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■--リターンファイターズ 第6章
++ マイン (オリカ王)…148回          

遂に始まる、プロイツェンとの最終決戦!
レギュラー投下。ストーリーの関係上、キャラ多し。

名前:トラルー
パワー:7
出身地:ヴァルハラ
必殺技:タスラムアロー
データ:父との決戦に向け、新たに紋章の力とシールドコマンダーを得た。定着した分離能力をフル活用して摂政に立ち向かう。
敵対者:進退覇王プロイツェン
セリフ「今こそケリをつける。そして、帝都の闇の根元を突き止める!」
交星族が続々と集結する中、プロイツェンは禁じられた力に飲み込まれた・・・。

名前:ウェーブ
パワー:5(鎧進化時15)
出身地:ヴァルハラ
必殺技:(鎧進化時)ポセイダルバスター
データ:トラルーの分離体の1つで、楽観的な性格。光の紋章で鎧進化し、亡霊をも打ち倒す。
パートナー:ハーブ
セリフ「オレとハーブのコンビネーション、見せてやるぜ親父よぉ!」
豆知識「ウェーブとハーブとで別々にシールドコマンダーを使えるらしいゾ!」

名前:ハーブ
パワー:5(鎧進化時15)
出身地:ヴァルハラ
必殺技:(鎧進化時)ツイストバスター
データ:トラルーの分離体の1つで、落ち着いた性格。風の紋章の力で鎧進化し、凄まじい暴風で相手を圧倒する。

名前:ウィンジャー
パワー:7
出身地:交星地域
必殺技:フレスアロー
データ:トラルーの親友の1人で、探求心が高い。背中のウイングは弓型の武器となり、追尾ビームを放つ。帝都制圧部隊の一員として決戦に参加。
親友:トラルー
セリフ「さーて、覚悟はできてるか?」
交星族は摂政打倒部隊と帝都制圧部隊に別れてアイゼンアサシンと戦闘を開始した。
(58.88.137.37).. 2006年07月17日 17:38   No.157001

++ マイン (オリカ王)…149回       
投下その2。鎧進化によるキャラは、既に登場したものは第5章のデータと同じなので省略。

名前:テントム
パワー:5
出身地:ヴァルハラ
必殺技:プチサンダー
データ:トラルーの幼馴染みの1人で、交星族には珍しく昆虫型の精霊。風の紋章の力で2段階進化が可能。関西弁で話す。
親友:トラルー
セリフ「伝説にも、善し悪しがありまっせ」
豆知識「テントムは以外と情報通らしいゾ!」

名前:アトラーテリム
パワー:12
出身地:なし(進化体のため)
必殺技:ホーンバスター
データ:テントムがカブトムに進化し、更に進化したレベル3形態。背中の甲羅状の羽は凄まじい強度を誇る。その実力は部族王にも引けを取らない。
敵対者:進退覇王プロイツェン
セリフ「まさか、ホンマにあの伝説が実現するとは思いもよらなかったで・・・」
豆知識「テントムは風の紋章の覚醒に合わせて、レベル1からレベル3へのワープ進化が可能になったらしいゾ!」

名前:インシュリン
パワー:9
出身地:ヴァルハラ
必殺技:プラネットグリン
データ:トラルーの幼馴染みの1人で、交星族の姫。決戦では帝都制圧部隊の陣頭指揮官として行動する。
親友:トラルー
セリフ「逃げ場は無いわよアイゼンアサシン!」
プロイツェンの『進化への執念』の覚醒により、帝都全体の兵器が始動した!

名前:アカツキ
パワー:7
出身地:ヴァルハラ
必殺技:マクダノカガミ
データ:インシュリン親衛隊の1人であり、帝都制圧部隊の一員として決戦に望む。その黄金の体は相手のエネルギー系攻撃を跳ね返す。
敵対者:アイゼンアサシン
セリフ「えらい数だな、こりゃぁ。だけど、数だけいたってね!」
ヴァルハラは兵器の始動と共に一部が変形、「スクランブルシティ」として交星族に襲いかかる!

名前:ホイック
パワー:6
出身地:神羅連和国・鎧羅地域
必殺技:ショルダーキャノン
データ:ホイルの父親であり、天才的な頭脳を持つ科学者。帝都制圧部隊の一員として決戦に参加する。ビークルモード時には卓越したテクを見せる。
敵対者:アイゼンアサシン
セリフ「諸君。今こそ決戦の時。行きまっせ!」
豆知識「ホイックのドライビングテクは一流スタントマンでもマネできない程らしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月17日 18:05   No.157002
++ マイン (オリカ王)…150回       
代表メンバー以外にも多数の交星族が参戦しますが、基本的なデータは同じなので省略。
続いてヴァルハラのメンバー。

名前:進退覇王プロイツェン
パワー:50
出身地:ヴァルハラ
必殺技:アポカリプス・カオス
データ:強くなり過ぎた『進化への執念』が覚醒し、おぞましい姿の物体に体を乗っ取られた姿。
進化した者が触手に捕まると、強制的に退化させられてしまう。その存在が進化体ではない事以外は殆どが謎の生命体。帝都摂政の頃の理性はない。
敵対者:紅蓮龍騎
セリフ「私は、進化への執念から生まれし者。その紋章、目障り以外の何者でもない!滅びよ!」
プロイツェンは「禁断の間」へ赴き、そこにあった暗黒の意思に乗っ取られてしまった。

名前:ウィンバー
パワー:8
出身地:ヴァルハラ
必殺技:スカイボマー
データ:プロイツェンの腹心にして帝都防衛隊の陣頭指揮官。プロイツェンの異変に気づきつつも己の任務に従事する。
上司:進退覇王プロイツェン
セリフ「私はただ、己への命令に従うのみ!」
進退覇王となったプロイツェンに、元々の意思は無いようだ・・・。

名前:キラードーム
パワー:6
出身地:ヴァルハラ
必殺技:クロスクラブ
データ:アイゼンアサシンに所属していた科学者だが、その危険思想は軍団を裏切り、進退覇王にのみ服従を誓う。魔黒装の量産を企む。
上司:進退覇王プロイツェン
セリフ「あの御方こそ・・・僕の求めていた完璧な上司なのだ・・・さぁひれ伏せ!愚か者共!」
豆知識「キラードームはプロイツェンが暗黒の意思に飲み込まれる時期を待っていたらしいゾ!」

名前:ブラッドスクリーム
パワー:40
出身地:神魔界
必殺技:ブラッド・オブ・クロス
データ:時の紋章の覚醒により失っていた記憶を取り戻したスクリーム。魔黒装に隠された真実を知る為、交星族と交戦する。
仲間:ブレイクスパイナー
セリフ「たとえこの立場で戦う事が間違いであっても、私は真実を掴みたい!」
進退覇王に立ち向かうヒエン達であったが、小型要塞のような部分から伸びる触手に捕まり、紋章の力を封じられてしまう・・・。

名前:ブレイクスパイナー
パワー:15
出身地:ヴァルハラ
必殺技:クラッシュウェーブ
データ:キラードームを失った代わりに自分の強化パーツでパワーアップしたスパイナー。ジャミングウェーブなしでも充分な戦闘力を誇る。
仲間:ブラッドスクリーム
セリフ「なんか変だな、スクリームの奴・・・」
トラルー達が集中攻撃を浴びせるが、その重装甲にはかすり傷すらつかなかった。

(58.88.137.37).. 2006年07月17日 19:25   No.157003
++ マイン (オリカ王)…151回       
アイゼンアサシンの戦闘員を紹介。

名前:メビウス
パワー:6
出身地:ヴァルハラ
必殺技:ビッグバンミサイル
データ:アイゼンアサシン中最も人数が多い戦闘員。スパルクルから強力なミサイルを精製することも可能。実は洗脳されている。
ライバル:なし
セリフ「ロックオン、ミサイルファイヤー!」
豆知識「メビウス達は、本来は温和なテラーコンらしいゾ!」

