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訃報の話は苦手だな。なんか、レスが固定されてしまうようで。まあ、哀悼や弔意なんだから形式があるってのは間違いないんだけど、もうちょっと変化を持たせたいのです。 その人が亡くなってなにを失ったか、という喪失の話よりも、何を遺したか、という遺産の話をしたいトコロ。
先日祖父が亡くなりました。祖父から聞いた話で一番多いのは、戦争の話です。祖父はビルマ戦線に行ってて、先日ようやく確証が得られたんだけど第二次アキャブ作戦に参加してたんですよ。 で、祖父の語る戦場の話は、9割がたが食料の話と、傷病者の話。なんせ衛生兵だったんで。 とにかく戦場におけるヒロイズムめいた話はほとんどなかった。戦闘の話は基本負け戦だし、戦闘で死ぬ仲間の話より、餓えと病気と事故で死ぬ仲間の話ばっかり。とにかく話聞いてて、「戦場で活躍して英雄に!」なんて気分には微塵もならない。 これは非常に貴重なものを伝えてくれたと思ってます。軍事、武器に興味を持った若者の多くが、「自分も戦場で英雄に…」みたいなことを考えたことがあると思う。 でも、小学生の頃からの軍オタである自分は、祖父の話の影響で、戦場への憧れというものはホント無かったと思う。英雄になるとか、華々しく戦うとか、「そういうもの」だとは思えなかったんだよね、戦場ってのが。 これは祖父が遺してくれた、貴重な感覚だと思ってます。祖父の話を思い出してちょっとまとめてみないといかん、と姉に言われてます。うん、実際そうかも。
祖父は国を護るため戦うのは当たり前だと言ってました。しかし、そこで必要とされる犠牲は、政治家や評論家が言うほど容易いものでは無い、という想いが強かったようです。
.. 2014年12月05日 17:26 No.823001
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