.239).. 2008年08月12日 07:09   No.193022

■--裏切りと死(グレンドル偏)
++ ウェリス (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…94回          

テストも終わったので、やっとグレンドル編開始です!
PCが壊れてからwordが使えなくなったので仕方なくメモ帳で書いてます;
誤字だとか変な部分があったら報告していただけると有難いです。


「いいな?この作戦は成功させるべきだ。」
ネヴィアが目の前に跪いている少年に言った。
少年は顔を上げると、頷いた。
「分かりました。必ず成功させてみせます。」
よく通る声で返し、立ち上がるとローブを翻した。
そして少年は闇へと消えた―

「はあっ!てやっ!」
レンドルは一心不乱に拳を振るい続けている。
木に掠れるだけでも深く削れ、弾き飛ばしていった。
目の前に落ちる木の葉も、彼の拳によって裂かれ、粉となっていた。
暫く拳を振るった後、彼は海岸沿いにやって来た。
潮風が頬に当たっている感覚が心地よい。
目の前に広がる青き海を見ていたが、その青に何かが浮かんでいるのが見えた。
「なんだあれ?」
波につられて踊るように布が浮いている。
「服?誰かが溺れているのか!?」
グレンドルは衝動的に海に飛び込むと、沈んでいた少年を海岸まで引き戻した。
幸い息はしているようだった。
「このまま放っておいても危険だからな。」
グレンドルは少年を負ぶってやると、そのまま家に戻っていった。
(220.213.99.56).. 2008年03月04日 00:10   No.196001

++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…84回       
了解でございますです。
まぁ、かくいう私が今日から6日までテストなんですがね(ぁ

月光世界へ飛んでからは、アドベンチャーチームは分割状態。東はダイボウケンが担当。
この西はドリラーとクレーラーのコンビが担当している。今は周辺のパトロール中だ。
「ねぇ、こっちにも刺客、現れるかな?」
「可能性はあるだろ。辺境世界はコンクル倒したからどうにかなるとして、こっちにはまだネヴィアとかいう悪者がいるんだろ?だったら、コンクルと通じているかいないかなんて関係なしに行動するに決まってる」
「そっか、元々セイガ達はネヴィアのせいで辺境世界に飛ばされたんだもんね」
クレーラーの理論にドリラーが納得し、荒野まで来ると、2人はビークルモードに変形。別な区域のパトロールに向かった。

一方、変貌を遂げたコンクルによってあっさり占拠されたセントラルタワー内部。
「…さて、目的には通じぬ故に殺しはしなかったが、こやつらどうしたものか…」
先程自分が1分とかからず全滅させた虹の騎士団メンバーの扱いをどうするか考えていた。
「考えてみれば、我には部下がいないな…」
「……っ…」
「ほう、気がついたか」
どうしようかと考えている内に、ルカイが意識を取り戻した。まだ体はふらついているが。
「お前…我の部下にはならんか?」
「い…いきなり…何を…?」
「貴様の生みの親であるヘイムはもはや死んだ。今度は我の部下として生きる気はないか?もしそうするか、逃げるかするならば、我はお前を追ったりはせぬぞ」
「…………」
ヘイムが死んだことは、状況とそれらしき肉塊を見て理解できた。つまり、今の自分や他の仲間達は主を失ったということだ。更なる主を求めるかこの場から逃げ出すかは、個人の選択の自由となる。ルカイは…
「…ここからは…立ち去らせてもらいます」
「そうか…残念だ」
他に候補は残っている。それ故、ルカイを見逃す方針を曲げることはなかった。
そしてルカイは、ふらつきながら、静かにセントラルタワーから去っていった…。

(122.30.3.93).. 2008年03月04日 05:15   No.196002
++ ウェリス (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…95回       
更新ほうりっ放しでした。
申し訳ないです・・・;
wordも直ったので、多分誤字は見つからない・・・筈ですw


「おっ、目が覚めたみたいだな。」
レンドルが部屋に入ると、少年の目は開いていた。
少年は少し戸惑っている様子だった。
当たり前だろう。
海に落ちたと思いきや、気づけば知らない場所にいたからだ。
「あれ・・・?ここは?」
グレンドルは微笑み、
「お前、海に流されてたんだよ。んで、偶然俺が見つけて、ここまで連れてきたわけさ。」
と言った。
「んで・・・なんで海に落ちてたんだよ?」
唐突の質問に迷った。
「・・・分からない。」
少年は正直に言った。
グレンドルは小首を傾げた。
「どういう事だ?何かあったのか?」
さらに彼は質問を続けた。
少年は考えていた。
しかし出てきた答えは先程と同じだった。
「僕・・・記憶が無いんだ。昔の事なんて全く・・・。」
つまりだ。
何かがあって少年は記憶を無くし、放置されていた。
そして最近海に投げ捨てられたのだろう。
グレンドルはそう推測した。
「うーん・・・これじゃ親も何も分からないからな・・・よし!俺が責任を持って保護する。どうだ?」
少年は頷いた。
「じゃ、名前だけでも言わないとな。俺はグレンドル。気功族の王さ。」
少年は王と言ったとき、少し驚いたようだ。
だが、息を吸い直し、名乗った。
「僕はヴォルクと言います。とりあえず覚えていることと言ったら・・・流星族と気功族の間の地点で生まれました。それだけです・・・。」
グレンドルも正直驚いた。
流星族と気功族の間―ハーフなんて滅多にいないのだから。
とりあえず何かあった時の為、ヴォルクと共に修行をすることにした。

(220.213.98.201).. 2008年03月23日 23:57   No.196003
++ ウェリス (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…96回       
少し時間差があったけどもういっちょ!(何


「流星族と気功族の間に生まれたハーフ・・・って事は魔術と体術の両方が使えるって事か?」
いつもの修行場に着いて、素朴かもしれない疑問をグレンドルはぶつけた。
ヴォルクは暫く考え、
「多分そうだと思います。実戦経験なんて1度も無いので・・・正しいことは分かりません。」
と、気恥ずかしげに言った。
レンドルは軽く溜息をついた。
苛々しているわけでもない。ただの溜息を。
「あのよー。俺が保護するって事は俺の家族同然なんだぜ?敬語なんて使わなくったっていいっての。」
吐き捨てるような言葉だったが、声は優しかった。
まるで、本当の兄弟かのような言い方だった。
「はい―じゃなかった。うん・・・。」
敬語ではなくなった瞬間、彼は笑顔になった。
満面の笑みだ。
「よーし、それでこそ家族ってモンだぜ!あー・・・兄弟でも悪くねぇな。」
それを見、ヴォルクも笑った。
「兄弟・・・僕は一人っ子だから兄弟なんて響きは嬉しいな。」
2人は笑いあった。
その光景は、兄弟の間にもよくあるような光景だった。

そして修行は始まった。
確かにハーフと言うこともある。魔術も体術も両方をこなしていた。
2つの力を扱えるということは強力な戦術も生み出せるだろう、そう彼は思った。
小さな体なのにその体のどこにそんな力があるか、グレンドルは修行しながら彼を羨ましく思った。
『あれだけの力があるんだったら戦いもかなり有利になるんだろうな。』
それにかなりの力がある。
ハーフという理由(わけ)でもない。彼の体は見た目によらず強いのだ。
ホント・・・誰もかも見た目で決め付けちゃいけないよなー。なんだ、それじゃ俺がバカみてぇじゃん。』
自分で考え思ったことに笑ってしまった。
確かに人と言うのは見た目だけで全てが変わるのではない。
勿論力だけでもない。
大事なのはそのもっと深くにある、心の強さである。
心が強ければ体が強くなったりもする。そんな感じなのだ。
そうしてグレンドルはまだ上手く戦いに慣れていないヴォルクに手取り足取り様々な事を教えた。
「スゲェじゃん。今日1日だけでこんなに成長した奴なんて今までいないぜ?これも天性ってヤツか?」
グレンドルは微笑んだ。
「そんな・・・グレンの教え方が良かったんだよ。僕はただそれに従っていただけだよ。」
ヴォルクは苦笑し、だが少し照れて言った。
「やーれやれ。ま、いっか。とりあえず領地に戻るか。疲れただろ?」
グレンドルは軽くヴォルクを撫でて、領地に戻る事にした。

(220.213.98.201).. 2008年03月24日 00:38   No.196004
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…85回       
誤字らしきものはありませんよ。
復旧おめでとうございますです。

レンドルとヴォルク、本当の兄弟のように仲の良い2人の修行を遠くから見る光球が1つ。
「…へー、なかなか凄い連中じゃん。『スキャン対象』はあいつらでいいかな」
2人は気づかなかったが、光球から発せられた光線のようなものが2人をなぞっていた。
「…よし、これでこの空間でも活動できそうだ。さて、これからどうすっかなー」
そう呟くと、光球は気功族統治領域の南東エリアへと向かっていった。

一方、セントラルタワー。コンクルは目覚めた順に騎士団メンバーを勧誘してみたが…。
「ふむ…、若干一名を除きヘイムへの忠誠心は高くない筈。だとすれば…」
そう、結局誰1人としてコンクルの部下にはならなかったのであった。導かれた結論は…。
「平民と変わらぬ暮らしをするか、時を経て敵となって我に向かってくるか…だな」
セントラルタワーを取り戻した以上、部下の数には問題はない。問題は、騎士団の今後。

「討伐完了です。暫くはモンスター達も出てこないでしょう。トラップも仕掛けましたし」
「いつもすまねぇな、ここら辺のモンスター達はやんちゃなのが取り柄であって問題なんだ」
「いえいえ、あのモンスター達は普通に食べられるんで、食料が増えていいんですけどね」
「こいつぁ一本取られた」
辺境世界南部、とある農村。暴れ回っていたモンスターは既に全滅、解体されている。
実のことを言うと、辺境世界に存在するモンスターの多くは食用にも耐えられる。
今回暴れ回っていたモンスター、プアゾンも、攻撃こそ毒ではあるが焼けば問題ない。
そういうことで、ちゃっかり食料もゲットできたと喜ぶ少年と、農村の主とで談笑していた。
「んじゃ、こいつぁ依頼の報酬だ。遠慮せず、がっつり食ってくれ」
ありがとうございます。わー、こりゃ数日は苦労しなくていいかも」
「また何かあったときは頼むぞ、フィン。お前さんはこの農村じゃヒーローだからな」
「ヒーローだなんて大袈裟な…。では、今日はこの辺で失礼しますね」
フィンと呼ばれたこの少年、辺境世界を股にかけたモンスターハンターである。
巧みな武器裁きと行動予測で、数々のモンスターを倒してきたやり手のハンター。
それを活かしての依頼稼業で日々の生計を立てているのだ、5つの大陸を回りながら。

(122.30.3.93).. 2008年03月24日 06:40   No.196005
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…86回       
予定タイミングを大いに早めてフィン登場。
また、先程の光球の正体も後ほど。
本日は新参者紹介の巻き(ぇ

「さて、今日はまだ時間があるし、何か依頼残ってたっけかな?」
取り敢えず数日分の生計は立った。だが、依頼の報酬は様々である為、確認はこまめである。
フィンは中央区域へ来ていた。セントラルタワーのロビーには、彼を初めとする仕事人達が欠かさずチェックしている依頼掲示板があるのだ。
先程の農村の件も、この依頼掲示板から情報を得て赴いたのである。
「えーっと…」
「よう、兄弟!」
「あ、テュール!」
依頼の確認中に声をかけた少年、その名はテュール。頭のバンダナがトレードマークだ。
「どうしたの?月光世界へ上がったって聞いたけどなぁ、何故ここにいるのかなぁ?」
「つれねーなぁ。オイラが月光世界に上がったのは、おニューのボディを手に入れる為だ。んで、おニューのボディのお披露目に来た」
「おニューになっても、頭のバンダナと短パン姿は相変わらずなのか」
「それはオイラのトレードマークだっ!でなきゃオイラだって分からないだろ?」
「むしろ髪型と一人称が変わったら分からないかもね。今時『オイラ』だなんて…」
「髪型は偶然だ。それと一人称ぐらいどーでもいいだろ。オイラはオイラだぜ」
「理屈が分からないよ。ていうか、わざわざ僕におニューのボディを見せる為だけにここに戻ってきたわけ?出稼ぎとかじゃなくて?」
「お前さんと一緒にすんなよ。オイラは別に仕事人でもモンスターハンターでもないし、第一生計には何一つ困ってないから」
暫く談笑するも、フィンは思い出したように本題へ。このまま話していたら日が暮れそうな気がしないでもなかったからだ。
「そうだ、依頼依頼…と」
「待て。背負ってるデカブツはなんだよ?」
「数日分の食料。依頼の遂行中に手に入れたものと依頼の報酬でもらったもの」
「十分生計立ってるじゃねぇか」
「報酬はお金だったりもするの!しかも早い者勝ちだから、早く見つけないとね」
「へー、仕事人ってのも大変だねぇ。……ん?おい、フィン。これ見て見ろよ」
テュールが取った1枚の紙。それには、『身よりとなってくれる人募集』と書かれていた。
「身より募集って、変なの」
「ま、まぁ、孤児とかそーゆー感じじゃないか?コレの依頼主って。それよりさ、下の方見てみろよ。『報酬:セントラルタワー内部情報』」
「へー、情報屋なのかな?会ってみる価値はあるかもね。ちょっと気になるし」
セントラルタワーといえば、辺境世界の政治の全てを司る最重要拠点だ。その内部の情報ともなれば、関係者でなくとも気になるものなのだ。
「よし、これにしてみよう」
フィンとテュールが依頼主の指定合流エリアへ向かう。その場所は…セントラルタワーの真下に当たる位置に存在するという、古代文明の巣窟という異名を持つ海底遺跡だった。

(122.30.3.93).. 2008年03月24日 07:27   No.196006
++ ウェリス (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…97回       
誤字確認有難う御座います。
復旧してよかったですwこれで安心して小説が書けそうですw(と言いながら放っておきそうで怖い;


「あんたが兄貴?あははっ!どんな冗談言ってんの!?」
ダリアに笑われた。
レンドルが帰ってきてヴォルクの事を言ったらこのような事になってしまった。
「そーダス。グレンが面倒見がよさそうなんて見えないダス!」
次はガンタスに言われた。
「るせー。そう言うガンタスの方が絶対面倒見悪いっての。」
グレンドルも反抗した。
でも聞き入れてないかのように2人はニヤニヤしている。
2人こそ兄弟でも何でもないのに、このような時だけは同意見なのである。
「俺は悪くないと思うな。新たな戦略も生み出せそうだ。」
グレイブだけがまともな事を言ってくれた事にグレンドルは感謝した。
「へー。流石は気功族一の頭脳の持ち主さん。」
「かっこいいダスねー。」
ダリアとガンタスが皮肉気に言った。
だがグレイブは鼻で笑い、
「貴様らが馬鹿なだけだ。ヒヨッ子が。」
と言い放った。
「まぁまぁ、そこら辺にして下さいよ・・・」
少し言い難そうにヴォルクが言った。
「だとさ、グレイブのおっさん。」
「黙れ。ヒヨッ子。」
ダリアとグレイブの言い合いは止まりそうに無かった。
「お前等全員黙れぇっ!!」
わざとでもいう様な程声を張ってグレンドルが一喝した。
空気が死んだ。
「―あ・・・えーっと・・・まぁアレだ、ヴォルクと仲良くしてやってくれよ?なんかしたら殴るぞ。うん。」
なんとも説得力が無かった。
「出た、兄貴―モゴモゴ」
『兄貴面』と言おうとしたガンタスの口はグレイブによって止められた。
「馬鹿か。ヴォルクに何かした以上の殴りが帰ってくるぞ?」
「ぶへあっ!?―あー分かったダス!」
よろしいとでも言うようにグレイブは彼から離れた。
「ガンダス。そんなに殴られてぇか?あぁ?」
グレンドルの指がボキリ、また一つボキリと音を上げた。
「あっ!じょ、冗談ダスよ!?殴らないでーッ!」
外へ飛び出したガンタスを、彼はどこまでも、どこまでも追っていった。

(220.213.101.36).. 2008年03月25日 23:52   No.196007
++ ウェリス (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…98回       

「んだよ。相変わらずの馬鹿ばかりじゃねぇか。」
レンドルはそう言うと指を鳴らした。
ガンタスはどうやら辺境族でスピード、パワー共に格段に成長した彼に見事捕まり、殴られてしまったようだ。
グレイブは呆れ、ダリアは唖然とした様子でその様を見ていたらしい。
「馬鹿と言う程じゃないよ。面白いと僕は思うけど。―多分。」
半ば苦笑しながらヴォルクは言った。
確かに面白みもあるかもしれない。
真面目な奴もいる。
そこもまた面白い。そんな気がした。
「ま、そうかもな。あはは、俺がバカじゃん。」
彼は笑い、頭を掻いた。
「グレンドル様。―っと?この子は一体?」
ダリア達と話した時に姿を見せていなかったゼロが帰ってきた。
彼はヴォルクの事を全く知らないのであった。
「ん?ああ、ヴォルクだぜ。」
軽く自己紹介をした彼の事を、グレンドルは詳しく話した。
海に流れ此処に着いたこと、記憶が無い事―
ダリア達にも言った筈だったが、どうも上の空だったようだ。
だがゼロは違った。
寧ろ同意感を持つようだった。
ゼロは記憶こそはあったが、人を殺めた罪により海へ投げ出され、気付いた時にはグレンドルが目の前にいたのだ。
「そうでしたか、私と同じような者が他にも・・・」
彼はヴォルクの目を見、同じ者がいた事を悲しく思った。
「罪も無いのにこのような事を・・・それは私より遥かに悲しき事だ。」
ゼロは手錠を付けていて上手く出来なかったが、そっと彼の頭を撫でた。
「大丈夫だ。グレンドル様だけでは無い。私だって誰だって君を守ってくれる。」
そう言って、優しく微笑んだ。
彼が滅多に見せる事の無い微笑みだった。
「そうだ、だから心配すんな。なんかあったら俺に―いいや、俺達に頼んでもいいんだ。」
そう優しく言ってやると、
「うん。有難う。」
と、嬉しそうにヴォルクは言った。

(220.213.101.36).. 2008年03月26日 00:04   No.196008
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…87回       
誤字なし。私は下書きナシの一発本番なので、寧ろ私の方に誤字があるかもです(苦笑

「古代文明の巣窟」と呼ばれ、更には正体不明の怪物がはびこっているという噂から誰も近寄らない海底遺跡。そこに、依頼主がいた。
「…この紙の依頼に従ってここに来た。もしや、あなたがこれの依頼主か?」
「はい…よく来てくれました…」
「あん?お前、ルカイじゃねぇか?」
テュールは依頼主=ルカイとは顔見知りのようである。フィンは置いてかれた気分で…。
「何?知り合い?」
「随分と昔の同僚さ。ま、主様の人使いの荒さに耐えきれなくて、オイラは逃げたけど」
「僕も似たようなものです。で、実はその主様についてなんですが…」
「うらめしや〜」
『なあぁぁぁぁああっ!?』
ルカイが本題を打ち出そうとした時、彼の背後からヘイム…の幽霊が現れた。いきなりのことだったので、フィンもテュールも大慌て。
「実はヘイム様は、数日前にセントラルタワーに乗り込んできたコンクル・シオンとかいう奴に殺され…今幽霊としてここにいるわけです」
「な、なんか凄まじい未練の集合体だな、コイツはよ…。放っといたらヤバそうだ」
「成仏させる方法とか知らないよ、僕達…」
「成仏させるとか言うなぁっ!!」
『ひいいいいいいっ!!』
どうやらまだまだこの世に、というかコンクルに対して相当な未練があるようで、いきなり成仏云々の話になったテュールやフィンに怨念攻撃をしかける。精神的ダメージは大きい
「と、取り敢えず、僕もヘイム様ももはや追われる身…。取り敢えずかぎつかれるそうにないこの海底遺跡で暮らしたいのですが、どうもここにいるモンスターはやたらと強くて…」
「それはどーでもいいけどさ、まず幽霊ヘイムをどーにかしようぜ?でないと、その内自縛霊かなんかになっちまって大変だ」
「誰が幽霊かーっ!」
『アンタだよアンタ!!』
フィンとテュールは、ほぼ同時にツッコんだ。

一方、気功族統治領域のドリラーとクレーラー。彼女らもまた、ヴォルクについては一通り報告を受けた。現在は再び巡回中。
「あのヴォルクって奴、海から流れてきたってのが気になるな」
「でも、そういうのはゼロさんがいるから、どうでもいいんじゃないの?それよりも、私は記憶がないっていうのが気になる」
「確かにそっちも大事だな…。素性が分からなきゃ、対処も何もないからな」
2人がいるのは、グレンドルがヴォルクを助けたという海岸。何か他に収穫がないかと、巡回のついでに見に来たのである。
「取り敢えず、ここら辺に大したものはない。さっさと巡回ルートに戻るぞ」
クレーラーがそう言うと、2人は海岸を後にして巡回に戻った。

(124.84.55.245).. 2008年03月26日 06:54   No.196009
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…88回       
海底遺跡では、当面の問題として幽霊となったヘイムをどうするかという話題で持ちきりとなっていたのだった。
「だぁかぁらぁっ!あたしは幽霊になっただなんて万に一つとして認めないからねっ!」
「いい加減諦めろよ…お前さん死んだんだし」
「幽霊になった人って、自分が死んだことすら分からないのかな…」
「ある意味、未練があの人をこの世につなぎ止めているんでしょうね」
「口々に変なこと言うなぁっ!」
あらゆる意味で(?)あきらめの悪いヘイムは、未だに自分が幽霊であることすら認めていなかった。死んだことすらも否定しているのか。
「まぁ、なんだ。取り敢えず憑依させても大丈夫そうなの探そうぜ。遺跡だからいろんなものが眠ってそうだしさ」
「賛成。このまま幽霊であることを認めない幽霊に騒がれるのもイヤだしね」
「第一、幽霊のままで上に上がったら、それだけで大騒ぎですからね」
幽霊にあちらこちらに行かれてはたまったものではない。ひとまず憑依させるものを探すことで意見が一致した3人。当面の目的は、ヘイムの体探しということになった。
「なんかいろいろ言われてるけど、まずは体探しからね。このままじゃ存在感薄れそう」
『(いや、騒ぎまくってるから薄れることはないと思うんだけどなぁ)』
フィン達3人は全く同じことを胸中で呟いた。

海底遺跡を探索して数十分。とある通路にさしかかると、何やらおぞましき雄叫びが聞こえた。
「グギャルオォォーン…」
「何々!?今の声!?」
更に聞こえる。しかも、近づいているようだ。
「グギャルオォォォォーン!」
「な、なんだコイツは!?」
4人の目の前に現れたのは、首3つ、腕6本、足4本という異形のモンスターだった。その頭は、それぞれ狼、龍、熊を連想させる。
「こ、これって…ツヴァイアドライ!?」
「ツ、ツヴァイアドライって、あの伝説の!?」
ツヴァイアドライ、それは、辺境世界では伝説とされている恐ろしく強く、そして凶暴なモンスターである。狼は獰猛さ、龍は雄々しさ、熊は力強さの象徴とされている。6本の腕と4本の足は、進化の過程で虫型モンスターを大量に食ってきた結果だという説があるが、真相は不明。詳細データは少ないが、ただ1つ分かっていることは、ツヴァイアドライに遭遇した者は誰1人として生きて帰ってこないということである。
「ど…どうするよ?噂のモンスターって、コイツのことだろ?よりにもよって…」
「誰1人帰ってこないのに、よく噂なんて流れたよね…。嘘から出た真じゃあるまいし」
「いや、そういうことは生きて帰って来れたら話すべきではないかと…」
「いいじゃない…」
『は?』
3人は聞き返した。当然だ。幽霊であるとはいえ、いくらなんでもコレは憑依するにはヤバそうな代物だ。思わず漏れる、疑問の声。
「は?じゃないわよ。それだけ強いモンスターなら、あのコンクルだって一網打尽にできるに違いないわ!この際見た目は二の次!まずは確実に復讐を成し遂げられる体になるのよ!」
『アンタの未練は復讐だけかいっ!!!』
ヘイムが幽霊としてこの世に繋ぎ止められた理由である未練、その全てがコンクルへの復讐だったらしい。謀らずも同時にツッコんだ3人。
「さぁ、覚悟なさいツヴァイアドライ!!」
ヘイムがツヴァイアドライに突っ込み…!?

(124.84.55.245).. 2008年03月26日 07:30   No.196010
++ ウェリス (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…99回       
更新スペースが遅すぎますね;スンマセンorz
こっからまた受験勉強やら変な物が混ざってくるのでどんどん更新が遅れそうな気配アリです・・・
ってかクォーツさん一発書きですか!?
ミスなんて見当たらないんですけど(´ω`)
見習いたいですねww


修行に帰ってきてからまず1発殴られた。
「ちょっとグレン!ガンタス君に何したの!?」
サニルが食いかかる様に問い詰めた。
「あ?―おいおい・・・1発殴っただけだぞ!?なんかあったのかよ?」
当たり前と言うかのように彼女は顔を近づける。
「あったに決まってるでしょ!あんな酷い痣つけて!」
驚くしかなかった。
確かに強くは殴ったかもしれない。
痣まで出来るなんて思っていなかった。
サニルはどんどん顔を近づける。
「だーっ!近いっての!ほら、離れろ離れろっ!!」
レンドルは彼女の額をぐいと押さえ、離れさせた。
「きゃ!?」
彼女は派手に転倒した。
「ちょっと、力強すぎない?手加減しなさいよー。」
「え?これでも軽くやった筈だけど・・・。」
グレンドルは自分の手を見た。
前と違い大分強張っている。
「一体何をしたの・・・?」
サニルも彼の手を見た。
「きっと辺境族の戦いだろうな。これって怖いモン無しってヤツか?」
にやにやと笑いながらグレンドルは拳を握った。
が、サニルはそんな彼を睨みつけた。
「そうやって調子に乗っているから駄目なのよ。そんな状態だったら絶対すぐ負けるわね。」
「悪い。冗談だっての。俺はいつでも気を引き締めねぇと駄目だからな。」
彼はネヴィアの時の敗戦を思い出し、表情を引き締めた。
「それでよーし。ま、いつだって気を付けないといけないのはこっちも同じだけどね。」
サニルが笑顔で言うと、扉がノックされた。
「誰だ?入れよ。」
そう言って一人の少女が入ってきた。
「あ、サニアさん、ここにいたんですね。聖女様がお呼びですよ。」
少女―クリアスは盲目であり、地獄耳である。
そのため足音と声でサニアがいると判断し、此処まで来たようだ。
ヴォルクも一緒だった。
どうやら彼がクリアスの手を取って案内したのだろう。
サニアは立ち上がり、
「じゃ、色々と気を付けなさいよ。後、ガンタス君に謝ること。」
「分かってるよ。ったく・・・」
彼が溜息を付いている横で、
「ヴォルク君でしたよね?先程は有難う御座いました。」
「いいんですよ。お仕事頑張って下さいね。」
と、軽く会話をし、笑顔でいた。

(220.213.97.179).. 2008年04月20日 17:28   No.196011
++ ウェリス (オリカ王子)…101回       
誤字を修正しました。
クォーツさん報告有難う御座います!


一方、気功族の近くで何かが動いた。
「あ、あれじゃねぇか?今回のターゲットはよォ・・・!」
がたりと肩などに沢山持っていた武器を降ろした小年が言う。
「おそらくそうだろな。ま、大した奴がいれば良いもんだが・・・。」
巨大な鎌を肩に担いだ青年が続ける。
少年が悪戯のような笑みを浮かべた。
「なぁ、アイツ上手くやってると思うか?」
青年は少し考えた。
やがて出た答えは曖昧過ぎた。
「知るか。もし裏切ったとしたらどうすんだ?」
少年は「あ〜?」と、言い、
「質問を質問で返すんじゃねェよ、納得いかねーっての。」
そう言って、降ろした武器に指を滑らせる。
「あー・・・でもよ、仮に裏切ったとしたらか・・・」
暫く考えた。
そしてまた笑みを浮かべる。
しかしそれは先程とは違い、残虐な物だった。
「そんときゃブチ飛ばせば良いんじゃね?ま、どっちにせよ誰かぶっ飛ばしてぇ気分なんだけどな!ハハ!」
「もう少し静かにしろ。なんかあったら如何してくれる。」
五月蝿く笑う少年の頭を軽く殴る。
「はっ!なんかあったらだと?ぶっ飛ばす!それの一言に限るぜ!」
そう言って、拳を手のひらにぶつける。
ぱしり、と音が鳴る。
「とにかくだ。そんなにウズウズしてるんだったらとっとと突っ込むぞ。」
「わぁってるっての。ってかその指示は俺の役目だろ。―オラ!テメェら全員行くぞ!」
肩に沢山の武器を乗せた少年の背中を見、青年は思う。
『ったく、五月蝿いのにも程があるぜ・・・。まあいいか。』
気功族が戦場になる日は時間の問題だった。

(220.213.105.167).. 2008年04月24日 00:40   No.196012
++ ウェリス (オリカ王子)…101回       

「うーん・・・」
レンドルはふと空を見上げる。
青なんて無い、ドス黒い空だった。
『ネヴィアを倒さない限りこの状況なんだよな・・・。』
溜息が漏れる。
そんな彼の様子をヴォルクは横目で見ていた。
また溜息。
「如何したの?グレン?」
気になってヴォルクは聞いてみる。
「あ?」
グレンドルがこちらを見た。
「えっと・・その・・・何かあったの?」
ヴォルクが聞いたら彼は笑った。
「あー。ちょっとな。アレの事だよ。」
グレンドルは空を指す。
さらに続けた。
「この暗黒雲を出したネヴィアって奴の事をちょっと思い出してな・・・。」
そう彼が言った時、ヴォルクの表情に戸惑いのような物が浮かんだ。
「ん?どうかしたか?」
「―ううん。何でもないよ。」
すぐに察したグレンドルは言ったが、彼が答えると、「そうか。」と言った。
「そのネヴィアって奴と1度戦ったけどボロ負けでさ・・・、でもやっぱリベンジはしたいじゃん。」
苦笑していた彼は、真剣な顔になり、
「奴と戦った後、色々あったんだ。力も上がった気がする。出来るかどうか分からねぇけど・・・今までの物を全部ぶつけたいんだ。」
そう言った。
ヴォルクには昔の彼なんて全く分からない。
だが1つだけ分かる事がある。
彼の強い力と心。
短時間の修行だけでもすぐに分かる程だった。
「出来るよ。グレンなら。」
そんな言葉が口から出た。
「大丈夫、グレンには僕や皆が付いている。だから、絶対に負けはしないさ!」
笑顔を浮かべ、ヴォルクが言う。偽りの無い、そんな瞳だった。
「ありがとよ。そうさ。皆の為、俺の為・・・絶対負けねぇ!」
そう言った途端、大地が揺れ動いた。
「何だ!?」
バランスを崩したヴォルクを抱き止め、グレンドルが言う。
外が、紅蓮の炎に包まれていた。

(220.213.97.179).. 2008年04月20日 17:57   No.196013
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…89回       
誤字発見。
支持→指示
私は基本一発書きですが、投稿後に見直して誤字があったら訂正するってパターンです。

「グギャルオォォーン!!」
幽霊ヘイムがツヴァイアドライに溶け込んだかと思うと、突如変調が始まった。
体の色が七色になり、元々頭部だった狼、龍、熊の頭は胸部に。腕は人間のものになり、足は4本から2本に減っている。これも人間型だ。
更に新しく包帯だらけの頭部が出現し、目と思われる部分が赤く光る。
「…やったわ…憑依成功よ…!」
「ま、マジかよ…」
「ここまで変化を遂げるなんて…」
「…まるでどっかの神話の神様みたいですね」
ただただ、唖然とするしかない。その姿はまさしく異形だし、常識の沙汰ではないからだ。
「神話の神様ねぇ…。それじゃ、これからはシヴァと名乗らせてもらおうかしらね」
「インドって国の神話の、破壊と創造を司る神ですか」
ヘイムとツヴァイアドライの融合体、シヴァ。一体どのような力が秘められているのだろうか。
「ともかくさ、体探しは完了したんだし、とっとと遺跡から出ようぜ」
「賛成。ここ薄気味悪いしね」
テュールの提案により、一同は海底遺跡から出ることにした。ツヴァイアドライと融合したせいかいかんせん体が大きいシヴァは通るのに苦労していたようだが。
時間をかけ、ようやく遺跡から出た先は、セントラルタワーの間近であった。
「そういえば、海底遺跡って中央区域の真下だったっけ…」
「でもどうするよ?もう夜みたいだし、とっとと帰った方がいいんじゃねぇか?」
「否!もうコンクル・シオンは目と鼻の先!速攻でこのタワーの最上階まで!」
辺境世界のモンスターは、夜になると凶暴性が増す傾向にあるらしい。その為、危険が迫らない内に退散した方がいいと考えたテュールであった…が、それをシヴァは見事に粉砕してくれた。復讐心に勝るものなしといったところか。
「ただのバカだろ、アイツ…」
「まぁまぁ。それに、モンスター達もこのセントラルタワーの壁を破るのは無理でしょうし、隠れるならいっそのことここの方がいいのではないでしょうか」
「確かに、見た感じ大分夜が更けてる。今の時点で危険と考えて、今日はタワーで寝るか」
真っ先に突っ込んでいったシヴァを見て愚痴るテュールであったが、ルカイの言う通り、セントラルタワーで朝を待った方が遙かに安全だ。ルカイのススメで、フィンとテュールはセントラルタワーで夜を過ごすことにした。

続きは後ほど。

(124.84.55.245).. 2008年04月21日 04:46   No.196014
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…91回       
ルール度外視ですが、バトンに答えてみました。良ければブログを見ていってくださいな。

夜勤組がいるとはいえ、もうとっくに正規の解放時間は過ぎている。その為、タワー内部の半分近くのエリアは真っ暗だった。
「やれやれ、まさか真夜中のセントラルタワーで朝を待つことになるとはね」
「なんか出てきそうで、おっかないですね」
「元々セントラルタワーで働いてたお前らがんなこと言うなよな…」
コンクル・シオンがタワーを治めるようになってからというもの、何やら不気味な魔力とオーラで内部は埋め尽くされている。
その為、夜勤組として働く者はかなり少ない。内部の約半分が消灯済みなのは、人数不足故だ。
「僕がかつて働いていた頃は、こんな不気味な空間じゃなかったのにな…」
「そんなもんか?」
この中で最も古くセントラルタワーで働いていたフィンは、昔のタワーの雰囲気を知っている。彼いわく、昔は夜中でも活気が感じられたということらしいのだが、今はその面影がない。
テュールの疑問も、当たり前なものだった。
「昔と今とで雰囲気が違うのって、やっぱりコンクル・シオンが来たから?」
「もしかしたらそうかも。まぁ、僕はその数日後に退職したからよく分からないんだけど」
直接遭遇したことのある、ましてや一度命を落とされた身であるシヴァは、コンクルのただならぬオーラを体で覚えているのだろう。最も可能性の高い意見が出てきた。
「で、お前さんはどうするよ?」
「どうするって、何をよ?」
「オイラ達はコンクルと戦う気はねぇし、お前さんの復讐に付き合う気もないしな」
「1人で戦いを挑むか、コンクル・シオンと戦う為の同士を集めるかってことですね」
元々テュールやフィンは、身よりを募集したルカイに会う為に行動してきたのだ。元々シヴァの復讐など関係ないことだし、ましてや相手が得体の知れない存在であっては尚更付き合う気はなかった。
だが、せっかくの縁であるのだし、せめて今後のシヴァの動向だけは耳に入れておきたかったのが本音だ。
「そうねぇ、アイツって大抵のヤツは一撃だし、今更同士を集めてもあまり意味はなさそうだし、今回はタイマン勝負といくわ」
「…随分と強気ですね、シヴァ…様」
「…あのさ、あたしが死んだって時に、アンタはコンクル・シオンと戦わずに去ったじゃないの。あたしは見てたんだからね。そんなヤツに様よばわりされたくないわよ」
「は、はぁ…」
「それと、アンタのことなんて知らないから。これからは勝手に生きていきなさい」
そう言い残すと、いつの間にかシヴァはタワーの最上階へと登っていった。以前コンクルが破壊しながら通っていった、最上階近くへの直通ルートを使って。

(124.84.55.245).. 2008年04月24日 05:07   No.196015
++ ウェリス (オリカ王子)…102回       
2個目の方で、「随分と強き・・・」とありますが、これって「強気」と言う事なんですか?
ちょっと気になったので、書かせて頂きました。

「なんだ!?この状況は!」
炎に包まれ、夢だと言いたい景色を見た。
レンドルはヴォルクを下がらせ、拳を握る。
不意に殺気を感じた。
そう思った時には遅い。
彼に向かってブーメランらしき物が飛んできた。
「―させるかっ!」
グレンドルは拳で弾き返す。
彼の足元に落ちたのは1本の短剣だった。
何かが動いた。
「そこだな!ストレイト・ブレイカーッ!」
拳に急速に気が溜まると、一気に放出。
炎を引き裂いて、動いた物に当たった筈だ。
炎を取り巻いた煙が消えた時、影が見えた。
「へー。おもしれぇ奴じゃん。よく分かったな!」
影の正体、それは1人の少年だった。
なんとも生意気な口調で話してくる。
「俺の思った通りだな!こりゃ殺りがいがあるぜ!」
指をゴキゴキと鳴らす。
と、少年はヴォルクの方を見た。
「オレは岩砕鬼アマノジャク!ってか、用があんのは・・・まずテメェからだけどな。」
アマノジャクがヴォルクの方を向く。
ヴォルクが震え上がる。
「なんだよ。いきなり放火で出しゃばって。その上・・・ヴォルクに何のようだ!?」
グレンドルが拳を握る。
少年は噴出すと、笑った。
「ぎゃははは!!こりゃいいぜ!事実を教えてやるよ。ソイツはな―オレ等闇月族のスパイなんだぜ・・・!」
「!!」
ヴォルクの表情が絶望へと変わる。
グレンドルが振り向く。
「嘘だろ!?嘘だって言ってくれ!ヴォルク!」
彼の叫びにもヴォルクは頷きもしなかった。
ただ、絶望に身を寄せているかのようだった。
「嘘じゃねぇっつーの。バーカ。―なー、ヴォルク。」
呆れたように言い放ち、馴れ馴れしい様にヴォルクに問う。
が、彼は震える唇を開き、
「違う・・・!僕は・・・僕はお前の味方じゃない!」
と、言い張った。

(220.213.98.38).. 2008年04月24日 01:08   No.196016
++ ウェリス (オリカ王子)…103回       
若干グロが混じっています。
と言うより、アマノジャクの性格が悪すぎるような・・・;

「あぁ?今のは空耳か?―オイ、もっぺん言ってみろよ。」
アマノジャクの目が怒りに震えていた。
「僕はお前の味方じゃない!僕は―気功族の住人の一員なんだ!スパイだったかもしれない。でも、お前達なんかとはもう嫌なんだ!」
強く、強く言い放った。
アマノジャクの怒りが頂点を指した。
「んだとテメェ・・・!生み親のネヴィアに逆らって良いとでも思ってんのか!?」
「確かに僕はレプリカとしてネヴィアに作られた。お前もレプリカで、同じネヴィアに作られた。でも僕はもうそんな事どうだって良い!僕は・・・僕の道を選ぶ!!」
アマノジャクは溜息を吐いた。
そして、笑顔でヴォルクを見る。
「しょーがねーの。じゃ、別れの挨拶って事で、ちょっとこっち来いよ。」
彼が手招きをする。
レンドルは一瞬迷った。
行かせるべきか、行かせないべきか。
それはヴォルクも同様だった。
「んだよ、信用ねーな。オレ。心配すんなって。何もしねぇから。」
苦笑して言った彼のその言葉に、偽りは無さそうだった。
2人は目配せをし、ヴォルクは歩み寄った。
アマノジャクはふっと笑い、彼の肩に手を置いた。
「じゃ、元気にしてろよ・・・。―」
彼の手が後ろに動いた気がした。
「―あの世でな。」
アマノジャクの冷たい声が響いた時には遅かった。
先程投げた物と同じようなナイフをヴォルクの鳩尾に沈める。
血が黒い空に舞った。
「!!」
声も出さず、彼は崩れ落ちた。
「ヴォルクっ!!」
「ぎゃははっ!誰が許すと思ってんだ!クソったれがよ!!」
汚く笑う彼を横目に、血に汚れたヴォルクをグレンドルは抱き留めた。
「グレン・・・やっぱり・・行くんじゃ無かったよ・・・。」
何故か笑顔を浮かべた。
何故?
何故笑顔でいられる?
「馬鹿っ!悪いのはお前じゃない。俺なんだ・・・!」
大粒の涙が自然と零れ落ちる。
「違うよ・・・本当に悪いのは・・あいつだったんだ・・・。グレンは悪くない・・。」
ヴォルクは息を吸い直した。
命の灯火は消えようとしていた。
「嘘付いてごめん・・・。記憶はあったんだよ。・・・でも・・・気功族の皆と・・・もっと一緒に・・・いたかった・・・な・・・。」
「ヴォルク・・・!仇は絶対にとるからな。心配すんな、ネヴィアも倒すって・・・約束するからな!」
彼の細い体をしっかり抱いた。
「有難う・・・グレン。ううん・・・僕の大切な・・・兄さん・・・。」
そう言って、ヴォルクは生命の火を消した。
ヴォルクの体は光の粒子となり、掻き消えた。
「許せねぇ・・・!絶対に許せねぇ・・・!覚悟しろっ!アマノジャク!!」
「ははは!おもしれぇ光景も拝んだもんな!いいぜぇ!血が唸る!―オレは手加減なんてしねーからな!!」
そう言うと、背後から彼の部下が飛び出した。
部下は他の人に任せると、2人の戦いの火ぶたは切って落とされた!

