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■--リターンファイターズ 第5章
++ マイン (オリカ王子)…110回          

物語は、紋章を巡る戦いへ・・・。そして、紋章に秘められた力にも注目です。では、レギュラー投下。

名前:トラルー
パワー:7
出身地:ヴァルハラ
必殺技:フライヤーショット
データ:紋章とタグの関係に気づき、残りの紋章を探すヒエン達に協力する。テントムとある紋章の関係に気づいているらしいが・・・。
親友:テントム&ウィンジャー
セリフ「タグと紋章・・・。どれ程の力を持っているのだろうか」
豆知識「インシュリン達はヴァルハラで他の仲間と合流しているらしいゾ!」

名前:テントム
パワー:5
出身地:ヴァルハラ
必殺技:プチサンダー
データ:トラルーの親友の1人で、のんびり屋で人なつっこいフレンドリーな性格。何故か関西弁で話す。彼とある紋章には何か関係があるらしい・・・。
親友:トラルー&ウィンジャー
セリフ「それは伝説さかい、ワテも知りまへん」
豆知識「いつの間にか一人称が『ワテ』に変わっているが、それに気づいたのはトラルーだけらしいゾ!」

名前:ウィンジャー
パワー:7
出身地:交星地域
必殺技:ウイングボウガン
データ:トラルーの親友の1人で、とにかく探検好き。背中のウイングは分離させる事で武器としても活用できる。変形してもなお飛行能力は健在。
親友:トラルー
セリフ「紋章探しか。探検家の好奇心が駆り立てられるぜ!」
豆知識「ウィンジャーとウィンバーのライバル対決には未だ決着がついていないらしいゾ!」
(58.88.137.37).. 2006年06月26日 06:00   No.156001

++ マイン (オリカ王子)…111回       
投下その2

名前:カブトム
パワー:7
必殺技:メガ・ブラスター
データ:テントムがトラルーの持つクリスタルの力で進化した姿。飛行能力と攻撃力がアップし、戦闘的になった。関西弁は相変わらず。
親友:トラルー&ウィンジャー
セリフ「ワテも戦闘に本格参戦や!」
豆知識「カブトムに進化しても、戦闘後はすぐにテントムに戻るらしいゾ!」

名前:ディープ
パワー:5
出身地:神界海底都市
必殺技:フォノンメーザー
データ:頭のリフターがフォビドゥン(今のライブ)と酷似しており、フォビドゥンを尊敬している。彼に代わり一族を率いている副長的存在。
仲間:フォブルー&フォビドゥン
セリフ「やぁ、この海底都市によく来たね」
豆知識「ライブは海底都市に戻り、かつての姿を取り戻したらしいゾ!」

名前:フォブルー
パワー:4
出身地:神界海底都市
必殺技:ブルートライデント
データ:フォビドゥンに酷似した外見を持ち、性質もフォビドゥンのリフターと似ている。海底都市にたくさんおり、水棲オムニコンと呼ばれる。
仲間:ディープ&フォビドゥン
セリフ「この海底都市の伝説と紋章には、深い関係があるらしいよ」
豆知識「フォビドゥン一族のように、オムニコン以外にも同型がいる種族があるらしいゾ!」

名前:フォビドゥン(ライブ)
パワー:10
出身地:神界海底都市
必殺技:エクツァーン
データ:海底都市で一族の同胞と再会し、ある紋章の力で2つの姿を自在に使い分けられるようになった。一族をまとめる族長でもある。
パートナー:ディープ&フォブルー
セリフ「あの紋章は、君にこそ相応しい」
豆知識「フォビドゥン一族はある紋章を先祖代々守り続けているらしいゾ!」

インシュリン達は6章で再び出番となります。
彼女らは紋章探しとは別な事をしているという設定でいきますので。

(58.88.137.37).. 2006年06月26日 19:13   No.156002
++ マイン (オリカ王子)…112回       
投下その3。今回のメインとなる敵は彼らです。

名前:スクリーム
パワー:15
出身地:ヴァルハラ?
必殺技:スクリーンカリバー
データ:プロイツェン直属の暗殺部隊『アイゼンアサシン』のトップ。その実力ももちろん、プロイツェンへの忠誠心もかなりのもの。しかし、実はヴァルハラ出身ではないらしいが・・・。
部下:クスイト&スパイナー
セリフ「プロイツェン様の邪魔はさせん!!その紋章、渡してもらおうか!」
豆知識「スクリームは、ある紋章と密接な関係があるらしいゾ!」

名前:クスイト
パワー:12
出身地:ヴァルハラ
必殺技:ステルスライジング
データ:プロイツェン直属の暗殺部隊『アイゼンアサシン』のナンバー2。実力は大したものだが、理屈が子供のようで不安定なのが最大のネック。
上司:スクリーム
セリフ「なんだよ!なんでお前はくたばらずに生き延びる!?」
豆知識「クスイトの子供のような理屈は、彼の本来のスペックに時々影響を与えるらしいゾ!」

名前:スパイナー
パワー:10
出身地:ヴァルハラ
必殺技:ジャミングウェーブ
データ:『アイゼンアサシン』の特殊情報兵。背ビレのような部分は電磁兵器であり、赤・黄・紫の3色の電磁波で相手に様々な悪影響を及ぼす。
上司:クスイト&スクリーム
セリフ「へっへっ、紅蓮龍騎は操り甲斐があるなぁクスイトの兄貴ぃ」
豆知識「ジャミングウェーブの電磁波で、赤は相手の心を狂わせ、黄は相手の体を麻痺させ、紫は相手の体を思い通りに操ってしまうらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年06月26日 19:34   No.156003
++ マイン (オリカ王子)…113回       
投下その4。彼らも再びヒエン達を苦しめます。

名前:黒龍破壊無双ザオウバルガ
パワー:30
出身地:ヴァルハラ・死者の都
必殺技:黒龍燕斬撃
データ:プロイツェンの手で甦った、時雨蒼燕流のトップ。燕返しの腕にも磨きがかかった他、新たに強烈な毒を帯びた攻撃もできるようになった。
ライバル:紅蓮龍騎
セリフ「我は・・・今度こそ貴様らを倒し、この現世に完全に定着してみせる・・・!!」
豆知識「ザオウバルガ達は甦ってはいるものの、その存在は現世に完全に定着していないらしいゾ!」

名前:黒龍天舞シグレ
パワー:25
出身地:ヴァルハラ・死者の都
必殺技:執着の燕
データ:ザオウバルガと共にプロイツェンによって復活した、時雨蒼燕流のナンバー2。こちらは相手の力を吸い取る事が可能になった。
上司:黒龍破壊無双ザオウバルガ
セリフ「生きてやる・・・生きて生きて生き抜いてやりますとも・・・!」
豆知識「シグレは復活してから生への強い執着が生まれたらしいゾ!」

名前:メビウス・ゼロ
パワー:5
出身地:ヴァルハラ
必殺技:ガンバレル
データ:テラーコンと呼ばれるプロイツェンに忠誠を誓う種族の1つ。体に装着されているポッドは分離させることで遠隔操作兵器として役立つ。
上司:帝都摂政プロイツェン
セリフ「ほら、ボサっとしてると吹っ飛ぶぞ!」
豆知識「テラーコンはオムニコンと似た能力を持つらしいゾ!」

名前:メビウス
パワー:4
出身地:ヴァルハラ
必殺技:バーンメルトミサイル
データ:テラーコンの一種で、スパルクルスターを利用した超強力なミサイルを放つ。ゼロに率いられて集団で襲いかかる。レールガンもあり。
上司:メビウス・ゼロ
セリフ「目標確認、ミサイルリミッター解除!」
豆知識「スパルクルを結晶化させたものがスパルクルスターらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年06月28日 05:18   No.156004
++ マイン (オリカ王子)…114回       
再び現るあの一行投下。

名前:スプラング(スーパーモード)
パワー:15
出身地:鎧羅地域
必殺技:ブーストビックバーン
データ:強化ユニット「アタックブースター」を装着して戦闘力がほぼ倍増したスプラング。実は暗殺者の存在すら見抜く千里眼を持っている。
仲間:オーバー&ホイル
セリフ「戦闘配備!スパルクル防衛はワシらに任せなさい!」
豆知識「アタックブースターは毎日手入れして大事にしているらしいゾ!」

名前:オーバーS(スノーリア)
パワー:8
出身地:交星地域
必殺技:ブリザーライド
データ:ザオウバルガ軍の魔物達との戦いの後にある紋章の力でパワーアップ!ホイルとの連携プレーが新たに生まれた。
仲間:スプラング&ホイルE
セリフ「紋章パワーでチェキラッチョイ!」
豆知識「ブリザーライドはホイルとの連係プレー技らしいゾ!」

名前:ホイルE(エキサイト)
パワー:8
出身地:交星地域
必殺技:ブリザーライド
データ:オーバーと同じ時、同じ紋章の力でパワーアップ!オーバーとの連係プレーを戦法に加えて、更に頼もしい存在に。
仲間:スプラング&オーバーS
セリフ「今回の戦い、キーポイントは紋章で間違いないな・・・」
豆知識「紋章は様々な場所に散らばっているらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年06月28日 19:24   No.156005
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…121回       
よぉーっし,新章スタートに向けてどんどん投下していきまっせぇ!(爆

名前:紅蓮龍騎ヒエン
パワー:11
出身地:地上界・飛天地方
必殺技:緋炎蓮牙衝
データ:フィガロの助言により無魔の呪いを解く方法を見つけたヒエン。プロイツェン達の魔の手が迫っているが,それでも仲間と力を合わせピンチを切り抜ける。
パートナー:天上聖皇オウガ&堕天皇ソル

ヒエン
「奴も紋章を狙っているのか・・・急がなくては。
 悪者に紋章を悪用されればどうなる事か・・・」
ウェ:ヒエン達の作者はテントムの一人称の元ネタにいち早く気が付いたらしいゾ!


名前:紅蓮龍院コウガ
パワー:9
出身地:地上界・飛天地方
必殺技:メルティ・ブラッド
データ:ヒエンの手助けによってより強い女になろうと決心したコウガ。ただし決して婿探しの為ではないと,本人は念押ししている。
パートナー:紅蓮龍騎ヒエン&紅蓮龍院レンガ

コウガ
「何だかまた強い敵が出てきてわくわくしてきたぜw
 何か俺,強さを求める事でソルに似てきたかなぁ?」
ウェ:あのあとコウガのマンションはフィガロが時間遡行の魔法で直したらしいゾ!


名前:紅蓮龍院レンガ
パワー:9
出身地:地上界・飛天地方
必殺技:蓮炎龍牙破斬
データ:母親であるコウガに何処までもついていくと約束した為,ヒエンの手助けの旅に同行する事となったレンガ。軍神となったクウガ達英霊の力も借りて,今回も豪快に必殺技をぶっ放つ!
パートナー:紅蓮龍騎ヒエン&紅蓮龍院コウガ

レンガ
「これからの旅もまた困難な事になりそうだね・・・!
 ボク,頑張る! 絶対負けないよ!」
ウェ:レンガのセリフの元ネタは『○ケモン』という死者の都でも放映されているテレビ番組の劇場版の1シーンかららしいゾ!

(219.169.212.198).. 2006年06月28日 22:46   No.156006
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…122回       
名前:軍神マルス
パワー:25
出身地:神界
必殺技:マーベラスコンビネーション
データ:フィガロの命によりヒエン達に同行する事になった。前回判明したが正体はクウガである。
パートナー:紅蓮龍騎

マルス
「折角神族になったんだ・・・,この力,正義に使わせて貰う!
 覚悟しろ,帝都摂政の刺客め!」
ウェ:マルスとしてのクウガと普通の時のクウガはまさに二重人格のように違ったキャラになっているらしいゾ!


名前:蒼海護神セドナ
パワー:25
出身地:神界
必殺技:ディープ・ブルー
データ:海底の死者の都を護る女神に転生したソウガ。マルスの事を心配している為,フィガロからの勅命でヒエン達に同行する事に。
兄妹(パートナー):軍神マルス

セドナ
「アナスタシア様から頂いたこの地位と名前・・・,ヒエンちゃん達を護る為に使わせて頂きます。
 どうせ『水』の紋章は海底にあるんでしょうしね・・・」
ウェ:セドナになったソウガには新たに他の仲間達を水中でも呼吸できるようにする能力が備わったゾ!


名前:海皇ポセイドン
パワー:25
出身地:神界
必殺技:オーシャングレイヴ
データ:神界の海底都市と神羅万象世界の海底神殿を守護する海神の一人。正体はソウガとクウガの兄・カイである。
兄妹(パートナー):軍神マルス&蒼海護神セドナ

ポセイドン
「紋章か・・・,だがあそこにはガーディアンモンスターがうようよ居る。
 せめて寄って集られないようにしろよ・・・」
ウェ:カイの他にもクウガ達の関連者は殆ど第3神位以下の神族になったらしいゾ!


名前:海龍神レヴィアタン
パワー:25
出身地:神界
必殺技:オーシャンドライヴ
データ:神界の海底都市と神羅万象界の海底神殿を守護する海神の一人。正体はクウガとソウガの次兄・セイガである。
パートナー:海皇ポセイドン

レヴィアタン
「最近やけに紋章のある辺りから魔物が徘徊してきている。
 コイツは何かあったのかも知れない,気を付けろよマルス・・・」
ウェ:レヴィアタンはリヴァイアサンと同一のものらしいゾ!

(219.169.212.198).. 2006年06月28日 23:00   No.156007
++ マイン (オリカ王子)…115回       
今回の物語は、紋章を求め旅立ったヒエン達紅蓮龍騎一行と別れ別ルートで紋章を探すトラルー達から始めよう。
トラルー達がオウガとソルに託した光と闇の紋章にはいかなる力が秘められているのであろうか。そして、ヒエン達は残り6つの紋章を無事手に入れられるのであろうか?

   ーリターンファイターズ第5章ー

 さて、こちらはトラルー、テントム、ウィンジャーの3人。インシュリン達には別な行動を任せ、3人だけで紋章を探す旅に出たのである。
「しっかし、紋章を探す当てはあるのか?」
「そういや、噂やとフォビドゥン一族が紋章の1つを先祖代々守っているそうでっせ」
「フォビドゥン一族?聞いた事ない種族だな」
「フォビドゥン、今のライブには似たような姿の仲間がいて海の底に都を築いているとか」
「その通りや。でも、最近紋章がある場所の近くでは凶暴で強いモンスターが出現して紋章には面識のある者以外は近づけんそうや」
「ふーむ、それは恐らくフラウ・マナカノンの発射による凄まじいエネルギー変動で休眠状態だったモンスター達が目覚めたのだろう。しかし厄介なことになったな・・・」
「せやけど、今ならワテも力になれまっせ」
「そうだね、月で偶然みつけたクリスタルがテントムを進化させられるアイテムだと分かった時には驚いたね」
「カブトムに進化できればそんじょそこらのモンスターには負けないもんな」
「そういうことや。ん?トラルーはん、タグが光ってまっせ」
「あ、ホントだ。えーと、あっちからだ」
「うわ、わけわかんねぇバケモンいやがる」
「数もそこそこだね。そんじゃ、モンスター達には悪いけど紋章はもらっていくよ!」
その時クリスタルが光った。その光で、テントムはカブトムに進化した。
「いきまっせ、メガブラスター!」
「よっし、道が開けた!」
「今の内!紋章よ、このタグに収まりたまえ!」
トラルーがタグを紋章が刻まれたクレーターに近づけると、紋章タグとなった。そのタグに収まっている紋章はというと、
「これは、時の紋章みたいだな」
「よし、早い内に月から離れよう。今はここには用はないからね」
「そうだな、またバケモンが追ってきてるし」
「ああ、待ってくんなはれ〜」
カブトムはテントムに戻ったのでスピードが低下したようである。追いつくのがやっとである。そして、次の目的地にワープした。

(58.88.137.37).. 2006年06月29日 05:19   No.156008
++ マイン (オリカ王子)…116回       
 次の目的地、それは帝都の外れにある小さな集落である。そこでも紋章の反応があった。
「この村で間違いないでっせ」
「タグも光ってるしな」
「ここは、オムニコンの村のようだね。さて、ここには何の紋章があるのかな?」
「おやおや、これはこれはトラルーさん。お久しぶりですなぁ」
「おお、これはこれはスプラングさん。久しぶりだね。君もここに来てたのか」
「せっかくの休養という事で、都会の喧噪が無い静かな場所を求めてここに来たんですじゃ」
「確かに、ここのオムニコン達はのんびりしてるしね。都会の喧噪なんて夢のまた夢」
「へー、この人が御隠居ことスプラングか。俺はウィンジャー」
「初めまして、ワテはテントムゆうんや」
「フォッホッホ、ワシは隠居ジジイことスプラングですじゃ。こちらがオーバーさん、こっちがホイルさんですじゃ」
「よろしくヨー!」
「よろしくな」
「あれ、オーバーとホイルって感じ変わった?」
「そうなんですじゃ。なんでも、この集落の近くにある紋章の力でパワーアップしたとか」
「その紋章はどこに!?」
「フォッホッホ、案内しますですじゃ。ついてきてくだされ」
こうして、スプラング達に案内されトラルー達は集落の外れの方にある山岳地帯にやってきた。
「ここに紋章があると?」
「その筈なんだヨー。確か、この崖の岩の中にあったような・・・」
その時、大地が割れ、切れ目から巨大なモンスターが現れた。果たしてトラルー達は紋章を手に入れられるのであろうか!?