名前:コマンドジャガー
パワー:5
出身地:ヴァルハラ
必殺技:エナジーライフル
データ:テラーコンの一種であり、ジャガーに変形する。プロイツェンからの命令には忠実であり、戦闘には積極的。
上司:進退覇王プロイツェン
セリフ「目標補足、アタック、アタック!」
豆知識「テラーコンの中には、個別の意思を持つ者が一体だけ存在するらしいゾ!」

名前:シャドウホーク
パワー:5
出身地:ヴァルハラ
必殺技:シャドーライデン
データ:テラーコンの一種で、怪鳥型に変形。テラーコンの中では数少ない飛行能力の持ち主で、よくコマンドジャガーを運んだりする。
上司:進退覇王プロイツェン
セリフ「味方投下。作戦遂行セヨ」
豆知識「テラーコンとオムニコンには、同じ生みの親がいるらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月17日 19:38   No.157004
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…145回       
続いて此方のレギュラー陣。

名前:紅炎龍騎ヒエン
パワー:30
出身地:地上界・飛天地方
必殺技:紅炎破砕斬
データ:『光龍装』と『火』の紋章の力を最大限に解放し,かつてのコウガに引けを取らぬ強さを手に入れた。自らの正義を信じ,プロイツェンへと立ち向かう!
宿敵:進退覇王プロイツェン

ヒエン
「私たちに退化など存在しない,あるのは・・・何処までもこの姿である,そしてお前を倒すという永遠不滅の意志だ!」
しかし退化スプレーの力によりヒエン達は易々と触手から脱出。更にフィガロ剣聖が其処に現れ,最新の機器を使ってヒエン達の奪われた力を取り戻していった!


名前:蒼海龍騎レンガ
パワー:30
出身地:地上界・飛天地方
必殺技:スパイラル・スプラッシュ
データ:『光龍装』と『水』の紋章の力を最大限に解放し,水中潜行能力が付与された事で水中でのトラウマを克服した。ヒエンと共に正義を信じプロイツェンに立ち向かう!
仲間:紅炎龍騎ヒエン&戦乙女ヴァルキリー

レンガ
「ボクにだって出来る事なら沢山あるんだ,なめて掛かられちゃ困るね!」


名前:黒闇龍剣リュウト
パワー:35
出身地:神魔界
必殺技:ブラッディ・ソウル
データ:『光龍装』と『闇』の紋章の力を最大限に解放した上,禁術により皇魔族の血を覚醒させてパワーアップ。コウガ達の補佐の為,自らの悪と戦いつつもプロイツェンに立ち向かう!
仲間:紅炎龍騎ヒエン&戦乙女ヴァルキリー

リュウト
「諦めるな,ヒエン!
 私たちが希望を失えば光龍装も弱まる,自分の正義を,希望を信じ抜くんだ!」


名前:蒼空軍神マルス
パワー:35
出身地:神界・北方科学都市
必殺技:ドルフィン・スラッシュ
データ:『光龍装』と『空』の紋章の力を最大限に解放し,称号までパワーアップ。軍神の名に懸けて戦いを勝利へと導くべくヒエン達と共に戦場へ身を投じる!
仲間:紅炎龍騎ヒエン&蒼海龍騎レンガ

マルス
「もう同じ手は喰らわない,あの時の悔しさを倍にして返す!
 魔黒装よ,我が光の剣によって滅びよ!」

(219.169.212.198).. 2006年07月18日 13:48   No.157005
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…146回       
名前:飛龍銃士アズマ
パワー:35
出身地:天界東域・聖都ウリエルム
必殺技:ハリケーンバスター
データ:『光龍装』と『風』の紋章の力を最大限に解放し,手持ちの拳銃の威力と共にパワーアップ。後方からヒエン達を様々な銃弾で援護する!
仲間:地裂堕天皇ソル&時空聖皇オウガ

アズマ
「もう仲間を,世界を傷付けさせたりしませんよ!
 貴方のような悪意に満ちた者に,私の銃で公正なる裁きを下します!」


名前:地裂堕天皇ソル
パワー:37
出身地:天界・中央管轄区域
必殺技:覇王地裂衝
データ:『光龍装』と『地』の紋章の力を最大限に解放し,自らの戦闘への意欲も助力してパワーアップ。プロイツェンのような強者と戦う為,新たな戦闘の申し子が雄叫びを上げる!
仲間:時空聖皇オウガ&飛龍銃士アズマ

ソル
「ずっとテメェらみてぇな強い奴と戦う事に憧れてたんだ,せいぜい満足させてくれよ!」


名前:時空聖皇オウガ
パワー:37
出身地:天界・中央管轄区域
必殺技:ディストーションブレイド
データ:『光龍装』と『時』の紋章の力を解放し,聖皇の剣と共にパワーアップ。時空を操りヒエン達をサポートする!
仲間:地裂堕天皇ソル&飛龍銃士アズマ

オウガ
「マスターと契約した以上,私はマスターを護ります。
 帝都摂政・・・いえ進退覇王プロイツェン,今日こそ貴方の最後の日ですよ!」


名前:フィガロ剣聖
パワー:40
出身地:神界・中央都市
必殺技:龍鳳大剣
データ:愛用の霊刀と共に背に吊していた神剣を解放し,本気を見せた。神界を脅かすプロイツェンという名の驚異に,かつての剣聖も立ち向かう!
宿敵:進退覇王プロイツェン

フィガロ
「これぞ我が力,思い知るが良い! 悪の塊となりしプロイツェンよ!」

(219.169.212.198).. 2006年07月18日 14:04   No.157006
++ マイン (オリカ王)…152回       
 遂に始まる、プロイツェンとの最終決戦。
魂を消された父を見た息子は、何を思うのか。

   ーリターンファイターズ第6章ー

         第1部
 さて、ここは帝都からそう遠くない場所に位置する都市、進退の都。交星族軍団はここに続々と集結していた。
「インシュリン!今の状況は?」
「リストに挙げられたメンバーはほぼ全員集結してるわよ。ただ、御隠居さん達がまだなんだけどね」
「よし、御隠居達が来たら出発するとみんなに伝えてくれ。戦いのときは近いよ」
「オッケー。ところで、紋章の方はどう?」
「パルパレーパが覚醒し、その導きによって全て覚醒したらしい。僕も分離能力を得たし、新しいアイテムも手に入った」
「そういえば、少し印象が変わったよね」
「お、スプラングはん達が到着したで!」
「ふぉっほっほ、遅れてしまって申し訳ない」
「これくらいのロスなら、別に支障はないわ」
「そうそう、気にしない。さて、全員揃ったね。総員帝都へ向け出発!変形できる者はトランスフォームだ!」
こうして、トラルーとインシュリンを筆頭に交星族軍団のアタックが開始されようとしていた!

