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☆ 「シンフォニー!」 「ギ、ギルト!?そっちの方は大丈夫なの!?」 少し焦り、シンフォニーはギルトを見る。 走ってきた為か、呼吸が乱れている。 ギルトは頷き、焼け焦げた大地を見た。 裁きの譜歌(ジャッジメント・ソング)によって焦がされた大地だった。 そのミステリーサークルのような地に羽が一枚。 ―おそらく敵の物だろうと思った。 その時、背後で気配が蠢いた。 「!?」 2人は振り向くと、そこには先程倒した筈のシェードがいた。 全身焼き焦げ、片翼が千切れ飛んでいる。 それでも魔物と化した身体は動き続ける。 1激でも攻撃を打ったら、それで最後だろう。 「私は・・・まだ死ぬわけにはいかん・・・音程王・・・貴様を・・・殺す!!」 片翼を広げ、超音波を放つ構えをする。 心臓辺りで巨大な気が渦を巻く。 それは・・・巨大な闇の気だった。 「死んでしまえぇぇぇぇっっっ!!!」 身体が崩壊する・・・。 ぶちり、ぶちりと身体が悲鳴を上げているのも聞こえていた。 ―だが、今はそれどころではない。 どす黒い超音波が此方に来る!!! 『これじゃあ・・・避けられない!!』 シンフォニーは初めて死を覚悟した。 死ねないと分かっている。でも・・・ シンフォニーは自分の身体を守った。 不思議だ。 超音波の音も、当たった感覚も、何も無い。 死ぬと聴覚は勿論、感覚が無くなると聞いたことがある。 ―じゃあ、死んでしまったの・・・? 恐る恐る、その目を開けた。 身体は無傷だった。 理由は目の前にあった。 「ギルド・・・!」 ギルドが倒れていた。
(220.213.107.193).. 2008年12月19日 22:01 No.214022
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