 その頃、プロイツェンもまた動き出した。プロイツェン直属のエリート暗殺部隊「アイゼンアサシン」のメンバーの一部を送り込むのである。
「紅蓮龍騎共の予想目的地は把握しているだろうな?奴らは早いぞ」
「大丈夫、ぬかりはありません。スクリーム、クスイト、スパイナー、大至急スペースブリッジを通り紅蓮龍騎共を始末してこい!特にそのステルス能力があるからといって油断するなよ」
「そうだ。奴らの中にはミラージュコロイドをも見抜く奴がいる。常に最大限の警戒を怠るなよ」
「了解!必ずや紅蓮龍騎を始末してやります」
「ククク、あいつらを何も知らない内に終わらせてやる・・・」
「紅蓮龍騎を操ったら、あいつらビックリするだろうな。感動のあまり涙出るかもなぁ」
スクリーム、クスイト、スパイナーの3人は各々の心境を呟きながらスペースブリッジへ入り、そして強化型ミラージュコロイドを展開した。果たして、彼らの目的地=紅蓮龍騎の目的地とはいったいどこなのであろうか?

(58.88.137.37).. 2006年06月29日 05:41   No.156009
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…123回       
そしてヒエン達は『水』の紋章を探す為,マルス・セドナの護衛の元飛天地方の海岸にやってきていた。

「・・・本当に飛び込むの?(汗」
「うん,情報に寄れば交星地域より離れたポイントにある神殿の壁に『水』の紋章があるってセイガ兄さんが言ってたんだ。
 それに其処は兄さんの管轄だし,僕らでも容易くはいる事は出来るだろうしね」
「しかし・・・,水中ではどうも呼吸は出来ない。
 当てはあるのか?」

クウガ・・・今は軍神マルスが情報を提示するも,コウガ達には克服しがたい課題が。
・・・それもその筈,地上界で水中活動が出来ると言ったら,鎧羅族のテクノロジーを応用した者に限られるのだ。
それに天使族と神族なら問題ないのだが,コウガとレンガは死者の都にいたとはいえど,元が地上界の者であるので当然能力はない。
ダメ押しにこの前レンガが水球に閉じこめられて溺れたという経験もあり,どうも水中での探索活動は難しそうだ。
そんなとき,ソウガ・・・今の蒼海護神セドナが口を開く。

「・・・あ,唐突にだけど思い出した。
 あたし,神族に転生してから他の人にも水中活動が出来るようにする能力があったんだったわ」

ずるっっ

「・・・それを早く言ってくれ・・・;」
「あはは,長年使ってないもんだから忘れっぽくなっちゃったのかも〜ww」
「とにかく,その能力を使えば,水の中に潜っても息が出来るんだよね?」
「そうよ,それに一度海面に顔を出すまで効果は持続するから,切れる心配は無いわ」
「・・・それなら話は早い。
 早速その能力を使って私たちに能力を付与してくれ」
「OKw 任せてちょーだい☆ミ」

早速了承したセドナの杖から蒼い光が放たれ,光の球がヒエン達にぶつかったと思うと瞬時に彼女らの身体を上から蒼い光の帯が駆け抜けた。

「・・・これで良いのか?」
「うん,これでいいのw」
「何か信じがたい・・・;」
「だったら・・・ww」
「・・・ぅ,みんな,何でボクにそんな目線を・・・」
「答えは一つ,だな」
「ちょ・・・やめっ,うわぁぁぁーーーっっっ!?」
「そんじゃいっちょ豪快に・・・じゃーーーーんぷっ!!」
「全く,弾けるにも度があるものだがな。
 マルス,セドナ,私たちも行こう」
「そうね。 神殿まではあたし達で案内するわ」

結局,あの時の経験からどうにも信じがたいレンガは海に突き落とされ,その後を追って笑顔でコウガがダイブ。
それから数秒後にマルス・セドナ・ヒエンも海へ飛び込み,5人は水中へ。
初めはマルスとセドナ以外口を押さえたりしつつ息を止めていたが,徐々に気泡を吐き出してその苦しさから自分を解放する。
するとどうだろう,不思議な事にヒエン達3人は水を吸って呼吸をしている状態になった。
こうして無事にセドナの能力が働いた事が確認でき,ヒエン達はセドナとマルスの後について泳いでいった。

(219.169.212.198).. 2006年06月29日 21:18   No.156010
++ マイン (オリカ王子)…117回       
「おやおや?副長、客人が」
「客人だと?・・・あれは、紅蓮龍騎か?」
「どうしましょう?というか、紅蓮龍騎って何者なんです?」
「確か族長が知ってる筈だが。おい、族長呼んできてくれ」
「分かりました〜」
そしてヒエン達の接近を見守りつつ10分。
「すいませ〜ん、遅くなっちゃいました」
「ディープ、紅蓮龍騎が来るって本当かい?」
「はい、これを」
「・・・わお、ホントだ。でも何でまたこんなところに来るんだろ」
「きっと、ここの水の紋章に用があるんだ!そうに違いない!」
フォブルーの1人のこの一言が、周囲をざわめかせた。
「おいおい、紅蓮龍騎あるところ危険ありじゃないか!」
「この神界の海底都市と族長が世話になってる世界の海底神殿は繋がってるんだよ!?そいつらがこっちまで来たらたまったもんじゃないよ!!」
「あいつらがここに入る前に追い返そうぜ!さもないと、この一族の楽園まで荒らされる!!」
「そうだそうだ、紅蓮龍騎を追い出そう!」
ある者は怯え、ある者は紅蓮龍騎を敵対視する中一際大きな怒声が響いた。
「この、馬鹿野郎共!!悪いのは紅蓮龍騎ではなくそれをつけ狙う愚か者だという事をどうして理解できない!?それに、お前達が他のオムニコンよりも進化してきたのは、自分にとっての本当の脅威と戦う為だろう!!敵対視する者を見誤るんじゃない!!!」
「ぞ、族長・・・」
「では、我々はどうやってこの海底都市を守ればいいのでしょう?」
「全ての超警戒センサーを作動させろ。それでミラージュコロイドで隠れた敵も見つけられる。それで何かが引っかかれば戦闘用意。水の紋章の片方だけでも守り抜く」
「・・・正直この数では・・・。我らフォビドゥン一族は他の一族と比べて数が少ない。とても大群を相手にはしきれませんよ?」
「僕に似せたそのリフターは、ただの飾りか?」
「そんな事は、断じてありません!!」
「ならば信じろ。自分の力を、自分達の強さを。相手が悪ければ話は別だが、テラーコン程度が相手なら充分対処できるだろう」
族長ことフォビドゥンがそう言った時、警報が鳴り響いた。

(58.88.137.37).. 2006年06月30日 05:11   No.156011
++ マイン (オリカ王子)…118回       
 紅蓮龍騎を暗殺する為に送り込まれた刺客。それが警戒センサーに引っかかった。それは、紛れもなくスクリーム、クスイト、スパイナーだ。
「全く、海中散歩も楽じゃねえなぁ」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょ」
「おっと、そいつぁ失礼したぜクスイトの兄貴」
「さぁ、ここで二手に分かれるぞ。クスイトは神界側の海底都市へ行き、紋章の片方を手に入れるのだ。もう片方は、私とスパイナーで紅蓮龍騎の体ともども回収してやる」
「分かった、一応メビウス5個小隊は借りていくよ」
「分かった、残り5個小隊は引き続き我々の管轄としよう。ゼロもそちらに回す」
そして、「アイゼンアサシン」部隊は二手に分かれ、それぞれが2つに分けられた紋章の一部を狙って進行した。

 まずはクスイト、ゼロ組。メビウス部隊が必殺のミサイルを発射する。目標は海底都市の一角。しかし、ミサイルは1つ残らず破壊された。
「何者!?」
「海底都市荒らす者、決して進行許さず・・・」
「さっさと立ち去れ、愚か者共!」
フォビドゥン一族だ。彼らは水中戦に長けた一族であり、この手の戦いでは並のテラーコンやオムニコンの数倍の戦闘力を発揮する。特にフォビドゥンは水中戦での能力が群を抜いており、水中戦はめっぽう苦手であるクスイトなど敵ではない。
「フォビドゥン一族、メビウス軍団にアタック!彼らを目覚めさせてやれ!どこかに洗脳装置が付いてる筈だ!」
「くそ、メビウス部隊、お前達もアタックだ!道を開け!」
戦いの幕開けだ。フォブルー達の特殊プラズマビームが火を噴き、メビウス達のミサイルが凄まじい爆発を起こす。しかし、メビウス達は元々空中で真価を発揮するテラーコンの為、水中戦ではフォブルー達と相性が悪いのだ。それはディープとゼロの戦いにも当てはまり、ゼロのガンバレルが水中ではあまり素速く動いてくれない。その為、ガンバレルを一機、また一機とディープのトライデントで破壊される。そして・・・。
「さぁ、これで奴隷生活ともオサラバできるぞ。我が友よ!」
ディープがゼロの背中の赤い装置を破壊すると、ゼロは動きを止めた。
「ん?なんで俺こんなとこにいるんだ?ディープもよ」
「こいつで操られてたんだ」
先程破壊した洗脳装置である。
「そうか・・・、それなら他の仲間達も戻してやらねぇと!」
同刻、メビウス達も次々と正気を取り戻し、和解したフォブルー達とメビウス達は攻撃を停止したのだった。一方、リーダー格同志の対決も終わりを告げようとしていた。

(58.88.137.37).. 2006年06月30日 05:38   No.156012
++ マイン (オリカ王子)…119回       
「さぁ、いい加減ここからお引き取り願おうか」
「このやろう・・・このやろおおおおおお!!」
突如クスイトの体が消えた。強化型のミラージュコロイドで姿を消したのである。だが、それもまた今のフォビドゥンには無意味であった。
「無駄だよ。ミラージュコロイドとはいっても、所詮実体そのものを消せるわけじゃない。水の流れから君の動きは手に取るように分かる」
そして鎌のニーズヘグを横に構えると、高速回転した。フォビドゥンの必殺技の1つ「ニーズヘグつむじ」である。回転中に接近したのか、クスイトが弾かれた。しかも重傷を負っている。
「この・・・こいつっ、こいつうううう!!!」
「いつぞやかのお礼をさせてもらうぜ、この遅れた反抗期みてぇなガキンチョめ!!」
応急処置ではあるものの、ガンバレルの修理をしたゼロとディープ、正気を取り戻したメビウス達。そしてフォブルー達だ。ガンバレルは分離させずにビーム砲としても使えるのである。
「いくぜ、一斉攻撃だ!」
ゼロのガンバレルキャノン、メビウスのバーンメルトミサイル、フォブルーとディープのフォノンメーザーが一斉にクスイトへ向けて放たれた。
「お、お前らいつの間に!?覚えてろ、いつか必ずこの復讐は果たしてやるぞ!!」
間一髪で回避し、クスイトは撤退した。残るは、ヒエン達に今にも攻撃をしかけんとするスクリームと、いつの間にやらジャミングウェーブ(紫)をコウガにかけたスパイナー。しかし、紫のジャミングウェーブには相手をスパイナーの思い通りに操る力がある。無論、コウガの体に異変が現れ始める。そして、始まってはならない惨劇が始まろうとしていた・・・。

(58.88.137.37).. 2006年06月30日 19:43   No.156013
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…124回       
「はぐぅっ・・・!?」

そしてそれは移動中に露わとなった。
コウガが突然頭を抱えて動きを止めた。

「・・・どうした?」
「・・・頭が重い・・・てか,何か・・・意識・・・が・・・」
「母さん! これ以上喋っちゃ駄目だよ!」
「この波動,プロイツェンの刺客の者ね!?」
「間違いないよ,どうやら強化型ミラージュコロイドで姿を隠しながら,コウガを操ろうと・・・!!
 ・・・其処だな,プロイツェンの刺客!」

コウガを苦しめる洗脳波の方向と,微かな水流の乱れを見抜き,マルスが剣を一閃。
その場にいた何かが弾き飛ばされたように水流が大きく乱れる。
しかしながら,コウガは俯いたままだ。

「・・・母さん・・・?」
「・・・殺して・・・くれ・・・!」
「え?」
「・・・殺してくれ・・・俺の身体はもう・・・俺の思い通りにはならない・・・!
 殺すか,逃げるか・・・どっちか選んでくれっ!!」
「な・・・コウガ!?」

そう,意識こそ薄らぎながらもまだはっきりしているようで,コウガは身体を操られているのだ。
その原因は先程隠れていた者であろう。
助けを求めながらもコウガは操られるがままに剣を振りかざし,ヒエン達に襲いかかる。
何とかかわすも,一振り来ればまた一振りと剣を振る手は止められない。

「くっ・・・どうすれば・・・」
「今更逃げるだなんて,母さんの凄い太刀筋からじゃ無理だよぉっ!
 それに,母さんを見捨てる事なんて・・・!!」
「愛しているが故の葛藤よね・・・」
「ああ・・・ボク達どうすればいいの・・・!?」

そうこうしている間にもコウガの攻撃の手は休む暇無くヒエン達に向けられる。
だが,まだ微かに残るコウガの意識がレンガとヒエンに檄を飛ばした。

「・・・そんな事で迷っちゃ駄目だ・・・,俺は死んでも,またヴァルハラから追いかけられる・・・。
 でももしかしたら・・・,アナスタシア様が転生させてくれるかも知れない・・・!
 結果が・・・どうであれ俺は・・・必ず戻ってこられる・・・!
 ・・・迷いを断ち切れッ,ヒエンちゃん,レンガ!!
 必ず母は,祖母は帰ってくるって言う・・・信念に従え!!」

その一言で,ヒエンは決心が付いた。
レンガに自分の決意を伝えるヒエン。

「・・・コウガに,死の安らぎを与えてやろう・・・!」
「・・・そんなっ・・・,母さんを殺せって言うの・・・!?」
「洗脳を解く方法が見つからない以上,こうするしか道はない・・・,コウガの言った事を信じろ!
 それでも私の父親か,それでもコウガの息子なのか!?」
「っ・・・」

ヒエンからも檄が飛ぶ。
二人の檄で,ようやくレンガの意志も固まった。
二人は剣を構え,突っ込んでくるコウガを待つ。
そして・・・

「がっ・・・」
「・・・ごめんね,母さん・・・」
「・・・宣言した以上は必ず戻ってこい・・・!
 それまで,何とかクウガ達と共に持ちこたえてみせる・・・!」
「・・・いいんだ・・・本当に・・・ありがとう・・・」

深々と二人の剣がコウガの胸に突き刺さり,貫いた。
安らかな表情を浮かべ,そのまま目を閉じるコウガ。
水中とは言え,レンガとヒエンの目に涙が溢れていた・・・。

「ぅっ・・・かあさぁぁぁーーーーーーん!!!」

(219.169.212.198).. 2006年06月30日 20:27   No.156014
++ マイン (オリカ王子)…120回       
「こうして、俺様のジャミングウェーブショーの最初の犠牲者は初代紅蓮龍騎だったとさ♪」
「予想以上の力だな、ジャミングウェーブは」
「ああ、だがこれはまだ序の口よ。これからもっと恐ろしいショーを見せてやるぜぇ。クククク」
再び背ビレ型パーツが光った。ジャミングウェーブだ。しかし、色は赤。赤には、相手の心を狂わせる力があるのだ。しかもそれは、すっぽりとヒエン達全員を包み込んだ。ヒエン達の心に異変が現れ始める。
「全員に効くかは分からねえが、2〜3人に効果がありゃ充分かもな」
「では、私は奴らに更なる傷を与えてやろう」
スクリームが動いた。ミラージュコロイドを全開にして、更に猛スピードで、最初にマルスに斬りかかり、致命傷を与えた。その直後にセドナにも致命傷を与える。その動きはまさに鬼神で、姿が見えない事もあってマルスやセドナですら対応しきれなかったようだ。
「隊長、あんがとさん。これで心置きなく残りの紅蓮龍騎も操れるぜ。まずは軍神と護神を消してやるぜぇ!」
再びジャミングウェーブを放つ。色は紫だ。そしてその標的は、なんとレンガとヒエンの2人だったのだ!コウガ同様、次第にスパイナーの操り人形と化すヒエンとレンガ。更には赤のジャミングウェーブの効果で全員まともな思考ができない。スパイナーのこの戦術は、まるで道化師のようである。果たして、この姿見えぬ道化師の魔の手から抜け出す方法はあるのだろうか!?そんな中、またしても道化師による犠牲者が・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月01日 07:45   No.156015
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…125回       
だがそれもマルスとセドナの前では殆ど変わらないに等しかった。
思考が停止している事を良い事に,強烈な拳の一撃でいとも簡単に二人を気絶させる。
心が乱れているとはいえ,流石は神族。
一瞬だけではあるが何とかまともな思考を持つ事が出来るようだ。