 その頃、プロイツェンとウィンバー、シュライクの3人は帝都の中央の城の地下深くにある「禁断の間」の入り口へと来ていた。
「プロイツェン様、本当に入られるのですか」
「ああそうだ、シュライク。ウィンバーも、今まで世話になったな」
「とんでもございません!貴方には、まだまだ帝都の民を導いてもらわねば!外界に出ていない民にとって、貴方が外界で得た豊富な知恵は貴重なものなのですから」
「外界で得た豊富な知恵か・・・。確かにこの国の民にとっては貴重なものだろうな。だが、今となっては私には必要のないものだ」
「どういう意味ですか、それは?」
「いいか、ウィンバー、シュライク。今後、私の魂が定着した私とは二度と会えないと思え。そして、我が帝都摂政の座は、ウィンバーのものだ」
「な、なんですって!?待ってください、まだ私にはその技量も、資格もございません!ましてや貴方を差し置いて帝都を導くなど・・・」
「私のような愚かな嘘つきでは、もうこの帝都は引っ張っていけない。新たな主導者が必要だ。お前のような、嘘が苦手なくらいの純粋な心を持つ者こそが、永遠たる主導者に成りうると気づいたのだ」
「し、しかし・・・」
「最後の最後でもワガママを言ってしまったな。だが、これが私からの最後のワガママだ。どうか受け入れてほしい・・・」
「プロイツェン様・・・」
そして、未だにウィンバーが躊躇っている内に、プロイツェンは「禁断の間」へのゲートへと飛び込んだのだった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月19日 05:47   No.157007
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…147回       
遺跡内部。
たった一人残ったユウガが,プロイツェンが禁断の間へ足を踏み入れた事を察知した。

「!! アイツ・・・,誰かに帝都摂政の座を明け渡して,禁断の間に入ったのか・・・?
 そんな事をしたら,奴は奴じゃなくなる・・・,こうしちゃ居られねぇ!
 じっちゃん,悪いがまだ俺を主人格にして置いてくれ。
 当面ヒエン達には俺の口から事実を話さなきゃ,気が済まねぇんだよ!!」

やり場のない思いがユウガを突き動かした。
ユウガはそのまま,テレポートで帝都付近へと飛んでいった。


その頃,帝都南部のゲート付近。

「そろそろだな,トラルー君達の進撃開始は・・・」
「分離した後に上手く合流出来りゃ問題ねぇけどな・・・」
「中央宮殿から夥しいまでの歪んだ邪気を感じます,一体何を企んでいるのか・・・」
「ちょっと待って,ユウガさんが追ってきたみたい」

オウガもいち早くプロイツェンのものなのか邪気に気付く。
それと同時に,ユウガが到着しコウガ達にプロイツェンの事を話しだした。

「間に合って良かった,プロイツェンの奴が・・・禁断の間に足を踏み入れたらしい。
 どうやらそれが原因で,あんなに邪気が吹き出ているようなんだ・・・」
「そんな! まさか奴の『進化への執念』が・・・」
「・・・残念だがそのまさかだ。
 禁断の間に入ったが最後,プロイツェンは自我を失い,別のものに精神と肉体を乗っ取られる。
 ・・・それがかつて,パルパレーパのじっちゃんが封印しようとしていた邪悪な物体さ・・・」
「かつて大賢者と戦って破れ,あの禁断の間に封印された,『進退覇王』とか言う奴の邪念だよな」
「ああ,マステリオンみたいな触手に触れれば,此方の力は一切使えなくなる程に吸い取られる。
 奴の進化の糧にもなり,最後には全てがプロイツェンのものになっちまうんだ。
 じっちゃんはそれを止めるべく,体を張って奴を封印したんだが,もうそれも限界らしい。
 俺たちで戦って,奴を消滅させるしか方法はないんだ・・・」
「・・・その為にわざわざ追ってきてくれたのか」
「どうも俺自身,このやり場のない思いには勝てなくってなw
 だけどこれを機に奴も気付いたはずだ,自分が帝都摂政だと都は廃れるって」
「恐らく入る前に,次の帝都摂政を選んで置いたのでしょうね・・・」
「可能性としては純粋な心を持つウィンバーか,腹心の部下シュライクの2人。
 だがプロイツェンはきっとウィンバーを選んだ」
「その純粋な心で導いて行けって事?」
「トラルーが聞けば悲しむだろうが,それでも親を幸せにしてやりたいと願う気持ちを呼び起こさせれば奇跡は必ず起こるはず。
 ・・・ヒエン,レンガ,コウガ・・・そしてみんな,世界を護る為にも,トラルーを出来る限り援護してやってくれ!」
「・・・わかった,出来る限りやってみよう!」
「よし,みんな帝都へ入るよ!!」

(219.169.212.198).. 2006年07月19日 15:18   No.157008
++ マイン (オリカ王)…153回       
 ヒエン達も帝都へ突入した頃、トラルー達は東西南北の四方から一斉に帝都を攻撃、制圧する作戦を立て、実行しようとしていた。
「いいか、何があっても中央宮殿へは立ち入らないように!さもなくば、地獄を見ると思え!」
「でも、トラルーとテントムは行くんでしょ?」
「まぁね。何せ、この不祥事が起きたのは元々僕らが長い間帝都を離れていたせいだ。その始末をつける為にも、帝都の独裁政治の謎を解く為にも、中央宮殿へ行く。そして、今度こそ地下深くにある「あの場所」の存在を絶つ!!」
「私も同行したいところだけど、陣頭指揮が必要だから無理よね」
「ならその役、俺達が引き受けようか?」
「アカツキ、ウィンジャー!」
「インシュリン以外で残りのヴァルハラ出身といったら俺達ぐらいだろ?ヴァルハラの始末、俺達と一緒につけようぜ!」
「それに、姫にもその権利があります。指揮の方は、ツクヨミ、タケハヤ、ヒルメと私でどうにかなる筈です。今回ばかりは、姫にも同行してもらってかまいませんよ」
「クサナギ、本当にいいの?」
「ええ、こちらはこちらで大丈夫。姫の周りにも信頼できる友がいます。無事に帰ってきてくれれば、それで充分です」
「・・・決まりだね!」
その時、突如地震のようなものが起きた。
「な、なんだ!?」
「おい、アレを見ろ!」
帝都の一部が変形、通称スクランブルシティとしての機能が作動したのである。作動させたのは、シュライクだ。更には、アイゼンアサシンやデストロイ部隊も出撃していく。
「よし、交星族軍団、アタック!スクランブルシティ及び敵部隊を撃破せよ!各部隊の指揮はクサナギ・ツクヨミ・タケハヤ・ヒルメに任せる!」
トラルー達は東からの進撃だ。クサナギ率いる東部隊が援護する。
「総員、突破口を開くのだ!撃って撃って撃ちまくれ!」
クサナギの指令を合図に東部隊も攻撃開始、その他四方からの一斉攻撃により帝都内部での戦いの火ぶたが斬って落とされた。そして、トラルー、インシュリン、テントム、アカツキ、ウィンジャーはクサナギらの援護も受けつつスクランブルシティの警備を突破。凄まじすぎる邪念を放ち続ける中央宮殿へ突入した。しかし、そこでウィンジャーはチームから外れる事になる。何故なら、幼い頃からの好敵手、ウィンバーがそこにいたからだ。
「ここを通る気しか無いようですね、プロイツェン様のただ1人の息子様」
「通らなければいけない。・・・その顔、プロイツェンが既に『禁断の間』に入ったとでも言いたそうだね」
「ウィンバー、お前は昔からそうだよな。嘘をつこうとしても、馴染みの深い奴からすれば表情でなんとなく見抜かれちまう。純粋な奴だぜ、お前はよ」
「・・・ウィンジャー、今こそ君とのライバル対決にケリをつけよう。他の方々、どうか『禁断の間』ごとあの魔物を消し去ってください。もう、この帝都は奴に飲まれたも同然なのです・・・」
「と言うわけだ、すまねぇが俺は昔からのライバル対決にケリをつけてからでないと行けそうにないから、先に言っててくれ」
「分かった。存分に実力を発揮し、せめて悔いの残らない結果で終わらせてよ」
「ああ、当然だ」
「気をつけてください、今やあの魔物は姿が伝承とは一部違っていますからね・・・」
「よし、『禁断の間』に急ぐぞ!」
「ワープ進化!アトラーテリム!」
テントムも一気にアトラーテリムとなり、『禁断の間』へ繋がるゲートへ向かい、ヒエン達と合流するまで待つ事にしたのだった。

(58.88.137.37).. 2006年07月19日 17:30   No.157009
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…148回       
その頃,帝都中央宮殿南門。
ヒエン達も其処までマルス達の援護もあり到着出来た。