(220.213.103.155).. 2008年05月19日 17:58   No.196017
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…91回       
あー、その通りですなー。
後で直しておきます。
あと、「殺りがい→殺しがい」「火花→火ぶた」かと。
続きは後ほどに。

「……来るか」
何か、得体の知れない力が迫ってくる。以前自分が使った、この部屋への直通ルートで。コンクルは、意識を臨戦態勢に突入させた。
「だああぁぁぁっ!!」
塞いでいた穴を豪快に突き破り、コンクルの目の前に現れたそれは、あまりにも大きかった。シルエットだけでも異形だろうに、自身のボディカラーである虹色が更に異形さを際立たせる。
「さぁーて、このシヴァ様が、あんたを冥界に送り返してやるわ!覚悟なさい!」
「…その声、ヘイムか。しかし、何故生きている?その姿はどうした?」
「あんたを殺す為に変わってきたのよ。だから名前も変えた。シヴァと呼びなさい」
お互いに平然としている。シヴァは新しい力を得たことで、コンクルは一度殺した者が相手ということで、互いに余裕なのである。
「幽霊としては存在できたか、死に損ないめ。だが、お前はこの世界を統治することなぞできぬと言った筈だ。お前如きでは無理だ」
「このセントラルタワーに得体の知れないエネルギーを循環させるようになったあんたに言われたくないわね」
互いに構える。緊張が高まる。そして―
『はああああああああっ!!』
両者は同時に、因縁の相手へと襲いかかった。

(124.84.55.245).. 2008年04月24日 04:55   No.196018
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…92回       
「もはや、お互いに得体の知れない存在へと変わり果てたようだな」
「あんたは始めっから得体の知れない存在じゃなくて!?」
コンクルとシヴァ、両者の計り知れないエネルギーと魔力が激突する。
その影響で、周辺の床や壁、天井は、見るも無惨に破壊されている。
戦況は五分―互いに決定打を与えられぬまま、夜が明けようとしていた。

一方で、その戦いの激しさを音と振動によって感じていたフィン達。
「まだ続いてるんだ、あの喧嘩」
「多分、最上階付近は喧嘩レベルじゃねぇ悲惨な状態になってるだろうぜ」
一行は、安全であろう1階で朝を待っていた。間もなく日の光が差してくるだろう。そんな中、シヴァに捨てられた身となったルカイは、これから自分は何をしたいのかと考え続けていた。
「おそらく、この戦いに勝利した方がセントラルタワーを、この世界の全てを司ることになりますよね
「まぁ、そうだろうな。おっかねー連中だけど」
「そうなって、この世界に本当の意味での平和って訪れるんでしょうか…?」
ルカイの疑問は、生まれはどうあれ辺境世界の民ならば当然の疑問だった。
ヘイムの復讐の為に生み出されたも同然の「虹の騎士団」の一員故に、平和の本当の意味を知りたかったのである。
「……多分、あの2人ではどちらが勝とうと結果は同じだろうね…」
フィンから出された答えは、あまりにも現実的で、辺境世界の未来に陰りが生じ始めていることを意味していた。
「で、お前はこれからどーすんだ?ヘイム改めシヴァに捨てられたんだろ?」
「……そ、それは…」
やはり、ルカイは答えられない。いくら嫌っていたとはいえ、主であることに変わりはなかった。導く存在が突然自分を捨てた。その対処法など、主が教育しているわけがなかった。
「…仲間に、なるかい?」
「えっ?」
「僕やテュールも、君とは違うけど自分を導く者を失った身だ。だから、今までもこれからも、自分が何をやるかは自分で決める。その初めの一歩として、僕らの仲間になるか、別な道を自分で探してみるか、考えるんだ」
フィンが何故こんなことを言い出したか?それは、ルカイがフィン達を呼び寄せた依頼内容を思い出したからであった。
シヴァの体探しということで忘れていたが、元々はルカイの身寄りになることでセントラルタワーの内部情報を手に入れようと思ったのだ。
身寄りになるのだから、仲間になったからといってこれといった大差はない。
選択権は、君にある」
「………お願いします。そして、ありがとうございます…!」
そう言った直後、ルカイはフィンの胸に飛び込んで、大泣きしていた。

(124.84.55.245).. 2008年04月25日 04:26   No.196019
++ ウェリス (オリカ王子)…107回       
遅くなりつつも修正しました。
「殺りがい」は漫画のセリフでよくあるような「やりがい」って感じで読みます。
まぁ、そこら辺の読み仮名を打たなかった私にも責任はありますけどね;
アマノジャクは基本的「殺りがい」「殺りあい」などと言いますが、ミスではないですよ^^

「てめぇなんざ俺一人で十分だっての!―オラァ!テメェら全員殺っちまえ!」
アマノジャクが武器を一気に握ると、天高く掲げた。
武器から放たれた銀光と共に沢山の鬼達が飛び出す。
「面白い。如何なっても知らんぞ!―ストーン・プレッシャー!」
グレイブが腕を振ると同時に魔術が発動。
目の前に飛び込んできた鬼を纏めて押し潰した。
「女だからって手加減しないでよね!爆崩弾(バクホウダン)!!」
ダリアが一瞬で敵に肉薄し、強力な一撃を見舞う。

一方、ガンタスは石のハンマーを握り、巨大な鎌を握った男と対峙していた。
「俺の相手はガキか。馬鹿にしているのか?」
鎌で地面を叩く。それだけで地面が沈む。
「それじゃこっちも言わせて貰うダス。馬鹿にしていると痛い目にあうダスよ!」
ガンタスもハンマーで地面を叩く。
地面が沈んだ。
「はっ。言うじゃないか。では、その口、永遠に開かんようにしてやろう。―黒龍鎌ブロード、いざ参らん!」
ブロードの鎌とガンタスのハンマーが火花を散らした。

「んじゃ、俺等もとっとと始めるとしねぇ?突っ立ってんのも頭に来るだけだしな。」
大量の武器が地面から浮き上がる。
「上等じゃねーか。ヴォルクの仇はとらせて貰うぞ!」
拳を掌に打ち付ける。
―風が舞った。
アマノジャクの刈りたてた髪が、グレンドルの銀髪が揺れる。
彼方から飛んできた木の葉が地面に落ちる。
その刹那、2人は一瞬にして間合いを零にした!
「吹き飛べ!気竜光波(キリュウコウハ)!」
レンドルの放った龍の形をした気が狭められた間合いで放たれる。
「なめんな!ぶった切ってやらぁ!衝十斬裂(ショウジュウザンレツ)!」
あれだけ狭められた間合いの中でも彼が斧と長剣で放った切りにより、気は真っ二つに切れた。
アマノジャクに余裕の笑みが浮かんだ。
「馬鹿かお前は!今のはただの誘い水だ!―気爆撃(キバクゲキ)!」
引き裂かれた気からグレンドルが飛び出し、アマノジャクの鳩尾に拳を突き出す。
距離は届かなくとも、突き出された拳から気が放たれたと思うと、弾けた。
まともに気を受け、敵は吹き飛んだ。
が、空中で体制を整え、鳩尾の痛みで少しよろけながらも着地した。
「んだよ、やってくれるじゃねぇか!」
どうやら敵の体力も半端ではないようだ。

(220.213.108.48).. 2008年06月23日 16:57   No.196020
++ ウェリス (オリカ王子)…105回       

「引き裂け!牙翔尖気(ガショウセンキ)!」
「くらえっ!双月連脚(ソウゲツレンキャク)!」
レイヴの鋭利な爪の付いたグローブが鬼を裂き、セルネの弧を描くように2度蹴りを見舞った。
それでも悲鳴のような笑い声を上げ、鬼達は次々と襲い掛かる。
「だーっ!うぜえっての!」
ギンは敵の数に惑いつつも拳で次々と敵を殴り倒した。
「手械を外す訳にもいかんが・・・くっ、この状況では・・・!」
そう言いながらも足のみで敵を蹴り飛ばすゼロ。
劣勢に偏りつつあった。
「皆!諦めないで!―ヒールサークル!」
戦う彼らをサポートするべく、サニルは戦闘に参加した。
「サニルさん!私も共に・・・」
クリアス!来ては駄目!貴方は患者を診ていて!」
今にも詠唱を始めようとしたクリアスを彼女は止めた。
「―分かりました。でも、気をつけてくださいね!!」
クリアスはそう言うと、共にいた別の治癒術使いに手をとって貰い、共に病室へ駆け出した。

「小僧、やるではないか。それなりの重さのあるハンマーで私に付いて来るとはな。」
ブロードが武器を構えつつ言う。
しかしガンダスはついと顔を背ける。
「お前なんかに言われても嬉しくないダス。オラの目的は付いてくる訳じゃないダス!お前を倒す!」
「つまらん小僧だな。まぁ、仕方あるまい。」
2人は武器を構え直し、再び突撃した。
「砕けるダス!崩爆岩弾撃(ホウバクガンダンゲキ)!!」
「闇の淵にて眠るがいい!闇龍裂斬鎌(アンリュウレツザンレン)!」
ハンマーが地面に当たり、岩が砕けると、巨大な破片は彼の周辺に噴火のように吹き出した。
鎌が振られると、鎌の軌跡がどす黒く残った。
巨大な岩石と闇が弾けあう。
相殺したと思うと、ブロードの頭上にはハンマーを振り下ろすガンダスの姿があった。
「―馬鹿なっ!?なんて速さだ!?」
鎌で防ごうとしても遅かった。
彼の頭上にハンマーは振り落とされた。
「ぐぎゃあっ!?」
「どーダスか!オラの力を思い知ったダスか!?」
額に流れる血を拭おうともせず、ブロードは立ち上がる。
しかし頭に直撃したハンマーの威力は絶大だったか、よろめいた。
「ぐぐ・・・次の一撃だ!次の一撃で最後にしてやるっ!!」
「上等ダスよ!最後の一撃まで手を抜くなダス!」
その台詞にブロードは微笑し、残った力を鎌に注いだ。
ガンダスも強くハンマーを握り締め、力を込めた。

(220.213.102.195).. 2008年05月19日 18:43   No.196021
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…93回       
了解ですー
確かにマンガとかでよく見る(聞く)表現…。そこを見落とすとはなんてこったw

辺境世界に朝が来る。太陽が昇り、外は明るくなっている。そして、結末を照らす…。
昨晩から戦闘に突入していたコンクルとヘイムの戦いは、膠着状態にあった。
エネルギーの放出による互いの障壁の激突、これだけで時間が過ぎていった。
一晩中、エネルギーの衝突だけで両者のエネルギーは消耗していた。維持する為にエネルギーを放出し続けた為だ。
時間が経てば経つ程、両者の命が削られていく。両者共に「強引な転生」を行った為に、力を行使すればする程命が削られていくのだ。
武士や忍者のような根比べとなったまま時間が過ぎ、気づけば朝だ。どれだけ続いたか。
「……いい加減、この泥仕合にも終止符を打たねばな」
「奇遇ね、こっちもそう思ってたところよ」
互いに、決着の一撃を放つべく構える。同時にエネルギーの放出が止まる。そして…
「受けよ、ペトリアルス・グラファー!!」
「必殺、ヒュドラ・メイズン!!」
コンクルとヘイム、両者の必殺技が交錯する。凄まじいエネルギー同士は、やがて互いの軌道をずらし、相手に命中した。
その瞬間、セントラルタワー最上階付近にて、辺境世界では前代未聞の大爆発が起きた。
これからの辺境世界の未来を占う、重大な意味を持った大爆発が。

(124.84.55.245).. 2008年05月20日 04:37   No.196022
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…94回       
大爆発により、まずセントラルタワーの「王の回廊」周辺の階層は消滅した。
その範囲は、月光世界との唯一の往復手段である泉があった最上階にも及び…。
当然、その爆発の音と振動はフィン達のいる1回にも届いた。まずルカイが目を覚ます。
「……今のは…?」
ほんの2〜3時間ではあったが眠っていたので、半分寝ぼけていたものの、本能的に外に出て、セントラルタワーの上の方を見た。
「…これって…!ちょ、フィンさん!テュールさん!起きて下さい!」
これまた寝ぼけ状態のフィンとテュールも、大爆発後の光景を見た瞬間目を覚ました。
『なんじゃこりゃあ!!』
「多分、上の方で爆発があったのでは…」
「え、じゃあ、あの喧嘩は終わったの?」
「何にせよ、ちょっと見てみようぜ」
単体での飛行能力を持つフィンとテュールが飛行してタワー上部へ上がる。
そこには、見るも無惨な光景が広がっていた。
「どうでしたか…?」
状況確認後、降下した2人にルカイが尋ねる。だが、どうにも複雑な表情だ。
「…間違ってなければ、相打ち。どっちもオシャカになっちゃったってところだね」
「どっちも体の色がほぼ真っ白。つまり、既に虫の息ってことさ」
辺境世界の住人には、特殊な体質がある。体の色の濃度によって、生命力が判断できるのだ。
濃ければ濃いほど生命力に満ちあふれており、逆に薄ければ薄い程死にかけているのだ。
相打ちとなった2人は、共に真っ白、ほぼ死亡に近い状態となっていたのである。
「…ならば、今の内に仕留めてしまうのがいいだろう」
「そうですね。あの時のようには絶対にさせませんよ、管理者の権威にかけて」
「って、いつの間に来たんだよオイッ!」
いつからか、テュール達の後ろにムーンライトとユニバースがいた。
「我々は、神々の泉に魔の手を染めた愚か者共を抹消する為にやってきたのです」
「あのコンクル・シオンも、ヘイムも、同じく神々の泉を利用した愚か者。それ故、こちらのユニバース殿が永遠なる罰を下す」
そう言うと、ユニバースとムーンライトはタワー上部へと飛んでいった。

(124.84.55.245).. 2008年05月20日 05:08   No.196023
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…95回       
ウェリスさーん、元気ですかー!(オイ
…アレ?更新ストップの記事ブログに出たのいつなのか思い出せない(マテ
取り敢えず、続き投下。
ユニバースが本領発揮するお話です。

「オイオイ、いきなり現れて何なんだ、アイツらはよ…」
「冷静を装いつつも、急ぎの用事であることは分かりましたね」
2人のことを知らないテュールとルカイは状況を飲み込めずにいたが、フィンだけは違った。
「…あれは、創造主ユニバース…!しかし、何故ムーンライトが組んでいる?」
「あの、知っているんですか?」
いかにも2人のことを知っているような口振りのフィンに、ルカイが尋ねる。
「あぁ、女性の方はユニバース。『万物の泉』に住まうといわれる精霊だ。機獣の方はムーンライトで、分断災害後は行方不明だった筈なんだけど…」
「けどよぉ、そんな連中がなんでまたコンクルとヘイムに用があるんだよ?」
「そこまではさすがに分からない。けど、ムーンライトの発言からすれば、2人共万物の泉に手を出したことになる…」
尋ねたら知らない単語がまた出てきた…。余計に状況が分からなくなった2人。それを察したか、フィンは万物の泉について説明した。
「万物の泉っていうのは、この辺境世界にある地下世界のどこかに存在するという神聖な泉。ユニバースや神々の憩いの場となっていて、彼女ら以外は立ち入ることすら禁じられているんだ。少なくともここ数十年の間に生まれた者は、存在さえ知らない筈だ」
「しかし、それなら何故フィンさん、ヘイムやコンクルはその場所を知っているんですか?」
単語の意味が理解できたところで、そこから自然と別な疑問が出てきた。何故知っているのか?
「それは、僕やアイツらが分断災害の時からこの辺境世界に関わっていたからさ」
「って、どーゆーことだか分からねぇんだけど」
簡単なことさ。この辺境世界は、元々は分断災害から逃げ延びてきた連中によって作られた世界だ。つまり、地下世界のことだって、作った一員なら場所とかも知っているってこと」
その世界を作ってきた者であれば、たとえ他が知らないような場所でも知っていて不思議ではないし、ある意味で当然でもある。
「…えーと、オイラは知らなかったんだけど…」
「まぁ、全員が知っていたわけでもなかったからね」
どうやら地下世界の方には関わっていなかったようだ――テュールは呆然としていた。

(118.0.119.186).. 2008年06月11日 05:55   No.196024
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…96回       
一方、そのユニバースとムーンライトタワーの上部に来ていた。
「さて、こやつらが復活しない内に…」
「はい。この世界の王であった者、コンクル・シオン…。王になろうとした者、ヘイム…。万物の泉に手を出したその過ちに、今こそ罰を下す」
そう言うと、ユニバースは両腕を広げ、そして前に突きだして円を描く。すると、彼女の目の前に黒い穴のようなものが現れて…。
「禁忌に触れた者共よ、今こそ消えよ。ジ・エンド・オブ・ユニバース」
コンクルとヘイムはその穴に吸い込まれた。吸い込まれた瞬間、2人の体は細かい光に変わり、一際大きな光は穴の奥へと消えた。その光景にはムーンライトも感嘆の声を上げる。
「おお、これが万物の創造と抹消を司るユニバース殿の『ジ・エンド・オブ・ユニバース』…!あの2人を光に還すとは…。ところで、一際大きな光は何だったのだ?」
「あれはコンクルとヘイムの魂です。この技で体を分解され、器を失った魂は私が生み出した穴によってボイドへ飛ばされ、封印されるのです」
そう、ジ・エンド・オブ・ユニバースは、対象を『分解』し、器は光に変わり、残された魂は黒い穴にでボイドへ飛ばし、封印する技なのだ。
ボイドとは、この果てしない大宇宙をくまなく見渡せる程に広大な空間である。その直径は計り知れず、また特に何かあるわけでもない(おそらく)ので、まさに無の空間といえよう。
つまり、このボイドへ飛ばされた魂達は永遠に路頭を彷徨うことになり、実質上封印されたに等しい状態になるわけである。宇宙はあまりにも広大である故に、ボイドからピンポイントで元の星に戻るのは限りなく難しい。そもそも、宇宙に出たことすらないこの世界の住人達にとっては、まさに無限の無という地獄なのである。もっとも、宇宙の名を冠するユニバースだけは何度も宇宙を巡ったことがあるようだが。
「ユニバース殿、これからはどうされる?」
「私は万物の泉に戻り、今まで通りの暮らしをするだけです。これから暫くは長らく泉を留守にするわけにもいきませんから」
とその時、2人の背後から声がした。様子を見に来たフィン達3人であった。

(118.0.119.186).. 2008年06月11日 06:30   No.196025
++ ウェリス (オリカ王子)…106回       
生きてます。起きてます。ウェリスです(何
更新ストップは未だ続いています。なのに書いちゃいますw(おい
やべ;明日と明後日テストだ;どーしよ(ちょw


拳と武器がぶつかり合う。
鍛え抜かれた拳から放たれる一撃はいとも簡単に武器を弾く。
対する武器も攻撃間隔に間はあるが、拳より上の攻撃力で弾き返す。
力は互角。
一瞬の隙が戦いを動かす。
「うおらっ!ブレイク・トマホーク!!」
アマノジャクが巨大な斧を振り上げ、衝撃波を放つ。
地面を削りながら進む。
「させるか!剛破気衝(ゴウハキショウ)!!」
対するグレンドルは強力な気を放ち、相殺させる。
―地面が裂ける。
粉と化した岩石が煙の様に舞い、目の前が白くなる。
煙の間から時たま垣間見える影が攻撃の手がかり。
敵の影を捉えた瞬間、グレンドルは一気に肉薄した!
「くらえっ!!」
喉笛の辺りを目掛けて拳を突き出す。
が、強い振動と鉄の冷たさを感じ、すぐさま下がる。
目の前に巨大な斧の刃が横切った。
「ちっ!首ぐらい刈らせろってんだ。」
えげつない事を言い、アマノジャクは唾を吐き捨てる。
「お前なんかに俺の首を預けられるかよ。」
浅く切られた頬から血が流れる。
それを気にする事無く拳を構える。

「ギーギーるっせぇよ!大人しくしろ!」
ギンの一撃が鬼の腹に沈む。
「ぐげげえっ!?」
可笑しな声を上げ、敵が吹き飛ぶ。
唖然とする間に2体、3体と片付けていく。
「あのねー。アンタ等死にたいの?ちょっと退きな!―連牙気天破(レンガキテンハ)!!」
ダリアが指をゴキリと鳴らしたと思うと、一気に肉薄。
連続攻撃を仕掛けた。
今度は彼女の指でなく、敵の骨がゴキリと鳴った。
それだけでない。バキバキと骨が砕ける音もした。

(220.213.98.4).. 2008年06月11日 17:34   No.196026
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…97回       
えーと、このタイミングなら「テストお疲れ様」ですよね。ホント疲れ様です。
ちなみに私のテストは…約2週間後(ぁ

「やはり…!君達だったか!」
「あなたは…」
「おお…こうして顔を合わせるのは何年ぶりか」
フィンが声をかけると、ユニバースとムーンライトは懐かしむように答えた。
「あの…この人達は一体?」
「紹介しよう。こちらが創造主ユニバース、そしてムーンライトだ」
「初めまして」
「以後、お見知り置きを」
「ルカイです。創造主がどこかにいるとは聞いたことがあったんですが、本当にいたとは…」
「テュールだ。フィンとは付き合いが長いようだな、オイラもそうだけど」
互いに紹介を終え、フィンが本題を持ち出す。
「…コンクル・シオンとヘイムは?」
「あの2人には消えてもらいました。もっとも、消えたのは体だけですが」
「オイオイ…これってさ、歴史の授業で習った『創造主の抹消』ってやつかよ?」
「そうだ。あの2人は、本来立ち入ってはならぬ万物の泉に無断で接触した罰を受けたのだ」
「2人共、揃いに揃ってこの世界の統治の為に力を欲し、禁忌に触れましたから」
ムーンライトの説明にユニバースが続くと、ようやくテュールとルカイも状況が飲み込めたようで、納得したらしい。
「これから私は、万物の泉に戻って暫くは警戒にあたることにします。またこのような事態が起こると、この世界はもっと不安定になりますし」
「そうした方がいいだろうね。それに、世界を治めるリーダーを決めるまでの間は、少なからず混乱が生じるのは間違いないから…」
「私はユニバース殿を泉まで送り届けた後、今一度月光世界に上がる」
「ちょっと待てよ。セントラルタワーの上部は綺麗サッパリ吹き飛んだんだぜ?どうやって月光世界に上がるってんだよ」
テュールの疑問はもっともだ。この世界の住人ですら、辺境世界と月光世界を繋ぐルートはタワー最上階の泉しか知らなかったのだ。それが無くなったということは、月光世界への転移が不可能になったことを意味する筈である。だが、この疑問を解決したのは、ルカイだった。
「ヘイム様…いや、ヘイムの話では、確かセントラルタワーの真下に当たる海底遺跡のどこかに、似たような泉があるらしいんです」
「うむ、私はそのもう1つの泉を使って月光世界と辺境世界を往復している。従って、タワー最上階の方の泉が使えずとも問題はない」
「僕も聞いたことがあるな。ただ、ツヴァイアドライがいたせいで誰も近寄らなくなったから、いつの間にか忘れ去られたんだろうね」
「けどよ、そのツヴァイアドライはヘイムと融合してそのままオダブツだろ。だったら、海底遺跡に入っても大丈夫じゃね?」
ツヴァイアドライ、かつてヘイムの魂の器を探して海底遺跡にフィン、テュール、ルカイ、亡霊状態のヘイムが入った際に遭遇した、とてつもなく恐ろしい、凶暴なモンスター。あまりにも目撃例が少なすぎることから伝説とされ、現に海底遺跡で大騒ぎを起こしても現れたのは結局ヘイムに憑依された1体だけだった。その1体が消えたことで、海底遺跡は安全エリアになったとテュールは考えたのだが…。

(118.0.119.186).. 2008年06月14日 06:32   No.196027
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…98回       
「そういうわけでもない」
あっさりと否定された。誰よりも海底遺跡のことを知っていておかしくないムーンライトに。
「じゃ、じゃあ、まだあんなおっかねーのがいやがるってのか?」
「いくら目撃例が異様に少ないとはいえ、子孫を残している可能性は非常に高い」
「あ、そうか…。個体数が少ないってことは、毎年残す子孫の数も少なくて、その子孫を死に追いやる天敵の存在も否定できなくて…」
「そういうことだ。海底遺跡にはツヴァイアドライもいたが、同じくその天敵もいるのだ。あのツヴァイアドライは特に力の強かった、一族のボスのようなものだったが故に、その天敵とも互角に渡り合っていたらしいがな…」
フィンの説明に続くように、ムーンライトが海底遺跡の実体を暴露する。海底遺跡はツヴァイアドライの一族とその天敵の一族とでなわばりを形成していたのだが、種族間抗争によって互いに個体数が激減。現在は互いの唯一の生き残りと僅かな幼生体しか残っていないらしいのである。
「おそらく、幼生体は戦えないでしょうからその生き残り同士の一騎打ちが遠からず始まるでしょう。互いの生き残りをかけて」
「そして、勝った方が一方的に増殖を始めるということですか…。しかし、その天敵は我々にとっても危険な存在なのでは?」
まだ辺境世界の情勢の多くを知らないルカイであるが、少なくとも生態系に関する知識は誰かから叩き込まれたようだ。おそらくは教育担当だったメデュールからか。あれほど恐ろしいツヴァイアドライの天敵、ならば他の生物にとっても非常に恐ろしい存在ではないか。ある意味で当然の疑問を投げかける。
「…そーいや、聞いたことがあるんだけどよ。確かこの世界の伝承でこんなのがあったよな。
『中心なる海の底、人知れぬ遺跡の中、辺境の地にて最も凶暴なるモンスターを鎮める、それだけの為に生まれた機械生命体、存在せり』
…とかいうの」
テュールが話した伝承、それは本来辺境世界の中でもごく少数のエリートしか知ることのないとされる古代伝説である。テュールはそれほどのエリート生徒ではなかった筈なのだが…。その疑問は皆がスルーし、古代伝説との関連性を追求してみることにした。
「『遺跡』っていうのは、僕達が踏み込んだあの海底遺跡で間違いないよね」
「『最も凶暴なるモンスター』ってのは、絶対ツヴァイアドライだよな」
「それを『鎮める』ということは、おそらくは天敵であることを意味するのでしょう」
「その存在は『機械生命体』か…。今でいう機獣と考えて間違いなさそうだな」
フィン、テュール、ユニバース、ムーンライトが古代伝説の言葉が今で意味するものを推測し、やがてルカイがそれを組み合わせて結論を導く。
「機獣…ツヴァイアドライの天敵…『それだけの為に生まれた』…。もしかして、その機獣はツヴァイアドライのセーフティアンチプログラムのような存在なのでは?それで、今もツヴァイアドライがいると思って、攻撃態勢をとっているのかもしれません」
ルカイが導き出した結論は、天敵機獣の今を物語っている。それに納得する一同だが、そこから発覚する、海底遺跡の現状といえば…。
「つまり…今もまだおっかねーって…ことだよな?」
『…………』
揃いに揃って、沈黙するしかなかった。

(118.0.119.186).. 2008年06月14日 07:57   No.196028
++ ウェリス (オリカ王子)…107回       
「てめぇ等もるっせぇけど、こっちも五月蝿いな・・・まぁいっか。―おら!てめぇ等かかって来な!ぶっ飛ばしてやるよ!―龍砕月破(リュウサイゲッパ)!!」
セルネが呆れたような素振りをしたが、挑発に乗ってきた敵を蹴り飛ばした。
が、がら空きになっていたサニルに鬼が1体向かってきた。
「えっ!?ちょ、ちょっと!来ないでぇ〜っ!!」
当然言う事も聞かない敵は距離を詰めてくる。
味方は彼女の悲鳴は分かっていても、全員が手一杯で、彼女の元へ向かう事が出来ない。
「あーもーぅ!こうなったら―これでどうよ!?」
一体何処から出したのかと聞きたくなるほどの巨大な注射器を出し、敵の額に突き刺した。
注射器の中にある薬の液を押し流す!
「うげぇっ!?」
鬼は額を抑え、何故か眩暈を起こしたかのように、よろよろ歩く。
暫くして、がっくりと崩れ落ちた。
「ひぃー、ひぃー。危なかったぁー・・・。」
実はというと、彼女は戦う際は護身用として注射器を持っている。
その中にあるのは薬ではない―毒液である。
何事かとさらに鬼が2,3体向かってくる。
「ちょっとコラーッ!!集団リンチなんて卑怯じゃない!!」
今度は先程より小さめの注射器を敵の数分出し、敵に向けて投げた。
それは見事に全員に突き刺さった。
衝撃で刺さったと同時に毒液が体に入っていく。
先程の鬼と同じように、よろよろ歩き、倒れた。
「あー、もうイヤー。」
サニルは地面に座り込む。
隙はあり過ぎる筈なのに。誰一人として彼女を襲わない。
―毒液が恐ろしいが為に。

「小僧・・・死ねえぇぇっ!!―斬裂滅衝牙(ザンレツメッショウガ)!!」
「死ぬなんて御免ダスよ!―いけぇっ!岩砕爆連舞(ガンサイバクレンブ)!!」
一気に間合いを詰め、必殺の一撃を仕掛ける。
振り上げられた鎌がドス黒い闇を放ち、ハンマーが地面を砕き、吹き上がった大量の岩が敵に襲い掛かる!
案の定、力は相殺。
目の前に黒い霧―否、煙が立ち込める。
両者の首下にハンマーと鎌がぴたりと吸い付くようにある。
少しでも動けば最後。
首を飛ばされるか首の骨が砕ける音が響く筈。
両者は固まったように動かなかった。

(220.213.107.152).. 2008年06月16日 00:27   No.196029
++ クォーツ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…99回       
考察が正しければ、海底遺跡には未だ危険が潜んでいることになる…。そんな現実を悟った一同だが、海底遺跡とは別な場所にある万物の泉に戻るユニバース、それを護衛した後に月光世界へ上がるムーンライトを除き、フィン、テュール、ルカイは、これ以上海底遺跡に関わるか否かの結論を導かなければならなかった。
関わるということは、地図さえない広大な遺跡の中で彷徨うことになりかねない。そこで暮らしができるかさえ分からないのだ。しかし、ルカイだけは迷いがなかった。
「僕は、海底遺跡に入ってその天敵機獣のことを調べてみます」
「オイオイ、ヘタすりゃ二度と戻って来れねーんだぞ?いいのかよ?」
「皆さんには帰る場所があります。でも、セントラルタワーは半ば崩壊したも同然。そこ以外に居場所がなかった僕は、帰る場所がないんです」
その瞳には、どこか悲しげで、でも何かを決心したような輝きが宿っていた。
「だから、決めたんです。どうせ帰る場所がないなら、未知が潜んでいるあの海底遺跡を冒険してみようって。もう他の騎士団の面々も散り散りになってしまいましたし、同じように遺跡で彷徨っている可能性を探してみたくもあるんです」
いくらまだ修理のしようがあるとはいえ、中枢機能が集中していたのは王の回廊周辺。運悪くそこを中心に半分以上の施設が消失してしまった為、現在のセントラルタワーはその機能を維持できないのである。このセントラルタワーが生まれ場所であったルカイにとって、ここまで酷いダメージは破棄されてもおかしくない、即ちほぼ全壊を意味している。巣立ちの機会ととることもできるのである。そこから固まった意志だった。
「随分と短い間に、そこまで固い決意を…」
「フィンさん…。すいません…せっかく招いてくださったのに…」
だが、フィンからの回答は、寧ろルカイの意志を誰よりも肯定・応援するものだった。
「別にいいさ。道が決まったなら、それを行けばいい。それが誰かとの別れになったって、道を進む内に新しい出会いがある筈だ。僕は君の旅路を応援するよ」
「…!」
「フィン…。ま、フィンがそう言うんならオイラは否定しないし、応援するぜ」
ありがとうございます、フィンさん、テュールさん!」
その光景には、ユニバースとムーンライトは混ざっていなかった。小さな書き置きを残して既に去ってしまったらしい。その書き置きには、一言だけ。
『いつかまた会えることを信じて、この書き置きにて旅路でのご武運を祈らせていただく』
「…ホンット、あいつらはいつの間に動いてるんだかわっからねーな」
「多分、これ何年も前から変わらない癖だね。あの2人、こういう時の挨拶は直接参加しないのに、絶対書き置きは残すから…」
「変なの。オイラには全然理解できねーや」
「やはり、世の中にはいろんな人がいるんですね。じゃあ、僕もそろそろ…」
「じゃーなー」
「お達者で」
こうして、ルカイは海底遺跡へと旅立っていった。こんなやりとりをしている間にも、ムーンライトは月光世界へ上がっていったのだろうか。そんなことを思いつつ、フィンとテュールは別々な方向にセントラルタワーを後にした。

(118.0.119.186).. 2008年06月16日 18:44   No.196030
++ クォーツ (オリカ王子)…100回       
先の投稿も含め、話は散り散りになった虹の騎士団メンバーのそれぞれを語るものへ変化。
スポットが当たっていなかった辺境世界西区域の静けさが、小さな異変へと変わっていきます。

一方、ルカイの求めていた可能性は、この時から運命へと変わっていた。
コンクル・シオンがヘイムを殺したあの後、ルカイと同じようにセントラルタワーから離れていった虹の騎士団の面々。
その内、ルカイは前述の通り未知なるものを求めて海底遺跡へと旅立った。そしてこの2人、ボマーとチックもまた、セントラルタワー以外では唯一の当てとなる海底遺跡へと、『何者かに呼び寄せられるかのように』入っていったのである。そしてメデュールはといえば、あるアイテムを携えて西区域を彷徨っていた。

西区域は、全体の半分を占める広大な砂漠が災いして立ち入る者の少ないエリアである。とはいえ辺境世界として成り立つ前、古代世界という謎ばかりが残る空間だった頃はそれなりに文明が栄えていたらしく、それを証明するかのような古代遺跡が、砂漠地帯に数多く眠っているのである。メデュールは、携えるアイテムが示す遺跡を目指していたのだ。
「…ここか」
アイテムが示す反応が明らかに強い。今にも飛び込みたいかの如く、若干ではあるが遺跡の方に向けて震えている。このアイテムが示した遺跡に間違いない。メデュールはそう確信した。
「どうやら、ヘイム様は古代文明の『遺産』の1つがここにあると分かっていたようだが…。本当に、マトモに可動するシステムがあるのか?」
メデュールの疑問ももっともだった。そもそも、メデュールがこうして西区域の砂漠地帯へ踏み込んだのは、ヘイムの敵討ちの為の戦力として古代遺跡を調べる為だ。手始めに、かつてヘイムが設置した発信器に反応するように調整されたセンサーによって探知・確定した遺跡を調べることにしたのだが、この遺跡は道中で見つけた他の遺跡よりも風化やら崩落やらが酷い。とてもではないがまともなシステムが残っているとは思えない、廃墟とも呼べるシロモノである。しかし、メデュールはあくまでヘイムを信じていた。
「…いや、遺跡の具合など、どこも似たようなものだ…。ヘイム様を信じなければ、私の存在意義は失われてしまう」
既に『抹消』されてしまったことも知らず、自分が信じる思いのまま、センサーが鳴りやまぬ遺跡へと足を踏み入れた。

(118.0.119.186).. 2008年06月16日 20:28   No.196031
++ クォーツ (オリカ王子)…101回       
メデュールが入った遺跡は、ところどころにヒトデやフジツボといった海洋生物の無惨な干からびた姿が見られた。
遺跡そのものが周辺の大地よりもへこんでいるクレーターのような場所にあったことと、砂漠地帯の筈なのに貝殻が無数に転がっていたことから、どうやらこの遺跡は水の底にあったものらしい。しかも、どういう構造になっていたのか、海水が流れ込んでいたようだ。
「干からびてしまったオアシス…といったところか」
水、正確には海水が満ちていた頃はオアシスのような状態だったのであろう。それを示すかのように、どこを見ても海洋生物の亡骸が転がっているばかりなのである。
「さて、遺産は…向こうか」
センサーは反応を示すだけのものから地図のようなものになった。おそらく遺産のことを示しているであろうマークを目印に、地図を見ながら通路を進んでいく。そして辿り着いた部屋は、他とはあまりにも異質で、殆ど風化も崩落もしていなかった。
何万年も放置されていたにもかかわらず、辺境族も真っ青な超高度テクノロジーが、原型を留めたまま存在している。今でも誰かが利用しているのか、それとも初めから超長期間の放置或いは保管を想定されていたのか、どちらにせよ丹念に整備されていることだけは確かだった。
「遺産…この設備そのものとは言いにくいが、調べれば出てくるか。見たところ、何らかの実験室のような感じもしなくはないが…」
辺境族の極秘施設ですら、このようなどこか生物的な壁を持つ実験室など見たことがない。やはり古代文明のオーバーテクノロジーと考えるのが妥当なのだろうか。そんなことを考えながら調べていると、人間型の辺境族と同じくらいの大きさのものがすっぽり入りそうな巨大カプセルが目に入った。シェルターのようなもので閉ざされていて内部までは見えない。その台座近くにコンソールのようなものがあった。細かい形状は異質なものであるが、基本は変わらないようだ。
慣れた手つきでコンソールを操作し、調べていく内にシェルターの開放を意味する古代文字の文章が出てきた。迷うことなく解放するメデュール。そして現れたのは…。
「馬鹿な……人間……だと…?」

(118.0.119.186).. 2008年06月21日 05:21   No.196032
++ クォーツ (オリカ王子)…102回       
シェルターが開かれたことで分かったこと、1つは中に少女と思われるものが存在していること。もう1つは、それが収まっているカプセルが培養カプセルの1種であること。そして、それが明らかに『作られた生命』であることだった。
「確かに古代文明には謎が腐るほどある。しかし、こんなことが古代からあったというのか…」
メデュールが驚くのも無理はない。経緯などは違うにせよ、同じく『作られた生命』である彼には、今自分の目の前にある現実が受け入れられなかった。生命を『作る』ことが禁忌であることを騎士団中唯一知っている彼は、等しく禁忌と呼ばれるであろう産物を前にして驚くしかなかった。
確かに古代文明の『遺産』ではある。だが、それが禁忌の産物である以上、『遺物』とも呼べる。解放してはならない―そう思ってしまった。
もしヘイムがこれを見つけたのが創造能力獲得前で、これを見て生体兵器の研究に携わるようになったのだとしたら…。唯一、彼女の過去を教えられた彼は、禁忌を繰り返すことに嫌悪感を抱いていた。そして今、古代の禁忌が解き放たれることは、世界の混迷を更に深くするだけだと思った。彼が選んだ行動は――カプセルの破壊だった。
「古代の禁忌となれば、どのような危険性を秘めているか知れたものではない。今すぐにでも破壊し、テクノロジーを根絶やしにしてくれる!」
禁忌の産物である自分が、禁忌の産物である少女を殺める――そんな光景を作り出そうとしている自分に戸惑い、一瞬攻撃を躊躇ってしまう。戸惑いを払い、カプセルを破壊しようとしたまさにその時だった。
まるで破壊されるのを感づいたかのように、カプセルの中の少女が目覚め、カプセルから出てきたのである。しかも、破壊してではなく、すり抜けて。メデュールには、その光景が信じられなかった。カプセルをすり抜けて出てくる話など、当然ながら聞いたことがなかったからだ。
「あたしを殺そうとしたのは…あんた?」
少女がメデュールに対し、初めて言葉を放った。カプセルの中の液が濃すぎてよく分からなかったが、少女は水色の髪に青をメインカラーとした服を身に纏い、スパッツをはいている。そしていつどこから出したのか、2本の剣を持って構えていた。先程メデュールがカプセルごと殺す気だったように、この少女も自分を殺そうとしたメデュールを殺す気でいるようだ。言葉からも想像できなくはないだろうが、何よりもそう思わせるのは、それを敵だと認識するような鋭い目つきだ。命の危機を本能的に感じ取ったが故の行動であり、正当性は認められる。いくら古代の遺物とはいえ、それだけでは殺される理由にはならない。
ただ問題は、少女に関する情報があまりにも少なすぎることであった。名前などは勿論、戦闘能力も未知数である。目つきの鋭さがどんどん増していることからしても、戦うのは危険だ。
「ま、待て。取り敢えず落ち着け。確かに私はお前をカプセルごと殺そうとしたが…」
「それなら問答無用!」
メデュールの話を聞く気はさらさらないらしく、話し終えるよりも前に2本の剣をかざして少女は突っ込んでいった。