「まぁ少しは喰らったけれど,これでレンガちゃんとヒエンちゃんが操られる心配はない。
 後は,僕らでこいつ等をなんとかするのみ・・・」

そしてマルスは剣を抜いた。 更に左手に装備した楯を構える。
すると楯の5つの宝玉が光を放ち,赤のジャミングウェーブの効果を一時的に弱める。
この封印の楯はかつてのヒエンが使っていた光の楯と同じもので,宝玉が輝けばあらゆる魔法や洗脳波の効果を弱める事が出来るのだ。
フィガロから軍神マルスの名を与えられたとだけあって,クウガの判断力は生前以上に格段と上がっていた。

「楽しいショウもこれで終わりよ・・・!」
「光の楯に護られればお前達の攻撃などあまり効果はない!
 受けよ,我が正義の剣を!!」

そして光の楯に護られたセドナとマルスがスクリームとスパイナーの二人組に必殺技を繰り出した。

「究極連携奥義・マーベラスコンビネーション!!」
「ディープ・ブルー!!」

まずセドナが槍を振りかざした。
そこから発生した無数の氷の刃と槍が,同じ所から発せられる強力な水流と共に撃ち出される。
その流れに乗って勢いを付けたマルスがファルシオンの一閃を四方八方から繰り出した上に突き攻撃まで繰り出し,剣の舞とも呼べる程の華麗な剣劇を見せる。
そしてマルスが元居た位置の対岸で止まると,スパイナーの背鰭型パーツは粉々に砕け散った。
その直後,先程スクリームから受けた傷から血が流れ出る。

「・・・少し無理をしすぎたかな」
「兄さん・・・」

それでも何とか笑顔を見せるマルス。
神族の再生能力の速さは鎧羅族よりやや劣るが,それでもマルス達には元に鎧羅の血があるとだけあってなかなか早いものとなっている。
数秒後には流血も止まり,それから暫くして傷口も塞がった。
そしてセドナとマルスはヒエンとレンガを抱え,急いで神殿へ向かったのである。



その頃,神界の一角。

「・・・コウガか,洗脳波を解く為に自らを殺させるとは,大胆な決断をしたものだな。
 まぁいい,奴の生命力も強い意志も変わる事はない。
 クウガ達同様,転生させても良いな,アナスタシア」
『構いません,寧ろ私の方から転生を頼もうかと思っていました。
 トゥライ・・・いえロキ,ノルン3姉妹と共に彼女を相応しい姿へ転生させてあげなさい』
「承知した・・・」

「ヴェルダンディ,ウルド,スクルド,準備は整ったか」
「もっちのろん☆ミ トゥライ様が帰ってくるまでのその間に全部済ませちゃいましたぁw」
「ならいい,コウガの事を頼むぞ・・・」


研究室のような場所。
緑色の液体で満たされた硝子の管の中には休養している神族や傷を癒しに来た神獣達が眠っていた。
そしてその中に1本だけ,紅い液体のガラス管があった。
トゥライからノルン3姉妹に預けられたコウガの遺体は,この試験管の液体の中へ。
絶えず気泡が立ちのぼる中で,コウガの転生が行われようとしていた。

(219.169.212.198).. 2006年07月01日 20:32   No.156016
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…126回       
「では・・・転生を開始します」

長女・ヴェルダンディが装置らしいものにあるキーボードを素早く打鍵する。
次女・スクルドはディスプレイを見つつ他の場所のコントロールパネルを開き,制御を開始。
三女・ウルドが試験管内の様子を見つつ転生させる神としてのデータを少しづつ装置へ送信する。

数分後,気泡の量が増えコウガの服装などに変化が生じ始める。
白いバンダナはサークレットになり,彼女の耳には紅い宝玉のピアス。
紅い普段着はそのまま鎧のアンダーウェアと化し,その上から徐々に白銀の鎧が装着されていく。
最後に装着された兜には翼があしらわれ,彼女の翼も紅い翼と黒いコウモリの翼だったものが,純白の2対の翼と漆黒の2対の翼になった。
戦女神ヴァルキリーとして,コウガが転生を終えた瞬間だった。

「・・・やりました,成功です!」
「これでコウガも戦線に復帰出来るわね,姉様」

3人は喜びを分かち合い,すぐにトゥライを呼び寄せた。
トゥライも転生が済んだコウガの姿を見て納得がいく表情を浮かべる。
それから数時間後,試験管内でコウガが眼を醒ました。

「・・・っ・・・」
「目が覚めたか,コウガ」
「・・・トゥライ? そうか,此処は転生休養複合施設か・・・。
 俺も何とか,転生出来たんだな・・・」
「そうだ。 お前はクウガと似たような位置にある第3神位『ヴァルキリー』に転生した。
 これからは戦乙女として,幾らでも戦場へ赴ける。
 それにフィガロからの許可も貰った。
 すぐにでもクウガ達のところへ行っていい」
「・・・良いのか? お前とソウガの2人だけで・・・」
「此方にもまだリョクガ達が残っている。
 それに俺も,一撃で死ぬ程ぬるくはない」
「・・・それなら良いか・・・。
 じゃあ,後は任せるよ」

こうして瞬時にテレポートで地上界へ飛んだコウガ。
4対の翼で海上を飛行した後,飛天地方と中央都市の中間当たりで海中へ勢い良く突っ込んでいった。

(219.169.212.198).. 2006年07月01日 20:51   No.156017
++ マイン (オリカ王子)…121回       
         第2部
 マルス達が去ってから、怒りの声をあげては周辺の岩などに拳をぶつける者がいた。そう、先程背ビレ型パーツを粉々にされ、計画も台無しにされて怒りに震えるスパイナーだ。
「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょおおおおおおおおおおおおおおお!!!許さねぇ、絶対に許さねぇぞあの神族共おおおおおおおおお!!!」
「少しぐらい落ち着いたらどうだ・・・。どんなに怒りに震えようと、力無き者は力ある者に勝てない。それに、リベンジしようにも切り札でもあるジャミングウェーブは使えないだろう」
その時、海底の一際巨大な岩が割れた。
「おやおや、なんか復讐心に燃えている叫びが聞こえると思ったらスパイナー君じゃないか」
「お、お前はキラードームじゃねぇか!!」
「お前、いつからそこにいたのだ?」
「プロイツェン様から海底探査の命令を受けてからずっとだ。君達は?」
「プロイツェン様から紅蓮龍騎を抹殺し、紋章を手に入れるよう命令を受けたからだ」
「な〜るほど。そんじゃ、僕も協力しようじゃないか」
「ホントか!?」
「ああ、君達、先程マルスやセドナにズタボロにされたと見える。だから、リベンジに協力してあげようと思うんだ。スパイナーとなら合体もできるしね」
「じゃあ、早速頼むぜ!」
「その前に傷を癒し、強化パーツを身に纏ってから、リベンジに向かおう」
「しかし、我々と同行していいのか?」
「大丈夫、ここら辺のデータはあらかた収集したし、そろそろ帝都に戻って報告しようと思ってたからね。お気遣いなく」
「よし、ではお前のラボ(研究所)に入ろう」
そして巨大な岩に偽装した、キラードームのラボに入り30分。出てきたのは・・・。
「よっしゃぁ、これで奴らを叩きのめしてやる」
「しかし、油断はするなよ。奴らも強い」
「分かってるって。このキラースパイナー様の敵がいるなら、眼前に呼んでもらったっていいぜ」
「では、行こう。体に融合して定着する装備、僕の最高傑作、魔黒装(ブラッド・ギア)もある事だし完全敗北はあり得ないよ」
「神族の再生力だかなんだか知らねぇが、再生が追いつかねぇ内にぶっ殺してやる」
「私達全員が魔黒装を装備していると知った時の奴らの心理を読みたくて仕方なくなってきた」
こうして、リベンジというより復讐へ向けて、新たな力を得たスクリーム達はマルス達を追った。そして、再び対峙する事になるのだが・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月02日 05:40   No.156018
++ マイン (オリカ王子)…122回       
新キャラ投下。

名前:キラードーム
パワー:10
出身地:神界・海底都市
必殺技:ジャイアントクラブ
データ:「アイゼンアサシン」の探査兵にして優秀な科学者。魔黒装と呼ばれる魔装備を発明し、自分自身もそれの1つ「クロウブラー(挟み込む剣)」を持つ。またスパイナーとの合体能力も持ち、合体すると砲撃装備の威力が跳ね上がる。
所属:アイゼンアサシン
セリフ「神族共め、1人残らず魔黒装の餌食にして、神界を破滅させる礎にしてやる・・・!」
豆知識「キラードームは優秀な発明家ではあったが、その思想が危険だった為に神界から追放された過去への恨みを持っているらしいゾ!」

名前:キラースパイナー
パワー:20
出身地:なし(合体戦士であるため)
必殺技:ジェノサイドウェーブ
データ:スパイナーとキラードームが合体した姿で、両者のパワーがそのまま同化した為憑依合体なみのパワーを持つ。ジャミングウェーブの出力と威力が向上し、神族の者でさえも完全に操り人形と化す。
敵対者:神族
セリフ「てめぇら、あの時の復讐をさせてもらうぜ!おらおらおらおらぁ!!」
豆知識「合体中は、全ての武器の使用権がスパイナーに集中するらしいゾ!」

名前:ブラッドスパイナー
パワー:40
出身地:なし(合体戦士であるため)
必殺技:滅亡の魔黒(ブラッド・オブ・デス)
データ:キラースパイナーが更に「ハーヴェスター(狩りとる刃)」と「クラウブラー(挟み込む剣)」を装備して戦闘力を倍増させた姿。魔黒装の部分が異様に禍々しく変化しており、その破壊力はいかなる装備をも衝撃波だけで粉砕する程にまで上昇している。別名「魔装の道化師」。
ライバル:神族
セリフ「すげぇ、まるで奴らがハエみてぇに思えちまうじゃねぇか。これが魔黒装か・・・!!」
豆知識「魔黒装の力で、ジャミングウェーブから逃れられる者は誰1人いなくなったらしいゾ!」

名前:ブラッドスクリーム
パワー:40
出身地:不明
必殺技:絶望の二刀(ディスパイル・ダブル)
データ:スクリームが「アンサラー(応えるもの)」と「ディスパイラー(絶望を招きしもの)」を装備して尋常ではない戦闘力を身につけた姿。魔黒装の力で隠密性も急上昇し、水中ですら彼をみつけられる者は無きに等しくなった。
敵対者:神族
セリフ「ほう・・・これは凄い・・・力がみなぎるようだ・・・」
豆知識「魔黒装は装着者の体と同化している為、持ち主以外は絶対に外せないらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月02日 06:21   No.156019
++ マイン (オリカ王子)…123回       
 さて、ここで話をトラルー達に戻そう。大地の切れ目から出現した巨大なモンスターを相手に、苦戦を強いられていた。その戦闘力は、数値化するなら12ほどはあろう。ちなみに、トラルー達の探し物である紋章はそのモンスターの後ろにある。
「くそー、なんとかしてあの紋章を手に入れたいけど・・・うわっ!テントム、君も進化して加勢してくれぇ!」
「はいな!」
テントムがカブトムに進化し、至近距離からメガブラスターを叩き込む。しかし、その固い体の前にはあまり効かなかった。逆に弾き飛ばされる。
「ならば、この隠居ジジイのスーパーな攻撃を受けてみよ!」
アタックブースターでパワーアップしたスプラングがモンスターに強烈な攻撃を浴びせる。しかしこのままでは終わらなかった。そう、モンスターは1匹だけではなかったのだ。合わせて3匹も。
「な、なんということじゃ!これではワシでもヤバイですじゃ!ふぉぉぉ!!」
「御隠居!」
「今助太刀します!」
「僕だって!」
オーバーとホイルが連携技を、トラルーがマルチパラソルとの合体技をそれぞれ炸裂させるが、それでもモンスター達は倒れない。今のところ、倒せたのはスプラングが倒した1匹のみ。そのスプラングも残りの2匹に押さえ込まれている。
「まだまだ終わりまへんでぇ!」
カブトムが再び突撃するが、今度は思いっきり吹き飛ばされた。だが、その先には紋章があった。
「!あれは風の紋章!その岩にあったのか!だとすると・・・まさか!」
トラルーは勝利を信じた。何故なら、カブトムは風の紋章の力で更に進化できると知っているからだ。
「おおおお、なんや、力が沸いてくる・・・!」
そして、トラルーの思っていた通りカブトムは更に進化した!
「やった、アトラーテリムの復活だぁ!」
カブトムの進化系、アトラーテリム。彼は背中の羽が甲羅のような形状に変化し、角も先端の突起部が4本に増えている。そして、全体的に赤い色になっているのだ。戦闘力は、テントムのときの2倍以上になっている。その勇士は、モンスター達を震え上がらせた。
「さぁ、形勢逆転や!ホーンバスター!!」
角に生じた電磁エネルギーが強力なビームとなってモンスター達に迫る。モンスター達は回避行動に移ったが、それでもビームからは逃げきれず、2匹とも墜落した。こうして、風の紋章はトラルーのタグに収まり、アトラーテリムはテントムに退化したのだった。

名前:アトラーテリム
パワー:12
出身地:なし(進化系のため)
必殺技:ホーンバスター
データ:カブトムが「風の紋章」の力で超進化した姿。攻撃力と防御力が急上昇し、戦闘力も跳ね上がった。ホーンバスターは突撃にも応用可能。
親友:トラルー
セリフ「この力で、あの馬鹿摂政を倒すんや!」
豆知識「アトラーテリムの大きさはデストロイの半分程度らしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月02日 07:04   No.156020
++ マイン (オリカ王子)…124回       
 新装備を身に纏い、異様に禍々しくなったスクリーム達。彼らの戦力は、魔黒装によってほぼ倍増している。「アンサラー」と「ディスパイラー」を装備して暗黒の二刀流となったブラッドスクリーム、新戦力キラードームと合体し、更には「ハーヴェスター」と「クロウブラー」を装備してジャミングウェーブの力を急上昇させたブラッドスパイナー。特にブラッドスパイナーのジャミングウェーブは、逃れられる者が誰1人いなくなったと言ってよい。魔黒装の力で更に洗脳力が高まり生じたスペックだ。
「さあ、行くぜぇ!!」
目指すは海底神殿。そこにヒエン達はいる。そして案の定すぐに彼女らと対峙することになる。だがヒエンとレンガは気絶したままなので、実質上動けるのは負傷しているマルスとセドナだけ。そこへ容赦なく魔黒装の猛威が襲い来る・・・。
まず攻撃したのは復讐心に満ちているブラッドスパイナー。右腕のハーヴェスターが早速襲いかかる。マルスがその剣技でどうにかしのぐが、
「その剣と盾が邪魔なんだよぉ!!マルス!!」
キラードームの腕に装着されているクロウブラーがマルスのファルシオンと光の盾をバラバラに切断してしまう。恐るべき切れ味だ。そして暗黒の魔力を刃に変えたハーヴェスターの斬撃がマルスにクリティカルヒットし、キラードームの砲撃装備でどこかへ吹き飛ばされてしまう・・・。
一方、セドナもまたブラッドスクリームに追いつめられていた。それもその筈、アンサラーとディスパイラーの二刀流で既に槍もバラバラにされ、そして更なる深手を負ってしまっていたのだ。
「今度こそくたばってもらおう・・・。貴様らはプロイツェン様には危険すぎる!!」
最後のあがきも虚しく、アンサラーとディスパイラーの斬撃によりセドナもまたどこかへ飛ばされてしまった。
「さぁて、とっととあの女どもを・・・って、いないだとぉ!!?」
「何故だ・・・我々の戦闘はものの数秒で終わった筈・・・。あの数秒で、奴らが目覚めて逃げ切ったとも思えん」
その理由は1つだった。あの数秒の戦闘の間にヒエン達を救出した者がいたのだ。