「この中にプロイツェンが居るというのか・・・。
 近づいただけで邪気が伝わってくる,此方に身震いさせる程にまでおぞましい邪気だ・・・」
「だけど此処でひるんでちゃ話にならない。
 ゆーちゃんだって一緒に来てくれた。
 それに俺たちは信頼出来る仲間だ。
 みんなで行けば,絶対に恐くなんか無い!」
「そうだね,ボク達此処で止まってなんか居られないよね!」
「此処で奴を倒し,神界に平和を取り戻さなきゃ・・・,リュウトが考えている通り世界は確実に奴が滅ぼしていく。
 それも,今リュウガ達が居るであろう大魔界や神魔界までもな・・・」
「その通りだ。 マステリオンの魂を封印した聖龍石が消滅するのなら嬉しいが,それ以前に世界共々滅ぼされるのでは意味がない。
 私の故郷である神魔界も,エルシーヴァ様の統治する頃には美しい世界だった。
 だがマステリオンが魔皇の座に就いてから,全ては変わってしまった・・・。
 花や草木,樹木は枯れ,水は穢れ,大気は淀んで瘴気となった。
 そして太陽の光すら差し込まない暗い世界へと変貌してしまった・・・。
 世界を元に戻す為にも,今此処で奴を討たなければ!」
「そうだな,・・・そろそろトラルー達もなんとか宮殿深部に辿り着いていると思う。
 私たちも後を追おう!」

こうしてヒエン達も宮殿内部へ足を踏み入れた。
しかしその先に待ち受けていたのは,かつての仲間だった・・・。

(219.169.212.198).. 2006年07月20日 21:33   No.157010
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…149回       
地下階段前の広間でその人物は待っていた。
ヒエン達にとっては懐かしいかつての仲間。
紫の髪と瞳に,毒々しい色合いのアーマー。
魔黒装は使っていないようだが,その眼はヒエンに対し決闘を申し込んでいるようだった。

「・・・ヨウガか・・・」
「お久しぶりですヒエン様,長らくお待ちしておりましたよ」
「ヨウガさん,どうしてこんな所にいるの?」
「この姿を見れば察しがつくでしょう,ヒエン様との決着を付けていただくため,此処でお待ちしていたのですよ」
「マスターとの決戦・・・,やはり此処でしなければいけないのですか・・・」
「とんだ揚げ足取りやがって・・・」
「待て,ソル! この勝負,引き受けよう。
 皆,下がっていてくれ・・・私一人で決着を付けなければならない時が来た様だ」
「え・・・それって・・・!?」
「・・・そうだ。
 彼女の心の影であるヨウガも闇の存在,そして今は進化を遂げた形態。
 このままもしプロイツェンに飲み込まれれば,ヒエンは思うように力を出せず,プロイツェンにやられる。
 それを防ぐ為にも此処で見守る方が無難だろう。
 だが問題は私たちの方だ・・・」
「そうですね・・・,俺たちが此処に残ってヒエンちゃんを見守るか,先に行ってトラルー君を援護するかですし・・・」
「ヒエン,君ならどうする?」
「・・・済まないが此処に残っていてくれ。
 私一人が此処に残っていても意味がない,それに・・・,皆の声が聞こえれば,ヨウガ無しでも自分の信念を貫ききれそうなんだ・・・。
 こんな私の我が儘を聞いてくれるだろうか・・・」
「・・・解った,みんなヒエンちゃんとヨウガから離れてくれ。
 俺たちは出来る限りヒエンちゃんやヨウガに手出しせず,見守るだけにしよう・・・」

リュウトの言葉とヒエンの決断により,皆がこの決闘を見守る事となった。
一人立ちはだかるヨウガに,一人立ち向かうヒエン。
それを見守るヴァルキリー達の目の前で,激戦の火蓋が斬って落とされた。
そう,プロイツェンがどんどん禁断の力に浸食されているその間に・・・。

(219.169.212.198).. 2006年07月20日 21:59   No.157011
++ マイン (オリカ王)…154回       
 ここは『禁断の間』。何千年も前から『入ってはならぬ領域』とされてきた場所。プロイツェンは今、そこにいる。帝都摂政の座もウィンバーに託し、何もかも捨てた彼は、禁断の力に浸食されていた。外でウィンジャーVSウィンバーの幼馴染み対決、ヒエンVSヨウガの心の対決が行われている中で、禁断の力は遂に完全に覚醒しようとしていた・・・。

 一方、こちらはウィンジャーとウィンバーの対決。昔からの様々なライバル精神にケリをつける為の戦い。トラルー達に『禁断の間』へ急ぐよう促したのは、このライバル対決の決着を2人きりでつけたかったからだ。しかし、今回のウィンバーは技のキレが落ちていた。
「どうしたどうした!?いつになく鈍いじゃねぇか」
「・・・私は・・・帝都摂政になんて・・・なりたくなかった・・・」
「は?・・・まさか、あのオッサンお前に帝都摂政の座を譲ったんじゃねぇだろうな!?」
「その通り。プロイツェン様は『禁断の間』へ入られる直前、私に帝都摂政の座を託した。自分にはもうヴァルハラをまとめる事なんてできない。新たな主導者が必要だと、純粋な心を持つ主導者が必要だと・・・」
「この・・・馬鹿野郎が!!」
ウィンジャーは、珍しく自分の拳でウィンバーを吹っ飛ばした。その拳には怒りが込められていることが、ハッキリ分かる。
「てめぇは主導者の重大さにビクビクしているだけなんだよ!大体な、お前の今の役職と重大さに大した違いはねぇよ!この際だからハッキリ言ってやる。俺やトラルー達がこの帝都を離れたのはな、お前みたいな臆病者かあのオッサンのような危険思想家しか主導者候補に挙がらなかったから愛想が尽きたからなんだよ!!」
「わ、私にだって勇気はある!」
「思い上がるんじゃねぇよ!!何が勇気だ、本当に勇気があるんならな、立派に一国の主にでもなって民を導くプレッシャーに立ち向かってみやがれってんだよ!!この・・・臆病者が!!!」
ウィンバーに動揺から立ち直る隙を与えぬまま、ウィンジャーは必殺のビームで決着をつけ、トラルー達と合流した。
「・・・私でも・・・主導者になれるのか?主導者のプレッシャー・・・私はそれに勝てるのだろうか・・・?考えが甘かったのかもしれない。ウィンジャー、幼少の頃から続いたこの対決・・・君の勝ちだ・・・」
なんとか立ち上がったウィンバーは、フラフラとどこかへ向かっていった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月21日 04:09   No.157012
++ マイン (オリカ王)…155回       
 一方、外でも激戦が続いていた。東からはクサナギ率いる部隊が、西からはヒルメ率いる部隊、南からはツクヨミ率いる部隊、そして北からはタケハヤが率いる部隊が同時進撃しているのだ。
「久々の大混戦、若かかりし頃が甦るかのような感じじゃ!フォッホッホッホッホ!!」
北の部隊の一員としてスプラング一行が加わっていた。そしてスプラングは戦闘開始直後からスーパーモードでデストロイをも圧倒する。南ではカラミティとフォビドゥンがスライドフォーゼ能力(その場に応じて2つの姿を使い分ける能力)をフル活用して多くのテラーコンを倒していった。西ではデュエル率いるスピリットロン部隊が集団攻撃で確実に進撃していき、東ではオムニコン部隊が強烈な支援攻撃でアイゼンアサシンを牽制していた。
アイゼンアサシン部隊も負けてはいない。デストロイの巨大なビーム砲が火を噴き、メビウス部隊はバーンメルトミサイルの強化型、ビッグバンミサイルで交星族部隊を苦しめる。新たに戦線に出たコマンドジャガーとシャドウホークの連携奇襲やスクランブルシティの支援放火も侮れない。そして中央部でただ1人、交星族部隊の攻撃を押しのけ続けるのはブラッドスクリーム。しかし、今までの彼と様子が違った。
「(各軍の進行スピードにばらつきがあるな、もう少し引きつけてからでないと制圧はできまい)」
その防衛は、まるで交星族部隊の中央部集結を待ち望んでいるかのようだった。そして、徐々に帝都は陥落の一途を辿り、陣頭指揮に当たっていたシュライクは焦りを隠せなかった。
「マズイ、非常にマズイ。このままでは帝都は守りきれん・・・。ウィンバー殿はどこにいるのだまったく」
東西南北の交星族部隊が着々と中央部へ進行していく中、次第にアイゼンアサシン部隊の防衛戦は少しずつ崩れていき、中央部へすら放火がおよぶようになっていった。帝都陥落も、時間の問題となっていったのだった。