(118.0.119.186).. 2008年06月21日 06:08   No.196033
++ クォーツ (オリカ王子)…103回       
「待て!こちらの話を聞いてくれ!」
「うるさい!挨拶すらしないまま殺そうとした奴の話なんて、誰が聞くか!」
どうやらカプセル越しにメデュールの動作が分かっていたらしい。おそらく第六感辺りが優れているのだろうが、それを考えてもつじつまが合わない。メデュールが少女を殺す為にカプセルを破壊しようとした時、まだ目覚めてはいなかった筈である。目覚めたのは攻撃する直前の筈―構えていたところから悟られたのだろうか。
「そんな奴はこっちから殺してやる!何万年もの間カプセルに閉じこめられて、それでこんなところで殺されるなんて心外だから!」
「(殺すのは情報を頂いてからでも遅くはないだろうが…まずはこの攻撃の手をどうにかしなければな)先程は悪かった!あれは、ここにあるテクノロジーに嫉妬したが故に血迷ったからだ!」
「…?」
「それにだ、あの攻撃はカプセルを狙ったわけではない!その下にあるコンソールを狙ったのだ!開け方が分からなかったからな」
「…出してくれるつもり…だったの?」
「(かかった!)あぁ、そうだ。お前には、色々聞きたいことが、あるのでな」
メデュールがそう言い終えた直後、多数の魔力球が少女の背中に立て続けに直撃した。彼の必殺技『粛清の魔弾』である。先程の行動とは逆のことを言って嘘をつき、少女の心の揺らぎと共に攻撃の手がゆるんだところへ、不意打ちの要領で魔力球を打ち込んだのである。
「な…っ!?か、体が…動かない…」
「残念だったな、今打ち込んだ魔力球には、相手を麻痺させる効果があるのだ。ご丁寧に重ねがけまでしたのだ…当分は動けまい」
「く…、そんな…!」
抵抗はやめておけ。元はと言えば、私に挑みかかったのが運の尽きだったのだ。大人しく、こちらの質問に答えてもらおうか」
「どうせ、質問が終わったら殺すんでしょ…!」
「…………そんなところだ」
体が動かない以上、勝負にすらならない。そして、お互い相手を殺そうとしている身だ。用済みになれば殺されることなど、すぐに分かった。死に対する本能的な恐れからか、少女の声は途中から震えていた。よく見れば泣いている。我慢こそしているようだが、一目瞭然ではある。
本当に殺してしまっていいのだろうか、今度は心から謝った方がいいのではないか、途端にそう思い始めたメデュールの心には、迷いが生じ始めていた。

(118.0.119.186).. 2008年06月22日 05:50   No.196034
++ クォーツ (オリカ王子)…104回       
「さて、質問タイムといこうか」
取り敢えず迷いは捨て去り、当初からの目的である情報収集の手段として、質問という名の尋問を開始した。5回も重ねがけした麻痺効果は、そう簡単には解除されないので安心しつつ。イテンはというと、麻痺の影響かへたれこんでいる。
「まず、お前の名前は?」
「…イテン」
イテンという少女は、そっぽを向きながらも質問には答えた。抵抗が無意味だと分かったからか。かまわず、メデュールは続ける。
「いつ、どこで生まれた?」
「最初からここだった。ここで生まれた」
「(やはり、作られた生命だったか…)
では、何故カプセルに閉じこめられていた?」
「生まれた時には白い服着た連中がいて、そいつらが『こんな平和な世では意味がない』とか『乱世の時代にこそ存在意義がある』とかぬかして、出したばかりのあたしをまたカプセルに閉じこめた。外の世界を見ることもない内に」
「(乱世の時代にこそ…?ということは、戦闘力を高められた遺伝子調整生命体だったか)
ここは、一体何の施設だ?分からないかもしれんが」
「ここは、遺伝子とか調整して命を作る実験施設。人造人間とかいうのかな、そーゆーのばっかり作ってるくだらない施設…。白服連中があたしに向かって『人間だけでなく、精霊すら人の手で生み出せるとは最高だ』とか言ってたっけ…」
ここまで聞いて、メデュールはあることに気づいた。メデュールは最初、イテンは人造人間だと思っていた。こういう技術では精霊は作れないと思っていたからだ。しかし、その考えを改める必要が出てきた。彼女の証言が正しければ、彼女は人の手によって作られた精霊。いわば人造精霊とでもいうべき存在となる。古代人が自らの心のままに作り、勝手に封印された、オーバーテクノロジーの犠牲者といえるのだ。
「では、最後の質問だ。心のままに答えろ。お前は生きたいか?死にたいか?そして、生きたいというなら、どうしたい?」
更に深くなった迷いを断ち切る為、決心の礎とする質問をした。イテンは俯きながらではあるが、ハッキリと答えた。
「……生きたい…生きたいよ…!ここから外に出て、今の時代を生きたいよ…!」
その声には、生命体の本能たる生への執着と悲痛な願いが混じっていた。最後の回答を得て、メデュールは決めた。
「そうか。聞きたいことは全て聞いた。もうお前には用はない。この施設、いや、遺跡にもな」
「…っ!」
メデュールは周囲に魔力球を、大きなものを1つだけ作り、掲げた。ついに殺される―そう確信したイテンは目をつぶり、魔力球は動いて―破壊した。イテンの背後にあったカプセルと、更にその後ろの壁を。大きくしたのは、外まで貫通させる為であった。思わぬ出来事に、イテンが戸惑う。
「ど、どうして?なんであたしを殺さない?」
「私とて鬼ではない。必要な情報を手に入れてまとめた結果、お前を殺すことには何の意味もないと分かった。そして、お前と等しく作られた生命である私の本能が怒鳴った。イテンを殺すな、生かせ、世界に溶け込む第一歩を踏ませろと。あとは好きにするがいい」
そう言うと、メデュールはさっさと立ち去ってしまった。その少し後、イテンは体が思い通りに動くのを感じた。麻痺効果がきれたらしい。もっとも、メデュールが麻痺効果を継続させる魔力を止めたからなのだが。ともあれ、イテンは立ち上がり、メデュールが去った方を見やる。
「……ありがとう…」
呟くようにそう言うと、逆の、彼が開けた穴の方へと走っていった。
この遺跡が突如爆発、崩壊したのは、イテンが遺跡を飛び出してから数分後のことだった。

(118.0.119.186).. 2008年06月22日 06:36   No.196035
++ ウェリス (オリカ王子)…108回       
これだけでも貼っておきます。
今後貼りに来れるか、ちょっと心配です;

一歩動くだけで変わる。
―生か死―
2人は動かぬままだったが・・・
「ぐっ・・・」
呻き声を上げ、ブロードが片膝を付く。
どうも頭部への一撃が強かったのだろう、先程の攻撃が限界だったのだ。
「小僧・・・さっさと俺に止めを刺すんだな・・・。」
流れる血を拭う気配も無く彼は続ける。
ガンタスは強くハンマーを握った。
―が、
知らぬ間にどさり、と音がしてブロードがうつ伏せになっていた。
背中に血を流して。
「アマノジャク・・・貴様ッ・・・!」
薄れた意識の中で切った相手に口を開く。
「あーあ、残念。てめェ、もうちょっと強えぇって思ったのになー。悪ぃな。俺、雑魚には興味ねーんだ。」
その口に現れたのは恐ろしく残虐な笑み。
「―え・・・?」
唖然とするガンタスの横でグレンドルが食って掛かる。
「アマノジャク!お前、味方なのに何も思わないのか!大体、試合放棄じゃないか!」
「うっせーよ。雑魚を殺っても悪くはねぇだろ。」
信じられない。
雑魚は雑魚でも味方を裏切り、殺すとは―
レンドルの瞳は怒りに揺れた。
「あーもー。んなに怒るなっての。―じゃ、お元気で。雑魚のブロードさんよ。」
アマノジャクは斧を振り上げ、迷う事無く振り下ろした。
鮮血が舞い、ブロードは消えた。
「アマノジャク・・・許さねぇ!ヴォルクの分、ブロードの分、俺が仇をとる!」
振り向いたアマノジャクには残虐な笑みが未だ残っている。
頬にこびり付いたブロードの鮮血を腕で拭う。
「あぁ?敵の仇とってどーすんだ?感謝しろっての。」
感謝だと?
敵とはいえ裏切って殺す事に感謝しろと?
ふざけている―
「敵、味方なんてどうでもいい!お前を許すわけにはいかないっ!」
「あっそ!んなら一生馬鹿げた事言ってろ!」
2人は構えをとった。
グレンドルはガンタスに皆の所に行くようにといい、2人は激しくぶつかった。

(220.213.108.48).. 2008年06月23日 17:05   No.196036
++ ウェリス (オリカ王子)…109回       
「お前はどうかしてる!味方を殺すなんて人間じゃねぇっ!」
「人間じゃない?―あぁ、そうだよ!俺は人間なんかじゃねぇんだよ!」
幾重にも渡り人を殺していったからなのか。
彼は意味の分からない事を言う。
―やはりどうかしてしまっているのだろうか?
「馬鹿げてるのはお前の方じゃないか!」
「あぁ!?ヴォルクやブロードのヤロウ見て何も思ってないのか?」
戦いつつ考えた。
ヴォルクとブロードの関連―
ヴォルクはスパイとは言えど、こちらに心を寄せた。
ブロードは違う。
としたら元はネヴィアの手下、という事か。
『いいや、それは違う。それがあいつに関連するわけが無い。』
ふと、先程のブロードの血が目に入る。
よく見ると、住人の1人か、倒れていた。
ぴくりとも動かない。
恐らく死んでいるのだろう。
『―あ!そう言う事か!』
その表情にアマノジャクも気付いたようだ。
「やっとお分かりか、お馬鹿さん?」
「あぁ。よく分かったぜ。」
ヴォルクとブロードに関連する物―
それは死体だった。
住民の遺体は疎らだが見つかる。
が、正反対に彼らの遺体は粒子となって消えていた。
何かの現象による物だろう。
それを一通りアマノジャクに話すと、2人の動きは止まった。
「大正解だなー。ってワケで、俺は人間じゃねーんだよ。」
「じゃあお前は一体何者なんだ!」
しつこい、と言いたげな目でグレンドルを睨む。
が、口を開いた。
「―お前の能力とかを使ったレプリカ。人工生命体だ。」
思わず息を呑んだ。
数々の人のデータを扱い、人工生命体を作り出す。
そんな「モノ」が目の前にいるということを。
「レプリカってのは、死んだら内部の乖離現象が起こる。まぁ、何のことかはサッパリだけど、そのせいで死体が無いんだ。どーだ?スゲーだろ!」
「はっ。レプリカって技術には正直驚いたけどよ・・・面白いじゃないか!」
その一言に彼はふっと笑う。
「殺ってやろうぜ!どっちが死体になって消えるかなァ!」
「上等だ!粒子になって空の彼方へ吹き飛びな!」

(220.213.100.41).. 2008年07月31日 14:28   No.196037
++ クォーツ (オリカ王子)…105回       
あくまで無理はなさらずに。
大丈夫、諸事情により1人でストーリーを完結させた経歴は伊達ではありません(何だそりゃ)
あと、2つ目の方の「人口生命対」は「人口生命体」の間違いでは?

さて、西の砂漠地帯の遺跡から外の世界への進出を果たしたイテンの行方はまた後ほど語るとして、何かに吸い寄せられるように海底遺跡へ入ったボマーとチックの様子をお伝えしよう。

「何かに呼ばれてるよなー、俺ら…」
「あー、ぜってーに呼ばれてるぜ、何かに」
ボマーが、チックが、「呼ばれてる」と呟きながら海底遺跡を彷徨う。
コンクルの逆襲によってセントラルタワーから脱出したこの2人、最初は中央区域の北側で身を隠していたが、コンクルの波動が消えると同時に、まるで入れ違いの如く発生した謎のパルスに導かれるようにして、海底遺跡に入ったのである。
しかし、明確な地図がないのは以前侵入したルカイ達と同様であり、パルスの発信源、即ち呼び声の主を求めて遺跡を彷徨い続けているのだ。
実はその波動にヘイム=シヴァの面影は全くない。つまり、彼らは虹の騎士団とは全く関係ない何かに呼ばれているのだ。当然、それは謎だらけである。
「にしても、一体何なんだろーな。オレらを呼び出すよーなヤツ」
「さぁな。ただ1つ分かってんのは、俺らはここでそいつを見つけなきゃなんねぇってことだ」
チックは勿論、ボマーとて抱いている疑問は同じである。何故、虹の騎士団というシヴァの操り人形的存在だった彼らを、このようなパルスを発してまで呼び出すのか。そもそも、虹の騎士団の存在は本来、関係者以外には秘密にされている。その存在を知っているというのは、一体どういうことなのか。この海底遺跡に、いつぞやのタイマーのようなはぐれ者がいるとでもいうのか。
「……ここだけパルスが強いぜ、チック」
「あぁ、どーやらアタリらしいな。とっととパルスの発信源さんとご対面といこーぜ」
とある部屋の奥、入り口同様に相当大きな穴が開いている。謎のパルスは、その穴から広がっている。つまり、発信源はその穴の奥となる。ボマーとチックは迷わず入っていった。

穴の奥には、他とは全く雰囲気の違う空間が広がっていた。まるで、突然宇宙空間に放り出されたような感覚に見舞われる特異な空間。実際、穴を出てからというもの、2人は浮きっぱなしだ。少し手を動かすだけでクルリと回ってしまう。どうやら宇宙ではないにしろ、無重力空間ではあるようだ。その空間を、謎のパルスが支配している。
「…ヨクゾ来タ、我ガ呼ビ声ニ誘ワレシ者達ヨ。私ハ、コノ時ヲ待ッテイタ」
どこからか、機械言語特有のカタコトな声が聞こえてくる。どうやら呼び声の主らしい。
「私ノ名ハ、『パルースペール』。『ツヴァイアドライ』ヲ抹殺シ、辺境世界ニ永遠ノ安寧ヲモタラス為ダケニ生マレタ。人ハ皆、私ノコトヲ機械生命体、モシクハ機獣ト呼ブ」
パルース・ペールと名乗ったその声の主は、ボマー達の目の前の空間を歪ませてその実体をあらわにした。機械生命体と呼ばれるだけあって、その姿はまさしく今時のロボット。額に2本の角を持ち、体の所々にあしらわれているクリアイエローのラインと背中の大きなリングが特徴的だ。

(118.0.119.186).. 2008年06月26日 15:24   No.196038
++ クォーツ (オリカ王子)…106回       
「アンタか、俺らを呼んでたのは。んで、なんで呼んだ?」
「別にオレらはツヴァイアドライとは関係ねーし、ここに来る理由も無かったんだけどなー」
「見ツケテ欲シイ。ソノ『ツヴァイアドライ』ノ幼生体、全部。私ハ、コノ空間カラ外ニ出ラレナイ。生体ハ少シ前カラ消エタ。ダカラ、後ハ幼生体ヲ全テ滅ボセバ、辺境世界ヲ脅カス存在ハ消エ失セル」
彼がボマー達を呼び寄せたのは、この特異空間から出られない自分に変わってツヴァイアドライの幼生達を見つけてもらう為だったのだ。チックが更に質問する。
「ちょっと待てよ。なんでツヴァイアドライはこの遺跡で引きこもってたんだ?理由が分からねーんだけど」
「『ツヴァイアドライ』ハ、コノ海底遺跡ヲ根城ニシテイタ。ココノ湿気ト魔力粒子デシカ、幼生ハ育タナイカラ。私ハ、ソノ根元ヲ潰ス為ニ送リ込マレタ」
ツヴァイアドライが伝説と化していた要因の1つである個体数の少なさは、ごく限られた条件下でしか幼生が育たないのが原因だった。
ツヴァイアドライの幼生は、大気中に漂う湿気と魔力粒子をエサにして成長していくが、魔力粒子が絶えず発生する空間は辺境世界では非常に限られたごく僅かな部分にしかない。その僅かな部分に更に湿気も十分という条件が加わると、更に限定されてしまうのだ。
そして、その非常に限定された場所こそが、この海底遺跡だったのである。
ルースペールは、その唯一ともいえる場所でツヴァイアドライを根絶やしにするべく、誰かによって送り込まれたのであった。
「逆にどーしてアンタはここから動けねーの?」
「遺跡ニアル魔力粒子ガ、私ノ機能ヲ著シク低下サセテシマウカラダ。チナミニ、『ツヴァイアドライ』ハ、コノ場所ヲ知ラナイ。ダカラ、オ互イ攻撃デキナカッタ」
ツヴァイアドライと、その天敵として何者かに制作された古代機獣パルース・ペールが、長き時代を膠着状態のまま過ごしてきた理由。それは、お互い打って出ることができなかった為であった。パルース・ペールは遺跡内部の魔力粒子によって行動を抑制され、ツヴァイアドライは彼の居場所を知らなかった。両者とも、攻撃するチャンスがなかったのである。
おそらく、何事もなければこれからも同じように時を過ごしていたであろう。しかし、ヘイムがシヴァへと変わる為にツヴァイアドライを取り込んだことで、それは突然終わりを告げた。戦うこともないまま、ツヴァイアドライの生体がこの世から消えることになってしまったのである。かといって魔力粒子が消えるわけでもなく、パルース・ペールは結局引きこもり状態から脱することはなかったようだ。
一通り回答を終え、パルース・ペールが2人に依頼する。
「改メテ、諸君ニ『ツヴァイアドライ』ノ幼生体ノ探索ト私ヘノ届ケ出ヲ依頼スル。地図ヲ渡スカラ、幼生体ヲ見ツケテ私ニ届ケルダケデイイ。ソレガ出来タラ、コノ遺跡ニ眠ッテイル埋蔵金ヲ差シ上ゲヨウ」
『埋蔵金』と聞いた瞬間、2人は目を「¥」にして高らかに宣言した。
『全力でお受け致しますッ!!』
かくして、ボマーとチックの『ツヴァイアドライの幼生捜索ミッション』が開始された。

(118.0.119.186).. 2008年06月26日 16:55   No.196039
++ クォーツ (オリカ王子)…107回       
ボマー&チック編、後半。
現代のみにく〜い大人達(ぇ)がしていそうな葛藤が繰り広げられます。

遺跡の地図をもらい、パルースペールの依頼遂行に乗り出したボマーとチック。依頼遂行の為に捕獲・連行するのは、伝説の凶悪モンスターツヴァイアドライの幼生。レーダーまではもらえなかったので、肉眼と気配で探すしかない。
「埋蔵金♪埋蔵金♪」
「幼生連行埋蔵金♪」
ボマーもチックも、報酬金が遺跡の埋蔵金であることにすっかり上機嫌。もとはといえば、埋蔵金の為だけに依頼を受けたわけであるが。
遺跡を歩き始めて数十分。何やら鳴き声のようなものが聞こえた。たとえて言うなら、見知らぬ人が通りかかって警戒する小型犬のうなり声といったところだろうか。2人は早速走る。
『まいぞ〜きぃ〜ん!!』
もはや、その思考は完全に金に目がくらんだ醜い大人である。今時の人間世界でいえば天下りを享受している政治家だろうか?とにかく、よい子には見せたくない光景である。
それはさておき、2人は丁度小型犬くらいの大きさの6本腕と4本足、狼頭の奇妙な生物がいた。もしこの時ルカイやフィン達がいたら、これがツヴァイアドライの幼生だとすぐに分かっただろう。ところが、何しろ成体と対面したことがない2人にはそれが何なのか分かっていなかった。
「……これか?」
「いろいろ変なところあるけど、これなのか?」
一応、ツヴァイアドライの噂は知っている。異形な姿をした大型モンスターで、6本腕と4本足の超攻撃的な存在だと。最初は、この奇妙な生物がその幼生だとは思わなかったが、その後の行動で確信することになる。
――噛んだ。それはもうおっかない形相で、近づいたチックに連続で噛みついたのである。なんとかボマーが引き離したが、その直後のチックの惨状は…「血だるま」とだけ言っておこう。
「こいつ!こいつがツヴァイアドライの幼生に間違いねーって!メチャクチャ凶暴じゃねーか!」
泣きながら本音をぶちまけるチック。しかしボマーは幼生を押さえつけながら、あることを考えていた。ツヴァイアドライの危険性についてだ。
「でも考えて見ろよ。子育て事情があるとはいえ、ツヴァイアドライはこの遺跡から出れないんだろ?だったら、なんでむやみに殺す必要があるんだ?殺したって得しないと思うんだが」
「埋蔵金!」
「そう…そう…コイツらをパルース・ペールに届ければ埋蔵金…だが…」

(118.0.119.186).. 2008年06月29日 14:21   No.196040
++ クォーツ (オリカ王子)…108回       
確かに、ここは考えどころではある。いくら凶悪なモンスターとはいえ、子育ての為にこの遺跡からは出られないのだ。
海底遺跡から出られないとなれば、必然的に辺境世界への被害は遺跡の存在によって抑止されていることになる。遺跡が崩壊すれば話は別だろうが、水圧に耐え続けて何百年と経過している。そう簡単には壊れたりしないだろう。それに、唯一の住処がなくなれば、絶滅している筈である。
「まだ何匹もいるだろうし、そんなおっかねぇの相手にしなくても、さっさと帰ればいいんじゃねぇのかな?あ、でも埋蔵金は欲しい…」
ルースペールはともかく、自分達にはこの幼生達を殺すようなことをして埋蔵金以外に得られるメリットはない。それどころか、無防備に近づけばほぼ確実に負傷するような相手だ。関わって得するようにも思えない。
埋蔵金か、それとも我が身か。辺境世界の中でも「底」という意味での辺境の空間で、ボマーは若干迷っていた。どうするべきか。
幼生は、とにかく逃げだそうと必至にもがいて暴れている。気を許せばすぐに噛まれそうだ。
「…………チック」
「ん?」
「……やっちまえ」
ボマーは、埋蔵金をとった。自分の「滅びの爆魔」でもいけそうだが、この状況でならチックの「電光痛刺」の方がよほど迅速で有効だ。噛まれないように気を付けながら、幼生の体をチックに向けた。「刺せ」と促すように。
「よっしゃ!埋蔵金〜!」
彼の「電光痛刺」が幼生の腹のど真ん中に見事に突き刺さり、幼生は悲鳴を上げ、沈黙した。

「オオ、私ガ探知シタ反応ノ数ト完全ニ一致シテイル。見事ダ、約束通リ、埋蔵金ヲ授ケヨウ」
結局、パルース・ペールの依頼は無事遂行されたのであった。金への執着が抜けきれない、ある意味で哀れな2人は、パルース・ペールにとっては格好の利用対象でしかなかった。とはいえ約束は守る。きちんと遺跡の埋蔵金を用意し、それをいかにも固そうな箱に厳重に入れた。
「んじゃ、俺達はこれで帰るぜ」
「あんたも、とっとと帰ったらどーだ?どーせ殺すんだろ?そいつら」
「ソウダ。私モ帰ルサ、コイツラヲ始末シタラ、スグニデモナ…。サラバダ」

こうして、ボマーとチックは埋蔵金を収めた箱を担いで遺跡を去っていった。その後、パルース・ペールの空間も消えていた。それとルカイが再び海底遺跡に入り込んだのは、ほぼ入れ違いともいうべきタイミングだった。

(118.0.119.186).. 2008年06月29日 14:56   No.196041
++ クォーツ (オリカ王子)…109回       
海底遺跡に入ったルカイの行方…は、現時点では執筆するかどうか未定です。
そろそろ新展開を考えなければ…。
今回は、メデュールによって西の古代遺跡から脱出したイテンの話。

「う〜、ここどこ〜?」
メデュールの計らいによって、数万年の時を越えて外に出てきたイテン。
だが、この世界の地図を持っているわけでもない為、遺跡が砂漠地帯にあったことも含めて、イテンは当てもなく彷徨っていた。
水も食料もなしに約10時間も砂漠を彷徨って平気(?)でいられるのは、やはり人工的に生み出された故であろうか。
脱出して1時間ほどで日が暮れたことも考えられる。砂漠の夜は冷えるのだ。
「は〜、さっさとオアシスとか見つけて休みたいな〜。ま、なんとかなるか」
自分が今置かれている状況を理解しているのかいないのか。ポジティブ…いや、楽観主義ともいうべき彼女の言動は、ある意味で逞しい。
そんな中、何やら「戦う音」が聞こえてきた。近くに誰かがいるのだろうか。いや、砂漠地帯故にサソリなどのモンスターの可能性もある。
「何だか知らないけど…行ってみよ」
ともかく、ここで突っ立っていても仕方ないと判断し、音がする方に走り出した。

「へっへ、俺の料理魂が燃え上がるぜぇ!」
「さっさ、ほいさ、さっさ、ほいさ」
「シギャー!」
コック帽を被った稀身族と、長い針が特徴的な時計型の生き物が、蛇やらサソリやら砂漠特有のモンスター達を次々と倒してゆく。
「ねー?何してるのー?」
そこへイテンがやってきた。コック帽を被った方が敵を倒しながら説明する。
調理前の下ごしらえだよ!お嬢ちゃん、そこにいると危ないぞ!」
「むっ、あたしだって戦えるもん!」
そう言うと、イテンはどこからか2つの剣「トレントブレード」を取り出し、モンスターの内の1匹に切り掛かる。更にもう1匹。
今度は4匹の蛇型モンスターが同時に襲いかかってきた。だが、イテンは動じず、3歩ほど後ずさってから勢いよく飛び込んだ。すると、突然いくつもの刃のようなものによって4匹ともバラバラに解体された。まるで砂が海であるかのように、イテンは砂、正確には特殊空間に潜ったのだ。
飛び込んだところとは別な場所から、サソリ型モンスターが群がっている場所から飛び出てきた。この時にも、複数の刃がモンスター達をバラバラにしていく。
「どう?カリーシュダイブの威力!」

(118.0.119.186).. 2008年07月05日 03:40   No.196042
++ クォーツ (オリカ王子)…110回       
「おーおー、スゲーじゃんか、お嬢ちゃん!」
ただ潜って飛び出すだけで敵を倒せる―イテンの戦いぶりに、コック帽の男が感嘆する。こちらも残っていた分は全て倒したようだ。
「…さて、サソリ型が10匹に蛇型が12匹…。砂漠生活の食料には困らないな」
時計型の方が討伐数を確認し、すぐさま大きなボックスに死骸を放り込む。
「……そういえば、自己紹介してなかったね。あたしはイテン、あんた達の名前は?」
「俺はチェスト。爆裂料理人といやぁ、少しは有名なんだぜ。こっちはタイマー、俺の相棒だ」
「よろしくな、イテン」

「へー、モンスターを料理して、それを村人達に配るんだ…。ボランティアだねー」
ぶっちゃけ、やることなくて暇だっていうからオイラが提案したプランなんだけどな」
ひとまず村まで案内してもらうことにしたイテン。その道中で、タイマーが今回のチェストの目的を話す。一方、そのチェストは腕を組みながら歩いている。
「ねー、どしたの?チェストさん」
「ん?あぁ、どんな料理作るのか考えてたんだ。何しろ、蛇だのサソリだのは未経験だからな」
料理の振る舞いの際、どんな料理を作るか。チェストは今回に限らず、料理を作る予定があればすぐ思索にふけるのだ。その負担にならないよう、荷物運びは最低限のものを除きタイマーの役目だ。
「…相棒、今回は『いつも通り』だとシャレになんねーからな。頼むぞ」
「分かってる分かってる。…頭じゃな」
「?」
チェストの料理の、ある意味で最大の問題点は、公共の場で晒してはいけない。それを誰よりも理解し、肝に銘じているタイマーは、何やら楽しそうに思索にふけるチェストに念を押した。
勿論、イテンにはよく分からなかった。

「わーい、わーい!村だ村だー♪」
辺境族の民の大半は精霊で、動物のような寿命という概念を持たない。人造とはいえ精霊の一員であるイテンは、子供系の人格を持っているようだ。初めて訪れた場所に、子供らしい反応。
そんなイテンに大人故の懐かしさを感じつつ、チェスト達は村長のもとに訪れた。
「おお、爆裂料理人殿。待っておりましたぞ」
「しっかし、味は絶品とはいえ問題を抱える相棒の料理を、よくもまぁ歓迎しましたね村長殿」
「ちょ、何言ってんだよ…!」
あらゆる面で念を押すつもりか、タイマーはわざとらしくこんなことを言った。勿論、チェストは動揺したが。一応自覚はあるらしい。
「ほっほっほ、既に村の衆には伝えております故、覚悟はできておりますぞ」
「あんたもノリノリか、村長…」

一方でイテンは、村人達からこの世界の地理などの情報を収集していた。この世界で生きていく以上、一刻も早く地理を理解しなければならない。この辺境世界の大まかな構造が簡単なのがイテンには幸いした。覚えやすかったのである。
「…おかげさまでこの世界の地理が大分理解できました。ありがとうございまーす♪」
村人にお礼を述べ、西区域と中央区域を繋ぐ一本線のようなルート上のオアシスを目指す。このオアシスを当面の間の根城とし、準備を整えてから改めて中央区域を目指すつもりなのだ。

「さーて、灼熱の時間が戻ってこない内に、オアシス目指してレッツゴー!」
それから翌々日の夜、砂漠の気温が下がったのを見計らってイテンは出発した。これからの自分を支えてくれる、根城となるオアシスを求めて。

(118.0.119.186).. 2008年07月05日 04:29   No.196043
++ クォーツ (オリカ王子)…111回       
取り敢えず1回分更新。
半ば廃墟と化したセントラルタワーのその後。

コンクルとシヴァの戦闘により壊滅的な被害を受けたセントラルタワー。その戦闘から数日後、現場に立ち会っていたフィンやテュールを筆頭に復旧作業が行われることになった。
辺境世界の統括において最重要拠点となるこのタワーを一刻も早く修復し、新たなリーダーを据える必要があるからだ。
特に問題なのは、コンクルやシヴァに代わる新たなリーダーだった。特に全体治安に影響が出なかったとはいえ、リーダーなくして民は存在しえないのが世の常だ。しかし、秀でて優れた指導者となりうる者が見つからず、難儀していた。

タワーの復旧自体は順調―せっせと機材を運びながら、テュールはフィンに尋ねた。
「なー、これからどーなると思う?リーダー選出の話」
「分からないなぁ…コンクルの時以上に重大な意味を持っているわけだし、気楽にはいけないよ」
「だよなぁ…」
フィンからの答えも芳しくない。選出は早急に行わなければならないが、これといった有力候補がいなくてはどうにもならない。タワーの復旧とは比べものにならない程の難題であった。
「いっそのこと統括形態を変えてみたらどう?」
予期せぬ声の割り込みに一瞬ビビるが、よく見ると自分達の間に入るように(正確には真横から見た視点であるが)稀身族がいる。どうやら、作業中にこちらの話を聞きつけたらしい。
「あー、まず聞く。お前誰?」
「あ、すいません。僕フィリーっていうんだ」
「フィリー?あぁ、そういえば東区域の方で少し会ったことがあったね」
さすがは辺境世界を股にかけるモンスターハンター、フィリーとも知り合いらしい。
「ん?ランストルはどうしたの?」
「ランストルは別な方で作業してるよ」
「ランストル?えーと、フィリーのダチか?」
「そう。分断災害の際に言葉を話せなくなっているが、コミュニケーションには困らないさ」
ランストルとの対面はひとまず休憩時間にということで、もう少し話を続ける。
「統括形態を変えるって…どういうこった?」
「今は東西南北と中央でそれぞれにリーダーがいるけど、その東西南北の代表リーダーがこのタワーに集まって統率を謀るってこと」
なるほど…中央の人達も、元々は他の区域から移り住んだ者ばかり。違和感はないかもね」
北区域のヴォーテクスを始め、リーダーと呼ばれる者は他に3人、東西南北で1人ずつ存在する。そのそれぞれから代表を募り、その代表達がセントラルタワーで共同で政治を行うという案だ。
最近になってスクール(義務教育)を卒業したばかりの少年とは思えぬ画期的な理論を打ち出したフィリー。ここまで政治に対しての意見が固まるようになったのは、セイガ達と出会い、そこから辺境世界の政治について調べてみようと思い至ったのがきっかけであったりする。フィンやテュール、殆どの他人には知るよしもないが。

(118.0.119.186).. 2008年07月08日 05:18   No.196044
++ クォーツ (オリカ王子)…112回       
間が空きましたが、続きです。
辺境族の新たな歴史の第一歩、その布石となるお話です。ランストルも再登場。

なるほどね、4人で共同政治を行えば、今までみたいな悪政はされにくい」
「最低でも誰か1人が静止役になって、それで悪政に歯止めがかかるってわけか」
フィリーが出した、今後の辺境世界の新たな政治形態。これは画期的なものだった。
東西南北の各地からそれぞれ1人ずつ、合計4人の代表をセントラルタワーに集めて政治を行ってもらうというものだ。これなら、現時点でも代表は4人いるわけなのだから、取りいれた直後から立て直すこともできる。
フィンやテュールの言うとおり、4人という共同形態ならば、他の何人かが暴走しても残りが静止役となって悪政を阻止できる。政治面では未熟さの残るこの世界では、リーダーを1人とするよりも複数にした方が政治的安全性は高くなる。
「どうかな?このプラン、結構いいと思うんだけど」
「この世界は技術では優れていても政治は未熟。静止役は必要になるだろうしね」
フィリーのプランは、リーダー不在で不安定になりつつある現状ではすぐにでも取りいれるべきだろう。フィンもテュールも、途中から話に加わってきたランストル他数名も一様に頷いていた。
そして、頷いていた内の1人がこんなことを言い出し、周囲を驚かせた。
「だったら、代表4人から出てきた意見をまとめる議長みたいなの必要だよな。その議長役、この翼の少年にやらせてみないか?」
「え、えぇぇぇぇっ!?」
翼の少年、即ちフィリーのことである。勿論、突然議長役に指名されたフィリーは驚くが、この発言には他の面々も驚いた。

(118.0.119.186).. 2008年07月12日 05:13   No.196045
++ クォーツ (オリカ王子)…113回       
「い、いくら提案者とはいえ…」
「まだ若すぎる、経験がなさすぎるだろ」
「いやいや、議長役の経験のなさという観点では皆同じではないか?」
「それをいうなら、もう少し大人の方が…」
たった1人の何気ない発言が議論を呼んだ。議長役は誰が務めるべきか?まさに急務といえた。そこへ、フィリーよりも幼い声が聞こえた。
「ハハハ、一体何を今更騒いでいるのだー!この僕の、北区域リーダーのヴォーテクスの存在意義はどこへいってしまうんだー!」
『ヴォーテクス(殿)!?』
場にいた者全員が忘れていた。「幼いのに大役」ということでは、以前からこのヴォーテクスがいたではないか。
いくら代々北区域のリーダーを務める家系の者とはいえ、その幼さは人間でいえば赤ん坊レベル。コミュニケーション能力の急激な発達ぶりがあるとはいえ、1つの地域のリーダーを任せるには幼すぎた筈だ。
「リーダー、もしくはそれに準ずる存在と共に成長していく世界か…。いいかもね」
まず考えを固めたのはフィンだった。肯定派だ。否定派もいたにはいたが、少数だったのと区域リーダー4人からの後押しとでフィリーが議長役を務めることになった。メモが異様に得意なランストルは、議長補佐として書記に任命された。
フィリーが議長役に任命された時、ランストルが万歳をしていたのは割と有名な話となる。

一方、オアシスを求め再び一人旅を始めたイテンは、砂漠にも生える特殊な木々の木陰に入って休憩していた。この木々の生命力は強い。
「しっかし、砂漠にもこんな植物が生えるなんて驚いたな〜。根が深いのかな?」
大体、植物は地中に伸ばした根から水分を吸収することで生きている。砂漠という極度に乾燥した世界では植物は殆ど生きていけないのだが、どうやらこの木々は特別らしい。イテンの推測通り、根が他の植物よりも深く伸びているのだろう。
「ふ〜、暑い暑い。オアシスまであとどれくらいだろ?話だとこの道なりに進んでいけばいいってことみたいだけど…」
チェストタイマーと共に訪れた村の住人の話によれば、今イテンが目的地とするオアシスへは、村から西区域のターミナル(西区域の東端)までの道の通りに進んでいけば辿り着くらしい。偶然ではあろうが、丁度最短ルート上にあるベストな休憩地点として重宝されているのだ。
まさしく、そのオアシスは西区域の者達にとっての憩いの場、癒しの場となっているのである。

(118.0.119.186).. 2008年07月12日 05:52   No.196046
++ クォーツ (オリカ王子)…114回       
セントラルタワー復旧作業と同時進行でもあるかのようにオアシスを目指して旅するイテン。
西区域は砂漠が陸地の半分以上を占める過酷な地であるが、不思議なことに日照時間が他の区域よりも短く、夜が長い。日照時間が短いというのは我々の世界でいえば北方の地の傾向なのだが、辺境世界はどうにもそのバランスが狂っているらしい。地下という、全般的に冷えるような地にて発達した世界だからかもしれないが、とにかく特殊な地であることは確かだ。
今も昔も、この西区域は「探検家のキャンプ場」と呼ばれているが、これは砂漠地帯に眠る無数の古代遺跡を求めて、多くの探検家が長期活動用の物資と共に居住エリアを構える為である。今イテンが目指しているオアシスも、その探検家の内の誰かが発見したものだ。
おそらくは、ダイボウケンらアドベンチャーチームもこの地を訪れたことがあるだろう。彼らはトレジャーハンターなのだから。独立行動中のランサーとズバーンに関しては、今この地にてプレシャス(危険度が認められる特殊物質)を探して遺跡を渡り歩いていることも考えられる。

「道なりに進めば怪物も襲ってこないって言ってたけど、ちょっと離れると迫ってくる…。この道に何か特別な仕掛けでもあるのかな?」
以前戦ったサソリ型や蛇型の他、トカゲ型やサボテン型までそこら中をうろついている。五感云々でいうなら普通に射程圏内にいる筈なのだが、何故か『道』から3〜4メートルぐらいまでなら離れていてもモンスター達は襲ってこない。
そのことを不思議に思いつつ次の木陰を目指して移動していると、暑さ対策として砂漠の住人が持つローブのようなものを身に纏った鶯(うぐいす)色の稀身族がイテンに挨拶してきた。
「やぁ、水色のお嬢さん。君も旅の人かい?」
「こんにちわ。そうだけど、あなたは誰?」
鶯色の稀身族、彼から放たれる妙なオーラは不思議とフレンドリーにさせてくれる。彼自身もフレンドリーで、とっつきやすい。
「私はローレル、世間は私を『鶯色のフレンドリーな旅人』と呼んでいる。君は?」
「あたしはイテン。まだこの世界に馴染んでないけど、馴染める足がかりになるような場所を探して旅をしてるよ」
「(ほう、見たところ誕生から何万年も生きていそうなエネルギーを感じるけどね。まぁ、人には誰しも『言いたくない秘密』があるから放っておくとしよう)どこか目指す当てはあるのかい?」
「う〜んとね、この道なりに進んだところにオアシスがあるらしくて、ひとまずそこを最初の目的地にしてるんだ」
ローレルはここまで聞いて、表情を変えた。何やら歓迎の意を示すような感じだ。
「あのオアシスか…。あそこはいいところだよ。休憩地点としての不足の無さはいうまでもない。そのオアシスは私がリーダーとなって、他とはかわった暮らしを営んでいるんだ。他に当てがないみたいだし、来てみるかい?」
「オアシスで暮らしてるの?いいな〜!行く行く!もしかしたらそこの住人になっちゃったりして〜♪なんてね」
「ハハハ、その時は歓迎するよ。何しろあのオアシスに住む人達は、君と同じように『言いたくない秘密』があって独りぼっちな人達だしね」
「…え?」
「積もる話はオアシスでしようじゃないか」
「あ、あぁ、うん…」
イテンはローレルが話したことが気になったが、とにかく日差し全開の砂漠地帯で立ち話というのはよろしくない。まずはオアシスを目指し、そこで改めて詳しく尋ねることにした。

(118.0.119.186).. 2008年07月12日 06:56   No.196047
++ クォーツ (オリカ王子)…115回       
鶯色の旅人ローレルと出会い、彼の発言に疑問を抱いたイテンは、彼と同行し、遂にオアシスに到着した。かなり小規模ではあるが、中央の湖を囲むように小さなテントのようなものが点在する、ちょっとした集落となっている。これも辺境世界という影響なのか、このオアシス周辺だけは日差しが他の区域のものと変わらない。まさに集落を設けるにはうってつけであった。
「わぁ〜、ホントに集落がある〜!みんな、ここで暮らしてるの?」
「そう。ここにいる者達は、君と同じくワケありな人ばかりで、他に居場所がない故に砂漠を彷徨っているところを私が招き入れたのだ」
「…でさ、なんで…」
「おっと、そこから先は私のテントで話そう」
そう言うと、ローレルはイテンを自分のテントまで案内し、招き入れた。他のテントとは違い、彼のイメージカラーである鶯色のテント。内部は座布団ちゃぶ台、あとは寝袋だけというシンプルな構成である。もっとも、テントなのだからシンプルにせざるをえない感はあるのだが。