(58.88.137.37).. 2006年07月03日 20:01   No.156021
++ マイン (オリカ王子)…125回       
ヒエン達を救出した者、それはフォビドゥンとフォブルー小隊(構成人数は3人)だった。2人で1人を運ぶという形でヒエンとレンガを海底神殿に運んでいたのだ。海底神殿のある場所に辿り着き、ホッと一息。無論、ヒエン達は気絶したままだが。
「やれやれ、どうにか運びきったよ」
「マルスとセドナの頑張りのおかげですね」
「あの2人にも捜索隊として2個小隊ほど送った方がいいかね?」
「そこはディープ副長が勝手に判断するでしょうよ」
「そうだねぇ。それに、ヒエン達も目を覚ましたらビックリするだろうね」
「確かに、目が覚めたら目の前にお望みの品があるなら誰でもビックリするでしょう」
「だが、肝心のタグは持ち主の意思でしか反応してくれない。ここは紋章の欠片を1つにして待っているしかないなぁ」
そう、ここは海底神殿の紋章の間である。そしてフォビドゥン達はあらかじめ神界の海底都市にあったもう一つの欠片を持ってきていたのである。タグが反応した時に、すぐに紋章が1つになるように。そして・・・。
「あ、タグが光り始めてる!」
「ということは、もうじきお目覚めかな」
紋章とタグが引かれ合う光で、ヒエンとレンガは目覚める事になる。その後、フォビドゥンは水の紋章の事、マルスとセドナが魔黒装を纏った敵によって倒され行方不明になった事、そして今いる場所が海底神殿の最下層である事をヒエン達に告げた。
「この紋章は、君にこそ相応しい。だから、いずれ必要になるその時まで、大事にしてほしい」
フォビドゥンはこう言いながら、1つになった水の紋章タグをレンガに託したのだった。新たな力の目覚めを信じて。

(58.88.137.37).. 2006年07月03日 20:15   No.156022
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…127回       
「・・・母さん・・・それにクウガさんとソウガさん,大丈夫かな・・・」
「・・・クウガ達ならきっと強くなって帰ってくる。
 光の楯と光の剣は,幾ら打ち砕かれようと再生する。
 そして神族が望まぬ限り不老不死であるように,私たちの意志も永遠に失われる事はない・・・」

紋章を見つめ,レンガが呟く。
ヒエンの励ましに答えたかのようにレンガにも笑みが戻った。

「母さんの事待ってられなくて残念だけど,行こう。
 クウガさんが教えてくれた情報に寄れば,ヒエンちゃんに相応しい炎の紋章が,バハメキアの住んでいた辺りにあるって言うんだ」
「火山地帯の支配者の住む場所だな。
 其処にはコウガの母者のパートナー精霊・レッカの子孫が居るはず。
 その者達の力を借りれば,バハメキアとも和解出来るかも知れないな・・・」

こうして,レンガとヒエンは紋章を手に飛天地方へ向かった。


その頃,神殿付近では・・・

「ヒエンちゃんとレンガが居ない・・・それにくぅとソウガがやられてる・・・どういうことなんだ?」

コウガ・・・いやヴァルキリーが神殿の入り口前に倒れたマルスとセドナを見て,レンガとヒエンが居ない事に疑問を抱く。
バラバラに切断された光の楯と剣は既に再生が完了し元の姿を取り戻していたが,剣の刃には多少の刃こぼれがあった。
それにマルスもセドナも全身傷だらけで,まだ出血は止まっても傷口が塞がっていない状態である。

「・・・プロイツェンの奴,刺客を放ってくぅ達をこんな目に・・・許せねぇ・・・!」

ヴァルキリーはマルスとセドナを抱えて,近くの小島へ上陸した。

(219.169.212.198).. 2006年07月04日 21:33   No.156023
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…128回       
「・・・しっかりしろ,くぅ! ソウガ!」
「・・・っ・・・! レンガちゃん! ヒエンちゃ・・・あれ,此処は・・・?」
「っ・・・アイツ等・・・何処に行ったの!?」
「落ち着いてくれ,くぅ,ソウガ! 俺だよ俺!!」
「・・・コウガ・・・?
 自分で言った通り,神族に転生したの・・・?」
「ああ,俺は戦乙女ヴァルキリーとして蘇った。
 それでヒエンちゃん達を探しに此処まで来た訳なんだが,神殿の入り口付近で二人とも倒れているのを見つけてさ・・・」
「そうだったの・・・」
「それより・・・アイツ等って?
 レンガ達は何処へ行ったんだ?
 それにお前等が易々と倒されるなんて,どうして・・・」
「プロイツェンの刺客である事には間違いないよ。
 でも・・・1回目に戦った時とは様子が違った。
 『魔黒装』とか言う装備を付けて襲ってきたし,そこから酷い憎しみと怒りがエネルギーになっているような歪んだ闇の波動を感じたんだ。
 奴らの装備している武器の切れ味も鋭くて,今は再生しているファルシオンと封印の楯もバラバラにされて・・・」
「それにあたしの槍もよ。
 此処までバラバラにされて,再生したら刃こぼれが酷いもの・・・。
 飛天地方にこっそり立てた鍛冶小屋で鍛え直さなきゃ,戦線復帰は無理だわ・・・」
「そんな酷い事が・・・」
「でも,ヒエンちゃんは間一髪の所で誰かが助けてくれたみたいなんだ。
 あの姿・・・もしかしたらフォビドゥン君かも知れない」
「ラピ君のお仲間が助けてくれたんだな,良かった・・・」
「今頃紋章を手に,次の場所へ向かって居るんだと思うわ。
 兄さんが次の場所をあらかじめ教えて置いてくれたの。
 バハメキアの居る辺りだし,レッカの子孫さえ探せば何とかなりそうよ」
「んだ・・・だけど,今は武器防具の修復が先決。
 どうせ飛天地方にあるなら修理が終わってからでも急げば間に合うはず。
 きっとガルータに頼めば道案内してくれるさね・・・」
「・・・わかった,それじゃ僕の工房へ急ごう」

マルス・セドナとの会話を終え,ヒエン達の無事と敵勢力の新たな力の事を聴き,ヴァルキリーは決意を新たにした。
その為にも先ずは傷ついた武器防具を鍛え直さなければならない。
ヴァルキリー達は飛天地方の火山の麓にある鍛冶小屋へ向かった。
そして,小屋にあらかじめ備えてあるレアメタルで,修復を開始したのである・・・。

(219.169.212.198).. 2006年07月04日 21:34   No.156024
++ マイン (オリカ王子)…126回       
         第3部
「こちらフォビドゥン、トラルーどうぞ」
「こちらトラルー、どうした?」
「先程ヒエンとレンガが飛天地域の火山地帯へ向かった。安心しなよ、彼女らは軽傷だ」
「それは安心。向こうでバハメキアと一悶着起こらなければいいが・・・。ところで、コウガ達他のメンバーは?」
「それが、僕らが駆けつけた頃にはヒエン、レンガ、マルス、セドナの4人しかいなかったし、しかも敵さんはというとあの魔黒装を装着してた。それでマルスとセドナは秒殺といってもいいくらいの速攻で倒されちゃったから保護できたのはヒエンとレンガの2人だけ。マルスとセドナは現在行方不明だ」
「消息は飛天地域側にいる仲間が後に伝えてくれるだろうからいいとして、問題は魔黒装だな。確か幼い頃、まだヴァルハラで生活していた頃にメモリーに納めていた記録によるとそれを造り上げたのは科学者のキラードームだ」
「キラードームっていえば、優れた頭脳を持ちながら思想が危険すぎた為に帝都から追放された奴だよね」
「ああ、そして彼が追放前に最後に発明したものこそが、怒りや憎しみ、野心といったものを強大な力に変換する特殊装備『魔黒装』なんだ。彼の追放が決まった日に全て処分しようとしたら、彼は自分自身が魔黒装を装着し、圧倒的なパワーで兵士を皆殺しにした上に全ての魔黒装を持ち去り逃走したという」
「しかし、それを何故プロイツェンは自分の精鋭部隊に組み込んだんだろう?」
「簡単なことさ。プロイツェンは利用できるものは全て利用する野心家だ。野心家にとって他人の経歴なんざどうでもいい。利用価値があれば存分に利用し、用がなくなれば捨てるだけ。恐らく魔黒装の量産を計画しているんだろう」
「んなことされたらたまったもんじゃないよ」
「そのとおり・・・なんだけど、よりにもよってキラードームもまた野心家であると聞く。果たして完全にプロイツェンの手下になっているだろうか?向こうで一悶着起きてくれればこっちとしては好都合なんだけどね」
「共倒れ希望・・・?まぁこっちとしては呆れた野心に付き合う気は全くないしね」
「それもあるけど、やはり密かに進行してあの馬鹿親父をギャフンと言わせてやらねば。どうせ紅蓮龍騎の活躍見て嫉妬してるだけだし」
「うわ、分かってらっしゃる。流石は息子・・・」
「嫌だけどね。じゃあ、こっちはこっちでもう一つ紋章を探した後にそちらさんに合流するとしよう。交信終わり」
そして、トラルー、テントム、ウィンジャーはスプラング達と別れ再び3人で旅に出たのだった。

(58.88.137.37).. 2006年07月05日 04:43   No.156025
++ マイン (オリカ王子)…127回       
 一方、こちらは神羅連和国の飛天地域・火山地帯。とある火山の麓で一息ついている者が2人。
「あ〜、暑い!暑すぎるぜ!」
「火山地帯なんだから仕方ないやろ。それより、ここで間違いないのかね?」
「ああ、先程ブレンとモールから偵察結果の報告があったんだが、それによれば間違いなくこの火山に炎の紋章があるとのことだ。ところでホイックさんよぉ、暑さで音をあげてんじゃねぇだろうな」
「なにをおっしゃる、そちらこそ既にバテバテじゃないか。音をあげてるのはどっちかなニトロ君」
「じゃあ我慢比べでもやってみるか?受けて立つぜ」
「我が輩の我慢っぷりを見て驚いても知らんぞ。
・・・ってそんな事してる場合じゃないだろ!」
何故か我慢比べの話になってしまったこの2人、ニトロとホイック。彼らは帝都の内部情報に詳しく、帝都でプロイツェンが紅蓮龍騎の抹殺を企んでいることも既にお見通しであった。ホイックはホイルの父親で、キラードームにも負けない頭脳を持つ。彼らはビークルモードに変形し、一足先に火山内部に入ったのであった。

(58.88.137.37).. 2006年07月05日 04:58   No.156026
++ マイン (オリカ王子)…128回       
キャラ投下。でも新キャラは1人だけだったり。

名前:ホイック
パワー:6
出身地:神羅連和国・鎧羅地域
必殺技:テックミサイル
データ:鎧羅地域出身の交星族で、長年エンジニアを務めている大ベテラン。科学者でもあり画期的な発明をすることも。ユニークな喋り方が特徴。
息子:ホイル
セリフ「我が輩も強力な助っ人になりまっせ」
豆知識「かつてホイックは発明家としてキラードームの良きライバルだったらしいゾ!」

名前:ニトロ(カラミティ)
パワー:10
出身地:神羅連和国・飛天地域
必殺技:スキュラ
データ:神羅連和国で鳴りをひそめていたがホイックの帝都摂政の陰謀の報告に黙っていられず再参戦。後にフォビドゥンと同様の能力を入手。
仲間:ホイック
セリフ「ライブも頑張っているときに休んでられるかってんだ!」
豆知識「ライブやニトロが得た能力は『スライドフォーゼ』と呼ばれるらしいゾ!」

名前:ブレン
パワー:6
出身地:神羅連和国・鎧羅地域
必殺技:ミキシングキャノン
データ:他のスピリットロン共々鳴りを潜めていたが、ニトロやモールと共に再参戦。右腕のミキサーはホイックによって強化された。
仲間:モール
セリフ「作業は終わりか、いい汗かいたぜ」
豆知識「ブレンとモールは鳴りを潜めたとはいっても建設作業には引っ張りだこらしいゾ!」

名前:モール
パワー:6
出身地:神羅連和国・鎧羅地域
必殺技:ジャイアントドリル
データ:ブレンや他のスピリットロンと共に鳴りを潜めていたが、ニトロやブレンと共に再参戦。ブレン同様ドリルはホイックによって強化された。
仲間:ブレン
セリフ「建設作業ばかりで退屈してたんだ、俺も付き合うぜ。紋章探し」
豆知識「モールは地底探査にも適しているらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月05日 05:22   No.156027
++ 飛天王コウガ (オリカ王子)…129回       
カァーーーン! カァーーーン! カァーーーン!

「せいやっ! たぁっ! せりゃぁっ!」

工房内に剣を打つ音とマルスの気合いの声が響く。
赤々と熱された剣の刃にマルスが黒い大きなハンマーで打撃を加えているのだ。

手始めにファルシオンの柄から刃を抜き出し,一度全て溶かす。
それから足りない分だけレアメタルを加え,型に入れて少し冷ました後に今の工程を何度も熱しつつ繰り返すのだ。
鍛錬開始から約3時間,ようやくマルスのファルシオンは新たに蘇った。
そしてそれからまた約2時間程掛けて,セドナの槍も見事に蘇る。
防具も壊れた箇所のみ鍛え直し,最後にミスリル銀でコーティングしてから魔導文字を刻んで,全ての工程が完了した。

「・・・ふぅ,終わったよ。
 今回はミスリルコートもして,魔導文字も刻んだから魔力の伝わりが少し良くなっているかも知れないね」
「有難う,兄様。
 これで少しでも魔黒装の奴らに痛い目見させてやれればいいけれど・・・」
「あ,そう言えば・・・この俺の鎧は魔黒装と対になるとかって,トゥライが教えてくれたっけ・・・」
「それ本当なの!?
 魔黒装と違って,紅蓮龍騎元来の信念の強さと善意が力になるって訳ね・・・」
「ああ,それに記述に寄ればこの鎧の名は『光龍装』と言うらしい。
 あのサイガ達が力を解放して纏った黄金の鎧も,装らしいんだがな・・・」
「そうなのか・・・それで,『光龍装』は今のところ装備しているのはコウガと第1神位以上の神族だけなのかい?」
「どうやらそうらしい。
 だけどな・・・,材料があれば名匠であれば鍛錬して作る事は可能だ。
 それに紋章と反応出来るように作れば・・・」
「大きな力になる事は間違いないわ・・・」
「それじゃあ,材料さえ集めれば僕でも打てるの?」
「当たり前だよ,くぅは神界随一の名匠だし。
 そしてその材料も此処に少しはあるみたいだから,オウガの分だけは作れるかも知れない。
 ・・・此処の小屋に『ヒイロニウム』は準備してあるのか?」
「ヒイロニウムか・・・,あれは希少価値が高いから,楯を一つ作れる分だけ取って置いてあるんだ。
 多分プロテクタータイプでなら,鎧も打てるかも知れないね」
「あ,でも何か最近近くでヒイロニウムらしい純白の鉱石が沢山ある場所見つけたわ。
 プラチナも混ざっているかも知れないけれど,もしかしたらミスリルと組み合わせて凄い鎧が打てるかも知れないわ」
「よし,それなら話は早い。
 さっさとその鉱石の転がってる場所に行って,材料調達してこよう」