 そして中央宮殿内部。その最深部に当たる『禁断の間』にいたプロイツェンに、遂に『起こっては成らない』異変が起きた。体が一気に黒く変色していき、更に下半身部分には小型要塞のような巨大な物体が現れた。そしてその巨大な物体のあちこちから合計8本の触手が出現した。触手の先端部分は、まるで花の蕾のような、星を6つのパーツに分けたかのような、異様な形に変わっており、ここが伝承と最も違う点といえよう。その触手は、まさに絡め取るというより蕾のような部分で掴み取るといった感じである。
「私は・・・覚醒したのか・・・。なかなか良いではないか。触手の先端部なぞいかにも『捕らえる』形で以前よりもやりやすくなった」
「お気に召していただけたでしょうか?」

(58.88.137.37).. 2006年07月22日 06:28   No.157013
++ マイン (オリカ王)…156回       
『進退覇王』となったプロイツェンに話しかけたのは、行方をくらませていたキラードームだ。
「ほう、貴様が私を復活させてくれたのか」
「いえ、たまたま貴方の体の持ち主がこの『禁断の間』に入っただけのこと。まぁ、復活後の姿のデータを若干いじらせてもらいましたがね」
「・・・まぁ良かろう。あの時よりは強くなっているだろうしな。感謝するぞ」
「お褒めにあずかりまして光栄です、進退覇王プロイツェン様」
「さて、この体にはいかなる力が増えたのか教えてもらおうか、キラードームよ」
「僕も有名になったものですね。いいでしょう、教えてさしあげます」

 その頃、ウィンバーは中央宮殿の特殊な場所に来ていた。そこには、大量のスパルクルスターが保管されている。
「これさえあれば、この傷を癒して堂々と戦線に立てる・・・。急がねば。もはやアイツはプロイツェン様でもなんでもない。ただの破壊者だ!」
スパルクルスターの一部をむさぼり食うウィンバー。こうすることで、体の傷を癒すことができるのだ。本来は腕や肩などに装着して使うもので、装着している間に傷が癒えるという仕様なのだがそんな時間を待てるわけもなかった。むさぼり食うという行為はテラーコンとオムニコンの専売特許のようなもので、普通の精霊や人間がこれをやると大量の電気ショックが襲いかかるものだ。しかし、今のウィンバーにそんな事で躊躇うような臆病さは無かった。電気ショックに耐えながら、一気に傷を癒していく。
「・・・これで、戦線に出ても大丈夫だな・・・急ごう・・・」
ウィンバーは変形し、宮殿の外に出た。彼は何をする気なのだろうか?

(58.88.137.37).. 2006年07月22日 06:40   No.157014
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…150回       
剣と剣がぶつかり合って金属音が響く。
時折炎同士がぶつかり合い小爆発音も聞こえた。
ヒエンが優勢になる時もあればヨウガが有利になる時もあり,どちらにも勝利が見えてこず決着の行方は右往左往している状態である。
そして,そんな中でヒエンを応援するヴァルキリー達。
徐々にではあるがヒエンに勝利の可能性が見えてきた。
そして・・・。

「爆焔斬!!」

小爆発を伴う斬撃がヨウガに当たり,ヨウガの体力が限界に近づいたのを示すかのように彼は座り込んだままになった。

「・・・これで王手,いやチェックメイトだ。
 この勝負,私の勝利で良いな」
「やはり流石は紅蓮龍騎,3代目として信念を貫いた貴女の方が強さは上だったようですね。
 約束は約束,私も貴女の心へ戻りましょう・・・」

そして負けを認めたヨウガはヒエンに重なるように倒れ込み,消えていった。

「これで終わったのか・・・」
「後はプロイツェンとケリを付けるだけだ。
 だけど・・・何だか嫌な予感がするぜ」
「地下からの邪気がもっと強くなってる!?」
「これは迎えちゃいけない展開の一つかも知れねぇな・・・もう宮殿を出た方が良い!
 急いで退却して,奴の魔の手から逃れるぞ!」
「もしかして,進退覇王が復活したの!?」
「どうやらそうらしい,私達でも今此処にいれば力が及ばぬ討ちに戦闘不能に陥ってしまう。
 皆,出口へ急げ!」

こうしてヒエン達も宮殿の外へ。
宮殿から少し距離を置いた所で止まると,すぐに地震が起こった。

「・・・いよいよか,此処まで封印して何年経つんだろうな・・・進退覇王め!」

ヒエン達の見守る中で,宮殿が段々と浮き上がり,最後には蓋でも持ち上げたかのように宮殿の1Fから上が完全に空中に浮かび上がった。
そしてそこから,黒い邪気と共に奴は姿を現した・・・。

(219.169.212.198).. 2006年07月22日 15:43   No.157015
++ マイン (オリカ王)…157回       
        第2部
 黒い邪気を大量に放出しながら、遂に地上に姿を現した。『進退覇王』である。しかし、なんという大きさだろう。デストロイの5倍はある要塞もどき、そしてそこから伸びている8本の触手。
「・・・あれが・・・進退覇王・・・」
誰かが呟いた。アイゼンアサシンのトップ、ブラッドスクリームだ。その時、彼には聞き覚えのある声が響いた。
「はーっはっはっはっは!!どうだ、この御方こそが伝説の『進退覇王』様であるぞ!さぁ、この最強の御方にひれ伏すがいい!!さもなくば、死だ」
要塞もどきの装甲が開いた。そこからは、無数の砲門が出現した。
「!!!マズイ、交星族部隊、総員全速離脱!」
指令を出したのは、トラルーだ。進退覇王の覚醒と共に禁断の間は崩壊したが、間一髪アトラーテリムに守られて脱出していたのだ。トラルーの指令がもう少し遅かったら、部隊は壊滅状態にされていたであろう。無数の砲門からビームの雨が降り注いだからだ。アイゼンアサシンも、駆けつけたウィンバーの指示でなんとか全滅は免れた。しかし、それでも交星族部隊よりもダメージは深刻だった。部隊の半数がやられている。無論、スクランブルシティはほぼ全ての武装を破壊され、機能停止に陥っている。
「なんて化け物だ・・・。む、あれはトラルー殿か」
「スクリーム、体の色から察すると元に戻ったようだな。しかし、何故?」
「私の中でうずいていた『時』の力に何か関係があるとしか思えないが・・・」
「そうか、『時の紋章』の覚醒で、同じ性質を持つスクリームの能力と共鳴したからか」
「紋章には、その紋章に関係のある人物にかけられてる封印を解く力もあると聞いた事がありまっせ」
「スクリームの記憶は大昔に封印されていたらしいからな、納得だぜ」
「で、どうするんでっか?まだワテらと戦うんでっか?それなら容赦しまへんで」
「いや、もうその必要はない。真実を見た今、私に交星族と敵対する理由はない」
「では、俺達と一緒に戦うか?」
「そうだ、作戦がある。耳を貸してくれ」
トラルー、インシュリン、アトラーテリム、アカツキ、ウィンジャー、スクリームで小さな作戦会議。
「いいな、私は『時』の力で進行する。君達はできる限りバレないようにサポートしてくれ」
「オッケー、君も気をつけて」
「ほんじゃ、いきまっせ!」
トラルー達が先制攻撃を仕掛ける!