「さて、君がかねがね疑問に思っているであろう、何故私が君をワケありな者と知っているか。それを教えてあげよう」
「そうだよ、初対面の筈なのにいきなりワケありって認定してるし。…そうなんだけど」
「私はかれこれ100年はこの世界で、この砂漠の地で生きている。砂漠はワケありで孤独にならざるをえない悲しき者達が彷徨う世界。私は孤独な者は捨て置けない性分でね、特に君のような、世界に出てきたばかりの者はほっとけないんだ」
「それで、挨拶して、事情を聞いて、それでこのオアシスに連れてって衣食住の問題を解決してあげてるってこと?」
「その通り。そして、今みたいな集落ができるくらいにまでなると、本能的に「ワケありだな」って分かってしまうのさ。それに、この辺境世界の生き物っていうのは、内包エネルギーによって生きてきた時間を年単位だが察することができる。君はもう何万年も生きている筈なんだが、どうにもこの世界のことを知らない。そういったことを考えてみたところ、君もワケありだと分かったわけだ」
「ふ〜ん…。じゃあ、あなたは物知りさんなの?」
「物知りっていったって、こういうワケあり事情ぐらいしか詳しくないさ。この砂漠についてはよく知っているけどね」
「あんなただっぴろい砂漠のことを?」
「モンスターに出くわしやすいから、正規ルートを外れて歩くのは稀だがね」

(118.0.119.186).. 2008年07月13日 05:54   No.196048
++ クォーツ (オリカ王子)…116回       
「正規ルート…?それって、この西区域っていう場所の砂漠地帯ぜーんぶにあるの?」
「この砂漠にも、一応人が築き上げた文明があった。しかし、ある時、この西区域をすっぽりと覆い隠すかのように巨大な黒い雲が発生してね。この西区域に残っている伝承によれば、『空は闇に覆われ大地は震え、栄えた文明の大半は滅び、その滅びが集まって広大な砂漠が生まれ、やがてそこは滅びの地と呼ばれるようになった』という」
「元々は大きな街とかあったってこと?」
「そう。そしてその名残は多くの古代遺跡だけでなく、かつて栄えていた街と街を繋ぐレールのような道としても残っているんだ」
「レールのような……。あ!もしかして、砂漠にラインを引くかのように伸びていたアレのことなの?あたし達がここに来るまでに辿った…」
「その通り。正規ルートは何やら特殊な技術によって作られたらしく、どんなに砂嵐が吹き荒れようが砂に埋もれたりしないんだ。だから、西区域を横断するように太く長く引かれた正規ルートは、文字通り道しるべになってくれるんだ。その途中で古代遺跡や街だったと思われる跡がいくつも見られることから、人々は『滅びの抜け道』と呼んでいるんだ」
「そうなんだ…。古代遺跡…滅びた文明…そうだ!ねぇ、ローレル。頼みがあるんだけど…」

荷造りを終えたイテンが、ローレルに見送られながらオアシスを去っていく。その先には砂漠が広がっている。しかも、来た道を戻るように彼女は移動しているのである。
ローレルは、そんな彼女を見送りながら、その前の話を思い出していた。

(118.0.119.186).. 2008年07月19日 06:27   No.196049
++ クォーツ (オリカ王子)…117回       
「…え?発達しすぎた文明を持っていた古代遺跡に行きたいって?」
「うん」
彼女から突然出された頼み事は、滅びていった文明の中でも特に高度な技術を持っていた文明の者達によって築かれた、砂漠の真っ只中に存在するであろう遺跡に行きたいということだった。
「しかし、一体どうしたというんだい?正規ルートから外れれば、たちまちモンスターに襲われることは君も知っているだろう?」
「それは、そうなんだけど、でも、あたしみたいに何の罪もないのに遺跡の中で閉じこめられてる子がいたらって思うと、なんか、イヤなんだ」
「ふーむ…。つまり、君みたいに遺跡に閉じこめられている者を助けてあげたい。そういうことなのかい?」
「できたら、そうしてあげたい」
オアシスで暮らす者達は、皆ふれあいという温もりの中にいる。もし他に、自分と同じように遺跡に閉じこめられたまま時を過ごし続けている者がいるなら、その者達にもこの温もりの中に溶け込んで欲しい。それがイテンの願いだった。
「…………よし、分かった。なら、私は君の為にできることをしてあげようじゃないか」
ホント!?」
「あぁ。まぁ、できることはせいぜい荷造りぐらいだがね。しかし、遺跡を探すというなら大事なものがある。それを君の荷物に加えておこう」
そう言うとテントの中にあった工具箱のような箱から「大事なもの」を取り出した。見たところ、あまり宝石としての値はなさそうな石である。
「…何ソレ?」
「これは『プロゥブストーン』といってね。ここら辺の古代遺跡には文明レベルごとに共通する発信器のようなものがある。このプロゥブストーンはその中でも最大のものが放つ信号をキャッチすると点滅するようになる。その点滅が最も速いところには、この石をセットすることで遺跡への入り口を開ける台座がある筈だ」
「じゃあ、この石を持っていけば…」
「ただ探すよりは圧倒的に早く、高度文明を誇った遺跡を見つけられるだろう。しかし、そういった遺跡に限って、正規ルートから大きく外れることになる。道に迷わないように気をつけて移動しなきゃダメだぞ」
「分かった。ありがとう、ローレル!」

「…彼女みたいな境遇のワケありさんが、他にどれくらいいるのかね」
高度文明ならば必ず彼女みたいな者がいるというわけでもない。おそらくハズレもあろう。それを承知の上で、イテンは強く砂漠行きを志願した。モンスターに襲われないことを祈りつつ、彼女を送り出したローレルは、自分のテントへ戻っていった。

(118.0.119.186).. 2008年07月19日 06:54   No.196050
++ クォーツ (オリカ王子)…118回       
そろそろウェリスさん来なくなって1ヶ月経つなー…なんてほざいてるような神経ではなく(ぇ
今回は、辺境世界の新たな歴史の第一歩が始まるお話。ヴォーテクス以外の3人のリーダーもようやっと(?)登場です。

新たな政治体制も整い、ようやく今後の辺境世界の方針を決める会議ができるまでになった。損傷の激しかったセントラルタワーも、民衆が一致団結して作業に取り組んだことで予定よりも早く修復が完了している。会議はこのセントラルタワーの最上階、「王の回廊」改め「文殊の回廊」で行われるようになったのである。
各区域のリーダー4人が議長役であるフィリー進行の下、方針や税制などを話し合うのが新しいルールだ。フィリーがランストルと共に少し待っていると、4つの扉の内の1つが開いた。その扉は、北区域の代表が使うものだ。
「やぁやぁ、フィリー議長。初の大仕事だね」
「まったくだよヴォーテクス代表。プランを打ち出したまではいいけど、まさかそのまま実質上の最高リーダーの役を任せられるとは夢にも思ってなかったからね」
談笑していると、今度は南区域側の扉が開いた。その奥から、左手に本を持ち、袖の短いコートに身を包んでいる、大人しそうな少女が現れた。
「初めまして、新しく南区域のリーダーとなったラエルという者です。よろしく」
「よろしく」
「うん?新しく…って、じゃあ…」
「えぇ…前のリーダーだった人がモンスターハンターになって世界中を旅するようになったので、私が新たな正規リーダーになったの」
フィリーが挨拶を返し、ヴォーテクスがラエルという少女に質問する。話を聞く限りでは、なんとも先代南区域リーダーは奔放な人にしか思えないのだが、実はその人はフィンなのであった。フィンであると知ったなら、フィリーはどれくらい動揺するかはさておき。
次は東区域側の扉が開く。現れたのは、袴と着物…と、なんとなく巫女を彷彿とさせるが、それはあくまで服装の話。少年のようだ。
「どうも。東区域リーダー・ヘシオ、只今到着です。皆さん、お見知り置きを」
「よろしくね、ヘシオ代表」
間髪入れず、西区域の扉も開いた。現れたのは、青いシルクハットマントが特徴的な、全身黒づくめの妙な存在。いわゆる白黒キャラだろうか。
「おや、どうやら最後になってしまったようですね。私は西区域リーダーのコトヌシ。皆様、今後もよろしくお願いします」
「よろしく。さて、これで代表は全員揃ったみたいだし、会議を始めるよ」
東のヘシオ、西のコトヌシ、南のラエル、北のヴォーテクス、そして彼らをまとめる議長であるフィリー。新体制での初会議が今、始まる。

(118.0.119.186).. 2008年07月20日 04:49   No.196051
++ クォーツ (オリカ王子)…119回       
「さて、まず何よりも先に解決しておきたい議題は、やはりこの世界の今後の方針だ」
議長であるフィリーが進行役。今までに彼が見せたことのないような真剣な顔で、第1議題を打ち出す。この議題は、同じ民なら誰でも思うことそのもの。まずコトヌシが反応を示す。
「最近、何やら不穏な噂がある世界が多いと聞きます。余所の世界を侵略しようとか、滅ぼしてしまおうとか…。そんな噂が流れないような世界にする、それが大前提だと思いますね」
「ふむふむ、月光世界へ進出したアドベンチャーチームの報告書にもそんな記述があるし、それが第1目標かな?」
コトヌシの意見にヴォーテクスが納得し、今度はヘシオがこんなことを。
「そういえば、この辺境世界にもそんな不穏な噂が聞こえてくるよ。以前リーダーだったコンクル・シオンが余所の世界からの侵略者だったとか、そのコンクル・シオンが辺境世界の民を使って月光世界を侵略しようとしていたとか」
嫌な意味で辺境世界の歴史を変調させたコンクルの話が上がってきた。そこへラエルが、本で何か調べた後で発言した。
「そのコンクル・シオンのことなんだけど、私の持ってるこの本に情報があったの。彼は、今の闇月族の独立侵略者だったらしいの。しかも、この世界の禁忌に触れたというヘイムとも関係があったという話よ」
今は亡き存在であるが、話題になるといつも戦慄が走る。コンクルという存在は、辺境世界の民に危機感を根強く植え付けていたようだ。ラエルが話を続ける。
「それで、コンクル・シオンはヘイムに生体兵器の研究をさせていたけど、その途中でヘイムは禁忌に触れて、それ以来彼からは離反したみたい。うちの諜報員達が調査しているんだけど、最近はコンクル・シオンもヘイムも存在しないって噂が流れてる。本当なのかは分からないけど…」
噂とはいえ、その恐怖の的が2つとも存在しないといわれている。それだけで、場の空気から戦慄や緊張は消えた。フィリーはしばし考え込み、
「……うーん、もしラエル代表の知っている噂話が本当なら、いったいどうして存在しなくなったんだろう。…って、ちょっと待って」
『?』
思わず頭に「?」マークがつく代表達だが、フィリーは真っ先にツッコまなければならないであろうことを口にした。
「なんか、話が『方針』から『人物情報』にズレてるよ?どこから脱線したのかは敢えて言わないけども」
『しまった!!』
思わず声を揃えて同じことを言う4人。どこから脱線したのか―可能性が高いのはラエルだが、その根本という意味では、コトヌシも怪しい。フィリーがどっちを原因と見なしたかは不明である。だが、こんなハプニングが場の空気を和ませてくれた。ラエルが話を本題に戻す。
「え、えーと、取り敢えず本題に戻すわね。今後の方針ってことなら、コトヌシ代表が言ったものでいいと思う。付け加えるなら、この世界と他の世界を繋ぐ転移ポイントを調査する組織を編成することを提案するわ」
調査組織…か。その根拠は?」
フィリーが組織編成の必要性の根拠を尋ねる。ラエルはこう答えた。

(118.0.119.186).. 2008年07月20日 05:33   No.196052
++ クォーツ (オリカ王子)…120回       
「ヘイムはまだこの世界の住人だったと分かるとして、コンクル・シオンって明らかにこの世界の住人とは違う出で立ちや雰囲気だったし、実際にそうだって分かったの。でも、一体どこの世界からここに飛んできたのかまでは分かっていない。だから、それを解明して、再発防止策を打ち出せるような状況にしたいのよ」
「ほほう、再発防止にはまずコンクルの謎を追え…か。なかなか面白そうじゃないか。僕は北区域代表として、ラエル代表の提案に賛同する」
「東区域代表として、こちらにも異存はないよ」
「私も、西区域代表として同じく」
「となれば、それで決まりだね。不穏な噂が流れないような世界にする、コンクルの出身世界を突き止める。他に何か提案はないかな?」
初の大仕事だが、きっちりと進行役を務め、議長らしく振る舞っている。フィリーは他の提案があるかどうか尋ねるが、代表4人からは特に何も出なかった。締めくくりも議長役の務め、フィリーがきっちりと締めくくる。
「では、今後の辺境世界の方針は、最重要目標として『不穏な噂根絶』、また『転移ポイント調査』を第2方針として取りいれる。賛同する者は起立願います」
その言葉の直後、出席していた者の全てが起立した。提案が認められたことを意味する。
「…満場一致により、このプランを世界方針として定める。尚、第2方針であるポイント調査の為の調査隊は、各区域のリーダーが中心となって編成すること。本日はこれにて解散!」

その数日後、各区域のリーダーによって編成された転移ポイント調査隊が中央区域に一旦集まり、出発式が行われた。その後、各方面へと4つに分かれて調査隊が活動を開始したのであった。

(118.0.119.186).. 2008年07月20日 06:00   No.196053
++ クォーツ (オリカ王子)…121回       
えーと、確かオリカ王って130回でしたっけね。知らん内にそこに近づいているので驚き。
今日は1つだけおいていきます。

イテンと出会い、彼女が外の世界へ出ていくきっかけを作ったメデュール。
彼女と出会った遺跡は、彼によって破壊されたのである。さて、その後彼はどうしているのか?
今回は、そこに少し触れてみることにしよう。

「…ここも特になし…ハズレか」
遺跡を置くまで調べ、それでも収穫がなかったと知るとさっさと出ていく。そして、リモコンのようなもののスイッチを入れた。
すると、さっきまでいた遺跡が爆発、完膚無きまでに崩壊したのである。
「まったく…センサーさえ無事ならこんなことなどせずに一直線だったものを…」

彼はあの後、次なる遺跡を求めてセンサーを頼りに進んでいる途中、多数のモンスターに襲われたのである。なんとか倒し、振り切ったものの、何回か攻撃を受けた。その時、センサーが壊れていたのであった。
そしてその後はしらみつぶしに遺跡を回り、収穫がないまま爆破し続けているのだ。

「むぅ…これでは、ヘイム様になんとお詫びすればよいやら…」
既に回った遺跡の数は10を越えるが、それでも大した収穫はない。ただの遺跡破壊者でしかなくなっている。それでも彼は諦めず、砂漠を彷徨いながら力を求める。彼が誰よりも慕うヘイムが、既に亡き者になっていることを知らずに。

遺跡は未だに山ほどある。おそらくは誰も入ったことのないものもあるだろう。爆破用の機材も尽きた。遺跡に入ったところで、収穫がなければ、手ぶらで何もしないまま出ていくしかない。
メデュールの思考は、もはやそこまで状況を理解できる領域にはなかった。ヘイムへの成果の献上に焦るばかりでいる内、何故自分がこんな果てしなく広い砂漠に入ったのかさえ見失ってしまったのである。彼はもはや、砂漠を彷徨う以外に何をするわけでもなくなっていた。

主への成果の献上、それだけが頭に残り、他は何一つ忘れてしまった抜け殻のような存在へと変わり果てた。ヘイムによって与えられた、唯一の不老不死の体は、ただ砂漠を彷徨うだけとなった。
もはや存在しない主の為に砂漠を彷徨い続ける彼が、他の誰かの前に姿を現すことはなかった。

(118.0.119.186).. 2008年07月21日 06:27   No.196054
++ クォーツ (オリカ王子)…122回       
本日も1本。
夏休みに入ったものの、始末しなくてはならない野暮用が多くて実感がないです。

果てなき砂漠、その中をある光を頼って進むイテン。ローレルからもらったプロゥブストーンが、高度文明の遺跡を見つけたのである。
「点滅が速い…。ということは、この近くなのかな」
ローレルの話によれば、最も速く点滅する地点には、入り口を開く台座があり、そこにプロゥブストーンをはめ込むというのだが。今のところ、そのような台座らしきものは見当たらない。
「もっと向こうかなぁ…」

点滅速度に注意しつつ、更に進む。すると、岩がまるで円を描くように置かれている場所に出た。よく見ると、円の中央に1つだけ岩がある。
「んーと……あ!点滅が凄く速い!…あれ?この岩、真ん中にくぼみが…。しかも、プロゥブストーンとそっくり」
くぼみにプロゥブストーンを重ねてみると、丁度ピッタリな大きさだった。そこで、くぼみにプロゥブストーンをはめ込んでみる。
すると、突然台座が回り、地響きが起こった。更に、地面から大きな建造物が現れたのである。それはまさしく、遺跡そのものであった。
遺跡が出現し、入り口に招くように階段が出現すると、台座は回転をやめ、プロゥブストーンが勝手に台座から抜けてイテンの手元に戻ってきた。
「…っと。勝手に抜けて戻ってくるなんて…。不思議な石だなぁ…。…そうだ、遺跡に入ろ」
プロゥブストーンが不思議なことに数秒の間意識が奪われたが、当初の目的を思い出し、プロゥブストーンに関する詮索は後回しにした。
イテンが遺跡に入ると、まるで他の侵入者を拒むかのように階段が消えた。さながら、イテンがその遺跡の主でもあるかのように。

その光景を、もはや抜け殻と化したメデュールが呆然と見つめていたが、イテンは気づくこともなかった。遺跡の方に意識が向いていたせいか、或いは彼の気配が薄れていたせいかもしれない。

(118.0.119.186).. 2008年07月26日 05:33   No.196055
++ クォーツ (オリカ王子)…123回       
今日は2本。
そろそろ、宿題にも手を付けなければ…。

プロゥブストーンによって導かれ、発見した遺跡の中は、壁一面に古代文字がちりばめられていた。何かを伝えるかのように古代文字が羅列されている遺跡の通路を、イテンは奥へ奥へと進んでいく。特に何かを考えて奥へ進んでいるわけではなく、本能的に動いているだけだ。しかし、この本能が遺跡最深部の何かに呼び寄せられているとは、イテンは気づいていなかった。

「……あいつは…確か…」
一方、その遺跡の外では、半ば放心状態のままで生きているメデュールが麻痺した思考を巡らせていた。そう、確かにあれは見た覚えがある。
「…あの遺跡で会った女…確か…イテン…といったか…」
言葉を羅列していくことすら、今の彼には大仕事である。カタコトに近い状態ではあるが、その意図はなんとか掴める。イテンのことをより深く思い出そうとしているのだ。
「…………遺跡の中で…カプセルを見て…そこから…出てきて…私が…私が………」
ここまでしか記憶が繋がらない。培養カプセルから出てきたイテンに対し、自分が何かしたことまでは覚えているが、肝心の"何をしたのか"が思い出せない。記憶が引き出せない。
「………………私は………何を………?」
そう呟いた時には、既にあらぬ方向へと移動し始めていた。遺跡へ入ることができないことと、思考を巡らせるだけの余力が尽きたことで、彼は遺跡から離れていってしまったのである。再び、放心状態のまま、抜け殻のままで砂漠を彷徨い続ける時間へと戻っていった。
思考を巡らせ始めてからそれが終わるまで、約20分間のことであった。

「…ふへぇ〜、文字とか記号とかばっかりで、何て書いてあるのか全然分かんないや」
遺跡の一本道となっている通路をただただ進んでいたイテンだが、途中で踊り場のような場所に出た。そこからいくつかルートが分岐している。そして、そのそれぞれのルートへの入り口に扉があり、それを開く手掛かりを求めて、近くに設置されている石版を見ていた。しかし、イテンが古代文字などを読める筈もなく、結局は石版とにらめっこするだけで時間が過ぎていった。

(118.0.127.84).. 2008年07月28日 16:51   No.196056
++ クォーツ (オリカ王子)…124回       
「ん〜、結局どうすりゃいいのかなぁ…?」
にらめっこだけしていてもらちが明かない。そんなわけで、石版をつついたり上から押したり、扉の近くの壁や床を叩いてみたりしてみたが、それでも手掛かりは得られない。ただただ、時間が過ぎていくばかりである。
「プロゥブストーンが使えるわけでもないし、ここでお手上げなのかな〜…?」
半ば諦めかけ、階段を上ったところにある扉の近くの石に座り、プロゥブストーンを扉の真ん中に当てて遊び始めた。ところが、当てると同時に扉が光り、開いた。
「……うっそ〜ん…まぁ、いっか!」
持ち前のポジティブシンキングであっという間に考えを変え、扉の奥へ進んでいった。

扉の奥へと進み、しばし通路を歩いた後、踊り場と同じくらいの広さの、中央の台座以外に何も無さそうな部屋に出た。やはり、この部屋の壁にも古代文字が羅列されている。
「ふー、やっとそれっぽい感じのところに着いたなぁ〜っと。さて、なんかあるかな?」
まず怪しいのは、やはり部屋の中央にある台座しかない。高くそびえ立ち、階段で登っててっぺんまで行く。そのてっぺんには、遺跡が出現した時と同じように、プロゥブストーンをはめ込むのであろうくぼみがあった。迷うことなく、背負ってきたリュックからプロゥブストーンを取り出し、くぼみにはめた。
「……何コレ?」
はめたことで少し揺れ、その後プロゥブストーンを押し上げるような感じで出てきた丸い物体を見つめ、思わず首を傾げた。だが、それだけで終わらせるにはもったいないと考え、丸い部分を支える棒が刺さっている台座のスイッチらしきものを押してみた。すると、部屋の中が暗くなり、物体の丸い部分から光が出た。その光が、更に三日月型の影を映す。音声記録装置の一種のようだ。そして、メモリーに残されているであろうメッセージを語り始めた。
《この世界の救世主がこの装置を見つけることを祈り、このメッセージを記録する。
我々ルナ族は今、非常に危険な状況に陥っている。空は闇に覆われ大地は震え、風さえもよどみ、闇から絶え間なく落ちる雷はもはや嵐といってよい。我々は月の魔力を用いて文明を、技術を発展させてきたが、この状況を打破できる術は何一つない。相手はまさに天変地異、世界に生きる小さい存在でしかない我々がいくら集まろうと、決して勝てる相手ではないのだ。
よって、我々は最後の望みをこの砦に託し、ありったけの記録と技術、そして多くの犠牲を出しながらも守りきった唯一の子孫を、砦内部の3つの台座の間に残す。
どうか、このメッセージを聞いた者は、残していった子孫を大事に育ててほしい。ルナ族最後の生き残り、名は『レミア』…。そして、その守護者たる月形の魔法武器『クレセン』…。それらが保管されている部屋は、砦の踊り場から中央の扉を開いて進んだ先にある…》
ここまで語ったところで、メッセージは終わり、記録装置から光が失われ、部屋は元の明るさを取り戻した。記録装置は、まるで使命を果たしたかのように、再び台座へと戻っていった。そこに残っているのは、押し上げられていたのが下がってきたプロゥブストーンだけであった。

(118.0.127.84).. 2008年07月28日 17:41   No.196057
++ クォーツ (オリカ王子)…125回       
新キャラが登場しますが、ブログの方での更新ペースの都合上、解説は少し後で。
本日も2本更新。

「やっぱり、いた…!あたしと似たような境遇の子が!」
高度文明を持つ遺跡を集中的に探すことにしたのは、そもそも自分と同じように何かに閉じこめられたまま時を過ごしている者を解き放つ為だ。
別に必ずいると思っていたわけではない。できれば、そのような存在は少ないものであってほしいと思っていた。だが、最初に見つけた遺跡でいきなり遭遇した。イテンとしては複雑な心境だ。
「……なんかハイペースな気がしなくもないけど、ほっとけないし、行こう」
だが、いるというのなら放っておく気はさらさらない。この遺跡で眠り続けるルナ族最後の生き残り、レミアに会うべく踊り場まで戻った。

「えーっと…踊り場の中央の扉だったよね」
踊り場の中央から3つの扉を見やる。扉は問題なく見つかった。だが、問題は開く術だ。
「さっきはプロゥブストーンをくっつけたら開いたよねぇ……こうかな?」
もしもこの遺跡そのものがプロゥブストーンに対応するものなのだとしたら?そう思い、イテンは扉にプロゥブストーンを当ててみた。すると案の定、扉は開いた。
「やっぱりね。さっきの扉といい記録装置といい、この遺跡はプロゥブストーンに合わせて設計されてたのかな」
開いた扉の奥へと足を踏み入れる。すると、通路の壁にいくつも設置されている蛍光灯のようなものが光を放ち始め、通路全体が明るくなった。この通路にも古代文字が羅列されている。
「さながら『読んでください』って言ってるみたいにたくさん見かけるけど…。考古学者でも探しておけば良かったかな」
自分にはさっぱり読めない文字ばかりなので、資料すらも準備してこなかった自分にため息が出てきた。とはいえ、足を止める理由にはならない。奥にはまた扉があったが、やはりこれもプロゥブストーンを当てることで開いた。
「さぁーて、生き残りさんとご対面〜♪」
どこか楽しげな調子でそう呟くと、奥の部屋へと入っていった。

(118.0.127.84).. 2008年07月30日 05:40   No.196058
++ クォーツ (オリカ王子)…126回       
「さぁーて、生き残りさんは…っと」
部屋の内部は、先程の記録装置があった部屋とあまり変わらない。違うところはといえば、何かを収める棺のようなものと、かつて自分も入っていた培養カプセルらしきものがあることだ。
カプセルと棺は横一列に並んでおり、その間に挟まれるようにコンソールのようなものがある。遺跡のシステムの関係上、もはや当然のようにプロゥブストーンによって作動した。
それぞれのフタが外され、ご対面となる。
「この子が生き残りさん…レミアかぁ。女の子なんだね。で、こっちがクレセン…かな?」
カプセルに少女が、棺に三日月型の何かが入っていた。それぞれレミアとクレセンであることはすぐに分かった。

「ふわぁ〜あ、よく寝たぁ…っ」
「……えーと…」
「…?誰?」
レミアの方が先にこちらに素振りを見せた。どうやら本当に寝ていたらしい。半分意識がある状態で閉じこめられていた自分とは違っていて、イテンは自分が閉じこめられていた環境を作った研究者達を今更ながら恨めしく思った。
だが、それとこれは別問題として、イテンはレミアに挨拶してみた。
「えっと、こんにちわ、レミア。あたしはイテンっていうんだ。君を見つけたの」
「見つけた?……………………あぁ!そういうことかぁ!思い出した思い出した!」
「…なんで自分がカプセルにいたのか分かってるの?」
そんな風に思わずはいられなかった。単刀直入で聞いた自分が少しバカに思えてきた。だが、対するレミアも隠すことなく自分の出自を喋ってしまうのだから、どちらが軽率か分からない。軽率などという言葉が通じる環境ではないのだが。
「分かってるよ。私の故郷がもうすぐ滅びてしまうからって、長老達がこのカプセルに入ってなさいって言って、それでずっと寝てたの」
「ずっと寝てた…って、それは何百年、何千年…ヘタすると何万年も前のことなんだよ?」
この遺跡がいつからのものかは分からないが、自分がいた遺跡とどこか雰囲気が似ていたことから相当な時間が経っていると推測したのだ。
「えーっ!?そんなに昔なの!?滅びたの!」
「何なら、外、見てみる?」
この部屋には、丁度窓のようなものがあった。ここに来るまでの通路が坂道になっていたのと、扉の位置が他の2つよりも高いところにあった。それはおそらく、この部屋を他の部屋よりも高いところに設計したのだろう。
試しにイテンが、窓の一部を開けてみる。既に風化し始めているのか、何かの拍子に壊れてしまいそうで、結構怖い。恐る恐るではあるがどうにか開ききり、レミアが覗き込んだ。
「…なんにもない…」
「ここはもう砂漠地帯で、君の故郷はここを残して滅びたんだよ。ここも大分古いみたいだし…」
窓から外を見た結果得られたのは、レミアの故郷が滅びたという覆しようのない事実だけだった。

(118.0.127.84).. 2008年07月30日 06:13   No.196059
++ クォーツ (オリカ王子)…127回       
2回目のオリカ王手前まで到達した、我がオリカ人生(1回目は改名前に取った)
本日は1本投下。

「ないんだ、何も……」
「……」
外が何もない砂漠地帯であることを知ったレミアの声にはどこか悲しみがこもっていて、イテンは思わず言葉に詰まった。だが、先に話を切りだしたのはレミアだった。
「…ついてって、いい?」
「え?」
「あなたに、ついてっていい?」
なんと、出会ったばかりのイテンに同行、即ち身を預けてしまおうというのだ。あまりにも突然だった為、イテンは少々戸惑った。しかし、ここは持ち前の気楽さと当初の目的とで明るく乗り切ることにした。
「…う〜ん…オッケー!一緒に来ていいよ」
「やったー♪」
取り敢えず、遺跡に閉じこもったも同然の立場だったレミアを外の世界に出してやるのが当初の目的。それを達成するべく、同行を許可した。

「でも、どうしてここに来てたの?」
「うーんとね、あたしが君と似てる子だったから…かな?」
「似てる?」
「そう。あたしもね、ある人物と出会うまでは培養カプセルに閉じこめられていたの。その人のおかげで外の世界に出られたけど、もし似たような状況に置かれている子がいたら、ほっとけないなって思ってね」
「そうなんだ…」
「もっとも、君の場合は閉じこめられてるっていうよりは本当に寝てるってところだろうけどね」
「あ、あはは…」
移動している最中、こんな会話があった。レミアの疑問ももっともであるが、イテンは隠すことなくその動機を話した。後半のイテンの指摘には、レミアは乾いた笑いを返すしかないが。

通路を抜け、また踊り場に出た。レミアは遺跡の内部をよく知っているらしく、踊り場に出た時にはこんなことを言った。
「こんなボロっちくなってたんだぁ。私が眠る前はもっとしっかりしてたのに」
砦とされていたくらいだから、別に豪華な装飾があったわけではないのだろう。
「昔は違ってたの?」
「うん。昔はね、もっと岩もレンガもきれいなダークブルーっぽい色で統一されていて、しかももっとキレイだったんだから」
レンガはともかくとして、岩にそこまでたくさん存在するのかとイテンは疑問に思った。ダークブルーっぽい岩など、そうそう見るものではない。砂漠化するきっかけとなった『大いなる災い』によって消失したものの1つかもしれない。
「…こんな字、掘ってたんだ。気づかなかった」
ある程度周辺を見回して、レミアは壁に羅列されている古代文字の存在に気づいた。どうやら遺跡となる前はダークブルーという色の影響で気づかなかったらしい。

(118.0.127.84).. 2008年08月01日 06:53   No.196060
++ クォーツ (オリカ王子)…128回       
本日も1本投下。
早いもので、今回で128回目。メインストーリーの方は、様子見しつつ、130回目の投稿時に書いてみようかなと思っています。

「この遺跡の壁のいたるところに文字が羅列されてるんだけど、あたしには全然読めないんだ」
「へー…。この文字ってね、ルナ族の者だけが使ってた暗号みたいなものなんだ。だから、ルナ族じゃないあなたが知らなくても無理ないよね」
どうやら、この古代文字が分かるようだ。慣れ親しんでいるかのように文字に目をやる。
「…読めるの?」
「まぁね。えーっとぉ…『月は満ち欠けを繰り返す循環の化身』って書いてる」
他の壁にある文字も読んでもらうことで、遺跡の謎を解こうとイテンは思いついた。この羅列された古代文字に、ルナ族のことに関わるヒントがあるかもしれないのだ。
「他の部分も読んでくれる?」
「いいよ。まずこの踊り場にある分は…。『丸い満月があり、そこから徐々に欠けてゆく』『それは次第に半月となり』『更に欠けて三日月となり』『やがては見えなくなる』『そこから徐々に光が見える』『まず三日月を描く』『次に半月を描く』『やがて再び満月となる』『太陽の光の辺り方で月の見え方が変わるように、我らの文明もまた、滅びたように見えるだけ』『生き残りの手によって再び文明は花開く』…これで全部」
なるほど…たとえ自分達が死んでしまっても、レミアが新しい時代の中でルナ族の文明を目覚めさせてくれるって思ってたんだね。まるで、新月から再び満月になるみたいに」
「……」
レミアは古代文字を読んでいく内、何かを考え込むようになった。自分がルナ族最後の生き残りであることが、その原因だろうか。

場所を変えて、記録装置があった部屋。ここにも古代文字が羅列されている。
「じゃあ、解読よろしく」
「うん。『それは唐突に起こった』『見事な晴天だった青空は突如闇に覆われた』『平穏な筈の大地が騒ぎ出した』『離れたところでは、どうやら海も騒ぎ始めたようだ』『いくつもの雷が荒れ狂い、強い風を連れた嵐が吹き荒れた』『原因を突き止めることができず、我々は立ちつくすしかなかった』『対抗策を見いだせぬまま、我らの里はどんどん滅びていく』『近隣の里や村でも同じことが起こっていると知った』『その頃は、眠りながら次なる時代へと移る為の技術が完成した頃だった』『しかし、その完成品は1つしかなかった』『どうやら嵐と雷のせいで殆ど壊れたらしい』『このままでは全滅を招くだけということは誰もが分かった』『そこで、"月の石"の御霊の元に生まれた少女をこのゆりかごに入れる』『そして彼女が目覚めた時代で、再びルナ族の文化が栄えることを我らは切に祈ろう』…これで終わり」
「やっぱり、レミアに文明復活の希望を託してたんだね。でも、1人じゃ文明を復活させるのはさすがに無理だと思うけどなぁ」
「文明…」
自分が何をするべきなのか、その答えを導き出せないのだろう。レミアは文字の解読が終わると、考え事にふけていた。

(118.0.127.84).. 2008年08月02日 05:17   No.196061
++ ウェリス (オリカ王子)…110回       
えっと・・・凄いお久しぶりですw
夜更かしで貼りに来ました。
一応ラストまで貼っておきますね☆
 
どれだけ拳をぶつけただろう。
どれだけ傷ができたのだろう―
だが視線を外すつもりはなかった。
ただ真っ直ぐに敵だけを見つめる。そして構える。
拳と武器がぶつかればぶつかる程、地面は沈みこむ。
面白がるように戦っていたアマノジャクの目も、今となれば餌を狩る獣の様なもの。
ただただグレンドルを見つめ、その武器を振るう。
1センチの小さな足場の踏み違いが命取りになる。
だが、焦りは見せない。
―焦れば押し返されるに違い無い。
声も出さず、また拳と武器がぶつかる!
拳は軽く肌を掠め、武器は髪を切る。
鮮血と銀髪が入り混じる―
すぐさま振り返り、1撃を沈めようとその手に力を込める。
「飛翔斬裂(ヒショウザンレツ)!」
「狼牙破鉄(ロウガハテツ)!」
上空からの1撃と地上からの1撃が激しく火花を立て、ぶつかり合う。
レンドルの足場が揺れた―
「貰ったぜっ!!」
足場が揺らいだのを見、一気に上空から肉薄。斧を振り翳した!
「やらせるか!」
足場のヒビを蹴り、上空を回転!距離をとった。
両者の間―約1メートル半。
拳でこの距離は届かなくとも、気を放てば届く。
が、相手は武器がある。
不利な状況に、頬を伝う冷や汗。
軽く跳躍し、アマノジャクが向かってくる。
だが、攻撃方法に隙があった事を、グレンドルは見逃さなかった。
体を捻り、一気に振り出す事によって威力を格段に上げる攻撃動作。
が、それには大きな隙が出来る。
―捻った瞬間のがら空きの身体―
その刹那を―捉えた!
「くらえっ!必殺の一撃!炎龍爆連舞(エンリュウバクレンブ)!!」
炎を纏い、がら空きの体に連撃を浴びせる!
次々と放たれるその連撃は、まさに『舞』だった。
そしてグレンドルは見た。
背後で重荷が落ちるような音を立て、アマノジャクが倒れた―

(220.213.102.123).. 2008年08月03日 01:57   No.196062
++ ウェリス (オリカ王子)…111回       
息が荒かった。
肩で呼吸をしなければ息が出来ない。そんな気がした。
大きく深呼吸をし、後ろを見た。
武器に埋もれ、血に濡れたアマノジャクがいた。
が、何処にそんな気力があるのかと聞きたくなった。
彼は顔を上げていた。
「あは・・・あはははは・・・!完敗だよ。てめぇはホントに・・・面白い奴だ・・・」
息も荒いのに、笑い、普通に話してくる。
止めを刺すつもりが何故か無い。
止めを刺せ、とも思わなかった。
何故か、手を差し伸べていた。
「あぁ・・・?何で・・・手ェ差し伸べてんだよ・・・?」
「話を聞かせてくれ。お前の知っている事を・・・。」
アマノジャクは挑むような目をしようとした。
が、出来なかった。
レンドルの目は真剣そのものだった。
溜息を吐いた。
「ネヴィアの野郎は・・・シャハルとか言う・・奴新月族の王を・・・仲間に入れていた・・・。」
途切れ途切れだが、話してくれる事を嬉しく思った。
「で、それで連合軍になって・・・闇月族になったんだ。」
「そうか。―1番気がかりなのはレプリカについてなんだけど・・・」
そう言うと、何故か彼はにっと笑った。
「アレはかなり危険だぜ。人を作っちまう・・・。悪魔の様な機械さ・・・。」
グレンドルはごくり、と生唾を飲んだ。
悪魔の様な機械―
「・・・んで、その機械でレプリカを生み出し、他族のお前らを・・・ブチのめそうってわけだ。・・・アイツは・・・ネヴィアはレプリカだけの世界を望んでんだ・・・。」
「そう・・・なのか。」
レプリカのみの世界・・・。
それはつまり、人形世界と言っても過言ではない筈だ。
「けどよー・・・ネヴィアの奴、それ以上のことを考えてんだ・・・。」
「それ以上の事?」
鸚鵡返しに聞くと、アマノジャクは頷き、その事について話し始めた・・・。

(220.213.102.123).. 2008年08月03日 02:24   No.196063
++ ウェリス (オリカ王子)…112回       
グレンドル偏、遂に完結です!
まだレオンとシンフォニーが残っていますが・・・^^;

「この世界と・・ネヴィアのいる異世界には・・・『暗殺乱具(あんさつらんぐ)』って超危険な物の欠片がある・・・。」
暗殺乱具―
噂に聞いたことがある、伝説の武具、防具の集合体。
全てで10個に別れ、それぞれ異様な殺気を放っているという。
そしてかなり危険な物であり、使用者に闇の力を与える・・・。
それを仮にネヴィアが手にしたとしたら・・・
おぞましい結末が目に見えた。
「闇殺乱具は・・奴の手に既に7つ揃ってる・・・。後3つ集まったら・・・間違いなくお陀仏さ。」
何も言えなかった。
知らぬ間に伝説は現実と発覚。
その危険な物を既に7つも手にしている・・・。
「いいか・・・これが俺からの頼みってやつ・・・。奴を・・ネヴィアを止めてくれ・・・。ま、どーせ死ぬけど・・・あの世からレプリカ世界見るのもきめェし・・・。」
顔は笑っているが、それは最後の命の灯火だった。
そして、最後の言葉を告げる・・・。
「って事で・・・後は頼むぜ。・・・あの世であの2人にしっかり謝っとくからよ・・・」
そう言い、ふっと息を吐ききる。
そして・・・掲げた腕は虚しく地面に落ちた。
「最後まで暢気な奴・・・。」
言い、彼に圧し掛かっていた武器を退ける。
その武器を、彼の近くに並べてやった。
「任せとけ。アマノジャク・・・。ネヴィアの奴を絶対に食い止めてみせる。」
そう言い、拳を握った。
周囲の仲間がこちらを心配するように見る。
ガンタスが肩に手を置く。
「大丈夫ダスか?グレンドル・・・」
レンドルは微笑んだ。
「大丈夫さ。俺にはやるべき事がある。あいつの願いを必ず叶えてみせる。」
そう言うと、全員の顔が綻んだ。
「へっ。いいじゃんよ。皆!グレンに協力しようぜ!」
ギンがそう言うと、全員が頷いた。
グレンドルはこんな素適な仲間が、協力してくれる仲間がいる自分が誇らしく、幸せに思った―

(220.213.102.123).. 2008年08月03日 02:48   No.196064
++ クォーツ (オリカ王子)…129回       
お次はレオン編ですかね。
取り敢えず、今は129回目ということで辺境世界側のストーリーを投下。

再び場所を変え、今度はまだ未調査の3つ目の部屋。ここにも、古代文字が羅列されている。
「じゃあ、ここのお願いできる?」
「うん、いいよ。
『大いなる災いの日、奇妙な話があった』
『とある老人が、こんなことを言ったのだ』
『空の闇の彼方、何やら人影のようなものが見えた。そしてそれが、災いを起こしている。と』
『殆どの者は信じようとしなかったが、真偽を確かめようと何人かの勇気ある若者が、闇に覆われた大空へと果敢に飛び立った』
『ある者は雷に打たれ、ある者は強風に流され、脱落していった。だが、突破した者もいた』
『突破したのは僅かに2人。そして、闇の向こうへと消えてから暫くして、戻ったのは1人』
『あと1人はどうした、我々はそう尋ねた。すると、こんな答えが返ってきた』
『老人の話は嘘じゃない、確かに人を見た』
『我々は騒然とした。あの闇の向こうに、本当に人が…。しかし、詳しくは分からないという』
『どうもそいつは真っ黒なオーラか何かを身に纏っているようで、目視できないそうだ』
『屈強な老人と、勇気ある若者によって明らかとなった、闇の彼方の住人』
『その存在があったことをここに記しておく』
…これでおしまい」
「大いなる災いは、何者かの手で意図的に起こされた…?でも、なんで…?」
もしもこの記述が本当であれば、ルナ族を初めとする今は滅びた文明の住人は全て、何者かの意図で滅ぼされたことになる。文明が滅びた後に何かしたわけでもなさそうで、何故意図的に滅ぼしたのかについては疑問が残る。
「……新月族の、お尋ね者…」
「え?」
突然、レミアが口を開く。心当たりでもあるのだろうか、ここから割と詳しい話が聞けた。
「新月族っていう種族が別な世界にいて、その一族の中で膨大すぎる魔力の為にお尋ね者になっていたヤツがいるって聞いたことがあるの」
「オーバースキルってところかな?」
「多分。で、そのお尋ね者が逃げ延びる為にこの領域に立ち入っていたって話があったの。それから少し後、大いなる災いが降りかかった」
「追っ手の仕業?それにしては無差別にも程があるんじゃない?」
「お尋ね者は、自身の内包魔力をコントロールできなくて、突然暴走してしまうことがあるって聞いたことがあるんだ。追っ手に見つかって、それから逃げ切ろうとしたら暴走して大惨事…ってことになったんじゃないかな」
「大陸の半分以上を包むって、どれだけ凄い魔力なの?とても常識の沙汰じゃないんだけど」
「どれほどの魔力だったかはさすがに分かってなかったの。大きすぎて扱えないから…」
「う〜ん…」
大いなる災いの原因の手掛かりは、どうも新月族にあるようだ。しかし、新月族の世界がどこにあって、どうやってこの世界に入り込んだのかが分からず、明確な手掛かりとはいえなかった。

(118.0.127.84).. 2008年08月04日 05:41   No.196065

■--復帰作『果てしない戦い!』
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…186回          

破壊神デストールと創造神クリエールが融合し,天界に新たなる神『調和神バラシール』が生まれてから5年の月日が経った。
あの日以来,神羅連和国の中央都市に安置された聖杯により,天界からの襲撃を受けることはなくなったが・・・飛天地域にたった一人,何やら雲行きが怪しいと睨む者が居た。
――――――交星族達と共に別サイドで強大な敵と戦ったお馴染みの3代目紅蓮龍騎,ヒエンである。

彼女は幼い頃から悪いことに関しての予感が早く,推測だけでもすぐに手がかりを掴み最悪の事態を招かないよう動いてきたのだが,今回はそう上手くは行かなかった。

いつも通り宮殿の警備に当たっていたところ,予感は的中。
真夜中の中央都市宮殿で,事件は起きた。
(219.169.212.113).. 2008年01月29日 03:25   No.195001


■--2章キャラ投稿場
++ ウェリス (第2個目の修行)…25回          

1章も終わって、ホッとしていますが、まだ4章まであるので気が抜けません;
まぁ、タイトル通り、2章に出てくるキャラは此処に投稿をお願いしま〜す☆
じゃあ、パワーUPした4人の方を・・・

名前:流星王セイガ
パワー:12
種族:流星族
必殺技:降連流星弾(コウレンリュウセイダン)
統治:流星族
データ:ネヴィアの戦いには負けたものの、力量も上がり、心も強くなったセイガ。剣の実力も前を上回るほどに成長した!
セイガ
「俺はまだまだ強くなる。ネヴィアを倒すためにも!」
月光ウェハ
セイナ達はセイガ達が帰ってこないのを大変心配しているらしいゾ!