コウガの話を聞き,新たな鎧を討つ事を決めたマルス。
3人は工房近くの鉱石の転がっているという場所へ急いだ。

(219.169.212.198).. 2006年07月05日 21:50   No.156028
++ マイン (オリカ王子)…129回       
 さて、ここは火山内部。
「よう、偵察から戻ってきたぜ」
「御苦労さん。さぁ、モール君、ブレン君、偵察結果を報告してくれたまえ」
「やはり紋章の周りには火炎モンスターがウロチョロしてやがる」
「しかも実力はバハメキア級かそれ以上だから俺達だけではどうにもならんな」
「どうする?やっぱ紅蓮龍騎を連れてきた方がいいんじゃないか?」
「そうだな・・・。よっしゃ、我が輩達は暫くここで待機していよう」
「なにぃ!?天然我慢大会会場みたいなとこにいつまでもいたら武器とかの回路がおかしくなっちまうぜ!正気か!?」
「ああ、モールの言うとおりだホイック。そんでもってここから離れるべき理由がもう一つある」
ニトロ達の存在に気づいたモンスター達が襲いかかってきたのである。
「こいつぁヤバイぜ!さっさと火山から脱出し、紅蓮龍騎と合流してから出直そう!」
ニトロの指示で火山から脱出した一行。しかし、彼らの目的はあくまで紋章を手に入れることである。
「さて、これからどうするか」
「目的地を変えるか?」
「しかし、どこに行くか・・・」
「ちょいまち。あそこに鍛冶屋のようなものがある」
ホイックが存在に気づいた鍛冶屋、それは先程までヴァルキリー、マルス、セドナがいた工房である。
「おじゃましまーすって、誰もいねえのかよ」
「留守なのに鍵もかけないとは、不用心な」
「いったいどこのマヌケだ?こんなミスするの」
「まぁまぁ、そんな事より興味深いものがある。ほら、この装備品たちだよ」
ホイックが興味を示したのは、マルスのファルシオンと封印の盾、セドナの槍だった。
「こいつにちょこっと細工してやれば、魔黒装の魔力を弱められる筈」
「ってオイオイ、いいのかよ?人様のものを勝手に細工して」
「大丈夫大丈夫、別にこれは紅蓮龍騎を助ける為の細工なんだし、誰がやったかなんてバレやせんて」
こうして、ホイックは一瞬のうちに、ファルシオン、封印の盾、槍に特殊な細工を施した。
「これでよし。うまくいけばヒイロニウムや紋章の力と共鳴して魔黒装を消滅させる事ができる」
「うまくいかなかったら?」
「力が暴走して、周囲の者全てを瀕死状態にさせる結果になるかもしれない」
「とにかく、すぐここから逃げようぜ。誰か来た」
「ありゃぁ噂のマルスにセドナだよ。もう1人は誰か我が輩も知りたいがね。おや?姿はコウガに似ているような・・・?」
ホイック達は工房から出て、その裏に隠れてヴァルキリー達を見守る事にした。マルスは無事新たな鎧を討つ事に成功するだろうか?その頃、工房に何者かが近づいてきていた・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月06日 05:34   No.156029
++ マイン (オリカ王)…130回       
「やれやれ、仲間から通信が来てこの位置が分かったわけだが、まさかこんな火山地帯だとは思わなかったな」
「まぁいいでしょう。これもインシュリン姫のためになる行動なんですし」
「そうだな、インシュリン姫万歳!だしな」
「で、この工房に彼らはいるんですよね?」
「そう、オレ達のお目当てはこの工房の中にいる筈なんだ」
「そんじゃ、俺が突破口を開いてやるぜ隊長!」
「この・・・大バカ野郎ーーーーー!!」
「ぎゃあああああああああ!!」
「いきなり特攻するバカがどこにいる!?これは戦闘じゃないっつー事を肝に銘じておけバカ野郎が」
「ス、スイマセン隊長!!」
「まったく・・・いつになれば戦闘と会談の区別がつくんですかグレスト。僕なんか千年の間にここまで礼儀正しくなれたというのに」
「その礼儀正しさを分けてほしいくらいだぜ、ファルスト」
「バカな事言ってんじゃねえよグレスト」
「バカバカうるせえよジェイヤー!!」
ズキューン!(発砲)
「・・・本当にバカですねグレスト・・・。ていうか隊長、発砲した音で彼らの作業の邪魔になったらどうするつもりです?」
「え?いや、あの、その・・・」
「取り敢えず隠れるか・・・。ホイックが手招きしてるし」
「しかし、なんでまたあんなに鉱石を集めてきたんだろうな」
話は、ホイック達がヴァルキリー達の工房に入る前に遡るだろう。交星族一同が知るよしもないだろうが・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月06日 05:55   No.156030
++ マイン (オリカ王)…131回       
またまたキャラ投下

名前:ジェイヤー
パワー:7
出身地:ヴァルハラ
必殺技:プラズマブラスター
データ:「インシュリン親衛隊」の隊長で、スペースシャトルに変形する。かなり変わった性格をしており、戦闘を「パーティ」と呼ぶことも。
部下:グレスト&ファルスト
セリフ「さぁさぁ、パーティの主催者はどこだ?」
豆知識「インシュリン親衛隊は、あまり大きな団体ではないらしいゾ!」

名前:グレスト
パワー:10
出身地:神羅連和国・獣牙地域
必殺技:ツォーン
データ:千年の時を何事もなく過ごしていたが、インシュリンに一目惚れし「インシュリン親衛隊」のメンバーに。勇猛な戦士ではあるがバカ。
仲間:ファルスト
セリフ「インシュリン姫バンザーイ!」
豆知識「グレストはインシュリンの執事になりたいらしいゾ!」

名前:ファルスト
パワー:10
出身地:神羅連和国・飛天地域
必殺技:アフラマズダ
データ:グレストに付き添って「インシュリン親衛隊」に加入。千年の時を経てなかなか礼儀正しくなった。暴走気味なグレストの補佐役。
仲間:グレスト
セリフ「紋章ですか。インシュリン姫の行動には直結しないけど、トラルーの意思なら協力しよう」
豆知識「ファルストは礼儀正しくなったとはいえあまり敬語を使う事はないらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月06日 17:51   No.156031
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…130回       
「いやー,こんなに沢山取れるとは思わなかったなぁ〜ww」
「うん,それに精製結果が殆どヒイロニウムだったのは運が良かったからかな」
「そういや・・・近くに客人が入った跡があるみたいね」
「うーん,この近くに来るとしたらトラルー君達しか考えられないよ。
 多分火山調査したその後に,此処まで涼みにでも来たんじゃないかな」
「んだw 多分そうっしょ,あんな暑い所に長時間居たらメカの回路イカレるだろうし・・・」
「とにかく,これだけ大量にヒイロニウムが手に入ったんだ。
 早速仕事に取りかからせて貰うよ」

モール達が退出してから数分後,眩しく白く煌めく金属を手にヴァルキリー達が帰ってきた。
帰ってきてからすぐに精製したヒイロニウムをマルスに託し,2人は少し紅茶を飲みながら待っていた。

「あぁ・・・そういや,さっきのミスリル銀加工とは別の魔力がファルシオンと封印の楯から感じられたな」
「もしかしたらあの子達の仲間の誰かが,何かアタシ達に有利な細工でも施したのかも知れないわね」
「まぁそれが魔黒装に勝てるものなら良いんだけどな・・・;」

それから数時間雑談で盛り上がるセドナとヴァルキリー。
マルスが鎧を打ち終えた頃にはすっかり茶菓子も少ない状態になっていた。
しかしながらあの時の砲撃音はマルスのハンマーの音と重なって聞こえずに済んだようである。

「ふぅ,出来たよ。
 これでオウガさんを呼べばヒエンちゃんにも強い力を与えてくれるかも知れない。
 後は火山地帯へ行くばかりだね」
「そうね,それにソルも言えばすぐ駆けつけてきてくれるわ」
「よし,それじゃあ茶菓子も食って紅茶も飲んで元気になった事だし,行くとするかw」
「そうだね,僕もかなり体力を消費したけれど,此処までぴんぴんしてるから大丈夫,直ぐにでも行こう」

マルスも鍛冶が終わった直後だというのにまだ体力は十分にあるようだ。
それにヴァルキリーとセドナは紅茶に茶菓子の力ですっかり元気になっていた。
この体力十分な3人は鍛え直した武器防具と『光龍装』の鎧を持って火山地帯へ急いだ。
オウガとソルが飛天地方の上空を南下していったのはヴァルキリー達が火口付近に着いたその後である。
そしてそれより1時間程前に,ヒエンとレンガも火口へ到着していたのだった。

(219.169.212.198).. 2006年07月06日 21:52   No.156032
++ マイン (オリカ王)…132回       
「そんじゃ、我が輩達も行きまっせ!」
「今度はジェイヤー達も一緒だし、紅蓮龍騎が既に火口にいるから問題ないだろう」
グレストとファルスト以外は全員ビークルモードに変形し、火口へと急いだ。ホイックはスポーツカーに、ジェイヤーはスペースシャトルに変形する。どちらも機動性が高いものだ。そして数分後に火口へと到着した。
「みんな、回路の冷却システムは大丈夫かね?」
「ああ、問題なしだ」
「よし、ここで二手に分かれよう。グレスト君とファルスト君はこのまま入り口から進行してくれたまえ。我が輩達はモール君に穴を掘らせて地下から進行するから」
「了解だ。俺達なら火山内部でもへっちゃらだもんな」
「それに君達のメカが火山の暑さに耐えられるのは多分、長くて8時間程度だしね」
「ちょっと待ってくれ。オレは空から行く」
「そうだな、確かにジェイヤー君では地下からの進行には無理がある」
「それに空からも進入できればより可能性も高まるだろうしね」
というわけで、空からはジェイヤー、入り口からはグレストとファルスト、地下からはホイック、ニトロ、ブレン、モールが進行していった。この分散作戦はファルストが提案したもので、複数のルートから行けばより紋章と出会える確率が高まると予測したものだ。そして空ルートではジェイヤーがオウガ&ソルと遭遇、陸(入り口)ルートではグレストとファルストがヴァルキリー達と合流を果たしたのだった。その頃、火山内部の紋章の部屋にいち早く辿り着いた地下ルートのメンバーは早速地上へ。そこにはたくさんのモンスターと対峙し、苦戦しているレンガとヒエンがいた。
「なんてこっちゃ、早く助けよう!」
ホイック、ニトロ、ブレン、モールの予期せぬ参戦のおかげでモンスター達は撤退したものの、紋章が刻まれた石版はモンスターの内の一体が持っていってしまった。そしてモンスター達がいなくなると、重傷を負っているヒエンとレンガの姿があった。そこへ、赤い色になっているオムニコンが現れ・・・?

(58.88.137.37).. 2006年07月07日 04:38   No.156033
++ マイン (オリカ王)…133回       
「ああ〜、こりゃ大変アル。急いでスパルクルスター付けるアル」
普通は水色系のカラーリングであるシグレアが赤系のカラーリングになっている。
「なぁ、どうなってんだ?オムニコンには同型の者がたくさんいると聞いたが、色違いの者がいるとまでは聞いてないぞ」
「ブレン君、オムニコンとて進化するんだ。あれはこの火山内部のような高温の環境下の中でも異常を起こす事なく活動できるよう進化したものなんだよ」
「ああ、なるほど。そういやフォブルーっつう奴もオムニコンなんだっけ」
「そう、彼らは水中での活動を好んで行うから、『水棲オムニコン』と呼ばれとる」
「さぁ、これで傷はふさがるアル。ただし痛みは残るから無茶はいけないアルよ。ところで、そちらさんはワタシ特製のスパルクルスター付けるアルか?」
「ああ、是非とも頼む。しかし、あと3人分は欲しいところだが」
「ありゃ、7人分は持ってないアル。近くのマグマから精製しないと」
「取り敢えず俺達にだけでも付けといてくれ。他の3人は来るまでに時間があるし」
「了解アル」

 一方、空ルートで進行しているジェイヤーはオウガとソルより先に火山内部に入っていた。
「うひょお、暑いぜ。冷却装置つきでもファルストの言うとおり8時間程度が限界か。まぁ、8時間もありゃ充分だろうけどな」
そして噴火口の内部で通路らしきものを見つけ接近してみる。
「おお、こっから行けそうだな」
通路は迷路のように曲がりくねっており、ホイック特製のセンサーがないと迷ってしまいそうである。
「どこまで続くんだ?この迷路は」
そして迷路を進む事10分。通路から抜け出し、部屋のようなエリアに出たジェイヤーは驚いた。
「おいおい、あのモンスター共が持ってるのってもしかして紋章じゃねえのか?ホイック達に報告するか」
通信機を使い、ホイック達に現在地とモンスターのデータを送ると、近くの岩陰に隠れて様子を伺う事にした。そして、モンスター達はボスと見られる者に対して跪き、炎の紋章をそのモンスターに差し出した。
「!?ありゃあ、火山地帯の主といわれてるバハメキアじゃねえか!アイツが紋章の番人となると厄介な話だな・・・」
ホイック達がヒエンとレンガを連れてくるまでの間、ジェイヤーはバハメキアからどうやって紋章を手に入れるかを考えてみるが、結局良案は浮かばないまま時間だけが過ぎていった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月07日 04:58   No.156034
++ マイン (オリカ王)…134回       
         第4部
 ここは、神界の北区域にそびえ立つ、スパイラルマウンテン。その名の通り、外見が螺旋状になっているのである。その山の中腹にトラルー達はいた。もちろん、紋章を求めてやってきたのだ。
「やっと中腹か。あとどれくらいだ?」
「あと2日もすれば頂上かな」
「少し休みまへんか?ワテもうエネルギーが切れてきてアカンわ・・・」
「そうだなぁ、ここまで来るのに何回もモンスターと戦闘になったからね。エネルギーがないとテントムは進化できないし、僕らも疲れたから少し休もうか」
「取り敢えず、俺はまだ大丈夫だ。ジャンク屋に足を運んでくるよ。知り合いの店主がいるんだ」
そう言ってウィンジャーは中腹にある古びた店の中に入っていった。
「ここまで来れたのが不幸中の幸いか。ほら、あちこちに木の実があるよ」
「ホンマや!これでエネルギー補給できますわ!イエーイ!」
「おいおい、アリゲッチャのブドウモドキ(トラルー命名)には近づいちゃダメだぞー」
テントムが木の実をむさぼっている間に、残りの紋章の数を確認してみる。
「えーと、今までに報告があった中で所在がハッキリしているのは炎、風、水、光、闇、時の6つか。残りの大地と空の紋章の内のどちらかがこの山のてっぺんにある筈・・・」
そこまで呟き終えると、ウィンジャーが戻ってきた。
「よう、ジャンク屋でめぼしいものはあまり無かったんだがな、知り合いの店主がトラルー専用の武器としてこんな弓くれたんだよ」
「ほう、これはなかなか格好いい武器じゃん」
「名前はタスラムアローというそうだ。お前の意思で光の矢の弾道を自在に変えられるらしいぜ。多分フォビドゥンや俺の装備の技術を応用したものだろう」
「いやー、いい武器をありがとさん。これで変形した時でも攻撃できる」
「え、お前変形できたっけ?変形した姿を見ないからてっきり変形できないものかと」
「あまり人前に見せる機会が無かったからね。どうせ休憩するんだし、いっちょ音楽でも聴く?」
「音楽聴けるのか?そいつぁいいや」
「そんじゃ、トランスフォーム!」
トラルーが変形(正式にはトランスフォーム)した姿は、まるで昔のレコードプレーヤーである。タスラムアローは底辺に装着されている。彼やマルチパラソルに収容できるスピリットロンの脳内記録から音楽をコピーして視聴できるという仕組みだ。今回はトラルー自身の脳内記録から音楽を視聴することに。それから暫くは、後に戻ってきたテントムも含めノリノリな時間を過ごしたのであった。果たして、大地の紋章と空の紋章はどこにあるのだろうか。

(58.88.137.37).. 2006年07月08日 06:16   No.156035
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…131回       
ヒエン達の死闘を見る前に,まずトラルーの前に何故か水先案内人らしい者が現れた。
更に地の紋章の元には何者かが近づいていた。
先にこちら側の方を少し覗いてから,ヒエン達の闘いの軌跡を見る事にしよう。

「あれぇ? 君達,こんな山に何しに来たの?」

その水先案内人とは一人の少女。
腕に小さな翼の生えた,橙の髪をツインテールにしたミニスカニーソのロリッ娘である。

「ここにはほんっと,頂上に凄いものがあるだけで何にもないんだよ?」

その少女はトラルー達に顔を寄せて言った。
しかし,トラルー達の話を聞くと態度が一変,いきなり真摯な態度を取るようになった。

「・・・そっか,プロイツェンのおっさんから世界を護るのに紋章がどうしても必要なんだね?
 ボクは紋章護衛トウガ,フィガロ様とアナスタシア様から直々に,このスパイラルマウンテンで来るべき時を待ち,紋章を護る守護者。
 このスパイラルマウンテンには一部の高位な精霊と,ボクみたいな神族しか居ないから,安心して紋章を託せるよ。
 でも・・・,此処からじゃその設備でも相当な距離があるから一度ボクの集落で休んでいくと良いよ。
 紋章の元への案内はボクがするから,ついておいで」
そしてトウガと名乗った少女は腕の翼を最大限に広げてトラルー達のスピードに合わせて先導して飛んでいく。
数時間後,山の6合目辺りにある小さなツリーハウスの並ぶ集落に一行は辿り着いた。


「・・・これが・・・『地』の紋章・・・」

そして大樹の幹で光り輝く紋章を前に,倒したモンスター達の死骸を後に,一人の青年が立っていた。
左手には黒く禍々しい闇の刃を持つ剣,右手には紋章タグを持っている。
更に注目すべきはその外見。
かつての聖龍族の来ていたような和服の上には皇魔族のような鎧。
肌の色と目の色こそ聖龍族のものではあるが,角の色は皇魔族のような紺色だ。
そして鎧と和服の背側に入っているスリットからは黒々とした鴉のような翼が生えている。

――――――そう,かつてコウガ達を助けた皇魔族と聖龍族との混血児・リュウトだ。
彼もまた現世に復活したコウガ達の助けとなるべく隠れて紋章探しの旅を続けていたのだ。
そしてようやく,他の紋章のある場所も辿り,最後に辿り着いたこの『地』の紋章のある獣牙地方の森に立つ大樹を見つけたのだ。
彼は右手に持つタグを大樹の幹にかざし,紋章をタグに収める。
そしてその紋章を見つめながら言った。