(58.88.137.37).. 2006年07月23日 06:51   No.157016
++ マイン (オリカ王)…158回       
 トラルーのタスラムアローを合図に、ヒエン達も攻撃に加わる。目標は、進退覇王の要塞もどきの一番上にある、人型の本体だ。
「む?どうやら、貴方に刃向かう愚か者がいるようですよ。ひぃふぅみぃ・・・12人」
「12人か。大した問題ではないな」
「ええ、貴方の敵ではございません。ていうか、この世に存在する者で貴方の脅威となりうる存在はパルパレーパのみ。さぁ、あんな雑魚共なぞ片づけてしまってくださいよ!!」
触手が一斉に襲いかかる。かわし、破壊し、本体に迫る。そして、トラルーらの一斉攻撃。トラルーも鎧進化して構える。
「ふん、お前らのような『バラバラな進化』で、何ができる。蹴散らしてくれるわ!!」
トラルー達がそれぞれの必殺技を放つ。しかし、触手により防がれる。更には、破壊した筈の触手が既に再生しているのである。
「な、全く効いてない!?馬鹿な!」
「私達の攻撃を、いとも容易く防ぐとは・・・」
ヒエン達も、驚きの表情を隠せない。そして再びキラードームの高笑い。
「はははははははははは!!お前らのようなクズに、この御方を止められるわけがない!!大人しく負けを認めろ!そうすれば、命だけは助かるかもなぁ!?はははははは!!笑いが止まらない」
「あんのヤロー、調子こきやがって・・・」
「おい、何ボケっとしてんだ!?お前ら狙って触手がくるぞ!?」
「え、うわっ!」
アカツキの叫びもむなしく、ヒエン達は触手に捕まってしまう。紋章の力を得ている者の中では、トラルーとアトラーテリムだけがなんとかかわせたが・・・。キラードームが形状を変化させたこの触手は、『捕まえる』というより『包み込む』といった感じである。まるで花の蕾に閉じこめられたかのような光景である。
「光の紋章だけは捕らえられなかったか。まぁ、7人分の紋章の力を封じればどうということもあるまいて」
そして、触手が輝き始めた。すると、なんとヒエン達の『光龍装』から紋章の力が消え、鎧自体も元に戻ってしまったのである。
「くっ、まだこんなところで終わるわけにはいかない!これでもくらえ!」
ヒエンはすかさず『退化スプレー』を触手に振りかけ、脱出に成功。他の仲間も助けようとするのだが・・・。
「わざわざ、そんなもの使わせなくとも返してやるわ!!」
触手を大きくうねらせ、ヴァルキリー達を投げ飛ばしたのである。
「!あんの馬鹿!!」
アカツキ、ウィンジャーが自慢のスピードで、アトラーテリムが4本の腕と大きな体を利用して、ヴァルキリー達を見事にキャッチした。そしてトラルー達がもう一度攻撃を仕掛けてみる。今度は触手のフォローが届かないような至近距離で。
「パルフィーリスレーブ!」
「プラネットグリン!」
「ホーンバスター!」
「マクダノカガミ!」
「エネルアロー!」
5人の必殺技が本体に迫る。しかし、それでも進退覇王は余裕だった。
「馬鹿め、その程度の攻撃なぞ、触手なしでも充分防ぎきれるわぁ!!」
邪気による衝撃波で、攻撃を防いだ上にトラルー達を吹き飛ばした。
「・・・かなり苦しい状況だな・・・。逆転できるとすれば、彼らの降臨か?」
その時、2人ほど人影が見えた。果たして、誰なのであろうか?

(58.88.137.37).. 2006年07月23日 07:19   No.157017
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…151回       
「手こずっているようだな,ヒエン達よ」
「あたしの新発明『ぶんどる君30号』でアイツから光龍装の力引きはがしてあげるゎよっ☆ミ
 そーれポチっとな♪」

その2人の他にフィガロ剣聖とハロルドが摩天楼の頂上に立つように現れた。
その頭上にある掃除機のような機械が,ハロルドの持つリモコンによって作動し,プロイツェンから奪われた光龍装と紋章の力をみるみるうちに吸い取っていく。

「あのクリナークレーマーとか言う言葉遣いの悪い掃除屋の『ソージ鬼』を元にしたら成功したなんて,ビックリしちゃったわぁw」
「だがそれも我が実験台として立候補したからこその事であろう・・・。
 何はともあれこれでヒエン達にも力を取り戻させる事は出来る。
 賢者パルパレーパを宿すユウガと共に戦うのだ,ヒエン達よ!」

そしてリモコンにあるもう一つのスイッチを押すと,さっき吸い取った力がヒエン達に戻ってゆく。
鎧はあるべき姿を取り戻し,武器も戻ってくる。

「! 力が・・・戻ってくる!!」
「あのマッドサイエンティストも捨てたもんじゃなかったな・・・,実験台になれって煩いけど,いざ使えば相当役立つんだし」
「特にさっきの退化スプレーが一番のものだったよね」
「しかし,このままでは此方の戦局がどんどん不利になるのみ・・・,一体どうすれば!?」

ヒエン達はプロイツェンへの対抗策を失い,悩んでいた。
そうしている内にも触手は迫り来る。
ヒエン達は必死でそれをかわす他無かった。
だが,その時ユウガが重い口を開いた・・・。

(219.169.212.198).. 2006年07月24日 17:20   No.157018
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…152回       
「やっぱり俺が戦うしかないな・・・」
「ゆーちゃん!? そんなっ,ゆーちゃんが負けちゃったらこっちは勝ち目が・・・」
「心配するな,闘いに出る前に俺の力で紋章と光龍装に宿る力を全解放してやる。
 幾らプロイツェンといえど強大な力があれば吸いきる事は不可能なはず。
 それにヒエンには『大いなる力』が,コウガ達には『8つの意志』が宿ってるだろ?」
「ゆーちゃん・・・」
「大丈夫だ,必ず俺たちが勝つ。
 そして進退覇王を消滅させ,プロイツェンを救い出す事も出来るかも知れない。
 さぁ行くぜ・・・,8つの紋章よ,神の手により創られし光龍装よ,宿りし力を解放せよ!!」

ユウガの声と共にヒエン達の鎧がそれぞれの色に輝き出す。
そして光が止むと光龍装は先程よりも遥かに属性を現したようなデザインとなった。

「ヒエンちゃん,これって・・・」
「より紋章の力が現れた証拠かも知れない。
 だがこれによって力は格段と上がったはず。
 今憑依合体すれば,絶大な力を発揮出来るかも知れないぞ!」
「そっか! セドナさん,ボクに力を貸して!」
「コウガ,今こそ私の『大いなる力』と共に戦う時だ!」
「ハーブ君,私の力をお貸しします!」

レンガとセドナが,アズマとハーブが,そしてヒエンとヴァルキリーが互いの手を合わせて叫ぶ。

『憑依合体!!』

次第に6人は光となって合体し,以前より遥かにパワーアップ。
アズマは雄々しい飛龍の様な鎧に身を包み,自らの翼で空を飛び,肩に搭載されたエナジーキャノンと両手に持つ二丁拳銃で応戦。
ヒエンはかつての天魔龍騎のような鎧の上から先程の光龍装を纏い,その手に握られている白夜は大剣と化していた。
そしてレンガはイルカや人魚をモチーフとした鎧に身を包み,手には蒼い三つ又の槍を手にしており,周囲を純水が取り巻いて守護している。