名前:気功王グレンドル
パワー:12
種族:気功族
必殺技:幻影疾風拳(ゲンエイシップウケン)
データ:ネヴィアの戦いには負けたものの、力量も上がり、心も強くなったグレンドル。拳の力もぐんと上がり、装甲どころかダイヤモンド類も砕けるほどに!
統治:気功族
グレンドル
「辺境族か・・・。でも、俺は何が何でも負けねーぜ!」
月光ウェハ
セイガ達が吹き飛ばされている間にも、暗黒雲は増え続けている状態らしいゾ!

あとの2人は、後投稿します。
(220.213.101.95).. 2007年05月19日 00:33   No.188001

++ クォーツ (第2個目の修行)…22回       
こちらのキャラのその1、その2は前の投下スレを参照のこと。
登場タイミングを考えたところ、元ネタを重視してこんな感じになりました。

ダイボウケン:2章始まってすぐ
ドリラー・ショベラー・ミキラー・クレーラー:
ダイボウケン登場後、順次早い内に
ジェッター:ちょっとした山場を迎えてから
サイレンビルダー:ジェッター登場後少し経ってから

といった感じの予定になりました。ダイタンケンに関しては、まぁビルダー登場後かも。
彼らアドベンチャーチームは登場後すぐにセイガ達の味方になります。ドリラー〜クレーラーには些細なアレンジ設定もあるのでお楽しみに(ぇ

(221.184.252.213).. 2007年05月19日 05:22   No.188002
++ ウェリス (第2個目の修行)…26回       
予定有難う御座います。
分からない所もあるので、半分くらいになりますが、クォーツさんも文章を書いていただけますか?
後、HP(ブログ)も開始したので、気が向いたらまた来てください♪
では続きを・・・

名前:時空王レオン
パワー:12
種族:時空族
必殺技:アース・メテオ
データ:ネヴィアの戦いには負けたものの、力量も上がり、心も強くなったレオン。空間から物体を呼び出すのがさらに強化され、メテオも出す事が出来るようになった!
統治:時空族
レオン
「時間があるわけではありません。なるべく早く行動したほうがいいですね・・・。」
月光ウェハ
片目の真実を見られたレオンであるが、全く気に留めていないようにしているらしいゾ!

名前:音程王シンフォニー
パワー:12
種族:音程族
必殺技:ヒーリングボイス
データ:ネヴィアの戦いには負けたものの、力量も上がり、心も強くなったシンフォニー。サポート能力に加え、治癒術もかけれるようになり、さらにサポート能力がUPした!
統治:音程族
シンフォニー
「此処にいる住民の姿・・・これってまさか・・・!?」
月光ウェハ
4人はフィリー達を見た瞬間、アビス達の手下と勘違いしてしまったらしいゾ!

残るはおまけとネヴィアの統治場所の事です★

(220.213.98.112).. 2007年05月23日 00:27   No.188003
++ クォーツ (第2個目の修行)…23回       
了解でございます。
まぁ元々そのつもりでしたし、私も書いていきますよ。
ブログ、その内訪問させていただきます♪
今回は敵幹部(将軍)投下です。

名前:鎧将軍エリータス
パワー:11
種族:辺境族
必殺技:エリータス十文字切り
データ:コンクル・シオンに忠誠を誓う4大将軍の1人。愛用の鎧は非常に頑丈で、大抵の攻撃では傷一つ付かない。愛刀を武器に戦う。
ライバル:流星王セイガ
エリータス
「貴様らは、今ここで葬ってくれる!」
月光ウエハ
「エリータスの鎧は、ある特殊な材質でできているらしいゾ!」

名前:剛力将軍ギガンダス
パワー:11
種族:辺境族
必殺技:グランドスマッシュ
データ:コンクル・シオンに忠誠を誓う4大将軍の1人。屈強で巨大な肉体から繰り出される攻撃は、大地を割る程強力。
ライバル:気功王グレンドル
ギガンダス
「よそ者に負ける程、俺はヤワじゃねぇ!」
月光ウエハ
「ギガンダスは辺境族の格闘王らしいゾ!」

名前:隠密将軍シャドウ
パワー:11
種族:???
必殺技:ステルスミラージュ
データ:コンクル・シオンに忠誠を誓う4大将軍の1人。いつもクールで、冷血なハンター。姿や気配を消し、両手のダガーで敵を葬る。
ライバル:時空王レオン
シャドウ
「拙者には分かる、その片目が戒めだと…」
月光ウエハ
「シャドウは外見こそ辺境族であるが、生粋の辺境族ではないらしいゾ!」

名前:召還将軍テクノス
パワー:11
種族:辺境族
必殺技:召還獣百裂弾
データ:コンクル・シオンに忠誠を誓う4大将軍の1人。将軍達のサポート役で、戦いは愛用の魔本から呼び出す召還獣に任せっきり。
ライバル:音程王シンフォニー
テクノス
「は〜い、出ます出ますよ、3・2・1ドン!」
月光ウエハ
「テクノスの魔本にはたくさんのモンスターの絵がびっちり描かれているらしいゾ!」


さて、ご覧の通り今回投下した4大将軍はセイガ達のライバルという設定です。ただし、あくまで設定段階ですので、ウェリスさんの方でライバルキャラの案がありましたら他の設定を考えてみますね。
ライバルに関してはあくまで設定段階ですので、セイガ達のライバル案はウェリスさんのものを優先します。では。

(221.184.252.213).. 2007年05月23日 05:15   No.188004
++ ウェリス (第2個目の修行)…29回       
宿泊学習に行ってました〜!!
ライバル案、もちろんOKですよ!
でも、終盤ぐらいにシャハル(新月族)が襲う設定になっているんですけど、それでも大丈夫でしょうか?
あと、ブログ見てくれて有難う御座います!

名前:星剣士(せいけんし)リンセイ
パワー:9
種族:流星族
必殺技:星光双牙(セイコウソウガ)
データ:2本の短剣を扱うクールでシャイな青年。馴れ合いを好まず孤立しているが、仲間を思う気持ちが無いわけではない。
幼馴染:星使いセイラン
リンセイ
「フ・・・魔物で騒ぐなんて、とんだ愚か者だな。」
月光ウェハ
リンセイは生まれつきから剣の扱いに秀でた「天才」とも呼ばれているらしいゾ!

名前:星使いセイラン
パワー:7
種族:流星族
必殺技:クイックスター
データ:リンセイとは逆で、陽気で御人好しな青年。紋様の書いてあるブーメランを使って戦う。「天才」と呼ばれるほどではないが、それなりの力量はある。
幼馴染:星剣士リンセイ
セイラン
「この俺のどこが魔物に脅えてるってんだ!お前もその性格直したらどーだ!?」
月光ウェハ
互いに性格の違う2人は、よく口論が始まったりするらしいゾ!

セイランのステータス部分を若干修正しました。
後、下の方がやたらとあいていたみたいなので、そちらも修正しました。

(220.213.97.59).. 2007年05月27日 21:49   No.188005
++ クォーツ (一旦書いてみる)…64回       
ライバル案OKですか、ありがとうございます!
終盤に新月族出現ですか。大丈夫、その辺のアドリブには慣れてますんで。
宿泊学習、お疲れ様です。
かねてより検討中だった新キャラが満を持しての登場です。

名前:銀光(ぎんこう)のランサー
パワー:9
種族:辺境族
必殺技:ランサーブレイク
データ:辺境世界に眠る伝説の秘宝を探す冒険者で、愛用の武器は槍兼探知機と拳銃の2形態に変形する。サイレンビルダーと性格が似ている。
パートナー:ズバーン
シルバー
「おいズバーン!しっかりしやがれ!」
月光ウエハ
「シルバーとズバーンはアドベンチャーチームの指揮系から独立しているらしいゾ!」

名前:ズバーン
パワー:9
種族:???
必殺技:ゴールデン・スラッシュキック
データ:辺境世界で眠っていた黄金の剣。普段は剣型だが、有事の際には人型に変形して戦う。言葉は豊かではないが、人語は理解できる。
パートナー:銀光のランサー
ズバーン
「ズバズバズバズバ、バーン!」
月光ウエハ
「ズバーンは流星族と関係があるらしいゾ!」

実はズバーンと流星族のように、シャドウと音程族にも関係ありです。どんな関係かは、ストーリー中でのお楽しみです。ではでは。

<11/5追記>
「閃光のシルバー」から「銀光のランサー」に変更。

(221.184.252.213).. 2007年11月05日 16:03   No.188006
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…33回       
クォーツさん、修正法を教えてくださって有難うございます!
・・・ってわけで修正版です。

名前:魔岩拳(まがんけん)ガンセイ
パワー:7
種族:流星族
必殺技:爆岩流星撃(バクガンリュウセイゲキ)
データ:特に武器は持たず、鍛え上げた拳で戦う格闘家。その力は気功族とも互角で戦えるほどで、岩などは砕くのは朝飯前なほど。
好敵手:玉砕士セルネ
ガンセイ
「そらそら!手加減なんていらないぞ!」
月光ウェハ
流星族には格闘家はそこそこ存在しているが、その中でも気功族と互角に戦えるのはガンセイぐらいらしいゾ!

名前:狩人(かりうど)セイハ
パワー:7
種族:流星族
必殺技:烈火の矢
データ:彼の手にかかったら逃れるものはいないと言われている狩人。弓の扱いに秀でているが、剣を扱う事も出来る。
ライバル:×
セイハ
「次の獲物は・・・貴様だ!」
月光ウェハ
セイハは剣と弓を扱えるが、魔術はあまり使う事が出来ないらしいゾ!

(220.213.113.181).. 2007年05月28日 23:58   No.188007
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…33回       
名前:玉砕士(ぎょくさいし)セルネ
パワー:7
種族:気功
必殺技:弧月脚(コゲツキャク)
データ:手よりも足を使った攻撃を得意とする青年。手もそれほど力はあるがなかなか使わず、ピンチの時だけ使う。
好敵手:魔岩拳ガンセイ
セルネ
「おらおら!このまま蹴り崩してやるぜ!」
月光ウェハ
セルネはよく森に出かけたりして、ガンセイに負けないよう、力をつけているらしいゾ!

名前:治癒術士(ヒーラー)サニル
パワー:5
種族:気功族
必殺技:ヒーリングロアー
データ:気功族にいる数少ない気功治癒術士の一人。しかし治癒が得意でも、あまり戦う事は出来ない。
助手:盲目者クリアス
サニル
「少し安静にしてて。すぐに治るから。」
月光ウェハ
サニルは気功族の中でも、最も優れた治癒術者らしいゾ!

(220.213.113.181).. 2007年05月28日 23:57   No.188008
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…33回       
修正させて頂きました〜♪説明有難う御座います!
いやいや、音程族にも関係があったんですか。。。
そこも説明有難う御座いますね〜。
後、サニルの部分も修正があるので、またやっておきますね〜♪

名前:盲目者(もうもくしゃ)クリアス
パワー:4
種族:気功
必殺技:地獄聴力(じごくちょうりょく)
データ:生まれつき盲目の少女。盲目の代わりに地獄耳を持っていて、自分が何処にいるかも聴力で分かる。
上司:治癒術士サニル
クリアス
「えっと此処は・・・治療室付近の廊下ね。」
月光ウェハ
クリアスは館内の仕組みをよく知っているため、盲目でも心配する事はないらしいゾ!

名前:牙拳士レイヴ
パワー:9
種族:気功族
必殺技:牙翔尖気(ガショウセンキ)
データ:拳の部分に爪の付いたグローブを付け、攻撃力に特化させた青年。足の破壊力、爪の破壊力では部族のベスト3に入り込む程。
ライバル:×
レイヴ
「俺の自慢の爪、受けてみるか?」
月光ウェハ
レイヴが使っているグローブの爪は特殊的で、硬いものにぶつけても割れない硬さらしいゾ!

(220.213.113.181).. 2007年05月28日 23:56   No.188010
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…33回       
時空族はワケあって多めです。

名前:短剣下級兵士
パワー:4
種族:時空族
必殺技:連牙斬(レンガザン)
データ:実力のある女、男性の一般住民。短剣を扱っていて、上達すると強力な技を放てるぐらいまでになる。
上司:軍士長リグレット&副軍士長ラン
短剣兵士
「上には上がいる!我々はそれを目指すのだ!」
月光ウェハ
下級兵士はテストに合格する事により、上級兵士にランクアップするらしいゾ!

名前:斧下級兵士
パワー:4
種族:時空族
必殺技:剛破衝(ゴウハショウ)
データ:実力のある女、男性の一般住民。巨大な斧を扱うため、かなりの力が必要となる。上達すれば強力な技を放つ事が可能。
上司:軍士長リグレット&副軍士長ランス
斧兵士
「この斧の重さなど、たいした事は無いっ!」
月光ウェハ
下級兵士はまだ未熟な部分もあるため、重層な装備をしないといけないらしいゾ!

(220.213.113.181).. 2007年05月28日 23:55   No.188011
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…33回       
名前:長剣上級兵士
パワー:6
種族:時空族
必殺技:風刃牙斬(フウジンガザン)
データ:テストに合格した元下級兵士。武器も長剣となり扱いにくくはなったが、幾つもの強力な技を繰り出す事が出来る。
上司:軍士長リグレット&副軍士長ラン
長剣兵士
「上級になっても浮かれてはいられない!」
月光ウェハ
兵士には必ず守らなければならない『兵士命令書』というのがあるらしいゾ!

名前:槍上級兵士
パワー:6
種族:時空族
必殺技:空裂衝槍(クウレツショウソウ)
データ:テストに合格した元下級兵士。武器も柄の長い槍になり扱いにくさもあるが、幾つもの強力な技を繰り出す事が出来る。
上司:軍士長リグレット&副軍士長ランス
槍兵士
「扱いにくくとも上達させる。これも一種の実力のためのものだ!」
月光ウェハ
下級、上級兵士以外にも特殊兵士という機会操作兵士もいるらしいゾ!

名前:副軍士長ランス
パワー:8
種族:時空族
必殺技:爆炎乱槍(バクエンランソウ)
データ:槍の見事な扱いを見込まれた副軍士長。特殊な槍を変形自在に操り、数え切れないほどの技を使う、兵士にとって憧れの存在。
部下:兵士
ランス
「副長からの命令だ。一同B−38に集合せよ!」
月光ウェハ
ランスの使っている特殊な槍は、穂の部分が小さな槍のようになっているため、多方面からの攻撃も得意らしいゾ!

名前:軍士長リグレット
パワー:9
種族:時空族
必殺技:リボルバー・キャノン
データ:軍の中では一人だけのクールな銃使い。その手捌きはかなりのもので、一度に2丁の拳銃を扱う。しかし稀に一気に4丁使う事もある。
部下:兵士
リグレット
「そこにいるのは分かっている!狙い撃ちよ!」
月光ウェハ
リグレットの拳銃は特殊型で、ホルスダーにしまうだけで弾が自動補充される仕組みになっているらしいゾ!

(220.213.113.181).. 2007年05月28日 23:54   No.188012
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…33回       
途中ですが、ネヴィアの部族説明と、『兵士命令書』を書こうと思います。

鬼闇(きあん)族
月光神羅の世界を闇に沈めるために魔界から来た部族。
機械類の発達が高く、地上では見かける事の出来ない物が沢山ある。
攻撃力が特化していて、並みの人では倒す事も不可能な程。
拠点は月光守護塔を改め、暗黒守護塔。
ちなみに将軍クラスの者は位の部分に「鬼」という漢字が付いていなければならない。

例としてですね・・・「魂」や「塊」などです。
位というのは一言で言えばべリアールの「魔将軍」という部分の事です。

〜兵士命令書〜
1:頭髪は必ず邪魔にならないよう短くするか纏める。
2:長・副長の命令は必ず守る。(王は持っての他である)
3:命令以外の無駄な行動はしない。
4:勝手に抜け出したり、別行動をとらない。
5:毎日行う訓練は実際と同じと思い、全力で主なう。
6:監視を頼まれた場合、必ず見逃す事の無い様にする。
7:咄嗟の襲撃に備え、鎧は外さないようにする。


(220.213.113.181).. 2007年05月28日 23:53   No.188013
++ クォーツ (第2個目の修行)…26回       
時空族が多めなワケ、気になりますね〜。
さて、2章オマケキャラ第2弾。

追記:私もブログ始めてみましたー!
気が向いたら来てみてくださいな。goo仕様ですが(汗

名前:ヴォーテクス
パワー:3
種族:辺境族
必殺技:メーザーアイゼン
データ:辺境族の赤ん坊で、北区域の高貴な一族の末裔。赤ん坊ながら知力は高く、大人相手でもしっかりコミュニケーションがとれる。
ライバル:×
ヴォーテクス
「楽しいの?仲間に入れてよー」
月光ウエハ
「ヴォーテクスの一族は代々北区域を統治している名誉ある一族らしいゾ!」

名前:ホルーン
パワー:2
種族:辺境族
必殺技:しっぽワナ
データ:辺境世界に住まうモンスターで、足は持たない。しかしなかなかすばしっこく、楽器ホルンに似た尻尾と触角がトレードマーク
ライバル:×
ホルーン
「ピキュキュ〜」
月光ウエハ
「ホルーンの尻尾は伸ばすと1m程あるらしいゾ!」

名前:バリディアン
パワー:8
種族:辺境族
必殺技:カガミデマカエシ
データ:辺境族のモンスターの中で強い部類。エネルギー反射能力を持つ。バリアとして使われる「光の鏡」は武器として転用可能。
ライバル:×
バリディアン
「アヤシイヤツ…ツブス…」
月光ウエハ
「辺境世界にも人語を巧みに操るモンスターが存在するらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年06月02日 05:50   No.188014
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…35回       
アパショナーは『火の様に』という演奏記号、アパショナータをもじった物です。

名前:熱詩(ねつし)アパショナー
パワー:7
種族:音程族
必殺技:バーナーフレイム
データ:主に曲の作詞仕事をしていて、熱血男でもある。詩の中にはどれも熱い思いを込めていて、評判はそれなりにある。
パートナー:悲曲者エレジー
アパショナー
「燃える思いは熱く、そして輝くっ!!」
月光ウェハ
アパショナーはバラードよりロック歌詞担当で、バラード歌詞は他の人が担当しているらしいゾ!

名前:指揮者クラシカル
パワー:8
種族:音程族
必殺技:クラシック・メロディー
データ:フルリナが所属している合奏団の指揮者で、笑顔を絶やさない。指揮棒は実は剣になっていて、咄嗟の時のためにいつも持ち歩いている。
ライバル:×
クラシカル
「ほら、こっちをよく見て演奏して。」
月光ウェハ
クラシカルは滅多に怒らないが、怒った時はかなり恐ろしいらしいゾ!

(220.213.107.197).. 2007年06月03日 23:50   No.188015
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…35回       
名前:悲曲者(ひきょくしゃ)エレジー
パワー:6
種族:音程族
必殺技:哀愁(アイシュウ)バラード
データ:アパショナーとは逆にバラードや悲しみの曲を作る作曲者。深い思いが詰まった歌詞には、見た人の心を打つ程。
パートナー:熱詩アパショナー
エレジー
「悲しみの旋律は深い・・・。」
月光ウェハ
アパショナーとエレジーは性格が違っても仲がよく、よく一緒に遠出こともあるらしいゾ!

名前:聖音クラリス
パワー:6
種族:音程族
必殺技:クラリネット・トーン
データ:フルリナと同じ合奏団に所属している。SクラからBクラまで、クラリネットならどれだって吹く事が出来る、クラリネットのプロ。
パートナー:名奏者フルリナ
クラリス
「うん!今日も音はバッチリ!!」
月光ウェハ
クラリスはクラリネットの演奏だけでなく、修理も得意としているらしいゾ!

Sクラというのはクラリネットの短いほうで、高い音が出ます。
Bクラは逆に長めで低い音が出る楽器です☆

(220.213.107.197).. 2007年06月03日 23:49   No.188016
++ クォーツ (第2個目の修行)…27回       
ブログ見てくださってありがとうございます!
さて、オマケキャラ第3弾といきましょう。

名前:ステルサー
パワー:5
種族:辺境族
必殺技:ライディングアタック
データ:辺境族の情報を管理する情報局の一員。背中のパーツはリフターで搭乗も可能。光学迷彩や消音能力を持つ。
パートナー:レドーム
ステルサー
「へへっ、スパイともなりゃ捜査なんてチョロイチョロイ」
月光ウエハ
「ステルサーのリフターはかつて彼の先輩が使っていたものらしいゾ!」

名前:レドームン
パワー:4
種族:辺境族
必殺技:キャンセラー・ジャミング
データ:情報局の一員であり、偵察隊に所属している。背中のレドームは索敵機能とジャミング機能を併せ持つスグレモノ。
パートナー:ステルサー
レドームン
「フフンフフ〜ン、気楽にいこうよ〜」
月光ウエハ
「レドームンは常にマイペースらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年06月11日 17:47   No.188017
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…36回       
ん?小説はまだですって?
おまけキャラは他にいるんですよ・・・原生モンスターですけどね;(誰に向かって行ってる?

名前クラックスター
パワー:3
種族:流星族
必殺技:ボム・クラッカー
データ:流星族にいる星型の原生モンスター。見た目はなかなかの愛らしさがあるが、敵と見たものには近づいて自らが爆発する。
ライバル:×
クラックスター
「ボボン!ボムン!」
月光ウェハ
流星族で見れる流れ星の中で、稀にクラックスターの姿も混ざっているらしいゾ!

名前:バブルスター
パワー:4 
種族:流星族
必殺技:ダブル・バブル
データ:流星族の海辺に多くいるヒトデ型モンスター。タコの様な口から泡を吐き、敵を攻撃する。が、地上には出る事は出来ない。
ライバル:×
バブルスター
「ブクブクブク・・・」
月光ウェハ
バブルスターの体に触れると、クラゲのように痺れてしまうらしいゾ!

(220.213.106.9).. 2007年06月12日 22:55   No.188018
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…37回       
バブルスターはロックマンの敵キャラが元ネタです。
流石に元ネタが無いときついかもしれないです;
あと、その内小説のキャラをブログに載せていこうかと思います。

名前:パワーウルフ
パワー:5
種族:気功
必殺技:パワーショット
データ:気功族周辺にいる狼モンスター。微力ではあるが、気を発するため、一般人でも気を抜けばやられる可能性もある
ライバル:×
パワーウルフ
「グルル・・・!」
月光ウェハ
パワーウルフの毛皮は気持ちがよく、剥ぎ取って売るとそれなりの値段はあるらしいゾ!

名前:サイノス
パワー:4
種族:気功族
必殺技:渾身の突進
データ:サイと猪を合わせたような姿のモンスター。すぐに興奮し走り出すが、そのスピードは見た目に劣らずかなりの速さである。
ライバル:×
サイノス
「ブオォォォ!!」
月光ウェハ
サイノスが猛スピードで木にぶつかると、木の実が沢山落ちてくるらしいゾ!

(220.213.101.63).. 2007年06月14日 00:09   No.188019
++ クォーツ (第2個目の修行)…28回       
モンスターのネタは、最近だとグラモンバトルで制作したものが主流になり始めていますw
今回の2体も、そうです。

名前:レインシェリー
パワー:4
種族:辺境族
必殺技:ニードル・スコール
データ:辺境世界の南区域に生息する貝のようなモンスター。本体から生えているプロペラ状の物体が特徴的で、雨を降らせる力を持つ。
ライバル:×
レインシェリー
ピルルルル…」
月光ウエハ
「レインシェリーの本体の大きさは僅か3cm程しかないらしいゾ!」

名前:ミドージュ
パワー:4
種族:辺境族
必殺技:大岩雪崩(オオイワナダレ)
データ:辺境世界の西区域に生息する木のようなモンスター。非常に大きな帽子がトレードマーク。帽子から発生する念力で大量の岩を自在に操る。
ライバル:×
ミドージュ
「フォロッフォー、フォロッフォー」
月光ウエハ
「ミドージュの帽子には特殊な魔力が宿っており、それを利用した合格祈願お守りが作られるらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年06月14日 04:29   No.188020
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…38回       
グラモンバトルってクォーツさんがブログでよく書いている事ですか?
中々面白そうですね〜♪
今回出てくるオンプンもロックマンの敵ネタです;

名前:オンプン
パワー:3
種族:音程族
必殺技:はずむリズム
データ:音符の形をしたモンスター。弾みながら移動し、全オンプンから8分オンプンまで、それぞれ耐久力が違っている。
ライバル:×
オンプン
「ぽよ〜ん♪ぽよよ〜ん♪」
月光ウェハ
オンプンの飛べる高さはそれぞれ違い、一番高いもので5メートル飛ぶ事が出来るらしいゾ!

名前:カンタービレ
パワー:4
種族:音程族
必殺技:るんるんボイス
データ:人型をしているが、実はモンスター。歌う声は何故か音符の形をして、敵に投げつける。最近は精霊扱いされる事もある。
ライバル:×
カンタービレ
「らんらんらぁ〜ん♪」
月光ウェハ
カンタービレは時たま、オンプンに乗って歌っている時があるらしいゾ!

ちなみに全音符が1番長く伸ばし、8分音符は短めです。
本来は16分音符など、様々な種類がありますが、その中で最も親しまれている物で製作しました。
カンタービレは「歌うように」という意味ですが、完全に歌っているのは気にしないで下さい;

(220.213.98.55).. 2007年06月17日 03:07   No.188021
++ クォーツ (第2個目の修行)…29回       
そうですよ〜。
ラクガキ王国の次回作的存在ですが、
グラバト(グラモンバトルの略)では生み出したキャラを育てていく育成ゲームの感が強いです。
案外根気も必要ですけど(苦笑
今回の元ネタは、「おねがいモンスター」というニンテンドウ64のゲームです。

名前:プアゾン
パワー:6
種族:辺境族
必殺技:ドックンガース
データ:辺境世界の東部に生息するモンスター。丸い胴体に3本のトゲと2本の根が生えており、浮遊する。体内には猛毒ガスが詰まっている。
ライバル:×
プアゾン
「プルーウ、プルプーウ」
月光ウエハ
「プアゾンの猛毒ガスは香水の材料として非常に重宝されているらしいゾ!」

名前:リスバ
パワー:4
種族:辺境族
必殺技:ゴロゴロイワーズ
データ:辺境世界の様々な区域に生息するモンスター。羽が退化してしまって飛べない。リスの頭に丸めた尻尾がくっついたような外見。
ライバル:×
リスバ
「リリリィ、リリリィ」
月光ウエハ
「リスバは鳥類らしいが、その外見のせいで殆どの人がリスの仲間と勘違いするらしいゾ!」

プアゾンとリスバは、おねモン(おねがいモンスターの略)のモンスターの中でも結構好きでした。
ちなみにプアゾンは植物系、リスバは鳥系のモンスターです。

(221.184.252.213).. 2007年06月17日 20:08   No.188022
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…39回       
名前タイムレス
パワー:3
種族:時空族
必殺技:クイックタイム
データ:時計の形をしたモンスター。時間を早める事で、敵に疲れを感じさせる。時計の針が弱点で、攻撃されると何も出来なくなってしまう。
ライバル:×
タイムレス
「ドンどん疲レて跪ケ!!」
月光ウェハ
タイムレスは目覚ましとしても使えるため、『森の目覚まし』と呼ばれているらしいゾ!

名前:ダオセルス
パワー:4
種族:時空族
必殺技:タイムワープ
データ:中々姿を見る事が出来ない珍しいモンスター。モンスターの中でも時空転移が出来るのはダオセルスだけで、研究者の中では興味深い存在になっている。
ライバル:×
ダオセルス
「研究者ダ!急イデ逃ゲルゾ!!」
月光ウェハ
ダオセルスは過去に何度も研究者に追いかけられた事から、人を嫌っているらしいゾ!

私が2章で出すキャラは以上です。
クォーツさんがもし書きたくなったらご自由にどうぞ〜。
後、小説ですが、地上界の様子も書いていきたいので、私が地上担当で、クォーツさんが辺境族担当でもよろしいでしょうか?
とりあえず、小説の準備はしておきますね。

(220.213.105.43).. 2007年06月27日 00:13   No.188023
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…30回       
はいはい〜。了解でございます〜。
小説開始まで、首を長くして待ってますね〜。
辺境族の方はおまかせくださいな。

(221.184.252.213).. 2007年06月27日 04:09   No.188024
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…48回       
投稿場が上がってしまいますが、取り敢えずコンクル・シオンの新規ステータスを投下。

名前:辺境王コンクル・シオン
パワー:18
種族:辺境族
必殺技:ペトリアルス・グラファー
データ:セイガ達が『王の回廊』に辿り着くまでに更なる力を手にした辺境王。数多くの技と瞬間移動能力で他を圧倒する戦闘力を誇る。
コンクル・シオン
「…世は無常、いずれ全ては無に還る」
月光ウエハー
「コンクル・シオンは、様々な物質を取り込むことで自分の能力を増やしているらしいゾ!」

(221.184.252.213).. 2007年08月12日 06:12   No.188025
++ クォーツ (一旦書いてみる)…52回       
では、コンクルに続き新たに登場した合体戦士のステータスを。

名前スーパーダイボウケン
パワー:18
種族:辺境族
必殺技:ダブルアーム・クラッシュ
データ:ダイボウケン、ドリラー、ショベラー、ミキラー、クレーラーが合体した姿。計9機のエンジンを直結させることで爆発的な力を解放。
ライバル:×
スーパーダイボウケン
「俺達は冒険者だ。閉ざされた道は切り開く!」
月光ウエハー
「合体中も、ドリラー達4人の意識はそのまま存在するらしいゾ!」

ジェッター以降はおそらく3章突入辺りになると思います。2章も辺境世界はクライマックスに近いですし。では。

(221.184.252.213).. 2007年08月25日 06:38   No.188026

■--辺境族との出会い
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…40回          

やっと2章目です。
また頑張りましょう!


「ねぇ・・・・して!・・・丈夫?」
真っ暗な闇の中から一筋の光のように声が聞こえる。
―死んでいない。生きているんだ。
重たい体をゆっくり持ち上げ、セイガは辺りを見回した。
レンドルも、レオンも、シンフォニーも倒れてはいたが、次第にゆっくりと起き上がった。
「・・・あれ?此処は何処なんだ?」
グレンドルは辺りを見回して言った。
セイガも思っていた。地上界とは違って、機会が沢山あり、何か見覚えのある体つきだった。
目の前にいる、セイガに声をかけてくれた者も見覚えのある体だった。
暫く考えると、その体のことを思い出した。
丸い体、所持していた拳銃、強力な連携プレイ。
「お前等!あの3人の手下だろ!!」
思い出して即座にセイガは言った。一人は「違うよ!」といい、もう一人はガタガタと震えている。
「嘘をつくのは良くないことですよ。白状する事ですね。」
剣の柄に手をかけ、レオンが言う。しかしその前に、シンフォニーが両手を広げて守るように立った。
「何してるんだよ!シンフォニー!」
敵だと思われるのに守るようにしている彼女の行動が彼らには信じられなかった。
何故、そんな事をするのか、敵だったら如何するべきかとセイガは言おうとした。
しかしそれを見切ったかのように、シンフォニーは睨みつけ、セイガの言葉は口に出す前に喉に引っかかり、言えなくなった。
「あんたたち、それでも王なの!?勝手にこの子達を敵と判断して!見てよ、怯えてるじゃない!」
シンフォニーはそう言ったが、レオンは持ち前の毒舌で言い返した。
「ではシンフォニーは、誰であろうと味方。という訳ですか。貴方も小々甘いのですね。それも王としてはよくは無い行動ですね。」
そう言われシンフォニーは、レオンの服の襟を掴みあげた。
「シ、シンフォニー・・・何を!?」
グレンドルが止めにかかったが、シンフォニーは手で制した。
その目と手はただ、『黙っていて。』と言っている様だった。
「いつ誰がすべての者が仲間といったの!?アンタも少しその口、直したら!?」
そうきつく言ったが、レオンは動揺すらしなかった。
しかしその間に割って入るように、謎の2人が尋ねた。
「あのー・・・お、落ち着いてください。」
その声を聞いたグレンドルとセイガは、シンフォニーとレオンのほうを見て、説得した。
2人ともそっぽを向いているが、説得した甲斐はあった。
「えっと・・・お前たちは?」
セイガは2人のほうを向いて尋ねた。
さっきの揉め事で、聞けるようではなかったからだ。
―ましてやセイガ達が敵と勘違いしたのが悪かったのだが。
「僕はフィリー。で、こっちがランストル」
フィリーは軽く微笑を浮かべた。ランストルも微笑を浮かべて、そしてフィリーにも何故か会釈をした。
フィリーは4人のほうを向き、何故ランストルが会釈をしたか説明した。
(220.213.109.123).. 2007年07月01日 23:58   No.191001

++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…41回       

なるほどな。あの分断事件で話せなくなっちまったのか・・・。」
俯いて、ただ気の毒に思ってセイガはゆっくり口を開いた。
そう、ランストルは分断災害にあってしまってそれ以来話す事も出来なくなってしまったのだ。
ずっと気のあったフィリーとジェスチャーをすることにより、初めてその言葉が相手に分かるのだ。
「うん。あの時僕たちは何をすればいいか分からなくって・・・。」
そう言ったが、彼の背中にある水色をしたの翼を見て、レオンは思ったことを言った。
「その羽でランストルを助ける事は不可能だったのですか?」
フィリーは頷き返し翼の事について語った。
「分断災害は僕達が幼い頃に起こったんだ。幼い頃はまだ翼も小さくて、とても自由に飛べる事は出来なかったんだ。」
フィリーが悲しげに言うと、ランストルが彼の肩をたたいて、微笑を浮かべた。
どうやら慰めているようだった。
「で、貴方たちはどのような関係なの?」
シンフォニーが聞くと、
「同級生だよ。」
そう言った事から、辺境族に学校があると分かった。
―別に、知ってどうなる。というわけではなかったが。
「んでもって、ずっと一緒に行動しているってわけで、心がリンクしているってワケか。」
「うん。まぁ、そういうところかな。」
辺境族の広い公園のようなところで話していたが、不意にセイガが立ち上がり、フィリー達の方を向いた。
「あのさ・・・俺たち、此処までどうやってきたか知ってるか?」
唐突の質問に、如何返せばいいか分からなかったが、次第に意味が分かり、『分からないけど』と言った。
「そう・・・だよな。あのさ、俺たちネヴィアって分断災害を起こした奴に戦いを挑んで、負けちまったんだ。」
セイガは苦笑しながら言った。その横でグレンドルは、
「んで、奴の技で飛ばされて、此処まで来たってわけなのさ。」
と、腕を組んでいった。
フィリーは、『そうだったの・・・』と言った。
と、そこで何かを思いついたように、セイガの前に立ち、
「って事は、辺境族をあまり知ってないっていうことだよね?」
と言った。
確かにセイガ達は此処に来たばかりで、まだ何も知らなかった。
「ああ、何も分からないけど・・・。」
そう言い返すと、フィリーは頷き、セイガの手を引っ張って見せた。
「じゃあ、僕がいろいろ案内するよ!!」
そう元気に言ったフィリーを見て、セイガは安心感を思い、頷いた。
こうして彼らの辺境族の旅立ちが始まった。

(220.213.104.74).. 2007年07月02日 00:20   No.191002
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…31回       
さぁ、はりきってまいりましょー!
まずはフィリー達を。

「まず、この辺境世界は東西南北と中央の5つの区画に分かれてる。それぞれの区画、僕らは区域とかエリアとか呼ぶんだけど、その区域を治めるリーダーがいるんだ。歴代の武将だったり、はたまた昔から栄えている貴族の末裔だったり。でも中央区のリーダーだけは謎なんだ。ただ、名前がコンクル・シオンっていうだけで」
案内するにしても、世界のおおまかな構成を知ってもらった方が色々とやりやすい。フィリーはまず、辺境世界の区画について説明した。
「んで、今僕らがいるのは東区域。ランストルの話だと、ここら辺の空からいきなり君達が落っこちてきたみたい」
「で、お前達があの公園まで運んでくれたってわけか」
「そう。あの時はいきなり空から人が、それも人間が降ってきたからもう大騒ぎ。人があまりいない時間帯だったのが幸いしたよ」
「どうしてです?」
「この世界では、君ら人間っていうのは非常に珍しい種族なんだ。だから、ひとたび人間と遭遇すれば、どんな騒動になるか分からない」
「トラブルを避けたかったのね」
「うん。親にも、あまり不用意な心配かけさせたくないしね。さぁ、次は区域ごとに案内するよ。あ、どの区域にもモンスターがいるから気を付けてね。中には強いヤツもいるから」