「植物型モンスターが多く手こずったが,ようやく見つけた。
 これを彼女の元へ持って行かなくては・・・。
 時間がない,帝都摂政が動けば地上世界は愚か,私の母親の故郷である神魔界までも侵略されてしまう!
 待っていてくれ,コウガ・・・,必ずこの紋章を持って君の元へ行こう!」

そう言ってリュウトは背に広げた翼で空へ飛び立ち,オウガ達が飛天地方の火山へ飛んでいくのを目撃して同じ方向へ進路を取った。
彼が神殿へたどり着いたのはオウガ達が到着してから数分も経たない内の事である。

(219.169.212.198).. 2006年07月09日 21:42   No.156036
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…132回       
「くそっ,このフェザードの数,倒してもきりがない!」
「どうしよう! このままじゃオウガさん達共々やられちゃうよ!
 それにオムニコンのみんなの回路も長くは持たないし・・・」
「絶体絶命と言った所か・・・だがまだ此処で倒れる訳には行かない!」
「そうだぜ嬢っちゃん,その意気を忘れるな!
 そしてその気合いで突き抜けりゃバハメキアもその内現れるはずだぜ!」
「そうか! ならば尚更此処でくたばる訳には行かなくなったな!」
「マスター! 紋章が見えてきました!
 恐らく後少しで,この火山の主であるバハメキアも姿を現すでしょう!」
「すまんなオウガ,そしてみんな,後少しだ!
 気力を振り絞ってでもフェザードを蹴散らしてバハメキアを引きずり出す為に手を貸してくれ!」
「解ってるよ! まだまだ僕もヒートアップしきってないしね!」
「あたしも! こんな暑さと大軍に負けてたまるもんですか!」
「俺もだ! 神化出来たこの力を正義の為に使うって約束したんだ,体力果てるまでぶっちぎってやるぜ!
 うぉらぁぁぁぁっっっ!!!」

大軍も数を減らし,残るは後僅か。
段々と皆のペースも上がり,フェザード達の中には退散する者も現れる。

「この一撃で決める! ブラック・ゾディアックブレイカー!!」

リュウトの剣の一薙ぎが最後に飛んだ。
闇の刃がそのままフェザード達を飲み込んで,周りにいた者達にも深手の傷を負わせる。
そして・・・バハメキアが現れたのもその一閃の後であった。
突然残ったフェザード達が紋章の方を向いて跪いた。

(219.169.212.198).. 2006年07月09日 21:55   No.156037
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…133回       
そして紋章の近くまでバハメキアが歩み寄り,その歩みを止めるとヒエン達の方を見やって言を放つ。

「グォォォ・・・,紋章に近づく者よ,何者だ・・・!
 この紋章はこの火山の力の均衡を保つもの。
 そして我らを此処につなぎ止める楔也。
 何故にこの紋章を欲する?」
「無魔族に掛けられた呪いを解き,与えられた罰から解放する為だ!
 バハメキア・・・,出来ればアンタには此処に残ってこの火山地帯の護衛をして欲しい。
 どうしても戦う時であっても絶対に命は取らない。
 ・・・お願いだ,紋章を渡してくれ!」
「・・・この紋章を取れば火山の噴火が起き,周辺は焼け野原と化す。
 その上,この周辺の凶悪なモンスター達も活動を活発にし始めるであろう。
 ・・・それでも尚,紋章を欲するか?」
「・・・そのぐらいの被害は視野に入れてるよ。
 それも考慮して,ヒエンちゃんが既に避難勧告を出した。
 クウガさんから聞いた小屋もマグマの被害は受けないだろうし,ルクック達ももう移動が終わった頃だと思う。
 ボク等は準備をしてから行動する事が多いんでね・・・」
「・・・よかろう,ならば我が前に汝等の力を示せ!」
「やはり戦うしかないのか・・・,仕方あるまい,世界と無魔達の為にもその紋章,頂くぞ!」

バハメキアの合図でフェザード達は一斉に火山から離れるように飛び立っていった。
どうやらボスであるバハメキア自身1体きりとヒエン達とで戦うようだ。
1章2弾のカードにあったようにバハメキアの身体の周囲は超高温。
しかし今は火山の熱と少し同化しているので陽炎のように湧き上がる様が見える。
ただし,この熱もヒエン達飛天の血を継ぐ者にとっては平気なもの。
此処にまたしても死闘のゴングが鳴り響く・・・。

※続きは明日!

(219.169.212.198).. 2006年07月09日 22:06   No.156038
++ マイン (オリカ王)…135回       
「いやー、これであとは彼女についていくだけで迷うことなく紋章ゲット、ヒエン達との合流の準備も整うわけだ」
「案外簡単に手に入るものだな。そこまで安易に手に入っていいものだろうか」
「心配性でんな、ウィンジャーはん。ここには高貴な神族と同胞ぐらいしかおまへんて」
「だからこそ心配なんだ。ここまで静かな山というのは、宇宙広しといえどそうそう無いからな。こんなに大自然のエネルギーが湧き出ている山ならば、それなりの凶暴なモンスターが出る筈なんだ」
「まぁ、何かあってもワテが超進化して蹴散らしてやりますって」
「アトラーテリムになれば大抵のモンスターは怯えて逃げるか倒されるかのどちらかだしね」
「まぁ根本的な問題は、頂上についてから麓に降りるまで俺達のエネルギーが残っているかだな」
「今の内に腹ごしらえしておいた方がいいよ、頂上への道は長いからね。モンスターに襲われないように特殊なルートを使うから、余計に長い」
「移動だけでも随分とエネルギー使いそうやな」
それから数時間後、しっかりとエネルギーを蓄えたトラルー達は、水先案内人のトウガの案内でスパイラルマウンテンの中にある特殊なルートを通り、数時間かけて頂上に辿り着いた。道中でモンスターと遭遇しなかった分、エネルギーには余裕があるようだ。
「さぁ、ここがこの山の頂上だよ」
「うひょー、景色が凄いこと」
「まさに絶景やな」
「で、トウガさんよぉ。紋章はどこにあるんだ?早く紋章手に入れてヒエン達と合流しねぇと」
「あの祭壇の石碑見てごらん」
「祭壇の石碑に何が・・・って、トラルー、タグが反応してるぞ!」
その時、空から砲撃がきた。なんと、神界の海底都市で負傷し撤退していたクスイトがトラルーらの監視につき、タグの光を確認した瞬間攻撃してきたのだ。
「相手がクスイトだと、タスラムアローはあまり当たらない・・・。そうだ、ウィンジャー。奴を押さえつけて動けなくするんだ!」
「分かった!」
トラルーとウィンジャーがクスイトに迫る。迎撃するクスイトだったが、トラルーの反射技「アストロリフレクト」で逆に負傷、体勢を崩した隙にトラルーとウィンジャーに取り押さえられる。
「テントム、超進化だ!」
すかさずトラルーはテントムをカブトム、アトラーテリムへと一気に進化させる。そしてアトラーテリムのホーンバスターの突撃で、クスイトは体を貫かれ、そして大爆発を起こした・・・。
「なんで、なんでお前らは生き残る・・・何故なんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!」
爆発直後から爆風が消えるまでの数秒の間、クスイトの断末魔の叫びが頂上に響いたのであった。
こうして、トラルー達は無事『空の紋章』を手に入れ、残存エネルギーに注意しつつスパイラルマウンテンを後にするのだった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月10日 05:54   No.156039
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…134回       
一方,火山内にある神殿内部で戦闘中のヒエン達。

「陽炎!」

ヒエンが熱で湧き上がる気流に紛れるように姿を消す。
それから素早く相手の背後に回り込んで攻撃し,元のポジションに戻るヒエンの必殺技の一つだ。
しかしバハメキアは難なくかわした。
だが,その後のリュウトの追撃が驚きの展開を呼ぶ。

「・・・時雨蒼燕流・飛燕斬!!」
「え!?」
「まさか・・・継承者は他にも居たのか・・・」

あのシグレの使っていた『時雨蒼燕流』,実はリュウトも魔界にいた頃にザオウバルガから叩き込まれたのだ。
ただし,彼自身が魔界を抜け出してきたので途中からは自己流の剣技となっている。
それでもザオウバルガやシグレのように水分を魔力に変える事が出来るようにはなっているようだ。
そして彼自身が自分で編み出した『熱を魔力と闘気に変える』能力を使い,燕が素早く低空飛行するかのように一閃を繰り出した,これが彼オリジナルの技・飛燕斬である。
間合いが早く最初の一撃こそかわしたものの,その次に剣を戻して発動した一撃は喰らってしまう。
抜いて描いた軌道を辿って再び斬撃を繰り出すのがリュウトのスタイルのようなので,これで戦闘がかなり有利になったようだ。

「・・・そうか,解ったぞ,リュウトさんの剣技が強い理由・・・」
「どういうこと?」
「ポイントは斬撃,リュウトさんは1発目の斬撃の軌道を辿って,2発目の斬撃も繰り出している。
 燕返しよりも切り返しが早いから,かなり高度な技術を要するんだ。
 ・・・其処を見れば,相当特訓して鍛えたんだな・・・」
「成る程,そうすれば私たちも・・・」
「そうだね,やれるだけ真似してみよう!」

こうしてリュウトの斬撃を皆が次々に真似し始める。
リュウト自身もそれに気が付いたのか『素早く手首を使え』と助言する。
こうしたヴァルキリーのお陰で次々と繰り出した攻撃により,バハメキアを倒す事に成功した。
倒されたバハメキアが再びよろめきながら立ち上がって言う。

(219.169.212.198).. 2006年07月11日 21:56   No.156040
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…135回       
「・・・汝等の力,確かに認めた。
 この『火』の紋章,汝等に託そう。
 ただし,決して悪党には渡すな・・・」
「ああ,プロイツェンからは命を懸けてでも守り抜く。
 ・・・これでトラルー達が合流すれば,全ての紋章が揃うな・・・」

ヒエンがタグをかざし,火の紋章を収める。
すると直後,大規模な地震と共に周囲の温度が徐々に上昇していく。
紋章を失った事で,大噴火が始まろうとしていたのだ。

「此処でゆっくり話し合っている暇じゃないね,急いでここから出ないと!」
「でもどうやって!? 此処からじゃ・・・」
「安心しろ,俺と兄貴と天上魔導四天皇,それからマルス達の力を合わせて宮殿まで転移する!
 しっかり掴まってろよ,みんな!」

ソルの発言により,皆が手を取り合って輪を作る。
それから天上魔導四天皇とソルとオウガ,マルスとセドナとヴァルキリーが念と魔力を集束し,飛天地方宮殿へ白い光となって皆を送った。
神殿にはバハメキアただ1体だけが残っている。

「頼んだぞ,『大いなる力』に選ばれし者達よ。
 決して暗黒に染まった奴に,世界を渡してはならぬ・・・」

その後,バハメキアはゆっくりと息を引き取った。
直後,マグマが山頂の火口から勢い良く吹きだし,周囲へ流れ出た。
森を灼き大地を流れるマグマはやがて冷え固まり黒い岩となっていく。
ヴァルキリーの見解通りマルスの鍛冶小屋にも被害はなく,既に避難した住民達も無事だった。
こうして,8つの紋章は全て彼女らの手に収まった,のだが・・・。


「・・・8つの紋章は揃いました。
 これで私もこの良心との葛藤から逃れられる。
 いよいよ,貴方と戦える日も近くなりましたね,ヒエン様・・・」

(219.169.212.198).. 2006年07月11日 21:57   No.156041
++ マイン (オリカ王)…137回       
         第5部
「いやー、スリル満点やった」
「下手すりゃマジで死んでたなオイ」
「まぁまぁ、とにかくトラルー達に通信入れてこっちに来てもらおう」
ヒエン達に便乗して宮殿へと避難したホイック達は、トラルー達と合流すべく通信した。

 さて、こちらはトラルー達。スパイラルマウンテンを降りるまでに消費したエネルギーも麓の店で購入した食料で補給し、紋章をヒエン達に届けようと移動しようとしたとき、通信が入った。
「こちらトラルー、どうぞ」
「こちらホイック、やりました、ヒエン達が火の紋章を手に入れたんだよ!」
「ほう、それはおめでたい!で、地の紋章は?」
「残念ながらそれの行方は分かってないがね、テントムなら周辺のモンスター達から紋章の事も聞き出せるんじゃないかね?」
「分かった、試してからそちらに向かうよ」
「了解。そうそう、今我が輩達は飛天地域の宮殿にいるんでお間違いなく」
というわけで、道中のモンスター達から話を聞きながら飛天地域へと向かうことになった。
「トラルーはん、耳寄りな情報が手に入ったで」
「ほう、それは?」
「実は、聖龍族と皇魔族の混血児が地の紋章を持っていったそうでっせ。なんでも、黒い翼が生えていたとか・・・」
「・・・ふむ、なるほど。そういう混血児って、何故かコウガのお仲間であることが多いから多分コウガの元へ向かっているとは思う」
「まぁ、かつての忍者集団『朧衆』の頭も混血児であるとは聞いていたけどな」
「で、どうするんでっか?」
「放っといて大丈夫でしょ。それはともかく、この事をコウガ、改めヴァルキリーに伝えないと」
「んじゃ、行くか」
「時間はあまりないんやし」
「よし、すぐに合流する為にスペースブリッジを使おう。僕お手製の」
「そういや、トラルーにはワープ能力もあるんだったな」
トラルーが作った小型スペースブリッジを使い、3人は無事ホイック達と合流を果たす。そして、ヒエン達に残りの紋章の内『空』の紋章を託し、テントムの超進化に必要な『風』の紋章だけは自分で所持することにしたのだった。
「さぁ、今度は神界の最高会議場に戻ろう。まずはフィガロっていう人に話す事があるんでしょ?」
トラルーの提案により、トラルー達交星族一行とヒエン達紅蓮龍騎一行は神界側の月、神界最高会議場へと向かうのであった・・・。

(58.88.137.37).. 2006年07月12日 05:15   No.156042
++ マイン (オリカ王)…138回       
 一方、プロイツェン達もまた次の行動を開始しようとしていた。
「ふふふ、クスイトを倒したか我が息子とその仲間よ。テントムが紋章の力で2段階進化できるとは思っていなかったが、戦闘力は所詮たかが知れている。魔黒装の敵ではないわ」
「どうやら、私達が襲った奴らも生き延びているようです。今一度、奴らを仕留めるチャンスを下さいプロイツェン様!」
「まぁ慌てるでない。今回からは彼らにも出撃してもらうからな」
「いよいよ・・・我らの復讐の時か・・・!」
「紅蓮龍騎共め・・・!今度こそ地獄に突き落としてやる・・・!!」
「時雨蒼燕流のザオウバルガとシグレですか。生への執着が強い彼らも魔黒装を問題なく使えるでしょうね・・・。」
「うむ。彼らには大型の魔黒装『デヴォウラー(喰らう者)』を与えている。その大きさはまさに巨漢!他の魔黒装にはない防御力も兼ね備えたものなのだ。なぁ、キラードーム」
「はい、これぞ私の新たな傑作!デヴォウラー量産のあかつきには、この世界を魔黒装で侵略してやりますよ!はは、ははははははは!!」
「では、『アイゼンアサシン』、出撃!目標は、神界最高会議場!直接進撃し、フィガロ共々奴らを地獄に送ってやれ!!」
プロイツェンの命により、新たにデヴォウラーを装備したザオウバルガとシグレも加えて『アイゼンアサシン』が神界最高会議場へ猛攻撃を仕掛けてきたのであった!