「みんな,奴の触手の先さえ壊せればなんとか時間は稼げるはずだ。
 先に触手の先端を壊してから本体を狙ってくれ!!」

ユウガがまず手本を示した。
杖の先から放たれた波動が触手の先端の部品を破壊する。
ヒエン達もそれを見てまず触手の先端へと反撃を開始した。

(219.169.212.198).. 2006年07月24日 17:36   No.157019
++ マイン (オリカ王)…159回       
2人の援軍、それはブレンとモールだ。小さいながらもパワフルな攻撃が可能な彼らの参戦でにより、触手の破壊がスムーズになった。ブレンのセメントで触手の動きを止め、モールのドリルで触手を一気に破壊した。
そして、どれ程の時間が過ぎただろう。もはやまともに使える触手は1つもなく、武器といえるものは内部に格納されている砲門のみ。更に、背後から忍び寄る影があった。
「・・・君か、スクリーム」
「ああ、そうだ。だが、もうお前の知っているスクリームではないぞ」
「なら、敵だな」
「まぁ、お前と戦うことはないがな」
「それはどういう意味・・・ぎゃああああ!!」
突然要塞もどきの装甲の一部が動き、むき出しになった稼働部に挟まれたのだ。キラードーム自身固い装甲で身を守っているが、流石に要塞級の稼働部に挟まれればひとたまりもない。無論、彼のスパークが粉々に吹き飛ぶのも時間の問題であった。
「た、頼む、助けてくれ!このままでは、この優秀な頭脳は永遠に消えてしまうぞ!」
「敵に命乞いするというのか」
「敵というのは冗談、嘘だ!紅蓮龍騎に協力する、何でもする!だから、助けて・・・」
「・・・野心家というのは、命乞いの手段だけは同じみたいだな。もう、お前のような呆れた思想に付き合う者はいない・・・失せろ」
「な、なんて酷い奴なんだ・・・この悪魔め、愚か者め・・・ぎゃああああああああああ!!!」
遂に耐えきれなくなり、キラードームはスパークもろとも粉々に砕け散った。
「・・・自分の野心によって生まれた者に消されたか、愚かな科学者だったな」
周辺に漂う、キラードームのスパークの欠片を見つめながら、スクリームは進退覇王に刃を向けようとしていた。

 一方、ある程度触手の始末にめどが立ってきたことを悟ったウェーブは、砲撃を避けつつ進退覇王の本体へ向かった。そして、アズマに声をかける。
「アズマ。悪いが、ハーブは返してもらうぜ。アイツにトドメ刺すのに必要なんだ」
「そういう事だから・・・ゴメンね」
ハーブは憑依合体を解除し、ウェーブと合体、再びトラルーに戻る。鎧進化中なので、正しくはアルテミスか。そして、本体に辿り着く。そこには既にスクリームもいた。
「・・・貴様らだけで何ができる?我が攻撃で吹き飛ぶのがオチだぞ」
「どうかな、進退覇王め!」
2人は急接近し、進退覇王の体に武器を押しつけた。
「・・・なるほど、そういう手段か・・・。だがそれだけでは終わらぬぞ!」
「いや、貴様はここで、今終わるのだ」

(58.88.137.37).. 2006年07月25日 05:00   No.157020
++ マイン (オリカ王)…160回       
「貴様は・・・パルパレーパ!?何故ここにいる!」
「お前の存在そのものを滅ぼす為だよ。まずは弱らせる必要があるな。アルテミス、スクリーム、奴を滅多打ちにしてくれ」
「おやすいご用だね」
「では、覚悟しろ!」
アルテミスとスクリームが同時に攻撃する。ものの数分で、進退覇王の体は見るも無惨なものになっていた。
「さて、あとは我の仕事だ。2人とも、下がっていろ」
パルパレーパは何やら特殊な呪文を唱え、進退覇王の本体に魔法をかけた。その呪文、アルテミスには聞き覚えがあった。
「そうか、自爆魔法!外からの攻撃では消すのは難しくても、体内からの自爆ならば跡形もなく消し飛ばす事も可能だ!」
「ふふ・・・ふはははははははははは!とんだ誤算をしたな、パルパレーパ!こうなれば、この要塞もどきの融合路を用いて大爆発を起こしてくれる!無論、貴様も道連れだ!!」
「お、おのれ、こうなれば・・・」
進退覇王は装甲の一部を開き、無数の触手と共にパルパレーパを引きずり込んだ。パルパレーパは別な呪文を唱えた。この呪文も、アルテミスには聞き覚えがある。
「なんてことを・・・」
「どういう魔法なんだ、あれは」
「あれは心中魔法、相手と自分の魂を消し去る魔法だよ。パルパレーパの魂がいきなり消えたショックでユウガの魂はまだ目覚めきれていない。早く助けないと!」
「しかし、どうやって?融合路の出力が急上昇して、爆発まで時間が無いぞ!」
「・・・仕方ない、最後の手段だ。君は、ユウガを連れてここから離れるんだ。他のみんなにも、早急に帝都から離れるように伝えるんだ。君のスピードなら、できる」
「分かった・・・だが、生きて戻ると誓ってもらうぞ」
アルテミスは要塞もどきの装甲の一部を破壊し、内部に侵入した。そこには、魂のない進退覇王の本体と、まだ目覚めきれていないユウガの姿があった。
「彼さえ、彼さえ助ければ問題なく・・・!」
触手を切り裂き、ユウガを救出した。彼を運ぶのは、スクリームの役目だ。
「スクリーム、彼を紅蓮龍騎の元へ!」
「分かった。しかし、お前は・・・うお!?」
スクリームがユウガをしっかり抱きかかえたのを確認すると、アルテミスはスクリームを遠くまで吹き飛ばした。もう爆発まで時間が殆ど無いからだ。
「ここからは・・・僕だけの仕事だ。誰も、手出ししなくていい」
そう呟くと、彼の体から眩い光が放たれた。その光は、装甲の隙間を突き抜けていった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月25日 05:20   No.157021
++ マイン (オリカ王)…161回       
「ゴルマドル・ゴル・ジーラ!」
彼専用の呪文だ。その呪文を唱えると、彼のフライトテイルが凄い勢いで巨大化し、装甲を突き破って要塞もどきをすっぽりと包み込んだ。それと同時に、要塞もどきの融合路の出力が臨界点まで達し、遂に大爆発を起こした。
「・・・これでいい、これで帝都の被害は最小限のもので済む・・・。そして、待ちに待った安らかな時が・・・」
アルテミスがそこまで呟くと、彼もまた業火に包まれた。

 次々と崩壊していく要塞もどき。もはや先程までの面影は全くなく、巨大化したフライトテイルの内部で爆発し続ける。その光景は、帝都にいる者全てが見ていた。そんな中、シュライクはウィンバーの姿を見た。
「ウィンバー殿!いったいどこに行っていたのですか!?おかげでアイゼンアサシンは壊滅状態、しかも我らの敗北で幕を閉じようとしているのですぞ!?」
「そんな事はとっくの昔に知っている!!そもそも、この戦いに勝ち負けなどない!今大爆発を起こしている、進退覇王の手の上で踊らされたいただけなのが、まだ分からないか!」
「し、しかし・・・」
「とにかく、残存部隊に撤収命令を。もう、戦う理由は無い」
「は、はぁ・・・。かしこまりました」
シュライクが残存部隊に撤収命令を出すと、ウィンバーはシュライクにこう言った。
「これで終わる・・・この帝都の、戦いばかりの醜い歴史に終止符が打たれるのだ・・・。あの大爆発が収まったその瞬間、新たな歴史が始まるのだ」
「この帝都も・・・生まれ変わるのですか・・・ウィンバー殿」
「ああ、生まれ変わる。あの御方の帰還が、最初からそれを告げていたとは思うがな」
「あの御方?」
「そう、あの御方だ。あの要塞もどきの周辺に捜索隊を派遣しておけ。あの御方は、あそこにいる筈だから・・・」
「かしこまりました。私と貴方とでは、今は『あの御方』の対象が違うかもしれませんがね」
「なに、すぐに分かる事さ。あの御方は殺しても死なないような人だ」
「・・・そうでございますな」
シュライクの指示の下、アイゼンアサシンの捜索隊は動き出した。