「最初は、この東区域。ここはあまり機械が目立たないかな。都市部はさすがに機械も多いけど」
東区域で際だって目立つのは、中央部よりやや東の山にある大きな滝だ。これを初め、多数の山や高原が自然のままに残されており、自然への配慮の大きさも伺える。その分、モンスターも多いのだが。
「各区域の都市部は、この世界の貿易の中心点でもあるんだ。だから、各都市部には大きなワープホールも設置されてる。それを利用して、他の区域へ一気に飛ぶこともできるんだよ」
「なら、中央区域へもひとっ飛びじゃねぇか!」
「ん?どうしたのランストル。……なんだって?それじゃあ…」
「何かあったんですか?」
「ワープホールのバイパス状況を見てきたら、中央へ行く為のワープホールが使用不能になってたって。つまり、中央へ行くには……海を渡らなきゃ…」
「それなら、船で行けば…」
「ダメなんだよ。この世界の海は、分断災害の影響かいつでも荒れてて、危険なんだ。使用可能になるのを待つか、試しに他の区域へ行ってみるかのどちらか…だね」
「じゃあ、西区域へ連れてってくれよ」
「OK。じゃあ、西行きのワープホールへ行くよ」
こうして、フィリー達を交えたセイガ一行は、西区域へ行くことに…。

(221.184.252.213).. 2007年07月02日 05:26   No.191003
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…32回       
お次は、その他諸々(ぁ

「空から何か降ってきた?」
「間違いありませんチーフ。きっと、何かしらの魔力で飛ばされたものだと思います」
「あと、飛ばされたのは人間だった。飛び方とかから考えると、東区域の田舎の方に落ちたと思う」
「どんな人たちなんだろうね、その人間達って」
「さぁね、それは見てのお楽しみ、かな?」
どうやら、この世界へ飛ばされたセイガ達のことを言っているらしい。順に、チーフことダイボウケン、ショベラー、クレーラー、ドリラー、ミキラー。別行動だったメンバーが、予想外の事態に緊急的に集合していたのだ。
「空から降ってきた人間か、ちょっとした冒険だな。よし、各自分散して、情報を集めろ。もし見つけたら、連絡だ。アタック!」
「アタック!」の掛け声と共に、彼らアドベンチャーチームは散り散りになった。

「ほう、面白いのが降ってきたじゃないか。なぁギガンダス」
「お前の方こそ、興味津々じゃねぇのか。なぁ、エリータス」
「う〜、人間じゃなかったらこの魔本に収めてやったのに〜」
「お前達、コンクル・シオン様から命令だ。あの降ってきた人間達、どうやらネヴィアが仕留め損なった奴らだそうだ。そして、そいつらを1人残らず始末しろ、とのことだ」
「おおかた、ネヴィアがミスってたんだろ?」
「あり得るな。ネヴィアとて、コンクル・シオン様ほど完璧な奴じゃない」
「だから、僕らにその人間達の始末を任せたんだねぇ。資料はあるの?シャドウ」
「無論だテクノス。これが、落ちてきた者達…。通称『月光世界』の人間達だ。コンクル・シオン様が『剣』と呼んでおられる者達…。拙者は、このレオンという者をやらせてもらう」
「おいおい、自分からターゲットを指定してくるなんて、えらく気合い入ってるじゃねぇか」
「たまには気合いの1つも入れたくなる」
「そういうことか。では、俺はこのセイガという奴にしよう」
「僕は、シンフォニーっていう女の子にしよー」
「んじゃ、俺様はグレンドルだな。イイ相手だ」
「拙者が、奴らの動向を探る。いい作戦がひらめいたら連絡する」
「ああ、頼むぞ。隠密将軍の名は伊達ではあるまい」
コンクル・シオンに仕える4人の将軍、エリータス、ギガンダス、テクノス、そしてシャドウ。セイガ達を標的とした彼らは、密かに行動を開始した。

(221.184.252.213).. 2007年07月02日 18:06   No.191004
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…33回       
再びフィリー達へ。
しばらくは展開が目まぐるしいことになります。

「さて、ここが西区域。ランストル、ワープホールのバイパスを調べてきて」
ランストルがバイパスを調べる為に管制室へ向かうのを見送り、グレンドルがふとした疑問を。
「なぁ、ランストルって1人でコミュニケーションとれるのか?」
「大丈夫だよ。いつでもメモ帳ペンを持たせてるから。何かしらの理由で僕と離れても、文字で伝えることができれば大丈夫でしょ?それにこの世界の警察は非常に強くて優秀だから、犯罪とかには巻き込まれないしね」
手話はできそうにないしね、と付け加え、ランストルが戻るまで待つこと数分。
「そう…。ここもダメか」
「収穫はなしか…」
どうやらどの区域のワープホールも中央へは行けないらしい。落胆する中、フィリーは時計を見てあることを思い出した。
「あ、もうこんな時間…。実は、僕達は明日スクールの卒業式なんだ。君達が急ぐ理由は分かってる。でも、やっぱり…」
「分かった。なら、いつまた出かけられる?」
そう、フィリー達には卒業式が控えている。それを自分たちの都合で休ませるわけにもいかない。セイガはフィリー達が再び自由に行動できるようになれるまでにどれくらいかかるかを尋ねた。
「えっと、卒業式はいろいろとゴタゴタするから明日1日は無理。早くて明後日…」
そう言った時、ランストルが凄い速さでメモ帳に文を書き、フィリーに見せた。それには『北区域のお坊ちゃんならどう?』と、異様に綺麗な字で書かれていた。
「なに?知り合いなの?」
「知り合いというか幼馴染み。親の都合で東と北で離れてるけど、今でもよく遊びに行ったりするから、多分頼みを聞いてくれると思う。試しに連絡してみるよ」
ランストルの提案により、フィリーはワープホールのあるターミナルの電話でその『お坊ちゃん』と話し始めた。
「え、本当?そうなんだ、初めて知ったよ。じゃあ、その時に紹介する形でいいかな?…うん、うん、ごめんね、見知らぬ人たちへの協力を押しつけちゃって。うん、明日ね」
「…どうでした?協力してくれそうですか?」
「うん、顔見せは明日になるけど、ひとまず『友の頼みならば協力しないわけにはいかない』だって。顔見せしたら、そのまま北区域へ直行。お坊ちゃんがいいところへ案内してくれるってさ」
「それは助かります。…さて、残る問題は…」
「…君達の、今晩の寝床だね…。あ、いい場所があるよ!ついてきて!」

(221.184.252.213).. 2007年07月02日 18:47   No.191005
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…34回       
「こ、こんな空間が地下にあったなんて…」
「初めて見る人は、みんなそう言うよ。でも、ここは古代遺跡の一部。モンスターはいるけど、友好的なホルーンやリスバが殆どだし、奥にさえ行かなければ恐ろしいモンスターはいないしね」
「奥?やっぱ、別な部屋とかあるのか」
「うん。だけど、村の長老は奥へは絶対に行かないようにって毎日言って聞かせるんだ。遺跡の奥には、先住民達の残留思念が満ちていて、迂闊に近寄る者には災いをもたらすって。それを信じないで奥へ入ってった人は、二度と戻ってこなかった。そんな事件が多発しているから、奥へは入れないように厳重に結界が張られてる。まさかとは思うけど、入っちゃダメだよ」
「あ、あぁ。入らねぇよ。ワリィな、面倒かけちまって」
「それは気にしない。君達は、いわゆるお客さんなんだから。じゃあ、朝になったら呼びに来るからね」
そう言ってフィリー達は地下の浅い部分にある洞窟(古代遺跡への入り口に繋がる穴)から去っていった。確かに、奥への道は何層にも張り巡らされた結界で厳重に閉ざされている。とてもではないが、いかなる技でもこれを破るのは至難の業といえる。しかし、どうやら結界によって阻まれるのは物理的なものでしかないらしく、奥からの音はしっかりと聞こえてくる。うめき声やら風の通り抜ける音やら…。しかしフィリーいわく『ここぐらいしか人が来ない場所はないから』と、土下座までして詫びるのを見たら諦めるしかない。どうやら先程の『いい場所』というのは、『人が来ないから騒動にならない場所』という意味だったらしい。元々辺境世界では宿無し同然の身なのでセイガ達に諦める以外の選択肢は無かった。

暗いのと時々気味の悪いうめき声が聞こえることを除けば、割と快適な空間であった。遺跡への入り口に繋がるというだけあってか、洞窟の割にはかなり過ごしやすい構造になっている。おそらく一種の市場として機能していたのだろう。
「…これで、あんなうめき声とかが無かったらなぁ…」
「……言うな」
思わずシンフォニーが『避けようのない事実』を嘆き、セイガは静かに止めるしかなかった。


ひとまず、ここで一旦切ります。明日も追加して合計5段構成になると思います(汗

(221.184.252.213).. 2007年07月02日 18:55   No.191006
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…42回       
早速有難う御座います!
明日も楽しみにしていますよ☆


セイガ達が辺境族にいる一方、彼等の仲間たちはセイガの帰りをずっと待っていたところだった。
「遅いわね・・・。何かあったのかな〜?」
セイナは首を傾げて言った。確かに帰ってくるのが遅すぎる。彼等が出て既に1日半が経っていようとした。
「もしかして・・・やられちまったとか言うんじゃ・・・?」
ガンセイがそう言ったところで、リンセイが首を振った。
「そんな筈は無い。やられたとしても別の場所に飛ばされた可能性もある。」
そう、静かに言ったところで、セイナは『そんな事言わないで!』と言った。
幼馴染の彼女にとって、セイガの腕はよく知っていて、とてもやられるような人じゃない。と言いたかったのだろう。
重い空気が佇む中、突然セイランが森の方を指して驚いたように言った。
「おい!森が・・・崩れていってるぞ!!」
「何だって!!」
その場にいた全員が森の方を見る。
―森が崩れていっている。まるで山かのように。
「魔物のせいだろうな。ここはいっちょ、やるしかねーよーだな。」
スターマンは腰についている鞘に軽く触れると、一目散に駆け出した。
「僕達も行くぞ!あいつ一人では危険だ!」
リンセイも双剣を抜き出すような勢いで駆け出した。

「いたいた。―スターマン!加勢するぜ!!」
森に到着した彼らは、真っ先に戦っていたスターマンの所に駆け寄り、剣を、ブーメランを構えた。
「よっしゃ、お前等ぁ!一瞬で葬ってやるぜ!!」
触れると痺れるというバブルスターを拳で戦うのは危険だと判断したガンセイは、クラックスターの所へ駆け、一気に拳を振るった。
「ふん。ならば此方もやらせて貰おうか。」
そう言ったリンセイは腰から片方ずつ剣を取り出した。―細身のある長剣と変わった形をした短剣だ。
セイランも背中から紋様の描いてあるブーメランを取り出し、セイナも戦いたくないという欲望を捨て、水晶を出した。
「くらえっ!クイックスラッシュッ!!」
「―斬空翔破剣(ザンクウショウハケン)!」
セイランのブーメランがかなりの勢いで飛び交い、その間をすり抜けてリンセイが技で切り刻んだ!
「吹き飛べっ!龍虎閃破(リュウコセンハ)!」
「そらよっ!旋風乱剣(センプウランケン)!」
続けてガンセイ、スターマンも技を放った。
そこにセイナの魔術が続く!
「大いなる風よ旋風となり、敵を巻き込め!―ストリーム・サイクロン!!」
セイナの強力な術はそこらじゅうにいた魔物を巻き込み、周りにいた魔物はすっかりいなくなった。
「これで終わりっと☆・・・って流気滝も魔物出現!?」
流気滝―セイガとグレンドルがライガルと戦った場所である。―も木々が倒され、荒れているのが分かった。
「ちっ。すぐに行こーぜ!」
スターマンは皆にそう言い、駆け出して行った。

(220.213.102.170).. 2007年07月02日 23:37   No.191007
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…43回       

「相当の数だな・・・。」
流気滝に到着した瞬間、リンセイが始めに言った言葉がこれだった。
流石に気功族付近という事か、パワーウルフやサイノスなど気功族に出現するモンスターも混じっていた。そんな中で、4人の気功族の戦士達が戦っていた。
「遅ぇんだよっ!気功双破(キコウソウハ)!」
「貴様の罪深さを知れ!連牙襲脚(レンガシュウキャク)!」
連続で強力な気が放たれ、連続で蹴りを浴びさせた。
そう、ギンとゼロだった。そこへセルネとレイヴの技も入り込む!
「まだまだっ!爆乱連舞(バクランレンブ)!」
「切り裂け!剛翔破斬(ゴウショウハザン)!」
手足を使った舞いと硬い爪によって放たれた技が敵を引き裂いた!
「お〜やるね〜。流石はパワーファイターだぜ〜♪」
こんな中でもスターマンは陽気だった。しかし、手は剣の柄に触れていて、今にも抜き出す状態だった。
「よぅし!俺らも行くぜっ!!」
ガンセイの掛け声で流星族と気功族の戦士の計9人は敵に向かっていった。
しかし、あれだけ倒した敵でもまだまだ沢山いる。
「面白いじゃねーかっ!」
危険な状況をまるで楽しむかのようにセイランはブーメランを投げつける。
子供遊びでは無いのだがな。」
そう静かに言いながら、リンセイは双剣を振るった。
しかしあまりの敵の多さか、セイランに隙が出来てしまい、敵が襲ってきた!
「やべっ!」
セイランはブーメランを投げようとしたが、向こうに飛んでやっと戻ってくるという状態だったため、武器を持っていない無謀な状態だった。
「ここからじゃ届かねーじゃん!」
どうしても守れない焦りにギンは声を張り上げた。
「だから子供の遊び事では無いと・・・!」
リンセイは怒りや焦りというより、自分が惨めだと思えているようないい方だった。
遠距離攻撃を使える者がいなかった為、セイランは攻撃を受けるしかなかった。
「あわわわわ・・・・!」
腰を抜かしてしまっているセイランを見ているだけしか出来なかった自分が無念だ、とリンセイは思った。しかしその時だった。
「閃光!」
聞き覚えのある声がしたと思ったら、遠くから一筋の光が飛んできて、敵を貫いた。その光を放った正体は・・・
「セイハ!」
「すまない。遅れを取ったな。」
名狩人のセイハだった。
彼が言うには流気滝付近で狩をしていた所、敵の気配がしてすぐにやって来たらしい。
「こっちこそすまねぇ。それと助けてくれてありがとな!」
そう礼を言うと、戻ってきたブーメランを手にし、構えなおした。
これで戦士は10人。
魔物の討伐も十分に出来るほどの人数になった。

(220.213.98.86).. 2007年07月03日 00:46   No.191008
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…44回       
「邪魔だ!星光衝牙(セイコウショウガ)!」
「はぁっ!虎牙蓮扇(コガレンセン)!」
リンセイの剣から煌いた光が衝撃波となって進み、紅蓮の炎を纏った獅子のような矢が飛び交う。
あれから約1時間、魔物の数も減り、こちらに勝機が見えてきたようだ。
セイハが来て、遠距離攻撃者も出てきたお陰か、重傷も無く戦いは進んでいる。
浄化の光よ、十字の光で焼き尽くせ!―クロスライト!」
巨大な魔方陣が現れたと思ったら、十字架を描いた光が吹き上げ、敵を焦がしていった。
「砕けちまえ!爆砕牙撃(バクサイガゲキ)!」
そこへギンの大技が叩き込まれ、周囲の岩石が飛び上がった。
「セルネ!思いっきりやるぜ!!」
「おっしゃ!任せとけ!」
セルネとガンセイの息が合わさったと思った瞬間、敵の目の前に移動して連携攻撃を繰り出した!
一瞬も狂うことなく次々と蹴りが、拳底が繰り出される!
「これぞ連携奥義!!―」
二人の声が重なった時、空中から同時に交わるように拳を突き出した。
「―連獄滅殺拳(レンゴクメッサツケン)!!」
単体でも団体でもかなりの威力を誇る連携攻撃を放ち、周りにいた殆どの魔物が崩れ落ちた。
「俺様の力を見せてやるぜっ!―皆下がってろよ〜☆―ブレイクフレア!!」
砲弾のように放たれた炎の魔術は、敵を貫き、一直線に進んだ!
全ての敵が焼き尽く―された!!

「やっと終わったみたいだな〜。」
疲れたぜ〜!」
レイヴやセイランが腰を伸ばして、あるいは傷ついた肌を擦って言った。
ゼロも息を吐き、頷いてみせた。
「皆お疲れ!とりあえずもう襲撃は無いみたいね!」
セイナは皆を見回して言った。ガンセイは、
「戦うのが嫌いなのに、よくやったな。」
と、軽く褒めてくれた。リンセイは
「此処は物騒だ。退散するぞ。」
と、背中を向けたまま言った。全員が頷き気功族は気功族領地へ、流星族は流星族領地へ向かって歩き出した。

(220.213.98.86).. 2007年07月03日 01:14   No.191009
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…36回       
これでようやくフィリーから「お坊ちゃん」へバトンタッチ。セイガ達の辺境世界での冒険は、始まったばかり…。

翌日、フィリー達に案内され、彼らの通うスクールの近くの空き家へ。
「今日はここには誰も入らないと思う。ここで待っててね」
「ああ、助かる」
「それにしても、卒業式を共同でやることになるなんてね」
「僕らの先生はちょっと抜けてるとこがあるから連絡ミスとかはたまにあるんだ」
「…よく、事件とか起きねーよな」
「不思議だよねぇ」
どうやらフィリー達のスクールとお坊ちゃんのスクールが共同で卒業式を行うことになったらしいのだ。そしてフィリーとランストルがスクールへ向かって、待つこと3時間弱。確かに誰もここに来る様子はなく、騒動などは起きそうにない。

「お待たせー。お坊ちゃんを連れてきたよ」
そして入ってきたお坊ちゃんは、早速セイガ達に好意的な様子。
「改めて紹介するよ。彼は僕らの幼馴染みで、ヴォーテクスっていうんだ。北区域で栄えてる名誉ある貴族の末裔なんだ」
「やぁ、月光世界からの客人。僕がヴォーテクスだ」
「って、赤ん坊じゃねぇのか?…大きさ的に」
「よくぞ気付いた!実はヴォーテクスは生まれながらに卓越した知能の持ち主で、まだ赤ん坊クラスだというのに大人にも負けないコミュニケーション能力を持ってるんだ」
「だからフィリーさん達と同じ学年なんですね」
「ちなみに、彼は今現在の北区域のリーダーでもあるんだ。凄いよねー」
「さらりとそんなことを。確かにそうなんだけどね〜」
「……かなりアンビリーバボーな世界だな…」
『同感』
セイガが思わず呟き、他3人も同意。確かに、赤ん坊が1つの区域のリーダーだという世界。知能がやたら高いことを抜きにしても、普通ではありえない光景なのだから。
「じゃあ、この人達をよろしくねヴォーテクス」
「任せて!友の頼みを見過ごすわけにはいかないさー。それに、月光世界とか人間とかにも興味あるし♪」
「…あー、むやみやたらな行為はしないでね?」
念のため苦笑混じりで忠告し、自分たちの家へ戻るフィリー達。
「さぁて、我が友フィリー達の頼みだ。まずは北区域へ飛び、そしていい場所へ連れてってあげよう」
ヴォーテクスを先頭に、セイガ達は北区域へ。更にヴォーテクスの自宅(お屋敷)へ直行。そこには…。
「おお、来たか」
「わざわざ受け入れてくれるなんて、思ってなかったよダイボウケン♪」
単独行動中に立ち寄り、ヴォーテクスの話を聞いたダイボウケンの姿があった。

(221.184.252.213).. 2007年07月11日 05:27   No.191010
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…36回       
ちょっと空けましたけど、続きですよー。

「紹介するよ、彼はダイボウケン。この辺境世界に眠る無数の宝を探している冒険者なんだ」
「お前達が月光世界の人間達だな。空から降ってきた人間がいると聞いて、どんな連中かと思ったら…。いろいろと、訳ありだそうじゃないか」
ヴォーテクスに紹介され、ダイボウケンは早速自分がヴォーテクスの屋敷で待っていた理由を話し始めた。
「ヴォーテクスに紹介された通り、俺は冒険者、トレジャーハンターだ。だが、古代遺物などを研究する者でもある」
「つまり、どういうことだ?」
「面白そうってことさ。お前達は空から…いや、月光世界から何らかの理由で飛ばされてきた。仲間がいうには魔力反応があったそうだが…。訳ありな奴には、何か重大な使命を持つ奴もいるものだ。それに、月光世界に行ければ、辺境世界の最近の問題である頻繁な地殻変動の謎を解く鍵も手に入るかもしれない。それに…」
一旦間をおき、ダイボウケンはこう付け加えた。
「今お前達を助けなかったら、月光世界も辺境世界も大変なことになる。そんな気がするからな」
「じゃあ、仲間になるってことか?」
「そういうことだ。ヴォーテクスやフィリー達の話だと、お前達にとってこの世界は未知の領域らしいからな。ずっとナビゲートできる案内役がいた方が心強いだろう」
「確かに、トレジャーハンターならいろんな所へ旅を続ける身ですからね」
「案内役にはうってつけってことね」
レオンとシンフォニーも、ダイボウケンの参入に賛同しているようだ。
「なら、決まりだな。俺の他にも多くの仲間がいる。俺達の力が、今後役に立つだろう」
こうして、辺境世界でのガイドはダイボウケンで定着することになった。果たして、ダイボウケンとその仲間達の実力やいかに?

1回の話につき、今後(今回含む)は2レス程度になるかと。
2レス目が投稿されてたらそれを目安にしていただけると助かります。

(221.184.252.213).. 2007年07月05日 06:14   No.191011
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…45回       
了解です。
では、すこしネヴィアサイドの方の物語も書きますね。
話している5人は、3章に出てきますよ。


セイガ達がダイボウケンに会った頃、ネヴィアの基地―月光守護塔改め暗黒守護塔―では、月光神羅の世界を頂くべく、兵士たちが造られていた。
「これで一時終了としておくとするか・・・さて、奴等の様子はどうだろうね?」
近くにいた兵にネヴィアは尋ねた。兵は
「休憩中です。如何するのですか?」
と、逆に聞き返した。
「質問に質問で返すとは・・・まあ良い。如何するかは私から言っておこう。」
「はっ。」
残虐ではないが怪しげな笑みをネヴィアは浮かべた。敬礼をした兵士は他の仕事があるのだろう、部屋を小走りで出て行った。
「さて、面白い事が始まりそうだ・・・。」
ネヴィアはそう呟き、再び兵士を造るべく機械を起動させた。

「にゃ?月光神羅の世界攻め?―興味ありまくりだにゃっ!!」
甘ったるい、陽気な声が暗闇の中で響いた。
ネヴィアがさっき言った「奴等」の事だろう。姿は暗闇でよく分からないが、5人いる様だ。
「だとさ。やっぱり興味があるんだね。皆そろって。」
青年のような声が響く。そこへ荒っぽい声が響いた。
「当然だろ!?骨がある奴とか沢山いるだろ?血が騒ぐっての!!」
そんな中、一人の青年が冷静に言い放った。
「月光神羅を攻め込むといっても楽勝な事ではない。奴等が戻ってくればの話だがな・・・。」
彼のいっている「奴等」はきっとセイガ達の事だろう。
「そういっていますが、貴方はただ単に強い敵と戦いたいだけでしょう?」
あざけ笑うようにまた別の男が言った。冷静な青年は、
「いや、そんなつもりは無い。ただ・・・奴に興味があるだけだ。―同じだからな。」
「ちぇ、つまんないにゃ〜・・・」
一番初めに言った女が面倒そうに言った。
「でも、その顔出したら良くないよ。隠した方がいいんじゃない?向こうの方も驚くよ?」
他の人も頷いたのだろう。青年はため息を吐き、「分かった、そうする。」と言った。
そこへ、部屋にノックがかかった。ネヴィアだ。
「ネヴィア様ですか、どうぞ入ってください。」
男に言われた通り、彼は入ってきた。そして彼等にこう告げた。
「セイガ達が戻ってきて次第、攻撃を開始しろ。奴等を始末しきらないと面倒だ。」
「了解。」
全員が頷いたのを確認し、次の話に進めた。
「さて、攻め込む領地だが、如何するのだ?」
そう言った瞬間に、待っていたと言わんばかりに荒っぽい声を上げた青年が楽しげに、
「ハイハイ!オレ、気功族のグレンドルって奴と戦うぜ!骨がありそうだし!!」
と言った。その隣に皮肉な笑みを浮かべた男が、
「では私は音程族に行きましょうか。絶望と絶叫で包み込みますよ。」
と、さらに恐ろしい笑みを浮かべ言った。
その横で、何処から取ってきたかいつの間にか仮面をつけた冷静な青年が、
「では、流星族にする。それ以外なら行くつもりは無い。―奴と戦いたいからな。」
と言った。しかし横では陽気な女と青年がうろたえていた。
「え?え?じゃ、時空族はどっちが行くべきなの?」
「・・・もしかしてジャンケンで決めるにゃ?」
と、騒いでいた。それを遮りネヴィアは、
「2人で行くのだ。あの部族には因縁があるのでな。」
と言った。どのような因縁かは知らないが、ネヴィアからの命令なら従うべきだった。
どちらにせよ興味を持っていたためだ。
「りょ〜かいにゃっ♪」
「じゃ、その恨みを僕等が晴らすとしようか。」
と言い、彼らはただ、セイガ達が戻ってくるのをいつかいつかと待っていた。

(220.213.112.77).. 2007年07月20日 23:39   No.191012
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…37回       
では、続きいってみよ〜。

「この辺境世界には、空間をも繋ぐ泉があると聞く。お前達の月光世界、そこへ戻る為には、その泉を見つける必要がある」
なるほど。だが、当てはあるのか?」
「しらみ潰しってわけにはいかねぇだろ?」
「ごもっともだ。だから、既に仲間達に調査させておいた。東西南北、4つの大陸をな」
「仲間達ですか。一体どんな人たちですか?」
「説明すると長くなる。合流できた順に説明するとしよう。今はまだバラバラだからな」
「分かったわ。で、その泉っていうのはどこにあるの?」
「泉は、おそらく中央区域だ。中央区域の更に中央、セントラルタワーのどこかに」
こうして、中央区域のセントラルタワーを目指すべく動き出したセイガ達一行。その動きを待っていたかのように、1つの影もまた中央区域へ走り出す。その影こそ、かねてからセイガ達を監視していたシャドウだった。

「さぁ、ここが中央区域だ。セントラルタワーはあの一際高い塔だ。分かりやすいだろう」
北区域の港から船で中央へとやってきたセイガ達は、早速セントラルタワーを目指す。
「それにしても、凄い機会ばかりね。音程族や時空族にだって、こんな機会は…」
「それは、辺境族の誕生に関係する。辺境族というのは、元々は月光世界の民によって生まれたものだ。あの分断災害、それこそが辺境族にとっての全ての始まりだ。流星、気功、時空、音程、これら4つの部族が統合されたようなレベルとなっている。中央には特にその特徴が表れている」
そして歩き続けること30分、セントラルタワーの門にさしかかった。と、そこへ明るい声が。
「おーい、チーフってば早いよぉ〜」
「ドリラーか、お前が最初だぞ」
やってきたのは、右腕にドリルマシンを装着した女の子である。外見はフィリー達と似ている。どうやらダイボウケンの仲間の1人らしい。
彼女はドリラー、主に地中探索などで活躍する者だ」
「よろしくね〜♪」
ドリラーと合流し、セントラルタワーに入ろうとするのだが…。
「開かないぞ。どうなってんだ?」
「多分、鍵か何かがかかってんじゃないか?」
「でも、そんな部分はどこにも…」
「これじゃ入れないわね…」
「お前達、そこをどけ」
ダイボウケンがセイガ達をドアと思われる場所から遠ざけると、ドリラーに言った。
「このドアを、お前自慢のドリルでぶち破れ」
「いいのか!?そんなことして!」
「元々このタワーは外から入れる者は殆どいないからな。門番も何もいないから、内部での警報以外で気付かれることはない。ちょっとした冒険というやつだ」
「ちょっとした冒険、いってみよ〜!」
当のドリラーもノリノリなのだから止めようがない。泉がある場所に直通していればいいが、直通していなければ少々面倒なことになるのは必至。できれば静かに入れる方法を探したかったが、そんな時間が自分たちにあるわけもない。ダイボウケンらに従う他ないのであった。

(221.184.252.213).. 2007年07月21日 04:42   No.191013
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…38回       
「いっくぞ〜、ドリルクラッシュ!!」
助走をつけて勢いよくドリルで壁に穴を開け始めるドリラー。その貫通力は凄まじく、数秒で大きな穴が開いた。
「さぁ、セントラルタワーを片っ端から探していくぞ。泉はもうすぐの筈だ」
「おっとぉ、そうはさせないぜ」
どこからか衝撃波が襲いかかり、セイガ達を吹き飛ばす。待ち伏せにしてはタイミングが良すぎる。
「何者だ!」
「このセントラルタワーに真っ向から侵入するとは、大した度胸を持つよそ者だな」
「確かに、お前らには時間がないよなぁ。いつ月光世界が侵略されるか心配だもんなぁ」
「だけど、ここから先へは行かせないよぉ〜。君の情報はいつも正確だねぇ、シャドウ」
「当然だ。忍びたる者、情報収集は必修分野でしかない。できて当たり前なことだ。それに、彼らは月光世界の4つの地域の王だと聞く」
「カオス達を倒した連中か。だがな、俺達をカオス達と同じレベルで考えてもらっちゃ困るぜ!」
「セイガよ、お前はこの鎧将軍エリータスが相手してくれよう」
「グレンドル、お前の相手はこの俺様、剛力将軍ギガンダスだァ!」
「時空族の王レオンよ、この隠密将軍シャドウが直々に始末してくれよう」
「シンフォニーちゃ〜ん、君はこの召還将軍テクノスによって地獄行きだよぉ〜」
それぞれが相手を指名し終えると、ギガンダスが真っ先に突っ込んだ。続いてエリータスとシャドウが走り、テクノスは魔本を開き始めた。
「…始まったか。ドリラー、俺達は先に行くぞ」
「え、でも、あの人達を助けないと…」
「考えてみろ。奴らは辺境世界随一の実力を持つといわれる4大将軍だぞ。あの合体ができるわけでもないのに、勝てるわけないだろう。それよりも、俺達で先に泉を探し、見つけたらセイガ達に知らせて月光世界へ飛ぶ方が合理的だ」
なるほどぉ、さすがチーフ。でも、クレーラー達は間に合うかなぁ?」
「あいつらだってのろまじゃない。おそらくセントラルタワーの外壁付近までは近づいている筈。あとは俺達の反応を頼りに合流してくるだろう」
「分かった。じゃ早く泉を見つけよう、チーフ」
そして、セイガVSエリータス、グレンドルVSギガンダス、レオンVSシャドウ、シンフォニーVSテクノスという組み合わせでの対決が始まった。ダイボウケン達が一足先に別な階層へ探索に出たのも知らずに…。

(221.184.252.213).. 2007年07月21日 05:19   No.191014
++ ウェリス (一旦書いてみる)…51回       
若干修正しました。白衣の男の正体はレオンの旧友の・・・まぁアレですよ。(ここはまだ秘密です;
ではドゾ〜w

「で・・・彼らはいつ戻ってくるのでしょうかね〜。」
呆れ半分に男が言った。周りの連中も遅いと言い、やはり呆れていた。
「仕方ないっしょ。辺境族に飛ばされて、どう帰るかも知らないわけだし。」
「でもよ〜、奴等当然だけどネヴィア様に負けたんだろ?ってことは、俺等余裕で勝てるんじゃねーのか?」
青年が言い、荒っぽい声が響いた。そこへ甘ったるい声が、
「じゃあ、戦うのやめるぅ?アンタが言ってるようじゃ骨どころか体の作りも無いって事じゃん。」
と、言い返した。が、荒っぽい声の男は、『るっせぇ』と言い返し、無言になった。
「―しかし辺境族を彷徨っている間、奴等は腕を上げている可能性もある。」
今までの会話を切り捨てるように、仮面の青年が言い放った。
その事に気づいた全員は、
「じゃ、トレーニングはしたほうがいいな!」
などと、口々に言った。
全員がトレーニングルームに向かおうとした時、連絡ブザーのような音が鳴り、ネヴィアの声が響いた。
「―・・・!今すぐこちらに来い。重要な話がある。」
突如入った雑音で名前は聞き取れなかったが、青年が分かったよで、ネヴィアのいる部屋に向かっていった。

「それで、話って?」
無愛想、と言っていいような声が、ネヴィアに尋ねた。
部屋は少し明るく、青年の姿が少し明らかになった。
―ローブのような白衣、黒いズボン。ズボンには何故かフラスコなどといった研究用具が付いている。
ネヴィアはうっすらと笑みを浮かべると、
「実はお前は、旧友なのデータで作られた者なのだよ。誰かとは言わなくても分かるだろうがな。」
「あ〜、奴の?ふーん。で、それがどうかしたのかい?」
下関係の無い話し方だが、別に動揺も無くネヴィアは話を続ける。
「きっと奴は翻弄するはずだ。それを私は狙っているのだよ。」
「ふ〜ん。そうだったんだ。」
少し興味があるのか、彼もうっすらと笑みを浮かべた。
「あの族は人手が足りないと少し大変なのでね。兵も十分に用意しておく。2人だから特に問題も無いだろう。」
少し不気味な笑い声をあげ、ネヴィアが言うと、彼は頷き、
「了解。僕ならきっと楽勝だから、問題ないさ。」
と、軽く言った。その自信にネヴィアは少し迷いや躊躇いを持ったが、別に大丈夫なのだろう、と思い頷いた。
「話は以上だ。さて、私は兵を生み出すのに専念しようか。」
ネヴィアはそう言い踵を返すと、機械を動かした。青年は
「では、僕もトレーニングルームに行くとしようかな。」
と言い、部屋を後ろに出て行った。

(220.213.102.192).. 2007年09月04日 00:00   No.191015
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…40回       
セイガとエリータスの戦いは、技量的には互角だったのだが、ダメージ的には一方的なものになっていた。エリータスの鎧が尋常ではなく頑丈で、セイガの攻撃では傷一つ付かなかったのだ。
「どうした、それで終わりか?流星族の王というのも、大したものではないな」
「何だと…!?貴様、そういうことはこの渾身の一撃を受けてから言え!降連流星弾(コウレンリュウセイダン)!!」
セイガの新たな必殺技が炸裂し、エリータスに直撃した。…が、その渾身の必殺技でさえ、エリータスには全くダメージがなかった。
「なんて防御力だ…。降連流星弾にさえも耐えるとは…」
「終わりか。最後は我が奥義でトドメをさしてやる。エリータス、十文字切りぃ!!」
愛用の刀によって繰り出された十文字切りが、セイガの体を深々と切り刻んだ。

一方、グレンドルとギガンダスの戦いは膠着状態にあった。拳と拳がぶつかり合い、その度に両者が地面に叩きつけられ、ぶつかり合った際と叩きつけられた際の2つの衝撃波が周辺の壁や床に大きな亀裂を生じさせた。両者一歩も譲らず、間合いをとっては相手の様子を伺っていた。
「流石だぜ、気功族の王の拳ってのは凄まじいなぁオイ。だが、俺様もコンクル・シオン様に選び抜かれた将軍だ。負けるわけにはいかねぇ!」
「俺だってな、元の世界に戻ってネヴィアとかいうヤツをブッ飛ばすまでは負けられねぇんだ!」
「…頃合いか。そろそろ決着をつけようか。お互い最高の一撃をぶつける!それだけだぜ!」
「受けて立つぜ、ギガンダス!!
「いくぞ、グランドスマッシュ!!」
「くらいやがれ、幻影疾風拳(ゲンエイシップウケン)!!」
2人の必殺の一撃が激突し、尋常ではない衝撃波が周辺の床を崩壊させた。
「…なかなか凄かったぜ、お前もよ。だが、勝ったのは、この俺だ!」
小島のように残った足場にはグレンドルが立っていた。ギガンダスは、彼の背後の穴に落ちて、動かなかった。

(221.184.252.213).. 2007年07月27日 08:12   No.191016
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…40回       
レオンとシャドウの戦い。両者共に素早いフットワークで動き回りながら技を放つといった展開だが、どうもレオンの技にキレがない。戦闘開始時にレオンにだけ聞こえるように語られたシャドウの言葉が頭から離れなかったからだ。
『拙者は、かつて時空族と音程族の親善外交官だった。だが、分断災害でこの世界に落ちて以来、月光世界に戻る方法が分からずにいるのだ』
「(どうして…どうして、あの人が、隠密親善外交官ムーンライトがシャドウなどと名乗り、コンクル・シオンに協力しているんだ…!?)」
かつて、分断災害が起きる前、レオンが物心つく前、シャドウはその能力と技能を活かし、隠密親善外交官ムーンライトとして行動していた。時空族と音程族の交流を盛んにする為に働いてきた。だが、分断災害の日に行方不明となり、生存は絶望的と言われていた彼が、こうしてここに、コンクル・シオンの部下として生存している。
「信じられまい。信じたくあるまい。だが、これが真実。そして、拙者は、お前達の本当の敵ではない。時が来れば分かる」
そう言って、シャドウは突然姿を消した。まるで試合放棄。突然の発言と試合放棄に、レオンはただ呆然としていた。

そして、シンフォニーとテクノス。シンフォニーは、テクノスによって大量召喚されたモンスターの群れに大苦戦。詠唱などできる筈もなく、大群に押されていた。
「まぁ、頑張ってね〜。どこまで耐えられるかは知らないけどさ。お茶でも飲んで待ってるよ、アハハハハ」
「ただモンスターに任せてるだけじゃない…!本当にあんなのが将軍なの!?」
なんだかバカにされた気分で、怒り混じりに愚痴をこぼすが、モンスターの大群を1人でどうにかできるわけでもなく、空しいだけであった。
ショベルナックル!」
突如、何者かが両者の間に割って入るようにモンスターを蹴散らした。その姿は、フィリーが言っていた稀身族であった。彼女ユニットに刻まれているマークは、ダイボウケンやドリラーにあったものと同じであった。つまり…
「貴女がシンフォニーさんですね。私はショベラー、ダイボウケンの仲間です」
「ちょっと、シンフォニーちゃんったらいつの間にアドベンチャーチームと接触してたわけ!?」
「チーフは彼女ら異世界からの来訪者に興味を持っていました。そして、自ら接触し、元の世界へ戻る為の手助けを約束したのです。シンフォニーさん、モンスターの相手は私に任せて、貴女は早くテクノスを!」
「分かったわ。でも、大丈夫?相手はあんな数なのに、たった1人で」
シンフォニーの疑問は、ショベラーの行動で解決された。ビークルモード(ショベルカー)に変形し、回転機構を活かして大群をなぎ払ったのだ。
「うっそ〜ん。…って、うわああ!?」
シンフォニーが無言で怒りの一撃を見舞うのに、大した時間はかからなかった…。

(221.184.252.213).. 2007年07月27日 07:18   No.191017
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…47回       

真昼でありながら、時空族は騒がしかった。
軍事基地ではサイレンが鳴り響いている。
「早く外へ出ろ!手に負えないほどの敵だ!」
軍長リグレットは、下、上級の兵に出撃令を出しているところだった。次々と基地から兵が現れ、敵がいる所へ向かっていた。
「この混み合いだと来るのも遅れるだろう。私は先に行っているぞ!」
副長のランスがリグレットに言うと、頭上にある緊急扉から出て、軽々と飛び降り、誰よりも先に向かっていった。
「皆!出来るだけ早くしろ!副長が1人で向かっている!」
そう言うと、一気に兵たちの足取りは速くなった。

「これでどうだっ!双衝牙斬(ソウショウガザン)!」
「行くよ〜!スピントルネード!」
アーヴィンの一撃とウェザーの一撃が魔物を撃退していた。
今のところは2人だけで魔物を倒している。しかし、敵の数が多すぎて、どうしても劣勢の状態になってしまう。
「くそっ!多すぎるんだよ!」
愛用の2本の剣で攻撃を受け流しつつ攻撃しているアーヴィンが何とか持ちこたえていた。
その時、何処かから1本の槍が飛んできて、敵に突き刺さった!
「あ〜っ!ランスじゃん!!」
彼は槍を抜き取り、敵を蹴り飛ばすと、2人の方を向いた。
「遅れを取ったな。軍長達はもうすぐ来るはずだ。」
と言い、再び敵に向き合った。
「我々でもやるぞ!―爆炎乱槍(バクエンランソウ)!」
炎をまとった槍が、敵を貫き、次々と撃退していった。
「よーっし!やるぜ!ウェザー頼む!」
「了解!―パワードエレキ!!」
シンフォニーが使える補助系術を、ウェザーが放つ。―実は彼女もサポート術が扱えるのだ。
「サンキュー!!―雷豪襲爪斬(ライゴウシュウソウザン)!!」
アーヴィンが高く飛び上がると、雷と斬撃を見舞ってやった。
敵は焦げ、次々と蒸発し、空に消える。そこへウェザーの術が来る!
「スカイ・ライトニングゥ!!」
彼女の必殺術は敵を引き裂き、血を見せることなく蒸発させた。

「そろそろヤバイかもな・・・」
あれから敵を倒してきたものの、一方的に守りが中心になっていた。
「くっ・・・、早く来てくれ!リグレット!!」
ランスが言った一言はすぐに叶った。
「―リボルバー・キャノン!!」
そう、沢山の兵を連れ、彼女が来たのだ!
リグレットの一撃はマシンガンのように放たれ、沢山の敵を蹴散らした。
「リグレット!遅かったな、何があった?」
少し心配したようにランスは言った。どうやら魔物のせいか、途中で木々が倒れていて行く手を塞いでいたそうだった。
彼女の連れてきた兵のお陰で、この劣勢の状況はすぐに抜けられそうだった。