(58.88.137.37).. 2006年07月12日 05:28   No.156043
++ マイン (オリカ王)…139回       
「メビウス達よ、ここでなら存分に動き回れる!各自強烈な爆弾でもプレゼントしてやれ!!」
ブラッドスクリームを中心としたアイゼンアサシンが最高会議場に爆撃を開始した。更には、ザオウバルガとシグレを中心とした別働隊が会議場内部に侵入しつつあった。無論、魔黒装の猛威により防衛隊が壊滅するのも時間の問題であった。
「どうするよ!?2方向からの進撃をくい止める必要がある!」
「こうなれば、こちらも戦力を分散させざるをえない。交星族部隊はアイゼンアサシンを引き受ける。紅蓮龍騎部隊はザオウバルガ達を頼む」
「なんか嫌な予感がする、ヒエン達、気をつけてくれたまえ」

 では、先に交星族側の戦況をお伝えしよう。アイゼンアサシンの精鋭部隊の砲撃と交星族部隊の砲撃が入り交じる中、トラルー、ウィンジャー、アトラーテリムがブラッドスクリームを狙う。
「そうはいくかよ!」
ブラッドスパイナーのジャミングウェーブだ。しかし、トラルー達はアッサリかわし、クロウブラーにそれぞれの必殺技を叩き込む。
「ぐぉおおおおおお!!よくも、よくもクロウブラーに傷をぉぉぉおおおおお!!」
「ついでにこれもだ!」
急接近したウィンジャーがハーヴェスターにゼロ距離射撃をお見舞いしたのである。無論、ハーヴェスターにも異常が起こる。あまりにも強いエネルギーの逆流により、ブラッドスパイナーは魔黒装を排除せざるをえなくなった。魔黒装を解除すればキラースパイナーとなり、戦闘力はがた落ちする。そこを狙われた。
「トラルーはん、ウィンジャーはん、ブラッドスクリームは抑えたで!」
「ぐっ!?しまった!」
「よくやった、アトラーテリム!一気にいくぞ、トラルー!さっさと片づけちまおう!」
「OK!すぐにクスイトに会えるようにしてやる」
キラースパイナーの凄まじい砲撃が来る。しかしそれを余裕の表情でかわし、弾き、跳ね返し、未だかつて無いスピードでキラースパイナーに接近した。そして、超至近距離での2人の必殺技が炸裂し、スパイナーはクスイト同様の爆発を起こした。キラードームは間一髪のところで分離し、行方不明となった。

(58.88.137.37).. 2006年07月13日 05:27   No.156044
++ マイン (オリカ王)…140回       
 一方ヒエン達紅蓮龍騎組はというと、デヴォウラーを装備したザオウバルガとシグレのたった2人に大苦戦。攻撃はほぼ全て無力化され、両手に装備された巨大なビーム砲は天上魔導四天皇にすらも一撃で重傷を負わせた。更に、というかデヴォウラーの最も恐ろしい能力はというと、相手のエネルギーを吸収してしまう事なのだ。
「さぁ、デヴォウラー。美味そうなエネルギーを持つ奴らがたくさんいるぞ。好きなだけ喰らうがいい」
「さぁ、奴らのエネルギーを喰らい尽くし、より強く、禍々しくなれ!」
デヴォウラーの両腕の顎が開き、何かの生物の雄叫びのようなものが聞こえた。そして、ザオウバルガとシグレが同時に駆けだした。今回、ザオウバルガは強烈な毒を、シグレはデヴォウラーと同様の能力を新たに得ている為、魔黒装の力もあって勝負はかなり一方的なものとなった。
「さぁ、今度こそ地獄に堕ちてもらおうか!!」
デヴォウラーの腕に噛まれればエネルギーを根刮ぎ吸い取られる。シグレの場合は自身の能力により吸い取る時間がザオウバルガよりも早い。こうして、1人、また1人とエネルギーを吸収され、戦闘開始から1時間して動けるのはヒエン、レンガ、ヴァルキリーの3人だけ。しかもエネルギーを吸収されずとも強烈な必殺技やザオウバルガの猛毒を受けている為、非常に不利な状況である。しかし、シグレがヒエン目掛けて突撃しようとしたその時、突然『火』の紋章が強烈な光を放ったのだ。果たして、紋章に秘められて力とは!?

 一方、ブラッドスクリームに苦戦しつつも有利を保ち続けている交星族側では、徐々にアイゼンアサシンが撤退体勢に入っている事が伺えた。
「やれやれ、これでひとまずは大丈夫かな?」
「ヒエン達は大丈夫だろうか・・・」
「大丈夫、我が輩の細工が上手く働けば魔黒装なんて怖くない。今回のは自信作だぞ。なんと、攻撃を当てるだけで魔黒装を消滅させられるんだ」
「そりゃあ、凄い細工だなオイ」
「まぁ、紋章の力と共鳴して初めて真の力を発揮するようにも細工したんだがね」
果たして、ヒエン達の運命やいかに!

(58.88.137.37).. 2006年07月13日 05:51   No.156045
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…136回       
そしてその紋章の共鳴と同時に,マルスが作った鎧を収納してある8つのカプセルの内の一つが輝き出す。

「!! これは・・・」
「・・・どうやら,僕の打った鎧が真価を発揮する時が来たみたいだね・・・!
 君の持つ『火』の紋章と共鳴して,魔黒装の力をもしのぐ聖なる鎧『光龍装・緋炎煉獄』を・・・,ヒエンちゃん,受け取って!」

カプセルが投げられると同時に小さなカプセルが開き,ヒエンに紋章の光とカプセルの光が纏われてゆく。
元ネタとなるあのアニメで行けば,『鎧進化』のようなものである。
紅蓮の炎のような逞しいフォルムの黄金の鎧が,ヒエンをシグレの突撃から護った。
それと同時にシグレを反動で突き飛ばし,彼女に傷すら付けないようにする。
ヒエンの鎧を纏った姿は,何処かかつてのアレックスの面影と重なるようだった。
さらに・・・,驚くべきはそれに共鳴して封印の楯とファルシオン,更にカプセルの内の一つが輝きだしたのに対応して,ヴァルキリーに託された『空』の紋章も輝きだした事である。

「・・・やっぱりそうだったのか,かつての『8つの意志』に選ばれた者の子孫や当の本人に対応するように紋章が力を発揮する時に輝き出すんだ・・・!
 そうとなれば,僕はあの時の『空の意志』に選ばれた者だからこうして紋章が力を貸してくれるのも当然の事・・・。
 ヴァルキリー,紋章を僕に!」
「おぅ! 受け取れっ,くぅ!!」

ヴァルキリーがトラルーから預かった『空』の紋章をマルスに投げた。
マルスが右手でそれを掴むと,ヒエンの時同様に紫色の光が彼に纏われていく。
そしてまるで気流と雷撃をイメージしたような紫の鎧に身を包み,封印の楯とファルシオンを両手に持って戦闘に復帰したのだ!

「すごいや,どんどん失われた力が戻っていく!
 それに,ファルシオンが,封印の楯が僕に語りかけてくる。
 これならザオウバルガとシグレの攻撃も難なくかわせるかも知れないね!」
「マルス・・・!
 これで形勢逆転と言った所まで持っていきたいものだな!
 行くぞ,さっきのお返しを倍にしてやる!」

こうして二人の『光龍装』である『緋炎煉獄』と『蒼空迅雷』がそれぞれ纏われ,紋章と共鳴して彼女らを魔黒装の攻撃から護り,そして魔黒装を破壊する正義の一撃を繰り出せるようになっていった。
マルスの持つ『光の剣』ファルシオンとヒエンの持つ紅蓮龍騎の聖剣『白夜』にはひときわ明るい輝きとそれぞれのエレメントが宿り,シグレ達の装備する『魔黒装』を次々と破壊していく。
それと同時に,喰われた力が解放され,他の仲間達も力を回復していった。
そして・・・

「秘奥義・飛天煉獄刹!!」
「秘奥義・蒼空雷迅斬!!」

二人の最大必殺が交差する。
ヒエンは飛天族の王・アレックスの幻影と共に紅蓮の炎の剣で素早く何度も斬撃を繰り出し,ザオウバルガの魔黒装を木っ端微塵に砕いた。
マルスは先代の軍神の幻影と共に,普通の雷撃とは違う蒼い雷撃を纏い風の刃の如く一閃,そして回ってまた一閃。
シグレの魔黒装もマルスの最大必殺によって木っ端微塵に砕かれた。
そして,其処に颯爽と『地』の紋章を保持しているリュウトが合流し,二人を剣の一閃によって再び闇の彼方へと葬った。

(219.169.212.198).. 2006年07月13日 22:29   No.156046
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…137回       
「ふぅ・・・これで一件落着と言った所だね」
「だがリュウトの到着が遅くなっていれば逃げられていた所だった・・・,感謝するぞ,リュウト,それにマルスも・・・」
「いや,私は当然の事をしたまでだ。
 それに,この『地』の紋章の適合者が見つかるまでは,私も君達に同行しなければならない」
「そうだね,それにリュウトさんはかつて僕と同じ『8つの意志』の内の『闇の意志』に選ばれし者。
 其処を見れば,きっと今ソルに預けている『闇』の紋章の適合者なのかも知れないし・・・」
「後6人か・・・,私の他にマルスが今のところ適合者として決定した。
 それに加え,『水』の紋章は渡される時にレンガにしか使えないと言っていたな。
 後は・・・,恐らく『光』は伝承通りかつて『光の意志』に選ばれたラピレイザーの転生後の姿,トラルーと見て間違いない。
 だが残り4人はまだ解らない。
 この仲間の中にいるのか,はたまた新たに現れる仲間なのか・・・」
「とにかく,トラルー君達と合流して真相を掴もう。
 それにヒエンちゃんには,俺たちのかつての闘いの歴史の一つ,『8つの意志』と暗黒の精神体を巡る戦いを語ってやらないとな・・・」
「そうね,あたしもその8人のメンツの一人で,『水の意志』に選ばれし者だったんだし」
「かつて俺が『火の意志』に選ばれし者として戦ったときのこと,ヒエンちゃんに役に少しでも立てばいいけどな・・・。
 良し,議会場へ戻ろう」

こうしてヒエン達は一路トラルー達との合流の為,神界最高議会場へと向かうのであった。


その頃,議会場にはオウガとソル,天上魔導四天皇とオーディーンにロキ,そしてフィガロが居た。

「あの者達が戻ってくるまでにはまだ時間が掛かるであろう。
 しかしその間無駄に立ち尽くしたりして待っていては時間が勿体ない。
 オウガ,ソル,そしてアズマよ・・・お主らに話したい事は解って居るな」
「我々がかつての『地の意志』『風の意志』『時の意志』に選ばれし者達に代わって,紋章の力を借りて戦う・・・そう言う事でしたね」
「『闇』の紋章を託されたからには俺たち兄弟が『光』と『闇』の紋章の力を使うもんだと思っていたが,実際はトラルーとリュウトの2人だったらしいじゃねぇか。
 だったら,他に紋章に選ばれているなら俺たちもその力を存分に使うし,そうじゃなけりゃ堕天使共の反対押し切ってでもアイツ等の補佐をするつもりだった。
 安心しろ,フィガロ様が動かねぇ分,俺らで存分に暴れてきてやっからよ」
「私も同じです。
 天界の東方を守護し,更に世界の理の一つ『風』を司る者として,必ずや紋章の力を借りヒエンちゃん達と共に無魔族の呪いを解き,帝都摂政に痛い目を見せてみましょう。
 きっとプロイツェンもヒエンちゃん達やトラルー君達から紋章を簒奪しようと動き出しているはずですからね」
「うむ・・・,頼むぞ,3人とも。
 但し,それでも危機に陥ったというなら必ず我と残りの天上魔導四天皇を呼べ。
 お主ら4人が全魔力を解放すれば,我に匹敵する程の力も生まれて来よう・・・」

(219.169.212.198).. 2006年07月13日 22:47   No.156047
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…138回       
そりでは設定投下。


名前:煉獄龍騎ヒエン
パワー:27
出身地:地上界・飛天地方
必殺技:飛天煉獄刹
データ:『火』の紋章と『光龍装』の鎧の力でパワーアップ!魔黒装を灼き尽くし破壊する紅蓮の炎で,ザオウバルガとシグレに立ち向かう。
ライバル:黒龍破壊無双ザオウバルガ

ヒエン
「光り輝く『火』の紋章よ,私の剣に力を宿し,魔黒装を打ち砕け!」
ウェ:マルス自身鎧が変形する事は計算外だったらしいゾ!


名前:蒼空迅雷軍神マルス
パワー:30
出身地:神界・東方聖龍都市
必殺技:蒼空雷迅斬
データ:『空』の紋章と『光龍装』の鎧の力でパワーアップ!普通の雷と違って属性を持たない雷撃を操る『空』の力を武器に,光の剣と封印の楯でヒエンをサポートする!
ライバル:黒龍天舞シグレ

マルス
「僕は負けない,世界だけじゃなくヒエンちゃん達も護るって決めたんだから!」
ウェ:実はヒエンに対し仲間の男性キャラ達が知らない内に恋をしまくっているらしいゾ!


名前:黒龍剣リュウト
パワー:26
出身地:地上界・聖龍地方
必殺技:時雨蒼燕流・飛燕斬
データ:皇魔族の血を継ぐ為不老長寿で生き続ける聖龍地方に伝わる伝説の剣士。顔の右半分を隠す仮面を外し素顔の全貌を露わにしつつ,1000年前と変わらずコウガ達のサポートに回る。
パートナー:紅蓮龍騎

リュウト
「どんなに時が経っても私の気持ちが変わる事はない。
 例え敵の血が流れていようとも,私は聖龍地方に伝わる伝説の剣士だ・・・」
ウェ:リュウトは相変わらず神出鬼没を繰り返してコウガ達のピンチに駆けつけているらしいゾ!

(219.169.212.198).. 2006年07月13日 23:07   No.156048
++ マイン (オリカ王)…141回       
         第6部
 戦闘終了後、トラルー達もまた会議場に戻り、ヒエン達と合流した。そして、紋章に秘められた『鎧進化』の力について知る。
「なるほど、紋章にはそんな力があったのか」
「どうやら、我が輩の細工も鎧進化の影響で能力として定着したようだ」
「んで、トラルーは光の紋章の適合者っつーわけか」
話が終わり、トラルーはマルスからカプセルの1つを託され、トラルー達は警備の為に会議場の外に出た。警備に出るメンバーは、トラルー、ジェイヤー、グレスト、ファルストの4人。
「そういやさぁ、オレある伝承を聞いた事あるんだ」
「どんな伝承?」
「なんでも、8つ全ての紋章の力を引き出せる大賢者が存在するらしいぜ」
「マジでー!?それってスゲェじゃん!」
「8つ全てか。正確には、8つのどの紋章とでも適合する者らしいね」
「でも、それが誰なのかはサッパリですが」
「まぁ伝説だから仕方ねえだろ」
「そんな事気にしてる場合でもなさそうだけど」
なんと、ヒエン達が倒した筈のザオウバルガとシグレが亡霊となりトラルー達に襲いかかってきたのである!

(58.88.137.37).. 2006年07月14日 05:22   No.156049
++ マイン (オリカ王)…142回       
「おのれおのれおのれぇぇぇ・・・。紅蓮龍騎はどこだァァァァ・・・」
「貴様ら・・・教えぬというのなら地獄に落としてやるぞォォォォ・・・」
「誰が教えるかよ!攻撃、攻撃だぁ!!」
しかし、亡霊となった2人には、まともな攻撃は一切通じない。
「ダメだ、全然効かない!」
「くっそー、どうすりゃ・・・。ん、トラルー、お前のカプセルが光ってるぜ!?」
「ホントだ!でも、対応する筈の光の紋章は?」
「こんな事もあろうかと、しっかりもらってきましたよ」
「ナイスだぜ。ファルスト!」
「鎧進化!アルテミス!」
両腕に攻防一体の武器、頭に特殊な魔力を宿した帽子、背中にはアームが折り畳まれた状態で2つのロングランチャーらしきものが装備されている。
「ならば、月の石から精製されし魔物どもの相手をしていろ!紅蓮龍騎は我々で見つける」
「そうはいかんぞ、亡霊共め!」
アルテミスの背中の武器のアームが動き、ロングランチャーらしき武器は彼の腰付近に定着した。そして高密度ビームを同時に発射し、魔物達を一瞬で消し去った。そのアームはかなり複雑な構造なのか、ほぼ自在に動かせる。それを応用して、今度はエネルギーの剣を出現させ、ザオウバルガとシグレの2連続の攻撃を弾く。この装備は、後にアクティブバスターと呼ばれるようになる。
「亡霊生活からオサラバさせてやろう!」
そう言うと、アクティブバスターを背中に戻し、両腕の武器(シールドブレイド)に特殊な魔力を注ぎ込む。魔力の発生源は、あの帽子である。
「光と共に神の懐に戻り、神聖なる罰を受けよ」
シールドブレイドが2人を瞬時に倒し、光に変えた。その光は四散し、戦闘の終わりを告げる。その後、アルテミスはトラルーへと戻り、警備から帰還したのだった。