 一方、アトラーテリムはテントムに退化し、爆発の光景を眺め続けていた。そこに、インシュリンが声をかける。
「どうしたの?何か不安な事でもあるの?」
「いや、さっきから光の紋章の反応が察知できないんや」
「そ、そんな馬鹿なこと・・・!」
「・・・そうやな。紋章の力は察知できまへんが気配なら察知できまっせ」
「・・・そう、良かった・・・。私達も行きましょう。あの物体のところへ!真相が分かるわ」
「はいな!」
テントムとインシュリンもまた、要塞もどきの近くに急いだ。それとスクリームがユウガを抱きかかえてヒエン達の下に辿り着いたのは、ほぼ同時の事だった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月25日 05:44   No.157022
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…153回       
「ゆーちゃん!!」
「ユウガ!!」

抱きかかえられたユウガを目の当たりにして驚く,脱出後に分離して元の姿に戻ったヒエン達。

「・・・安心してくれ,まだ魂が目覚めていないだけの事だ」
「パルパレーパ様は・・・ゆーちゃんと離れてどうなったんだ!?」
「残念だが自爆魔法によってプロイツェンを道連れに・・・」
「そんなっ,自分の信念から命を絶つなんて・・・」

悲しみに暮れるヴァルキリー。
彼女の頬伝いに流れる涙がユウガの頬に当たる。
そしてその涙が幾ら当たった頃だろうか,ユウガがようやく眼を醒ました。

「・・・うぅっ・・・」
「ゆーちゃん! ・・・良かった,眼ぇ醒めたんだな」
「じっちゃんは・・・死んだか。
 別れる間際に俺に全部力コピーしてくれたまでは良いが,それでもオリジナルが死んだら心もとねぇな・・・」
「うん,神界でも伝説になる程の大賢者様なんだし,フィガロ様に匹敵する程の凄い偉人だからね・・・」
「だけど,パルパレーパ様はユウガの兄貴の身体で生き続けてると思うッスよ,俺は・・・。
 死んでいなくなったにせよ,心は一つだとかって誰かが言ってたッスから・・・」
「でも・・・俺はゆーちゃんが生きててくれてホントに良かったと思ってる!
 だってさ,居なくなった時にやっと気が付いたんだ,ゆーちゃんの事こんなに好きだったんだって・・・。
 リュウトさんにもちょっと惚れてたけれど,結局リュウトさん神出鬼没だから・・・。
 ずっと傍にいてくれるのって言ったら,ゆーちゃんかくぅ達しか居ないんだよ・・・!」
「コウガ・・・俺もだ,死んだらどうしようかって悩んでたけれど,じっちゃんが助けてくれたお陰でやっと吹っ切れた。
 前の夫であるアレックスは死んだが,今度は長生き同士俺たちで一緒に住もう。
 もちろん,弟分のコクガややヒエン達も一緒にな・・・!」
「ゆーちゃん・・・!
 そうしてくれる以上はずっと傍に居てよね,ずっと離れないでよね!
 俺,ううん・・・私独りぼっちになるの嫌だから・・・!!」
「新しい恋が実ったみたいね・・・」
「俺たちはノータッチって事で伏せてやろうぜ・・・」
「そうだね,マスターの恋の行方を邪魔する訳には行かないから・・・」
「成り行きに任せていっても,きっと2人とも幸せな家庭を築き上げていけますね」
「じゃあ,そろそろ帰ろうか・・・トラルー君の事は,テントムさん達に任せよう」
「ああ,みんな行こう,此処に残っていても埒があかない。
 地上世界の,私達のあるべき場所へ帰ろう・・・」

こうしてヒエン達は新しい愛を実らせたヴァルキリーとユウガ,マルス達を連れて地上界へ下った・・・。

(219.169.212.198).. 2006年07月25日 20:10   No.157023
++ マイン (オリカ王)…162回       
        第3部
 長時間続いた大爆発もようやくおさまり、要塞もどきは完全に消滅していた。そして、後に残ったのはフライトテイルが元の大きさに戻ったトラルーのみである。そこへ、いち早く駆けつけた者がいた。
「リーダー、このまま合体を維持するのは危険。スパークをいくつかに分けて、来る時まで力を温存しましょう。大丈夫、場所ならちゃんと用意しております」
「おお、ブラミラーか・・・。帝都にて情勢を伺っていたのか・・・。わるいね・・・暫くは動けそうにないよ」
「お気になさらず。リーダーは成すべき事をしたまでですから。それよりも、今すぐ合体を解除してください。スパークを分ければまだ生き残れますから」
「分かった。しかし、何とも妙な感じがするが、気のせいかな?」
「!マズイ、誰か来ましたよ」
「・・・ああ、インシュリンとテントムだ。あの2人にだけは真相を語っておきたい」
「分かりました。リバーサラー殿、ワープホールを」
トラルーをリーダーと呼ぶブラミラーの足下に、小さめのワープホールが現れた。
「さぁ、インシュリン、テントム。ついてくるといい」
「・・・極秘情報でんな・・・?」
インシュリンとテントムも、迷わずワープホールに飛び込んだ。その先には、とても大きな大樹が1本そびえ立つだけの謎の世界が広がっていた。
「姫にテントム、この世界の存在と、これから話す情報は、決して他の誰にも漏らしてはいけないよ・・・。いいね?」
「ええ、で、まずここはどこ?」
「ここは、『誕生樹(たんじょうじゅ)』と呼ばれる大樹と無限のスパルクルのみがある世界、『誕生の間』だ。これからリーダーは、ここで暫く眠りにつく。スパークの生命エネルギーが残り僅かなんだ」
「ナルホド、つまりトラルーはんの安眠を邪魔させない為に秘密にするわけやな」
「その通り。この世界は精霊達の聖地とも呼ばれていてな、どこを探しても、精霊以外にここに入れる奴はいないのさ」
「じゃあ別に秘密にしなくてもいいんじゃ?」
「ところがどっこい。みんなには、あまりリーダーに頼ってばかりいてほしくないのだ。だから、秘密にする」
「どういう事でっか?ワテにはサッパリ・・・」
「えーと、ヴァルハラだけではなく、交星族全体でも新しいリーダーが必要だって事かしら?」
「その通りだ。しかし、姫ではまだ指揮能力は未熟、テントムは話にならない」
「あんさん、言い方に気ぃつけなはれ・・・」
「ス、スマン。それはともかく、交星族を引っ張る新しいリーダーが必要になるのはお分かりいただけただろう」
「で、これから何をするの?」
「ここにリーダーに候補する者達を集めて、リーダーの意思で決めていただく。次期リーダーに相応しいのは誰か、それもまた極秘事項であると知って行動してもらう。決して交星族以外の者に、ここで話した事を1つも教えてはいけない。まぁリーダー生存の報は教えていいが、今どこにいるのかまでは教えないように」
「分かってるわ。行きましょう、テントム。早速リーダー立候補者を集めなきゃ」
「はいな!ほんじゃ、行ってきますわー!」
「気をつけてな・・・」
かくして、交星族次期リーダーを決めるべくインシュリンら交星族の一部は行動を開始した。果たして次期リーダーは誰なのか?

 一方、「禁断の間」だった場所には、いくつかの彷徨う魂とそれらを手中に収める者がいた。彼らは、一体何者なのだろうか!?

      〜第7章へ続く〜

(58.88.137.37).. 2006年07月26日 06:26   No.157024


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