(220.213.102.165).. 2007年07月31日 23:52   No.191018
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…48回       
「皆!かかれっ!!」
リグレットが突撃命令を兵に出すと、兵は「ウオォォーッ!」と声を張り上げ、次々と敵を蹴散らした。
「お〜。スゲェ!」
アーヴィンが下級でありながらも余裕と言う様に敵を倒す兵を見、歓喜の声を上げた。
「ぼーっとしてないでよっ!ホラ、行くよ!」
ウェザーがそう言うと、詠唱を始めた。
「中々の数だ。だがっ!―スパイラルショット!」
リグレットは器用に2丁の拳銃を構えると、一気に打った。
分からないほどのスピードの弾が、標的を外すことなく次々と敵を倒す。まさに百発百中だった。
「俺も負けられないっ!斬翔剣(ザンショウケン)!」
アーヴィンは一度下に斬ると、そのまま飛び上がって2度斬った。そしてそのまま次の技に繫げた。
「牙天降下斬(ガテンコウカザン)!!」
2本の剣を見事に扱い、下に突いた後、上下に存分に切り裂いた!
「ウェザー君、本気で行くよ〜!!―スラッシュウインド!」
首からぶら下がっている、てるてる坊主―ウェザー君が「キシシ・・・」と謎の笑い声を浮かべたと思ったら、真空刃が敵を深々と引き裂いた。
「私もやらせて貰おうかっ!―天空衝破槍(テンクウショウハソウ)!!」
ランスが天を裂くような勢いで槍を振るった。
そこへ、リグレットは滅多に見せない事をした!
「私の本気、見せてやるっ!」
そう言うと、ホルスダーからさらに2丁の拳銃を出し、計4丁を纏めて構えた。
その4丁の銃を器用に持ち、バランスを崩す事無く打ち放った。
「喰らえ!ストリング・マシンガン!!」
無数に放たれた弾は敵を貫き、当たって誘爆したりして、沢山の敵を倒した。
「強い・・・。」
アーヴィンもウェザーも、その力を目の当たりにして唖然としている。
滅多に見ることの出来ないものなのだから、驚くのも当然だろう。
「まだまだ!」
「我々だって負けていられん!」
兵たちも必死で敵と奮闘している。その時だった。なんとも珍しいと言われている魔物―ダオセルスが3体ほどいたのだ!
「あれはダオセルスか!?あの珍しいのが何故・・・!?」
「ちょ・・・なんで3体もいるの!?珍しいはずじゃ・・・!」
ランスもウェザーも驚いている。おそらく暴走状態で、数などは関係ないようだ。
「気をつけろ!奴はワープするぞ!」
リグレットがそう言うと、ダオセルスに向かっていった。
銃を一発撃つと、敵はワープして、リグレットの背後に回っていた。
「くっ!やはり・・・!」
リグレットは一撃を喰らう前に、前に転がり、一撃を喰らわずに済んだ。
「ん・・・?待てよ。―この方法なら!!」
アーヴィンは何か思い出したように言うと、ダオセルスに向かっていった。
「ちょっと!危ないって!」
ウェザーは言ったが、アーヴィンは足を止める様子は無かった。
「でやっ!!」
剣を振ったが、やはりワープして後ろに回った。しかし、それが狙いだったようだ。
「貰ったぁ!!」
アーヴィンは瞬間的に後ろを向くと、振り向きざまに敵を斬った。
そう、相手の最大の弱点はワープした瞬間の隙の大きさだった!
「そうか!そうすれば!!」
リグレットも彼を習い、ダオセルスをすぐに倒した。

(220.213.102.165).. 2007年08月01日 00:59   No.191019
++ ウェリス (オリカの才能がUP!)…49回       
「よ〜しっ!フレアショット!」
ウェザーが放った魔術で、次々と敵を焼き尽くした!
魔物の数も大分減ってきたようだ。残りはあと30体もいないだろう。
「ウェザーッ!」
ランスが彼女を呼ぶと、何かとすぐに分かったように詠唱を始めた。
「パワードフレア!」
すぐに詠唱を済ませ、ランスに力を加えた。
「これで終わらせる!業爆火炎槍(ゴウバクカエンソウ)!!」
槍の先から放たれた炎が一直線に進み、敵を焦がしていった!
これで魔物の数は零(ゼロ)になった。

「お疲れ〜。でも凄かったじゃん!アーヴィンっ!!」
ウェザーは少し疲れた彼の肩を叩いた。笑顔の彼女を見て、アーヴィンも笑顔で返した。
「あの戦い方、よく浮かんだものだ。頭の回転だけは速いんだな。」
リグレットが少し嫌味混じりで言った。
「だけはってなんだよ!だけはって!!」
彼は少し抵抗したが、溜め息を軽く吐くと、ひときしり笑った。それにつられて他の皆も笑う。
「では、戻るとしようか。体力の回復が必要だ。」
リグレットがそう言うと皆は頷き、領地に戻っていった。

(220.213.102.165).. 2007年08月01日 01:06   No.191020
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…41回       
セントラルタワーでの団体戦は、月光組の3連勝で終わった。しかし、セイガを倒したエリータスには、誰1人致命傷を与えられずにいた。
「くそっ、マジで固すぎだぜ!」
「あの鎧の防御力は一体…!?」
レンドルとレオンが立て続けに攻撃するが、セイガの時と同じく無傷のままエリータスは腕を組み刀を抜く。そして…
「貴様らも同じ運命を辿るのだ!エリータス、十文字切りぃ!!」
『ぐああああああ!!』
十文字切りの軌道を上手く変化させ、2人同時に攻撃した。幸いやや下がれていたからか、致命傷は負わずに済んだ。しかし、どう考えても状況は良くない。エリータスは鎧の防御力に加え、先程のような巧みな技術もある。これではやられるのを待つだけでしかない。
「セイガも致命傷だし…このままじゃ本当に…」
「…?エリータスの鎧が…?」
シンフォニーが回復能力を使ってセイガを治療している最中、ショベラーが何か呟いた。エリータスの鎧に何かあるとでもいうのか。
「どうしたの?エリータスに何か…?」
「彼の鎧からプレシャスの反応が出てるんです。もしかしたら、あの防御力はプレシャスによるものかもしれません」
「じゃあ、あの鎧が丸ごとプレシャス!?」
プレシャスとは、ダイボウケンらアドベンチャーチームが回収を一任している特殊物質。中には危険なものも少なくない為、様々な状況に対応できるアドベンチャーチームがプレシャス回収の任務(ミッション)を遂行中なのだ。
「あれがプレシャスなら、はぎ取ることも可能なのですが…。まだその人が来ないんです」
「でも、反応は近い。こっちから信号を送っておいたから、そろそろ来ると思うよ」
「その人が来れば、エリータスに勝てるのね?」
「彼の、クレーラーのワイヤーフックパンチがあれば、プレシャスを剥ぎ取ることができるんです」
そして、そのクレーラーはやってきた。エリータスの背後の壁を粉砕して。
「な、何事だ!?」
「どけえぇぇぇぇぇぇ!!」
青いクレーン車型ビークルが突っ込んできた。とっさにエリータス、グレンドル、レオンが回避すると、クレーン車型ビークルは変形した。変形メカニズムはごく単純だ。ビークル内部から両腕と両足付きの本体が現れて、ビークル自身が腕のように変形する。これだけだ。そして変形した者こそ、ショベラーが言っていたクレーラーである。
「よっ、助けに来たぜ。で、あの鎧武者みてぇのが敵だな?」
「紹介するよ。彼がクレーラー。分散行動では単独で潜入することも多いんだ」
「よろしくな。で、俺はどうすればいいんだ?」
「エリータスの鎧にプレシャスの反応が出ています。なので、貴方はワイヤーフックパンチで鎧を剥ぎ取っていただければ結構です」
なるほど、俺にしかできない芸当ってわけか。よぉし、早速ミッションスタートといくか!」

(221.184.252.213).. 2007年08月01日 05:55   No.191021
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…42回       
「なんだ、あのビークルか」
「へっ、あんたの鎧はこのクレーラーが頂くぜ」
「できるものなら、やってみろ!エリータス、十文字切りぃ!」
エリータスは決着をつける意味合いも込めて、3人まとめて斬りつけるように十文字切りを繰り出す。しかし、クレーラーがクレーンユニットで上手く受け流し、失敗に終わる。そして、受け流されたことによって生じた隙をクレーラーは逃さなかった。すかさずユニットをかまえ、
ワイヤーフックパンチ!」
クレーンのフック部分が飛んだ。ジェット噴射により結構速度は速い。そして立て直しきれていないエリータスの胸ぐらを掴むように鎧を捕らえ、一気にワイヤーを巻き戻した。すると、なんとどんな攻撃でもびくともしなかった鎧がアッサリと剥ぎ取られたではないか!そして鎧は小さくなりクレーラーの手に収まった。
「プレシャス回収完了!形勢逆転のようだな。じゃあ、後は頼むぜ」
特殊ケースに鎧を収納するとクレーラーは後退。鎧が無くなったことで無防備となったエリータスは、体中が機械で覆われていた。というより、彼は生体実験での失敗作として捨てられたサイボーグのような感じだった。
「見るな、俺の醜態を見るなアァァァァァ!!」
「悪いが…」
「ここでトドメをさしておきます」
レンドルとレオンの必殺技が炸裂し、エリータスは致命傷を負った。しかし、流石に機械化しているだけあってか、死んではいなかった。緊急用として備えられていたのか、使い捨てのワープ装置でエリータスは離脱した。
「鎧将軍エリータス…。彼に、どんな過去があったんだろうね」
「さぁな。しかし、あれじゃ完全にサイボーグじゃなくてロボットじゃねぇか?」
「私達の知り合いにも、彼のように人と同じ意思か魂を持ち、生きている機械生命体がいます。彼も、もしかしたら機械生命体かもしれませんね」
エリータスの離脱により、月光組はセントラルタワーを半分は攻略したものとなった。エリータス離脱後暫くしてセイガも復活し、一行は改めてダイボウケンを追うことにしたのだった。

(221.184.252.213).. 2007年08月01日 06:11   No.191022
++ ウェリス (一旦書いてみる)…50回       
今日出かけるので、とりあえず一部だけでも貼っておきますねw


「・・・あ゛ぁーーーっ!!!」
「んだよギルト!変な声出すな!」
彼が変声を出すのも仕方が無い。シンフォニーが帰ってくる様子が全く無いからだ。
音程族では、ギタギルト、アパショナー、エレジーが曲の打ち合わせなどをしていたのである。
―今はそれどころでは無いようだが・・・。
「じゃぁ・・・どうするんだい?打ち合わせ所じゃないから今日はお開きといこうか?」
エレジーがさっきから変声を出しているギルトに問いかける。
しかしその時、激しい揺れが彼等を襲った!
「ちょ・・・!何だよいきなり!」
「下手に動くな!・・・収まったみたいだな・・・。」
彼等は辺りを見回した。棚にあった物の幾つかが倒れていた。
ふと、エレジーが窓の外を見ると、何か異変が起きていることに気づいた。
「おや?あれは何かな・・・?」
3人で目を凝らして見てもよく分からない。近くにあった双眼鏡を使ってアパショナーは山の方を見た。
「魔物!?やべっ!数が半端じゃねぇぞ!」
ギタギルトは近くにあったケースから愛用のエレキギターを出し、紐に提げた。
「皆!急ぐぞ!」
ギタギルトは一目散に駆け出すと、その後を2人は追った。

「燃えろっ!フレアボム!」
アパショナーは手から魔力で出来た火炎球を呼び出すと、敵に向かって投げつけた。
爆音と共に魔物達が爆破に巻き込まれる。
「ノッてきたぜ〜!ロックミュージック!」
ギルトが弦を弾くと強い音波が広がり、敵を吹き飛ばした。
彼方此方に叩きつけられた魔物が呻き、崩れ落ちる。そんな中
「皆!それぞれパートに別れて!」
と言う声と共にクラシカル率いる演奏楽団がやってきた。
それぞれパートに別れ音出しをすると、それぞれ技を放っていった。
フルートメヌエット!」
クラリネット・トーン!」
楽団長のフルリナ、副楽団長のクラリスがパートメンバーと共に技を放つ!
フルートの眠りを誘う音が流れ崩れ落ちる魔物、クラリネットのはきはきした音波で吹き飛ぶ魔物が出てきた。
トランペット・マーチング!」
「サキソフォン・メロディー!」
トランペットのマーチ、サックスのピンとしたメロディーが敵を吹き飛ばす。
そんな中、クラシカルは楽員が戦っているのを見て悠然と立ち尽くしていた。
しかし―
先生っ!危ないです!!」
フルリナの声が響いたかと思うと、クラシカルを狙った数体の魔物が飛び掛っていた!
その時、クラシカルのとった行動とは―!!

(220.213.113.22).. 2007年08月08日 00:50   No.191023
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…43回       
セントラルタワー攻略も後半戦へ。
今回はカオス達が再び登場します。

「ダイボウケンやドリラー、いったいどこまで行ってるんだか…」
「反応によると、もうそろそろ追いつく筈です。我々も急がねば」
コンクル・シオン直属の将軍に勝利し、ダイボウケンと合流すべく移動を開始したセイガ達。各階層をくまなく探しているのか、追いつくのはそんなに大変ではなさそうだ。
「…待って!何か音が聞こえない?」
シンフォニーが皆を静止させた。どこからか音が聞こえるという。皆が耳をすませると…。
「…戦いの音だ!向こうで誰かが戦ってる!」
「きっと、ダイボウケンとドリラーだ!」
慌てて音が聞こえる部屋に駆け込むと、そこには可変三銃士とダイボウケン&ドリラーの姿があった。3対2では分が悪いか、ダイボウケン達が苦戦しているようである。
「またお前らか!?マジで!?」
「ここで割り込まれたらこっちが不利になるよ!」
「ちぃっ、だがここであったが百年目!ついでにお前達もまとめて地獄送りにしてやろうか!」
ビス、ガイアが慌ててセイガ達へも構えるが、カオスだけは壁の一角の赤い石を押した。すると、周囲の壁から衛生のような小型の浮遊物体が多数現れた。
「対多数侵入者迎撃システム作動!奴らをまとめて迎撃しろ!」
『……わああああああああああっ!!』
浮遊物体の下部からエネルギー弾が発射され、セイガ達全員を襲う。その攻撃はまさしく豪雨。しかし三銃士はそれを見事にくぐり、確実に一撃を見舞う。このままでは全滅も時間の問題だが…。
「ドリラー、ミキラー、轟轟武装(ごーごーぶそう)するぞ!」
『了解!』
ドリラーのドリルユニット、ミキラーのミキサーユニットが2人から離れ、両腕を切り離したダイボウケンの右腕と左腕に新しく装備される。これこそ、アドベンチャーチーム内で腕パーツの交換ができる轟轟武装である。
「ダイボウケンドリル&ミキサー、合体完了!」
そして左腕のミキサーが回転を始め…。
「ウォールシュート!」
ウォールシュートを浮遊物体の方へ向けて発射。浮遊物体の半数以上がコンクリートで固まり、機能停止。更に、復活されない内に機能停止した浮遊物体をドリルで砕いていったのだった。

(221.184.252.213).. 2007年08月08日 05:44   No.191024
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…44回       
「オイオイ、これはマズイんじゃないの?」
「どうする…?このまま戦う?コンクル・シオン様に連絡する為に逃げる?」
「どうするもこうするも、こんな大人数相手じゃ逃げるしかないだろ!」
「あぁ、コンクル・シオン様に怒られるかな…」
形勢不利を悟り、カオス達は再び光るリングを通って撤退。それと同時に、周囲に残っていた浮遊物体も全て撤収された。
「…行ったか。しかし参ったな、例の泉を探索していたら奴らと遭遇、侵入者ということで有無を言わさず戦闘だ。一時はどうなるかと思ったぞ」
「じゃあ、泉はまだ…」
「ごめんね、見つかってない」
「はー、振り出しかよ…」
一同が落胆する中、浮遊物体の攻撃による爆発で穴が開いたのか、壁の向こうから3体の稀身族が現れた。妙なことに、片足立ちの3人組。
「あら、変な音が聞こえると思ってきてみたら、防衛システムが作動してた音なのね」
「しかし、派手に周囲を破壊してくれたものでござるな。これでは原型を留めているのが不思議で仕方ないでござるよ」
「…おや、そこにいるあなた方は侵入者かの?」
「侵入者?まさか、カオス達の仲間じゃ…」
と言いかけて、セイガ達は思い出した。以前、フィリー達に対して同じ事を言って、レオンとシンフォニーが揉めたことがあった。幸い、当のフィリー達が割って入ったことで事なきを得たのだが。
「…失礼、貴方達は?」
「私達は流天使。聞いたことがないかしら?」
「我々を知っている、水色の翼の少年が話しているかと思っていたのでござるが」
「水色の翼…フィリーのこと?でも、どうして私達がフィリー達と行動してたって知ってるの?」
「フォフォフォ、ポルテンは忍者じゃからのう」
「忍者?…お前、まさか昔流星族にいた奴か?」
「…久しいでござるな、セイガ殿。もっとも、拙者は他人に言えぬ事情で流星族を抜けたのでござるがな。覚えているでござるか?」
「…あ、あぁ…。あれは確かに他の人には言えないな」
自己紹介が遅れたわね。私はイルテン。3人組のリーダーやってるわ」
「我はポルテン。先の話通り、元は流星族の者でござる。お見知り置きを」
「ワシはシルテンじゃ。実はの、ワシらもこのセントラルタワーの侵入者なのじゃよ」
『……はい?』
実は侵入者仲間だった…。そんな流天使トリオの突然の参入と事情説明に、セイガ達は唖然としていた。あまりにも突拍子すぎたから。

(221.184.252.213).. 2007年08月08日 06:04   No.191025
++ ウェリス (一旦書いてみる)…51回       
ちょっと今回はグロ注意です。
まぁ、軽いものですけど・・・。

生徒や仲間たちの声が響く。あっという間に彼は魔物に呑まれた。
しかし、その魔物の中から謎の斬撃音が聞こえてきた。
その中からでた光景は以外だった。
「あれ・・・先・・生?」
「・・・おい、これってありかよ・・・。」
彼は生きていた。怪我一つ無く。
しかし彼等が驚いたのはその事では無かった。彼の手にあるもの、それが驚く物だった。
いつもの愛用の指揮棒ではない。しかし形はそのままだった。
「ウソ・・・?あれって隠し剣?」
少し引き気味にフルリナが言った。確かにそれは剣だった。
指揮棒がそのまま剣だったのだ。それも血に濡れていた。
「私に隙がありすぎるとでも?甘いね〜。」
クラシカルは剣を振り、血を振り落とした。地面に赤い滲み込む。
全員は唖然とした。彼がこれほどの実力を持っているからである。
「さ、他の敵も片付けようか。」
クラシカルは走り出し、次々と敵を引き裂いた。1人で沢山の敵を倒した実力は伊達では無かった。
「お、俺達もやるぞ!」
少し焦ったようにギルトが言い、ギターを構え直す。
その間にも彼は敵を斬り、裂き、薙ぎ倒していた。
「燃え盛れ炎よ!全てを焼き尽くし、灰燼と化せ!―スターリィフレア!!」
アパショナーが術を放つと、空から流星のように火炎球が降り注いだ!
「全てを凍てつかせし氷牙(ヒョウガ)よ、我が前に連なれ!―レイニィフリーズ!」
アパショナーと対になるエレジーは、得意の氷の術を放った。
雨のように氷が降り注ぎ、敵に突き刺さる!
炎に焼かれ、針のように尖った氷に突き刺さった魔物は、血も出さず悲鳴も上げず粒子となって消えた。
「マジカルメロディー!」
楽隊が合奏を行うと、不思議な光がクラシカルに宿った。
「助かるよ〜。―ほら!邪魔邪魔!!」
力が上がった彼が、次々と敵を切り裂いていく!
「まだ終わってないよ!―旋空断斬(センクウダンザン)!!」
クラシカルがふわりと舞い上がると、螺旋状に回転しながら敵を斬った。
彼が剣を出して、敵の数は恐ろしいほどに減った。
「爆炎よ、嵐となって吹き荒れろ!―フレアストーム!!」
「出でよ氷柱!敵を引き裂け!―フリーズランス!!」
アパショナーの放った炎の竜巻と、エレジーの放った氷柱が敵を倒していった。
「これで最後っ!!」
最後の1対をギルトの音波が吹き飛ばし、戦いは終わった。

先生〜!怖いですよぉ〜!!」
生徒達がクラシカルの今までに無い姿を見て、口々に言う。
「そんなことばっかり言っていると、君達も斬るよ〜?」
軽い冗談で彼は言うと、生徒達は怯え、そして次第に笑みが毀れた。
「いや、でもあれはマジでビビったぜ!」
ギルトが言うと、エレジーも、アパショナーも頷いた。
彼はやれやれと呟くと、皆に帰ろうと告げた。
「じゃあ、僕達も帰ろうか。」
そうエレジーが言うと、全員帰るべき場に帰っていった。

(220.213.113.139).. 2007年08月11日 22:20   No.191026
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…45回       
今回、遂にコンクル・シオンとご対面です。
実は、流天使達とコンクル・シオンにはちょっとした関係が…。

「しかし、こんなところで、こんな形で再開するとは思わなかったでござるよ、セイガ殿」
「まったくだ。同じ侵入者仲間だなんて」
ひとまず流天使も加えた一行は、流天使達からもたらされた情報に従いセントラルタワーの頂上付近の階層を目指していた。彼らによると、どうやら泉はその階層にあるらしい。
「…ただ、その階層に辿り着く前に通らなきゃいけないエリアがあるのよ」
「そこに、何か問題でもあるの?」
「そこにはの、この辺境世界の主コンクル・シオンがいるのじゃよ」
『!?』
この世界の王がいる。おそらく三銃士を率いている者がいる。そして、泉に行く前に通過しなくてはならない門。その名はコンクル・シオン。
「…泉に行くまでのルートに、奴はいるんだな?」
「さよう。しかし、コンクル・シオンに何か用でもあるのでござるか?」
「……ほほう、コンクル・シオンと戦うというのか」
「お、おい、なんで俺達の考えが分かるんだよ」
レンドルの問いはもっともであったが、そこは流天使リーダーのイルテンにあっさりと答えられた。
「不思議でしょう?シルテンはね、私達の知恵袋であると同時に、心理学者でもあるの。その影響か、相手の心を読めるようになったのよ」
「説明ありがとう、イルテン。しかし、コンクル・シオンと戦うのは止めた方がいい。さもなくば、地獄を見るだろう。最悪死ぬかもしれん」
「そこまでの実力者なのか、コンクル・シオンっていうのは」
「ダイボウケン殿、お主は『魔導の水晶』というプレシャスを回収したでござろう?実は、あれこそがコンクル・シオンの力の源。あれを壊さぬ限り奴は恐るべき力を半永久的に解放できる」
「つまり、そのプレシャスを壊せば勝てる見込みはあるのですね?」
「ところが、そうもいかん。どうも奴は新しい水晶を手に入れたようでな、その水晶の力をも取り込んでおる。噂だと『剣』と呼ばれる者達の力も欲しているらしいが、そこはなんとも…」
「ひとまず、未知の部分が多すぎる。ここはコンクル・シオンと戦闘になったら、細心の注意を払って動こう」
「(…どうあっても戦うつもりか、セイガ殿)」
流天使3人から、特にシルテンから知っている限りの情報を聞き出し、コンクル・シオンとの戦い方を考えてみることにした一行。…もっとも、流天使達は外野になるようだが。

(221.184.252.213).. 2007年08月12日 05:03   No.191027
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…46回       
「…ここでござる、コンクル・シオンのいる『王の回廊』は」
あらかたルートを突き止めていたポルテンの案内で、一行は『王の回廊』に辿り着いた。泉へは、そこから更に行った先の部屋にあるとのこと。
「…いくぞ、覚悟はいいな?」
外野、要するに応援に回ることにした流天使3人を除く全員が頷くと、セイガがゆっくりとドアを開けた。
「……来たか、我が欲した『剣』達よ」
「お前がコンクル・シオンか!」
回廊の真っ只中で精神統一をしていた者が、ゆっくりとセイガ達の方を向いた。そこへ、やはりというか、三銃士も現れた。
「どうだ、この御方こそ!」
「辺境世界を創造し、統治する!」
「コンクル・シオン様!」
三銃士がそれぞれでセリフを言うと、コンクルは三銃士を少し下がらせた。どうやら話があるようだ。
「三銃士や四代将軍の妨害がありながら、よくぞここまで辿り着いた。その褒美に、お前達を無傷で行かせてもいい。流天使の面目でな」
「本当か?」
「ただし、それはそこのアドベンチャーチームだけの話。『剣』であるお前達4人は、我の力の源の1つになってもらう」
「なんだと!?」
セイガ達が構える。アドベンチャーチームは、コンクルの発言に動揺しているようだ。
「…ダイボウケンよ、お前の決断次第だ。4人の援護を選び、三銃士と戦うもよし。仲間や流天使を率いて月光世界へ行くもよしだ。それとも、どちらも選べぬか?」
決断は、ダイボウケンに委ねられた。セイガ達を助けるか、泉へ行くか。はたまたどちらでもないか。そして、出された答えは…
「あいにくだが、俺達はセイガ達を助けるように命じられているんでな。強引にでも、ここは全員で突破させてもらうぞ」
「…残念だ。できればお前達は無傷で行かせたかったのだがな。そう言うなら仕方ない…」
そしてコンクルが腕を交差させると、特殊な結界が発生した。その結界に、イルテンは心当たりがあった。
「…まさか、捕縛結界?どうやら本気らしいわ」
捕縛結界を回廊に合わせて展開することで、強度を増し、退路を完全に絶つのだ。イルテンの言うとおり、コンクルの本気を示していた。
「…ではゆくぞ、『剣』達よ!三銃士はアドベンチャーチームを可能な限り足止めしろ!」
そして、コンクル・シオンとの対決が始まった。

(221.184.252.213).. 2007年08月12日 05:21   No.191028
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…47回       
長くなるので今回は3分割で。
しかし、次回へと続きます。かなり長いです。

「幻影疾風拳!!」
まずグレンドルが仕掛ける。ダイヤモンド類をも砕く程に強力な拳でコンクルに襲いかかる。
「…全ては無に還る。フリージングレーザー!」
両腕を前に突き出すと、鋭い光線が連続で発射された。とっさに回避するグレンドルだが、セイガとの挟み撃ちに出ようとした瞬間には、既にコンクルの第2の攻撃が始まろうとしていた。
「我は辺境世界の神なり。グランドプロミネンス!」
コンクルが地面に手を叩きつけると、セイガ達の足下に浮かんだいくつもの水たまりのような部分から火柱が連鎖的に発生!2段攻撃には対応しきれなかったセイガとグレンドルは直撃、遠方で機会をうかがっていたレオンとシンフォニーは辛うじて避けられた。しかし、尚も攻撃は続く。
「全ては無意味なり。ネイルライトニング!」
突如コンクルが姿を消し、レオンとシンフォニーの間に瞬間移動した。そして一瞬のチャージの後、コンクルの周辺を薙ぎ払うように雷が発生。チャージの隙に上手く回避するも、攻撃はまだ止まらない。
「フレイムカノン!」
再びワープし、今度はシンフォニーの真後ろ、至近距離に出現。水晶をはめ込んだ杖を横にかざして炎の弾を連続で発射。これには対応しきれず、シンフォニーは多数の直撃弾を受けてしまう。
「このっ、降連流星弾!」
「幻影疾風拳!」
アース・メテオ!」
セイガ、グレンドル、レオンの3人の必殺技がコンクルに迫る。が、彼は余裕の表情を崩さない。
「言った筈だ、全ては無に還ると。愚か者の時を止めよ、プラズマイレイザー!!」
杖を縦にかざして、水晶に力を送り込む。すると、巨大な光球が3人を包み込んだ。3人は、全く動かない。
「…いったい、どうなってるの…?」
「むぅ、どうやらあの光球には、包み込んだ物体の時間を止めてしまう効果があるようじゃ…」
さすがは流天使の知恵袋、シンフォニーの手当てをするイルテンを見守るシルテンが、光球の特性を見抜く。そう、あの光球には恐るべき時間停止作用があるのだ。時空族顔負けである。
「…そう、時間すら感じぬままに息絶えよ。我が力の一部となる為にな…。……フンッ!!」
一際強い力を込めると、光球は凄まじい大爆発を起こした。そして、セイガ達3人は重傷を負っていた…。

(221.184.252.213).. 2007年08月12日 06:03   No.191029
++ クォーツ (オリカの才能がUP!)…49回       
ひとまず対コンクル・シオンのパート4を始めます。ここで、5人揃ったアドベンチャーチームが大活躍します。

「しっかりして!みんな!!」
突然の悲劇にシンフォニーは思わず叫んでいた。セイガ達3人のダメージはかなり大きい。戦闘続行不可能といわざるをえない程に。
「さて、いよいよ『剣』達を我の力にする時がきた!もう抗う必要はない…。ただ、我を受け入れるだけでよい。さすれば安寧の時が…」
「させるか!アドベンチャードライブ!」
コンクルがセイガ達を取り込もうとした瞬間、ダイボウケンが轟轟剣(ゴーゴーけん)で割って入ってきた。姿勢を崩されアドベンチャードライブの直撃を受けるが、大したダメージは受けていないようである。
「言った筈だ、全員で突破するとな」
「しかし、どうやって突破する?おそらくお前でも我に勝てぬ。この結界を破壊する術もない。脱出など不可能だ。お前達は我に倒される運命だ」
「それはどうかな?丁度アドベンチャーチーム5人全ての手が空いたところだ。これで状況は変わるかもしれないぞ?」
気付くと、ダイボウケンの後ろにはドリラー達4人が集結している。しかも三銃士を縛り上げて。
「お前達、今こそリミッターを解除する時だ!いくぞ、合体だ!」
『了解!!』
『超轟轟合体!!!』
5人が叫ぶと、ダイボウケンはメットと背中のパーツが外れ両腕が脚部に収納され、頭部以外が180度回転、ドリラーとショベラーがビークルモードで両腕としてドッキング、ミキラーとクレーラーは体を収納してミキサー及びアーム部分を展開してジョイントを露出、ダイボウケンの両足にドッキング。背中のジャイロユニット開店前の胸部に当たるフォーミュラパーツにドッキングし、クレーンのフック部分が新たなメットとして装着される。そして、1つになった戦士が力強く一歩踏み出し、両腕をぶつけて力の片鱗を放つ。
スーパーダイボウケン、合体完了!!ファーストギア・イン!』
アドベンチャーチームの5人が合体した姿、スーパーダイボウケン。恐るべき力を持つコンクルに第2ラウンドを仕掛けた。

(221.184.252.213).. 2007年08月25日 05:51   No.191030
++ クォーツ (一旦書いてみる)…50回       
パート5。コンクル戦はここで一区切りつきますが、まだ完全に終わるわけではないようです。

「ゆくぞ、コンクル・シオン!」
「くるがよい。蹴散らしてくれる!ネイルライトニング!」
すかさずコンクルが先制する。周囲を薙ぎ払うように駆け抜ける雷がスーパーダイボウケンを襲うが、スーパーダイボウケンはびくともしない。
「そんなものが効くか!スーパーダイボウケンという力を、甘く見るな!!」
力強くコンクルに近づき、ドリルショベルで猛烈なラッシュをかける。機動性はやや犠牲になっているものの、攻撃力と防御力は格段に上昇しているのだからコンクルもさすがにひるんだ。
「なんという威力…。かくなるうえは、貴様も」
「プラズマイレイザーなんてさせないっての。ウォールシュート!」
プラズマイレイザーの構えにミキラーが素早く反応。右足を上げて蹴りつけると同時にミキサーを展開してウォールシュートを放ち、コンクルの動きを見事に封じ込める。どうやら合体中も、両腕両足がそれぞれの判断で動けるらしい。その分タイミングなどには注意しなければならないが、息のあった者達だからこそ可能な芸当である。メインコントロールは胴体と足の大部分を形成するダイボウケンにある。
「お、おのれ…。ならば、この連撃をかわしてみせよ!」
コンクルはワープの連続でスーパーダイボウケンを翻弄する作戦に出た。しかし、この作戦が成功することはなかった。まず至近距離でフレイムカノンを叩き込もうとした時である。
「攻撃などやらせません!」
「うぉっ!?」
ワープ先をショベラーが見抜き、素早く杖を掴んでデタラメな方向に向ける。この隙を逃すことなく、右腕と両足で連続攻撃を叩き込む。耐えきれなくなり、コンクルが杖を手放すと、その杖を床に叩きつけ、トドメに水晶部分を粉々に踏みつぶした。コンクルの力の源、『魔導の水晶』の1つを壊したのである。もう片方も、戦闘前に粉砕している。急激に力を失うコンクル。更に結界も完全に消滅し、泉へと続く道が開かれた。
「よし、追っ手が来ない内に一気に突破する。セイガ達は動けるか?」
「シンフォニーはもう大丈夫だけど、他の3人は無理。私達で運ばないと」
「…まだ、まだ行かせるわけにはゆかぬ…っ!」
「もう勝負はついたぞ、コンクル・シオン!何故まだ俺達を通そうとしない?」
「…『剣』さえ取り込めば、我は再び強大な力を得る…のだ…!そうすれば…お前達など…!」
「イルテン、お前の魔法で王達を運べるか?」
「大丈夫」
「なら、王達は頼む。俺達は、道を作る!」

(221.184.252.213).. 2007年08月25日 06:12   No.191031
++ クォーツ (一旦書いてみる)…51回       
パート6。いよいよ月光世界へ戻る直前まで。

「いいか、これから俺達のビークル全てのエンジンを直結させる。失敗すれば吹っ飛ぶぞ!」
「望むところだぜ」
「さっさと終わらせようよ」
「みんなで力を合わせて」
「全力でいきましょう」
スーパーダイボウケンが構える。そして、ダイボウケンの5機、ドリラー達の4機、計9機のビークルのエンジンが揃ってうなりをあげる。そしてうっすらと胸部周辺が輝くと、脚部に合体しているミキサーとクレーンのタイヤが回り出した。
「な、何をする気だ!?」
「俺達は冒険者だ。閉ざされた道は、切り開かないと気が済まない性分なんでな!」
『ダブルアーム・クラッシュ!!』
「ぐぉおおおおおおおおおお!」
エンジンのパワーを集中させたショベルドリルの2連続攻撃で、コンクルごと後ろの強固な扉を粉砕。泉への道を文字通り切り開いた。
「さぁ、急ぐぞ!」
「ええ!」
スーパーダイボウケンと、魔力で形成した雲に他のメンバーを乗せたイルテンがダブルアーム・クラッシュによって開いた穴を通って泉を目指す。ところが、縛り上げられていた筈の三銃士がいない。彼らは、いつの間にか脱走したのである。

「そろそろ、泉に着く筈でござる」
「泉の周辺はガードも何も無い筈じゃ」
「泉は月光世界のどこかに繋がっている筈なんだけど、繋がっている先はよく分からないのよ」
「だが、足踏みしている暇はない。セイガ達を月光世界へ返す、唯一の方法なんだからな」
そして泉を発見し、飛び込もうとしたその時。
「行かせるわけにはいかないな!」
「コンクル・シオン様の仇!」
「ここで倒す!」
いつの間にか脱走していた三銃士が奇襲攻撃を仕掛けてきたのである。スーパーダイボウケンは分離して散開し、三銃士の迎撃にあたる。
泉を目の前にしたところで、唐突に辺境世界でのファイナルラウンドが幕を開けた。

(221.184.252.213).. 2007年08月25日 06:29   No.191032
++ ウェリス (一旦書いてみる)…54回       
更新遅れてごめんなさい;
ラストですが、少し書かなければならない部分があるので、私がその部分を書いて2章が終了と言うことでお願いしますね。
あとそのためにシャハルは生きているようにして下さい。(戦うのは部下達でOKですw)
生きている理由はその部分を読めば分かりますよ〜。


「さて、どうしようか。」
1戦を終えたそれぞれの部族は、3日後に流星族にて会議を行う事になった。
王達が帰ってこない件、魔物の襲撃事件が続いている件について話し合っている。
「どうしようかと言ってもな・・・。」
不安な声を漏らす中、リンセイは笑い
「所詮お前達はセイガ達がいないと何も出来ないへなちょこか。笑わせる。」
と、皮肉に言った。ガンセイやアパショナーはそんな事は言っていないと言ったが、彼は聞く耳も持ちそうに無かった。
「ちっ。偉そうによ。・・・さーてよ、話を戻そうぜ。話の内容はセイガ達と魔物だろ〜?」
「今さり気に舌打ちしなかった?」
「滅相もない!俺様がそんな事するかよ〜!」
またも話がぞれそうになり、ゼロがそれを止めた。
「ったくよ〜。・・・ってなんだ!?」
アーヴィンがやれやれと言った所に、少し強めの揺れが地上を襲った。
長く続くのかと思われたがすぐに収まり、近くにあったコップが倒れ、水が零れただけで済んだ。
「あ!あれは何!?」
何かに気づいたウェザーが、窓の先を指差す。全員が一斉に窓の外を覗く。
全員が息を呑んだ。その先に見える物―暗黒守護塔から大量の暗黒雲が流れ出し、一気に空を覆いつくした。
「え・・・マジかよ・・・。」
全員が唖然とした中、やっとの事のようにセルネが口を開く。
静まり返った部屋の中。もはや気配1つ無い。そんな中1つの陰が動き出し、リグレットの所へ駆け寄った。
会議室の前に立っていた兵である。息を切らして来た彼は、ゆっくり深呼吸をし、口を開いた。
「恐ろしい数の魔物が、こちらに向かってきています!」
その台詞に全員が動き出し、その場所を兵に聞いて、一目散に走り出した。

全員は魔物のいる場所に着いた。数える事も不可能なほどの数である。
「多すぎる気もするけど、ここから先へ通すわけには行かないもんね!」
セイナは懐から水晶を取り出し、詠唱を始めた。
他も習うように剣を抜き、拳を構え、譜を捲るなど、攻撃の準備をした。
「一気に行くぞ!!」
アーヴィンがそう言った瞬間前衛組は走り出し、魔物に肉薄し、切り裂いた。
「・・・飛翔刃連斬(ヒショウジンレンザン)!」
「紅蓮熱焦波(グレンネッショウハ)!」
「猛虎連刀脚(モウコレントウキャク)・・・」
リンセイの剣が、アパショナーの本から出た炎の波が、ゼロの連続蹴りが見事に敵を捉える。
ここ最近魔物との戦いの日々が続いているせいか、腕にも磨きがかかった様だ。次々と敵を倒していく。
「聖なる力よ、我にその力を見せよ。今こそ敵に裁きを!―セイグリットライト!」
「大いなる水よ!その力、渦を巻きて敵を飲み込め!―ウェーブストライク!」
セイナとエレジーが放った術が、次々と敵を巻き込み、薙ぎ倒す!
「驟雨連槍牙(シュウレンソウガ)!」
「舞乱斬風剣(ブランザンプウケン)!」
ランス、クラシカルの技も炸裂し、圧倒的にこちらが有利になる。
「引き裂けっ!爪襲斬衝(ソウシュウザンショウ)!!」
「逃がさない!聖雨乱弾(セイウランダン)!」
レイヴの自慢の爪が敵を捉え、次々と引き裂いていく。その横をリグレットが弾を乱射し、次々と確実に敵を倒していく!
この戦いは前以上に早く終わりそうだ。

(220.213.105.43).. 2007年09月07日 18:51   No.191033
++ ウェリス (一旦書いてみる)…53回       

大分戦い続けただろう。敵の数も減ってきた。
「一気にラストスパートまで行こうじゃないか!砲爆龍牙弾(ホウバクリュウガダン)!」
「俺様の力!その目に焼き付けな〜!魔爪豪掌斬(マソウゴウショウザン)!!」
ギンの大技と、スターマンの剣、武術が敵を一掃した。
「貫け!光龍(コウリュウ)!」
セイハの放った矢が光の龍の形を描き、一直線に進む!
それは敵に当たるやその敵を貫き、次々と敵に突き刺さった。
「おい、セイラン!そのブーメランをこっちに投げろ!」
ガンセイがそう言うと、セイランは思いっきり彼に向かってブーメランを投げた。
ふわりと風に舞いながら、ブーメランが迫る!
「いけぇ!ガンセイ!!」
「これぞ連携技―爆岩裂風斬(バクガンレップウザン)!!」
ブーメランに向かって舞い上がったガンセイが、力一杯にブーメランを蹴ると、一気に回転を増し、物凄いスピードで敵を切り裂いた!
「どーだ!これで終わりだぜ!!」
着地したガンセイが、セイランと共にガッツポーズをする。

