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地面に何かが落ちた。 がしゃんと音を立て、地面が凹む。 ―ゼロが手械を外したのだ。 「貴様には悪いが…本気を出させてもらおう。」 そう言った瞬間、彼の体から異様なまでに強力な気が放たれた。 それを見、シャドウの目がすっと細められた。 そして、鞘から刀を引き抜いた。 途端、彼女の体からも、異様な殺気が放たれる。 ―気と殺気が混ざり合う…
風が吹いた瞬間、2人の姿は無かった。 一瞬にして間合いが零になる! 「岩砕破(ガンサイハ)!」 「霊月閃(レイゲツセン)…!」 気が大地を砕く。 刀が弧月描く。 吹き飛んだ岩を引き裂く金属音が鳴り響いた。 そして2人はまたも疾風となる。 気と刀が鬩ぎ合う。 光と闇がぶつかり、消える。 背後に気配を感じても、それ弾き、消え失せる。 一瞬の隙で結果は分かる― しかしどちらも隙が出来ない。 出来たとしてもほんの僅かだった。
どれだけぶつかり合っただろうか。 2人も分からないほどに斬り、叩き込んでいた。 しかし先程とは状況が違う。 ―ゼロが優勢だ。 僅かだがシャドウのスピードが遅くなっている。 移動した瞬間、ゼロがシャドウの着地点を見計らい、気を地面に放った! 崩れた地面に足を取られた彼女の動きが止まる。 『…今だ!!』 ゼロが瞬間的に間合いを詰める。 そしてがら空きになったシャドウの体に彼の一撃を叩き込んだ! 「奥義!殺牙龍爆撃(サツガリュウバクゲキ)!!」 気を込めて殴り一撃。 そして蹴り、気を放つ。 次々と叩き込まれる連撃がシャドウを襲う! フィニッシュの弧月蹴りが決まると、彼女は吹き飛んだ。 どさりという音と、刀が転がり落ちる音を背に、ゼロは仲間の方へ向うことにした。
(220.213.110.140).. 2009年06月06日 00:37 No.220044
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