「今戦ってみると、ホントに俺等の腕って上がったよな〜。」
沈む夕日を見つめ、レイヴがしみじみと言う。
「セイガ達が戻ってこないのも心配だけど・・・この領地を守ることなら出来そうね。」
ホルスダーに入っている拳銃に触れながら、リグレットが言う。
確かにまだ彼等は帰ってきてはいないが、守ることだけは出来そうであった。
「もしかしたらセイガとも互角に戦えたりしてな〜♪」
楽しそうにスターマンは言ったが、セイナに軽く殴られた。
「そんなこと言っている場合じゃないよ。セイガ達が無事に帰ってくるか祈っておこう。」
セイナが皆に言うと全員は頷き、再び起こるのではないかと思われる戦いのために、体を休めに行った。

さらに書き加えとなりますが、自分がラストまで書く部分が終わったので、後はどれだけ書いてもOKですよw
簡単に言うと・・・ラストまでのネタが全く無いんです;(苦笑

(220.213.97.144).. 2007年09月06日 00:16   No.191034
++ クォーツ (一旦書いてみる)…53回       
これでラスト、遂に辺境世界から脱出です。
あと、三銃士は傷ついたままということで戦闘シーンは結構短いです(苦笑

「ったく、しつこいんだよお前ら!」
「泉の防衛こそが俺達の最重要任務!退くわけにはいかねぇんだ!」
いつの間にか脱走した三銃士と戦闘に入るアドベンチャーチーム…だったが、勝負は割と一方的だった。3VS5では、どう考えてもアドベンチャーチームの方が有利なのである。
「数で負けてたってなぁ、僕達は戦いには負けないんだー!」
「負けないのは、こっちの方だよ」
「さっさと通りたいんだから!」
ビスが広範囲の射撃でアドベンチャーチームを牽制しようとするが、ミキラーがウォールシュートでそれを封じる。続けざまにドリラーがドリルクラッシュでアビスにとどめを刺す。
「コンクル・シオン様の仇、ここで討つ!!」
機動性を活かしてドリラーとミキラーの間を割って入るように攻撃するガイア。ウォールシュートもなかなか当たらない。ところが。
「ならこっちは、セイガ達の敵討ちってか?」
「勝手に殺さないでください。まだ生きてます」
クレーラーのワイヤーフックパンチが見事にガイアの不意をつき、休む間もなくショベラーのショベルナックルがガイアをノックアウト。
そしてダイボウケンは、カオスと互角以上に渡り合っていた。以前はガンポッドの軌道を読めなかったが、さすがに2度目は予測して破壊することも容易になった。被弾しつつも、確実にガンポッドを破壊し、カオス自身のビームを避けつつ接近していく。
「泉には触れさせない!コンクル・シオン様のためにも!だからぶっとべ!!」
「残念だったな。もうお前の仲間達は敗れた。残っているのはお前だけなんだよ。」
冷静な口調でそう言うと、アドベンチャードライブでフィニッシュ。三銃士は全面敗北した。

「いいのでござるか?奴らを放って置いて」
「重傷を負っている。すぐには追いかけられまい」
「しかし、後ほど厄介な存在になるやもしれませんぞ?拘束ぐらいは…」
「さっき縛り上げた筈なのに抜け出してる連中だぜ?拘束したところで抜け出されるのがオチだ」
「それよりだったら、泉に結界でも張っておければいいんだが…」
「張れそうな人達はこの有様だもんね…」
かくして、三銃士を短時間で蹴散らしたアドベンチャーチームは流天使とセイガ達を連れて泉へと飛び込んだ。そして転移した先は…。
「…これは、今までにない冒険になりそうだな」
ダイボウケンが言う「冒険」とは、挑むことに危険やリスクがある行為や状況のことを指す。彼らが転移した先は、魔物の大群がうごめいている現場であった。中天島の東端に位置する場所。
「今までになく厳しいぞ、覚悟はいいな?」
『了解!』
「あと、怪我人の救護も必要ね」
一行は流星族の領域を目指す。月光世界での大規模な戦いの幕開けが近づいたのであった。

月光神羅万象第2章 ー完ー

(221.184.252.213).. 2007年09月06日 05:27   No.191035
++ ウェリス (一旦書いてみる)…54回       
2章お疲れ様です!
殆ど任せたりして・・・本当に申し訳ないです;
こうして文章を書いていただいて、感謝しています!
3.4章も頑張りましょう!!
さて、おまけ・・・って事になるかは分かりませんけどネヴィアとシャハルの部分も貼っておきますw


「やっと奴等の帰還か。ふっ、これから面白いことが始まるな・・・。」
暗黒守護塔の最上階。セイガ達の戦ったところにネヴィアはいた。
彼は次第に笑みを浮かべ、静かに笑い出した。
すると近くにあったモニターが触れてもいないのに作動した。
「何事だ?」
突然作動したモニターを睨み、彼は言った。画面は写りはしなかったが、声が聞こえてきた。
「我の名はシャハル。新月族の王なる者。お前の事は聞いているぞ。月光神羅の世界を闇で埋め尽くす事をな。しかしお前だけでは手が足りないだろう?」
同じ闇部族だと聞き覚えのある新月族の王―シャハル自らが手を貸すと言ったところで彼の笑みは残虐になった。
「ほう?貴様も同じ考えを持っているというのか?」
「いかにも。でないと手を貸すことはなかろう。」
そう彼の返答を聞くと、ネヴィアは頷き、
「よかろう。ではこれより我々鬼闇族と貴様たち新月族を同盟部族とし、名を新たに闇月族といたそう。」
と言った。その後モニターの電源が自然と消えた。
闇に包まれた空間には、ただネヴィアの笑い声だけが響き渡った―

3章からは闇月族でGO!なので、またデータ類を書いておきますねww

(220.213.115.239).. 2007年09月06日 23:05   No.191036
++ クォーツ (一旦書いてみる)…59回       
なんか怪奇現象(?)が起きているようなので上げる意味合いも込めて。

そういえばネヴィアとか殆ど出番無い(苦笑
しかしシャハル、いきなり連合を申し込んでくるとはただ者じゃないですねきっと。
新月族のキャラがシャハルぐらいなので、連合にした方が扱いやすいんでしょうね(ぁ

(221.184.252.213).. 2007年10月22日 04:20   No.191037

■--月光・神羅万象の世界観
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…90回          

小説の世界観やキャラクターなどは小説と分けて投稿しようと思います。
月光・神羅万象とは、神羅万象の世界から見た月の世界、と言うわけで月光・神羅万象の世界にしました。
まずは世界観から書こうと思います。
(220.213.113.4).. 2007年01月10日 22:52   No.173001

++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…91回       
〜流星族〜
空や星の力を扱うことが出来る。
夜になるとかなりの数の星が出てくるため、よるでも明るかったりすることがある。
流星族の住人にはエルフ耳(尖った耳)を持っている者がいて、魔術も使うことは出来るが、その数はあまり多くはない。
住人の仕事の中には星占いなどが多い。

流星族は、地上界で言う聖龍族みたいなもんです。
主人公は流星族のキャラですが、後日書こうと思います。
でわw

(220.213.113.4).. 2007年01月10日 22:57   No.173002
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…92回       
気功族〜
「気」というエネルギーを中心に戦ういわば格闘系族。
体内に秘められた能力は強力で、なみの人間ではないほどの力、体力を持っている。
気功族の中には、「気功治癒」という回復系の術を使えるものもいる。

多分分かると思いますが、地上界で言う獣牙族です。
そこで早速なんですが、クォーツさんにこの気功族の王となるキャラを考えてもらいたいんです!!
自分が書くと、いかにもテイルズ混じりのネタキャラになってしまうんで;(実はテイルズ好き
では、お願いしますね〜☆

(220.213.113.4).. 2007年01月10日 23:04   No.173003
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…93回       
〜時空族〜
時間や空間を操ることが出来る部族。
時間の止め、送り戻しなどはかなりの力を持っている者ぐらいしか出来ないが、異空間から物体を呼び出したり、1つの物の時間の送り戻しは、一般住人の大得意とするものである。
此処の部族は、時空だけでは無力なので、剣や銃などを持ち、時空と共に使っている。

これは地上の飛天族です。
さっきのレスで書き忘れがありました。
クォーツさん、気功族の王のパワーは11でお願いします。
いきなりパワーが高すぎると、バランスが崩れるので。。。
それでわ♪

(220.213.106.209).. 2007年01月10日 23:11   No.173004
++ クォーツ (オリカ初心者)…3回       
マジッスか、マジッスか、マジッスかーーー!!
というわけで、早速投下いたしますでーす。
気功族は獣牙族みたいな感じなんですね、なるほど了解でーす。

名前:気功王グレンドル
パワー:11
種族:気功族
必殺技:ストレイト・ブレイカー
データ:気功族の中でも特に格闘術に秀でた王。柔術も修得しており、様々な状況下で戦える実力派。気のエネルギーを拳に集中させることで、分厚い装甲でも貫くことができる。
統治:気功族
レンドル
「先手必勝、殺られる前に殺れってな!」
ウエハーマン
「グレンドルは毎日滝修行をしているらしいゾ!」

とまぁ、こんな感じで。
今回は私には珍しく元ネタは特にないです。名前もなんとなく考えついただけのものですが、そこら辺はカンベンしてくださいな。
ちなみに、以後もちょこちょこ投下していきますけど、中には交星族の新ネタor残留ネタが混ざる可能性もありますのでご要望などがあれば言ってください。では。

(60.38.52.86).. 2007年01月11日 14:52   No.173005
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…94回       
おぉっ!!早速有難う御座います!
カッコイイキャラですね。
是非是非使わせてもらいます!!

〜音程族〜
時間が朝であろうと夜であろうと、1日中音楽で溢れている活気のある部族。
どの家も防音対策をしていて、1日中家でギターをかき鳴らす人も少なくない。
当然、ホールなどでのライブは1日に何回もあり、有名なグループ、シンガーソングライターがいてもおかしくないぐらいだとか。

分かっていると思いますが、地上界で言う鎧羅族です。
上の3つの部族は結構早く浮かんできたのですが、これは結構時間がかかっていました。。。
でも、これなら自分が吹奏楽部なのでキャラもすぐ浮かぶのではないか?と思い、音程族にしました。
次からはキャラ投稿です。
それでわww

(220.213.99.93).. 2007年01月14日 15:59   No.173006
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…95回       
主人公キャラから投稿します!

名前:流星王セイガ
パワー:11
種族:流星族
必殺技:流星光剣(りゅうせいこうけん)
統治:流星族
データ:流星族の王。滅多にないエルフ耳の持ち主で、魔術も使うことができる。剣術・魔術・星使いと3つの力を使い、世界の統合を望む!
セイガ
「俺はあきらめない!絶対に世界を統合するんだ!!」
月光ウェハ
セイガの武器、流星剣は王の力に反応する魔剣らしいゾ!

台詞などから、この世界はボスによって4つに分かれ、その世界を統合(1つに)するというわけです。
クォーツさんのお陰で、結構順調に進んでいますよ☆
多分、第2章に出てくる敵将軍キャラも浮かびにくいと思うので、またお手伝いなどをして貰ってしまうと思いますが、よろしいでしょうか?

(220.213.104.123).. 2007年01月14日 17:32   No.173007
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…96回       
どんどん投稿していかないと、また放置しちゃいそうなので、早め早めに・・・

名前:時空王レオン
パワー:11
種族:時空族
必殺技:タイム・ストップ
統治:時空族
データ:時空族の王。少しキザな部分もあるが、その力は本物。全ての時間、空間を自在に使いこなし、腰ベルトについている剣で戦う。
レオン
「私に止められぬ物はありません!」
月光ウェハ
レオンは剣術の修行を昔からしていたため、セイガに負けないほど強いらしいゾ!

レオンはメガネキャラです。
このキャラは世界を統合させた後の話(考えているんですよ!)で結構活躍しますよ♪

(220.213.104.123).. 2007年01月14日 17:43   No.173008
++ クォーツ (オリカ修行にGO!)…5回       
お手伝いならもれなくカモ〜ン(何
最近は暇を持て余してる状態ですし(学生だろオマエ)お手伝い依頼は歓迎いたしますよ。
別に頼まれたわけでもないですが、ここで私が考えた新種族を投稿しましょう。一応敵と味方の両方が存在するということで一つお願いしますー

〜辺境族〜
月光世界が分断された際に起きた自然災害から逃れた者の一部によって結成された部族で、統治領域は分断された月光世界の地下に存在する辺境の世界。
流星、気功、時空、音程の4部族の特性が幅広く取り入れられている為、総合技術は全部族中トップクラス。
また統治領域の生態系が特殊なことから、基本的に胴体や手が丸い者も多くいるらしい。

一応第3章版オリジナル種族としての設定でしたが、以上の設定で機能することに。
最後の文章からも推測できるように、民の大半がカー○ィ型の体型なわけですよ。
では、次から辺境族の民を投下(王のアイデアはまだ出てないので…)

追記:当初は宇宙族で投下してましたけど、名前的にマズイ部分もあったので辺境族とした上で一部追記してます。

(60.38.52.86).. 2007年01月15日 18:15   No.173009
++ クォーツ (オリカ修行にGO!)…5回       
では、辺境族の民を投下です。

名前:ランストル
パワー:8
種族:辺境族
必殺技:シューティング・ランサー
データ:誇り高き騎士道精神の持ち主。幼い頃に分断災害に巻き込まれ言葉を話せなくなったが、リアクションなどで感情を表現する。
パートナー:フィリー
ランストル
「………」
月光ウエハー
「月光世界が4つに分断された際に起きた自然災害は『分断災害』と呼ばれているらしいゾ!」

名前:フィリー
パワー:6
種族:辺境族
必殺技:スター・メテオ
データ:天使のような翼を持つ魔法使いで、ランストルの同級生。ランストルと心がリンクしており、彼の意思を代弁することができる。
パートナー:ランストル
フィリー
「ほら、僕らの新しい友達だよランストル」
月光ウエハー
「フィリーは常にランストルと一緒に行動するらしいゾ!」


今回も元ネタはなし。
王のアイデアもその内出すつもりです。
今回からは暫く交星族投下を仮終了して辺境族中心でいくつもりです。次回は多分辺境族の王の登場かと。

(60.38.52.86).. 2007年01月15日 18:16   No.173010
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…97回       
新部族までですか!?いやぁ〜有難う御座います!!
是非是非使わせていただきます!!
ではいつもどうりに・・・

名前:音程王シンフォニー
パワー:11
種族:音程族
必殺技:楽章名・「奏」(がくしょうめい・かなで)
統治:音程族
データ:音程族の王。部族一の美声を持っているが、楽器などを使った攻撃も得意とするいわばオールマイティー。しかし、戦いは好まない。
シンフォニー
「戦いは犠牲を生む・・・だから嫌いなのよ。」
月光ウェハ
シンフォニーは過去にあった戦乱で父を失ったショックで、戦いが嫌いになったらしいゾ・・・

シンフォニーは「交響曲」という意味です。
交響曲は合奏でもあるので、戦いの時は団体攻撃という作戦になります。
その他のおまけキャラは後に投稿します。
でわ!!

(220.213.107.158).. 2007年01月16日 23:36   No.173011
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…98回       
おまけキャラを2体投稿します。

一人目〜♪
名前占い師セイナ
パワー:5
種族:流星族
必殺技:流星聖占(りゅうせいせいせん)
幼馴染(パートナー):流星王セイガ
データ:流星族の中でも五本指に入るほど有名な占い師。セイガとは幼馴染の関係で、よく占ってやったりしてくれる。しかし、興味があるのは占いだけで、戦闘なんてやりたくないとよく言う。
セイナ
「この流星石で貴方を占ってあげましょう・・・。」
月光ウェハ
セイナはわがままな部分があるので、セイガもよく引っ張られたりしてしまうらしいゾ!

二人目〜♪
名前:聖剣士スターマン
パワー:9
種族:流星族
必殺技:スタービームクラッシュ
ライバル:×
データ:流星族で子どもに有名な正義のヒーロー。目立ちたがり屋だが、腕は立つ。仮面をつけていて顔は分からないが、結構イケメンだという噂も・・・。
スターマン
「ジャジャーン!正義のヒーロースターマン参上!!」
月光ウェハ
正義のヒーローとして活躍しているスターマンだが、結構疲れていて困っているらしいゾ!

セイナはサイガとミヤビみたいな関係がほしいな〜と思い、作ったキャラです。
スターマンは気分で作りましたが、最終的には自分でも笑えるほどのキャラになりました!(笑
でわw

(220.213.102.136).. 2007年01月16日 23:51   No.173012
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…184回       
( ・w・)ノ ちょっと通りますよ(ぇ
辺境族とは別に月の世界と言うことでの敵専用部族を考えてみる。

〜新月族〜
月光世界の裏側に位置する,光の当たらない暗闇に浮遊城を構え住み着いている闇の部族。
光に当たると極端に弱るためか,外に出て侵略する時には黒く長めで,フードが深く被れるようなローブを身に纏って行動する。
特にそのローブをつけなくても良い自分たちの領域での力は絶大で,中にはその闇と一体化して相手を攻撃出来る者もいる程。

神羅オリジナルで言う皇魔族みたいな感じですかね。
姿形としてはダークエルフ・・・褐色の肌に銀髪緑目,尖った耳を持っているようなものです。
王族になれば翼や尾を持って皇魔族みたいな姿になる者も現れてきます。
目は黒くなりませんけどね(ぁ
ちなみにウェハーマンに喋らせましたが,月も自転していると思うので地上に城を構えてると月光世界・・・つまり光のある時間帯にまで城が動いてしまうので浮遊城にして常に新月部分にいられるようにして居るんです。
ではキャラテンプレ投下〜!

名前:新月王シャハル
パワー:11
種族:新月族
必殺技:闇黒と狂気の交響曲(ダークネスシンフォニー)
データ:月光世界の裏側の闇に住まう新月族の王。美しい容貌とは裏腹に残虐で,いつかは月光世界すら滅ぼして全てを闇で覆い隠そうと考える程。
ライバル(敵対):月光世界

シャハル
「全てを黒く染めてあげよう・・・そして,我ら新月族の統治下で平和を実現するのだ・・・!」
月光ウェ:新月族は浮遊城を構える事で自転による月光世界への流出を防いでいるらしいゾ!

(219.169.212.198).. 2007年01月20日 20:28   No.173014
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…99回       
コウガさんもアイディア有難う御座います!!
こちらでも敵族の製作はしていましたが、物凄くキャラが少ないので、新月族と合わせて使わせていただきますがよろしいでしょうか??

それではいつもどーりに

名前:闘気戦士(とうきし)ギン
パワー:8
種族:気功
必殺技:気功破(きこうは)
データ:気功族の実力者とし、次の王としても期待されている戦士。手・足両方を使った戦いを得意とし、どんな状況でも切り抜けられる力を持っている。
ライバル:×
ギン
「よし片付いた!さぁ、次にいくゼ!!」
月光ウェハ
4つの部族は戦争はせず、元から「平和条約」が結ばれているゾ!!

↑のつぶやきは、語尾が「〜ゾ!」になっていますが、1弾はだいたい土地や戦い方などをウェハを使って説明しています。
詳しくは1章のノーマルカードを見てみるとよいでしょう。
でわ次

名前:拘束者(こうそくしゃ)ゼロ
パワー:6
種族:気功族
必殺技:気竜脚(きりゅうきゃく)
データ:気功族が領域とする海に流れ付き、そこをグレンドルに助けられたことから彼に忠誠を誓っている男。手には手錠がかけられているが、過去に起こした事件の罪の見せしめとして、外さないらしい。
信頼者(パートナー):気功王グレンドル
ゼロ
「この戒めと助けられた恩は必ず忘れません!」
月光ウェハ
ゼロは手錠をかけているが、それを取った時の力はグレンドルより上らしいゾ!

(220.213.108.28).. 2007年01月21日 23:17   No.173015
++ ★スター☆ (オリカ王子)…100回       
次は時空族のおまけでも・・・

名前:時空剣士アーヴィン
パワー:8
種族:時空族
必殺技:タイム・スパイラル
データ:時空族の実力者として、周りから信頼されている。レオンより時空の使いは劣るが、時空族の中ではトップ3に入るぐらい。じつは熱血漢であるという噂も・・・?
ライバル:×
アーヴィン
「へへん!どんなもんだ、俺の力っ!!」
月光ウェハ
アーヴィンは二刀流使いだが、我流のためアドバイスを受けても自分の道を進んでいるらしいゾ!

名前:空予報者(そらよほうしゃ)ウェザー
パワー:5
種族:時空族
必殺技:スカイ・ライトニング
データ:時空族の天気予報を担当する女性。まだまだ本番中に噛む事もあるお茶目な性格だが、毎日予想している天気は大当たりと評判でもある。
お供(パートナー):ウェザー君(ただの照る照る坊主。。。)
ウェザー
「ウェザー君っ!今日もガンバろーね!!」
月光ウェハ
ウェザー君はただの照る照る坊主だが、ウェザーの力の源らしいゾ!

ちなみにアーヴィンは元ネタありです。(苦笑
テイルズオブシンフォニアの主人公です。。。(さすがはテイルズ好き!?)
ホムペを見れば分かるのではないかと・・・。

(220.213.106.8).. 2007年01月21日 23:47   No.173016
++ ★スター☆ (オリカ王子)…101回       
もうすぐで小説が書けそうです☆
その前に音程族のキャラを・・・!!

名前:名奏者(めいそうしゃ)フルリ
パワー:6
種族:音程族
必殺技:フルート・メヌエット
データ:音程族で一番上手だと言われているフルート奏者。その音は透き通った音と言われていて、フルリナの練習を見習っている人も多い。
ライバル:×
フルリナ
「ただ音が鳴ればいい、そんな心じゃ上手くはなれないわよ。」
月光ウェハ
フルリナは周りの音がうるさいと自分の音が聞こえにくいので困っているらしいゾ!

名前:爆音者(ばくおんしゃ)ギタギルト
パワー:8
種族:音程族
データ:幼馴染であるシンフォニーと両親の代わりとして共同生活をしている少年。バンドのギターを担当しているため、シンフォニーと曲作りをしていることもよくある。
共同生活(パートナー):音程王シンフォニー
ギタギルト
「ここの音をこうして・・・あ、やっぱこっちの方がいいか♪」
月光ウェハ
ギタギルトは、シンフォニーと共同生活をしているが、中に小さな恋が芽生えているらしいゾ!

これでおkですね。
次からはいよいよ小説に行こうと思いますので、クォーツさん、三銃士のストーリの部分をお願いします!

(220.213.115.79).. 2007年01月22日 21:19   No.173017
++ クォーツ (オリカ修行にGO!)…7回       
了解でございます!
そんじゃ、プロローグ・三銃士編みたいな感じで。

ここは、神羅万象の世界の月の、地下深くに存在する辺境世界。その宮殿の最下層に3人の戦士が王の前に現れた。
「…来たか」
「宙空のカオス」
「疾水のアビス
「陸駆のガイア」
「よろしい。…では、改めて説明しよう。お前達には、我らの辺境世界の上に存在する例の場所を調査してもらう」
「月光世界…ですか」
「ご名答だ、ガイア。月光世界、あそこには我らの知らぬ何かがあると聞く」
「それを調べてこい…ってことか」
「流石にお見通しか、カオス。早速行ってもらおうか」
「望むところだよ、コンクル・シオン様」
アビスが意気揚々と去る。カオスが何か考えながらそれに続く。そしてガイアは一度辺境王=コンクル・シオンの方を振り向いた後、去った。
「……怨念達よ、我の元へ集え…」
コンクル・シオンは謎の言葉を呟くと、愛用の水晶玉を磨き始めた。

 カオス・アビス・ガイアの3人は、「可変三銃士」の名で辺境世界では有名である。そして辺境族のエリート戦士でもある。そんな彼らはコンクル・シオン直属の精鋭部隊であり、辺境世界の上に存在する月光世界への調査任務も彼らに最優先で与えられた。しかし、この調査任務は当てのない旅も同然のもので、月光世界のどこに何を探しにいけばいいのかほぼ全く分からないのである。三銃士リーダーのカオスは、そのことで悩んでいたのだった。とはいえ、月光世界への仲間を率いての進出にはさほど抵抗を感じてはいない。この任務には期限が無いのがその理由だ。そして、三銃士は宮殿の最上階にやってきた。
「さぁ、行くぞ」
彼らの目の前には、大きな泉のようなものがあった。時に怪しげに輝きながら揺らめくその泉は、辺境族が人工的に作り上げたもので、空間を飛び越える力があるというのだ。そして可変三銃士は泉へと飛び込んだ。泉が一層怪しげに輝く。
「さぁて、月光世界がどんなものか、この目で見てきてやるよ!」
三銃士が飛び込んだ後、泉は輝きを失った。果たして、可変三銃士の行き着く先とは…?

はい、プロローグ・三銃士編の完成です。
続投のタイミングですが、スターさんの後でこちらも続投するということでいきますね。

(122.18.16.133).. 2007年01月23日 17:48   No.173018
++ ウェリス (オリカ初心者)…1回       
改名しました!(挨拶掲示板参照です☆)

プロローグ有難う御座いますm(_ _)m
投稿のタイミングですね。。。
月光神羅は4章まで予定しています!(あくまで予定ですが;
分けていくとですね・・・
〜1章〜
中盤(一度、ボスに挑もうとしますが、その前ぐらいです)に3人を出してもらえばOKです。
〜2章〜
ボスにやられて、辺境世界に吹き飛ばされる予定になっているので、初めにフィリー達に会うようにしています。
この章では辺境世界が中心になるので、キャラの投稿もお願いします!(スイマセン、こんなストーリー作っちゃって。。。
〜3章〜
ここでは元の世界に戻って来て、敵将軍達と戦う予定です。
なので、あまりキャラは出てきませんね。
〜4章〜
ラストというわけで、辺境世界のキャラも、『セイガたちと共に戦う』という予定なので、ここでもキャラを多めにお願いします。(コンクル・シオンのパワーはこちらで後日発表します。)

こんな感じです。
始めに言いましたが、あくまで予定なのでストーリーがかわるかもしれません。。。(でも、多分これで決定だとは思っています)
でわww

(220.213.100.149).. 2007年01月29日 23:49   No.173019
++ クォーツ (オリカ修行にGO!)…8回       
おっ、ストーリー予定表ですかー。
三銃士は一応最後までレギュラーで続ける予定ですが、新キャラもおまかせくださいな。

現在、名前はまだ決まっていませんが新キャラのアイデアもあります。そっちは敵になるか味方になるかは投下時のお楽しみです。
2章と4章で多めですね、了解です。

1章に関してですが、三銃士は意外なところで登場する可能性も大いにありますのでご容赦を。

(122.18.16.133).. 2007年01月30日 04:48   No.173020
++ ウェリス (オリカ初心者)…2回       
小説はもう少ししたら完成すると思われますので、暫しお待ちくださいませw
ここで少し訂正します。
流星族の『流星族の住人にはエルフ耳(尖った耳)を持っている者がいて、魔術も使うことは出来るが、その数はあまり多くはない。』の部分ですが、全員をエルフ耳にしようかと思います。

〜クォーツさん〜
ストーリーをノートに纏めたところ、1章でキャラのミーティングがあり、それからボスの所へ向かうことになりました。
三銃士の登場はミーティング終了後でお願いします。

これで小説を書けばバッチリですので。
でわw

(220.213.98.207).. 2007年02月04日 17:48   No.173021
++ ウェリス (オリカ修行にGO!)…8回       
小説中に出てきた伝説獣のステータスを・・・

名前:伝説獣フォスター
パワー:9
種族:伝説獣(流星族)
必殺技:ウイングスター
データ:流星族に伝わる伝説獣。獣と言うより鳥型だが、強力な力を持っている。その力は一般人では全く歯が立たない位。
ライバル:×
フォスター
「クオォォォ!!!」
月光ウェハ
月光世界を覆っている暗黒雲は、伝説獣をも凶暴化できるぐらいらしいゾ!!

名前:伝説獣ライガル
パワー:10
種族:伝説獣(気功族)
必殺技:怒涛(どとう)の咆哮(ほうこう)
データ:気功族に伝わる伝説獣。かなり巨大で吼えるだけで地鳴りが起こるほど。爪は長く鋭く、繰り出される技は驚異的。
ライバル:×
ライガル
「ガルゥゥゥ!!!」
月光ウェハ
取るのは危険だが、ライガルの爪を刀として使うのは、かなり強力なものらしいゾ!!

まだ他にもあるので、後で投稿します。

(220.213.104.64).. 2007年03月15日 17:58   No.173022
++ ウェリス (オリカ修行にGO!)…9回       
名前:伝説獣フォルテ
パワー:9
種族:伝説獣(音程族)
必殺技:不協(ふきょう)なる産声(うぶごえ)
データ:音程族に伝わる伝説獣。咆哮は美しい和音を思わせるのだが、凶暴化したためか、不協和音が流れ出す。
ライバル:×
フォルテ
「グルルルル・・・。」
月光ウェハ
フォルテが和音を流せるのは、声帯はいくつもあると科学的に考えられているらしいゾ!

ボスキャラを早くも投稿です〜♪(早すぎるかな〜?

名前:暗黒王ネヴィア
パワー:?
種族:?
必殺技:ダーク・スパイラルランス
データ:暗黒雲を呼び出した張本人。どれほどの力があるかは不明だが、魔界の四天王に入るほどの実力らしいが・・・?
ライバル:?
ネヴィア
「我が闇の力で生ききれるか?」
月光ウェハ
魔界の四天王入るほどの実力以外、まだ情報は分かっていないゾ!!(コラ

時空族は伝説獣が浮かびませんでした;
と言っても、時空族の伝説獣がシナリオ中に出てくる予定はありませんので、みなさんの頭の中で『きっとこんなのだろう!!』と、思っていてくださいな♪(オイ
ネヴィアのつぶやきの部分は全然浮かばなかったので、こんなことになってしまいました;(笑
魔界に四天王があるっていうのは妄想です。
自分の考えてる2章にはその話は出てきますが、『こんなのある訳ねェよ!!』ってPCの前で叫んでも構いません。(コラコラ

(220.213.106.120).. 2007年03月15日 18:19   No.173023
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…185回       
遅くなりましたが・・・改名了解+アイディア採用了解しました!
ネヴィアの裏で新月族も動き出すような形になるのかな?
本格的にシャハル達の部下が出てくるのは多分2弾以降になりそうですね。
と言う訳で・・・公式サイトっぽく予告文章書いてみます。


―――荒れ狂う空と獣,戸惑う人々
少年達は運命の導きにより,古からの闇を見る―――

<<オリジナル神羅ストーリー第3版 『月光神羅』>>

―――始まりと闇の進撃は,カードの中に―――

(219.169.212.198).. 2007年03月15日 20:55   No.173024
++ ウェリス (第1個目の修行)…10回       
コウガさんお久しぶりです!
1弾は自分の考えた部族ですが、2弾では新月族の襲撃、という風に考えています。
3弾はネタバレになってしまうので言えませんが、重大発表(?)があるので、新月族も出ます。
4弾は最終決戦はネヴィアではなくシャハルと予定しています。
理由は小説を見てからです☆(あくまでネタバレをしないよーにですよ♪)
新月族のキャラはこちらでも考えておりますが、きっと手が足りないので、コウガさんもキャラ制作お願いします。
あと、予告文有難う御座います!
ではw

(220.213.107.159).. 2007年03月17日 22:24   No.173025
++ クォーツ (第2個目の修行)…20回       
ウェリスさん、1章お疲れ様です!
では、一足先に2章用のキャラを。
今回は某戦隊シリーズのメカ達が元ネタです。一部は以前にも出したのですが。
では、紹介その1。

名前:ダイボウケン
パワー:10
種族:辺境族
必殺技:アドベンチャードライブ
データ:様々な秘宝を探し求めるアドベンチャーチームのリーダー。冷静な判断力を備えるが、時には捨て身の行動に出ることも。
仲間(パートナー):アドベンチャーチーム
ダイボウケン
「自分だけの宝を見つける、それが冒険だ」
ウエハーマン
「ダイボウケンは仲間達からはチーフと呼ばれているゾ!」

名前:サイレンビルダー
パワー:10
種族:辺境族
必殺技:トリプルリキッドボンバー
データ:チームの中核を担う、切り込み隊長。本来は災害救助などが主目的の装備だが、実戦でも充分通用する実力を持つ。
仲間(パートナー):ダイボウケン
サイレンビルダー
「ようし、俺様が来たからにはもう大丈夫だ」
ウエハーマン
「サイレンビルダーは機獣だが、何故か大根をよく食べるらしいゾ!」

名前:ダイタンケン
パワー:10
種族:辺境族
必殺技:ボウケンフラッシュ
データ:ドリラー〜ジェッターの5体が合体して完成する機獣。攻撃力は申し分ないが、空を飛べなくなる為陸上戦のみ対応可能。
仲間(パートナー):ダイボウケン
ダイタンケン
「生半可な防御は通じないぞ!」
ウエハーマン
「ダイタンケンは、空が飛べなくなることが悩みらしいゾ!」

(124.84.55.45).. 2007年05月16日 04:39   No.173026
++ クォーツ (第2個目の修行)…21回       
そして、紹介その2。
2章での新登場キャラは、約半分が復刻ものですのでご了承を。

名前:ドリラー
パワー:7
種族:辺境族
必殺技:ドリルクラッシュ
データ:チームの突撃役で、右肩のドリルはチーム中トップクラスの攻撃力を持つ。普段は活発な少女だが、その活発ぶりが玉に瑕。
パートナー:クレーラー
ドリラー
「ちょっとした冒険、いってみよー!」
ウエハーマン
「ドリラー〜クレーラーの装備は、ダイボウケンらに装備させることができるゾ!」

名前:ショベラー
パワー:7
種族:辺境族
必殺技:ショベルナックル
データ:チームの強襲役で、NG形態でもAG形態でもショベルアームのリーチは脅威。チームの参謀役も担い、全体を支える。
パートナー:ミキラー
ショベラー
「このミッション、失敗するわけにはいきません」
ウエハーマン
「ショベラーとミキラーは古くからのチームメイトらしいゾ!」

名前:ミキラー
パワー:6
種族:辺境族
必殺技:ウォールシュート
データ:チームの牽制役その1。ハイパーコンクリートは相手の動きを完全に封じる。情報関連にも長けていて、様々なデータを瞬時に収集する。
パートナー:ショベラー
ミキラー
「よっ、ここはさっさと退いてもらうよ」
ウエハーマン
「ミキラーは少々女性に甘いらしいゾ!」

名前:クレーラー
パワー:6
種族:辺境族
必殺技:ワイヤーフックパンチ
データ:チームの牽制役その2。長く伸びるクレーンで牽制から援護まで難なくこなす。単身で敵地に侵入しての破壊工作を好む。
パートナー:ドリラー
クレーラー
「俺は世界一のトレジャーハンターを目指してるんだ」
ウエハーマン
「クレーラーはドリラーの保護者的存在らしいゾ!」

名前:ジェッター
パワー:7
種族:辺境族
必殺技:フライトショット
データ:チームの中で唯一の航空戦力。AG形態でジェット機となり、チームの死角である空からの敵を迎撃する。ドリラー達の指揮官の立場でもある。
パートナー:ドリラー〜クレーラー
ジェッター
「空からの敵には充分気をつけろ!」
ウエハーマン
「ジェッターの人格はダイボウケンが元になっているらしいゾ!」

ひとまず、今回はここまで。その3は、まぁ後ほど紹介いたします。その3では敵幹部も登場予定です。

(124.84.55.45).. 2007年05月16日 05:06   No.173027

■--ザ・音楽戦士団!?
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…84回          

いやぁ〜オリカ作業も久々ですね。。。
またオリカレベルが低下していないか少し心配です;

名前:歌唱士(かしょうし)ヴォーカ
パワー:10
出身地:魔界(皇魔族)
必殺技:マイクビッグボイス
データ:「音楽戦士団」のボーカル。バラードやヒップホップなど、いろんな曲を作りメンバーと共に活動をしている。ボーカルのほかにもギター、ドラムなどいろんな経験を持っている。
ライバル:雷迅剣リュウガ
ヴォーカ
「ボクの美声、君のココロに響かせるヨ!!」
ウェ
音楽戦士団はライトスパークに負けないほど有名で、その名を知らないものはいないぐらいらしいゾ!

神羅といったら4人衆だ!と思いバンドをモチーフしてやってみました☆
残りのギター・ベース・ドラムスは後日書きに来ます♪
でわ(・∀・)ノシ
(220.213.96.108).. 2006年11月25日 01:37   No.171001

++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…87回       
あけましておめでとうございますっ!!
今年もドンドンオリカを投稿していこうと思いますのでまたよろしくお願いします!!

名前:低重音士(ていじゅうおんし)ベス
パワー:10
出身地:魔界(皇魔族)
必殺技:ベースブラックミュージック
データ:「音楽戦士団」のベース。彼得意とするのは敵を音の世界引きずり込むような低い音である。通常も戦闘時も冷静で、メンバーの中で一番真面目である。
ベス
「やれやれ、私の不協和音に勝てるのですか?」
ウェ
ベスは周りからの信頼も強く、リーダーとしてメンバーを引っ張っているらしいゾ!

後はドラムだけ!!
今書かなかったら放置したままだと思うので、すぐ書こうと思います☆

(220.213.97.32).. 2007年01月01日 17:03   No.171003
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…88回       
ホントにやってきました!
放置してそのままはあまり好きではないので♪(あんまり言っていること気にしないで下さい。

名前:打奏士(だそうし)ドラミック
パワー:10
出身地:魔界(皇魔族)
必殺技:ドラム・リズミカル
データ:「音楽戦士団」のドラム。リズム感がかなりあり、曲のリズムをよく担当している。彼はリズム感だけでなく腕の速さもかなり早く、ロールは大得意。
ライバル:水領剣シズク
ドラミック
「どうよ?オレのリズム感!誰にも止められないゼ!!」
ウェ
ドラミックはいまだに戦闘中リズムを崩したことがないらしいゾ!

ここで訂正です。
ベスのデータ中、ライバルを描くのを忘れていました;;
ライバルは火炎剣ショウです。

これで音楽戦士団は終了です。
結局どのデータも間が空きすぎちゃいましたね。。。
まぁ、部活などで色々大変だったんでしょうがないんですけどね・・・。
次からは皆さんもやっているみたいなので、オリキャラ&小説をやろうとしています!
お手伝いは・・・募集します。一応ですけど。。。
でわw

(220.213.96.11).. 2007年01月01日 17:27   No.171004
++ クォーツ (オリカ初心者)…1回       
いやー、スターさんお久しぶり。
名前変えました、元が何だったかは挨拶掲示板を参照のこと。

相変わらずいいオリカですよね。
テーマもなかなか。神羅の設定背景のようなもの(主人公達のライバル=数名のチーム)をとらえていて、しかも設定もいいと思います。

お手伝い、させてもらっていいですか?前ほどは頻繁に来れないと思いますが(交星族編を書いていた頃は毎日のように来ていたのですよ)よろしければ手伝いますよ。では。

(60.38.52.86).. 2007年01月02日 07:41   No.171005
++ 神羅男 (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…84回       
スターさんひさしぶりっス!
名前、技とどれもスバラスィオリカですね!!
それに音楽知識もあるみたいだし・・・。

(59.134.215.90).. 2007年01月04日 12:06   No.171006
++ ★スター☆ (なんと!オリカ製作委員から会場推薦状が!)…89回       
2人とも有難う御座います!!
2人が色々言ってくれたお陰で、これからも頑張っていこうと思いました!!

クォーツさんお手伝いしていただけるんですか?
なら、お言葉に甘えてお願いしようと思います。
世界観などは後で書くので、それに沿ってお願いいたします。
それでわw

(220.213.113.4).. 2007年01月10日 22:42   No.171007

■--(無題)
++ 神羅男 (オリカ初心者)…3回          

名前:光龍神(こうりゅうしん)リュウガ
種族:聖龍族
パワー:30
必殺技:龍神伐刀(りゅうじんばっとう)
データ:ついに封印が解かれ,力を開放したリュウガ!
「七支刀」をも超える力を持つ「光神刀」を手に再び
悪を切り倒す!
パートナー・光龍帝サイガ
光龍神リュウガ
「フッ・・・サイガ5年間の間に一段と成長したな!」
ウエハーマン
「リュウガは,魔物の大群に封印されたらしいゾ!」

(59.134.215.90).. 2006年01月25日 14:46   No.58001

++ 神羅男 (オリカ修行にGO!)…7回       
あ〜誰か〜レスしてくれぇぇぇ
コノー俺1人じゃん。

(59.134.215.90).. 2006年01月27日 16:25   No.58002
++ 神羅男 (第1個目の修行)…11回       
テーイッ!このごろパワー∞とか100とかある
けどそんなんじゃぁつまんないですよ。意味なし

(59.134.215.90).. 2006年02月01日 14:53   No.58003
++ 神羅男 (第1個目の修行)…13回       
じゃーボクもパワー∞のメチャつえーキャラ
つくりますね。

(59.134.215.90).. 2006年02月01日 15:05   No.58005

<< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 >>


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