名前:アルテミス
パワー:30
出身地:なし(進化体であるため)
必殺技:パルフィーリスレーブ
データ:トラルーが光の紋章と光龍装の力で進化した姿。帽子の魔力には、亡霊などの実体のない敵にもダメージを与え、浄化する力がある。
敵対者:進退覇王プロイツェン
セリフ「この力、ぜひともスパークを宿らせ自立させてみたいなぁ」
豆知識「精霊界にはスパークを司る管理者がいるらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月14日 05:56   No.156050
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…139回       
「紋章の力を司る大賢者? ライセンの事ではないのか?」
「ああ,私のもう一人の師である大魔導ライセン様でさえ,紋章のことについては良くご存じない。
 それに,姉弟子のシオンももちろんの事。
 天界と神魔界にに通じる私のみが紋章のことについて知っていただけだ。
 だが・・・神魔界から此処最近,一人の妙な魔剣士が地上界へ出てきたという噂は耳にしているが・・・」
「少なくとも,ユウガさんじゃないはずだよね」
「確かに彼ではない。
 だが彼はかつてのアスタロット達を凌ぐ程の力を持った上級皇魔族。
 魔力もかなり高めで魔術も豊富であるから,全ての元素が操れる可能性は否めないがな・・・」
「そうよね,弟分のコクガ君の補佐に色々な魔術を使った事,見た事あるし」
「ゆーちゃん自身の話に寄りゃ逃げる時にも使ったらしいよ,その力。
 でももし仮にゆーちゃんが大賢者だったとするなら,急いで会いに行った方が良いんじゃないかな・・・」
「その通りですね。
 しかし,彼自身が聖龍地方の何処に住んでいるかは,我々には解りませんよ。
 その辺りはコウガ様の記憶に頼る他ありませんからね」
「ぅ・・・,とは行っても俺記憶力は案外弱いよ・・・;
 その上方向音痴だし・・・」
「だけど行くしかないだろ,それにいざとなったらナビ手にとりゃいい訳なんだし」
「その通りですよ。
 どんなに道に迷おうと,試行錯誤する内にまた手がかりを思い出して,終いには目的地へたどり着けるはずです」
「・・・わーった,俺が案内する・・・;」
「うむ,では万が一の事も考え,神界で開発している最新鋭ナビをお主に与えてやろう。
 それと,これはプロイツェンの攻撃パターンを記憶しているフラッシュメモリだ。
 512MB一杯に入って居るが,トラルーのUSBルートハブにかませれば読みとる事は可能な筈。
 奴が襲いかかってきた時のために役立ててくれ」

コウガの案内で聖龍地方に住み着いたユウガに会いに行く事にした一行は,黒い携帯電話サイズのナビと,もう一つ・・・ペンダントライトのような小さな大量記憶装置を受け取った。
どうやら先端にあるキャップの下の銀色に輝く四角いコネクタをかませて情報のやりとりをするのだろう。
こうしてコウガ達は大賢者であるか解らないが,ユウガに会う為再び地上界へ降り立つ事に。

(219.169.212.198).. 2006年07月14日 21:52   No.156051
++ マイン (オリカ王)…143回       
         第7部
ヒエン達からもらった大量記憶装置を見つめて、トラルーが呟いた。
「そうか、これにプロイツェンの攻撃パターンが記憶されていると。ふーん」
「いや、ふーんって、興味ナッシングかよ」
「だって、所詮それは昔のものでしょ?第一、プロイツェンの恐ろしさは、もういつ覚醒してもおかしくない『進化への執念』だ」
「進化への執念?なんだそりゃ」
「プロイツェンは帝都の支配者である事だけには満足せず、全世界、挙げ句の果てには星1つ丸ごと支配しようとまで考えた。その為に自らを進化させようとした。それを見かねた『紋章賢者パルパレーパ』は、その神秘の力でプロイツェンの進化の素質を奪い取った。そして進化の素質は、今の紋章タグとして8つに分けられ、様々な場所に封印したんだ」
「なるほどな、で、進化の素質というのは?」
「本来、生きとし生ける者全てに進化するチャンスはある。転生も同じく。そして進化の素質が無ければ転生も進化もできない。要するに、進化の素質を奪われたプロイツェンは進化も転生もできないわけさ。ちなみに素質の大きさのようなものは個人で違ってくる為、素質を持っていても進化できない者もたくさんいるらしい」
「ほう、なかなか興味深い情報だね」
「そして紋章タグを集める真の理由が分かった」
「プロイツェンに進化するチャンスを与えないようにする為だな」
「その通り。決して紋章タグをあいつに渡してはいけない。まぁ、『進化への執念』が覚醒してしまえば、どうなるかは分からないけど・・・」
「ところで気になってるんだが」
「なんだい?ジェイヤー」
「さっきからマルチパラソルが光ってるぞ?」
「我、今こそ再び現世に戻る時・・・」
「い、今頭から声が・・・?」
「トラルーよ、マルチパラソルは返してもらう。帝都摂政の『進化への執念』が覚醒する前に、奴を止めねばならぬ」
「へ?まさか、マルチパラソルが喋ってる!?」
「いかにも。我が名は紋章賢者パルパレーパ。全ての紋章の力を司る者なり」
「マルチパラソルが何故存在するのか気になってたけど、まさか大賢者の魂が宿っていたとは」
「我が体は今聖龍地域にある。そして今、その体にはユウガという者の魂が宿っている。今こそ、2つに分かれし魂と肉体を1つにする時!」
「聖龍地域へ行こう!そこに大賢者に関する謎を解く鍵がある!」
こうして、光り続けるマルチパラソル(=パルパレーパ)の案内を頼りに聖龍地域のユウガの元へ辿り着き、ヒエン達と合流することになる。そして再びパルパレーパが呟いた。
「今こそ、あるべき肉体に戻る時・・・。ユウガよ、我が体は返してもらうぞ・・・」
今目覚める、紋章の力を司る大賢者・・・。

名前:紋章賢者パルパレーパ
パワー:50
出身地:神界:進退の都
必殺技:変化の裁き
データ:かつてプロイツェンから『進化の素質』を抜き取り紋章タグとして様々な場所に封印したという大賢者。その存在は伝説とされている。
敵対者:進退覇王プロイツェン
セリフ「一度だけでは懲りずに再び思い上がったか、愚か者め!」
豆知識「プロイツェンから『進化の素質』を抜き取ったあとは魂をマルチパラソルに憑依させ世界の情勢を監視していたらしいゾ!」

(58.88.137.37).. 2006年07月15日 07:13   No.156052
++ マイン (オリカ王)…144回       
 マルチパラソルから離れた魂がユウガに憑依、その体からは蝶のような翼が4枚生え、マルチパラソルが変形して右腕に装備された。その形は、どことなく盾にも剣にも思わせる。これは攻撃と防御を両立した装備「トルケロス」と呼ばれる。
「スゲー、どうなっちまってんだ、コレ?」
「マルチパラソルに憑依していたパルパレーパの魂がユウガに憑依というか合体というか、とにかく魂と肉体が1つになった事だけは確かだよ」
完全に覚醒したパルパレーパは、すぐにトラルー達に助言を与える。
「これで我は完全に覚醒した。今までマルチパラソルを大事に使ってくれて感謝するぞ」
「いやぁ、どうってことないぜ」
「アンタには言ってない。それはともかく、スピリットロン指揮能力が失われたわけだけども、何かいい策はないものかな?」
「ならば、この装備を新たに授けよう。これなら分離して2ヶ所から指揮をとる事も可能だ」
「え、分離能力は失われている筈じゃ・・・」
「覚醒の時に光の紋章の力で封印を解除した。今後は2体に別れて行動できる」
「わざわざありがとう」
「マルチパラソルを大事に、有効に使ってくれたお礼だ。では、我はいち早く神界のスパルクルの遺跡に行っている。プロイツェンと戦う準備ができたら、そちらに向かってくれ」
「最後に1ついいか!?」
「言ってみたまえ」
「その・・・ユウガっつー奴の魂はどうなるんだよ」
「心配ない。ユウガの魂は我と共にある。紅蓮龍騎の諸君と会話できるかもしれん」
そう言うと、パルパレーパはワープして消えた。トラルーにはマルチパラソルに代わり、まるでカセットデッキのフタのようなパーツが背中に装備されている。どうやら彼のフライトテイル(トラルーの頭の左右にある翼とムチを兼ねたもの)と連動させる事で後ろから前に動かす事ができるようだ。ちなみに、分離したときの為にか結構分厚い。
「これはなかなか。マルチパラソルにも引けを取らない大きさなのに、コンパクトでバランスを壊さない。僕が分離すればこれも分離する。オマケにシールドとしても役立つ。まさに便利アイテムだ」
後にこれは「シールドコマンダー」と呼ばれ、以後スピリットロン指揮、特に分離時の戦闘で重宝する事になる。
そして、来るプロイツェンとの決戦に向け、トラルー達は準備を始めたのだった。

(58.88.137.37).. 2006年07月16日 05:34   No.156053
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…140回       
そして神界のとあるラボ。
誰かさんが今日も研究に励みつつ色々な人を実験台にしているのである・・・。

「ぐっふふ〜w できたできたw
 名付けて『愛しのサイガきゅんv』5号!
 これがあればプロイツェンの息子君にまた新しい力が宿るわぁ〜ww」

しかもその試作品らしきもの,どうやら1000年前のサイガの光牙七支刀を元にしたレーザーブレイドらしい。
それも,生体は愚か霊体も斬れる力を付与されているものだが・・・,これまでに作った4本は全て霊体を切れず失敗。
今回は新しい要素を加え,余計なものを排除して成功を祈っているというのだが・・・。

「待ってなさいよ〜トラルー君w
 このあたし,天才科学者兼サイエンスの女神様ハロルドちゃんが今行くからねぇ〜っ!」


名前:科学者ハロルド
パワー:15
出身地:神界・北方科学都市
必殺技:私の実験台になりなさい!
データ:神界北域の外れに立つ研究施設で日々神界や天界に役立つ科学発明品を作り出そうと研究する天才女科学者。ただし,研究の成功の為に多数の神族や天使を巻き添えにする為,マッドサイエンティストとして恐れられる。
ライバル:×

ハロルド
「私の発明品の実験台,よ・ろ・し・く・ねんw」
ウェ:ハロルドは1度失敗した事は2度と繰り返さないよう心掛けて居るが未だ実現出来ていないらしいゾ!

(219.169.212.198).. 2006年07月16日 20:33   No.156054
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…141回       
「ゆーちゃん,本当に大丈夫かな・・・」
「肉体と魂を分離して長く経つって言うし,それに久しぶりの合体のショックで魂が少し眠っているかも知れない。
 でも,あれだけの魔力と力を持つユウガさんだから,きっと遺跡に行った時には僕達とも会話出来るはずだよ」
「しかし本当にコウガの予想が当たるとはな。
 だがこれでまた一つ新たな戦力が加わった。
 後は我々紋章に相応しいものが覚醒し,戦えるようになるしかない。
 迂闊に力を集めるよりは神界の遺跡へいち早く行く方が良いだろう」
「そうですね,リュウトさん。
 ・・・よし,俺たちは先に出発しよう!
 確か進退の都へは中央管轄区域からしか繋がっていないはずだ。
 ゲートが限られている上に,外から見えてもそのゲートからしか進入出来ないって言うから今がチャンスだ!」
「ええ,行きましょう,皆さん!」
「皆でプロイツェンの野望を止め,そして進化への欲望を打ち砕き,世界を護ろう!
 私たちの今の使命は,プロイツェン打倒ただひとつ!」

ヒエンの言葉に皆が歓声を上げる。
それから数時間後,旅の支度を整えたヒエン達は天界へ渡り,神界中央管轄区域へ繋がる『光の橋』へ移動した。
遺跡のような外観だが,四方に階段がある小高い祭壇らしい場所の中央に,虹色に輝く水の柱があった。

「あの水の柱が中央管轄区域への道です。
 此処から神界へ上がると,中央管轄区域の首都近郊にでます。
 後は私たちのナビで,進退の都へ導きましょう。
 さぁ,行きましょうか・・・マスター」
「ああ・・・後はオウガ達についていけば良いだけの事。
 みんな,行こう」
「え,でもあれ水でしょ? ボク達息止めて潜らなきゃいけないんじゃ・・・;」
「心配ないよ,移動時間は短いからみんなの肺活量でなら耐えられる。
 それに肺活量のない人でも息全部吐き出しちゃったら自動テレポート装置が作動するからどっちにしろ死なずに行けるさねw
 まぁそれでも着いた先は小さな泉だけどw」
「だ,大丈夫かなぁ・・・;;」

(219.169.212.198).. 2006年07月16日 20:59   No.156055
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…142回       
あの時の経験からビビるレンガをよそに,ヒエン達は次々と水の柱へ入り込み,遥か上空の神界へ移動していく。
最後にレンガも意を決して水の柱へ入り込んだ。

「こうなったらもう行くッきゃない・・・,怖がってちゃ駄目だよ,ボク! えぇぃっ!!」

水の柱へ入り込むと,レンガの身体はそのまま虹色の水と共に天空へ昇ってゆく。
シグレの分身からの水球攻撃の時と同じく息は出来ないが,それでも自分で動かない分息は長くもつようだった。
それでも10分程移動時間を要したので出口付近でレンガの口から気泡が漏れ出す。

「ぐばっ・・・がぼごばぁっ・・・!!」
(苦しい・・・出口は見えてるのに此処でまた気絶するなんて,ボク嫌だよっ;
 何とか耐えなきゃ,耐えないとっ・・・!!)

それでも水の流れのお陰で出口である泉に到達。
少し深さがあるのでそこから泳いで水面へ顔を出し,何とか気泡を全て吐き出してしまう寸前で神界へ到着した。

「はぁ・・・はぁ・・・なんとか・・・着いたね・・・;」
「レンガッ!? ・・・ったくもぅ,しょうがないなぁ・・・;」

しかし体力が持たずまたしても気絶。
泉の底へ身体が沈んでいくのを見てヴァルキリーがあわてて助けに飛び込み,今回も何とか一命を取り留めた。

「セキュリティ対策とは言え,セドナの力借りればよかったかもなぁ・・・」
「でも,助かったから大丈夫でしょ?
 それに紋章が光ってるから,あたしの力が必要なくなるのも近いわ。
 きっとレンガもこのトラウマ,紋章の戦士になれば克服出来るわよ・・・」
「そうだよな・・・あはは;」

こうして気絶したレンガを抱えたヴァルキリーを筆頭に,オウガの案内で一行は無事遺跡へたどり着いた。

(219.169.212.198).. 2006年07月16日 21:01   No.156056
++ マイン (オリカ王)…145回       
「さて、旅支度はできたし、インシュリンとの合流の手はずも整えた。さぁ、行こうか」
「んじゃ、俺達はお先に」
「さて、我が輩達も行きますかな」
「そだね・・・って、誰か来た。んでもって、凄く嫌な予感がする」
やってきたのは、科学者ハロルド。彼女を見た瞬間ホイックは一歩引いた。
「あ、あの人はハロルド君!どうしてここが分かったのかね!?ていうか、今度は我が輩達で実験するつもりじゃないだろうね!?」
「ホイック、知り合い?」
「ああ、彼女はハロルド君。我が輩やキラードームにも負けぬ天才頭脳の持ち主なんだが、実験の度に他の者を巻き添えにする事から『マッドサイエンティスト』と呼ばれ恐れられているんだよ」
「もう、失礼ね!この天才科学者兼サイエンスの女神様にそんな呼び方しないでくれる!?」
「自分で言うなよ。それに天才科学者兼サイエンスって意味が分からん」
「(またロクな目に遭わないなきっと・・・)
そ、そんな事よりさ、早く行こうよホイック。仲間待たせるのもなんだし(こーいうのは逃げるに限る!逃げるが勝ちならぬ逃げるが安全!)」
「まぁまぁそう言わないで、このサプライズな剣を使ってみなさいよ!今回は自身があるわよ!」
「ハッキリ言わせてもらうとね、君が『自身がある』と言った場合は大抵ロクな目に遭わない」
「黙りなさい!さぁ、使ってみて」
「(・・・オイオイ、科学の粋を集めてる割に魔力に頼ってる事がバレバレな武器じゃん・・・。しかも七支刀のパクリかよッ!!)使うたって、誰に?」
「そりゃあ、実戦で亡霊共に」
「未実験のままで実戦投入するというのかね!?そりゃ科学者として非常にナンセンス!」
ハロルドのあまりものテキトーぶりのせいか、トラルーが切れた。
「つーか、いくら優れた性能持っていようが実戦で使えなきゃ意味ねーだろーがァーーー!!!!下手すりゃ死ぬかもしれない戦いに、そんあ未完成品持っていけるかァ!!行くぞホイック!そんな危ねー科学者の発明なんて信用できるか!!」
「・・・まぁ、そういう事で。今度会うときには実験でその成果を示してからにするんだね」
ハロルドに怒りの言葉をぶつけたトラルーはホイックと共にスパルクル遺跡へワープし、ワープゲートを閉じたのであった。
「・・・そんな重要な戦いだったなんて・・・」
ようやく事の重大さを知ったハロルドは、レーザーブレイドを持ってラボへと戻っていった。

(58.88.137.37).. 2006年07月17日 05:40   No.156057
++ マイン (オリカ王)…146回       
そして、スパルクル遺跡。
「よう、少し遅かったじゃねえか」
「いやー、自分の発明を未実験のままで実戦投入しようと考えている馬鹿に捕まっちゃってさー」
「危険な奴だな」
「待っていたぞ、精霊達よ」
「パルパレーパか。お、紅蓮龍騎も到着したようだ」
「では、話を始めよう。なに、そんなに長くはないからしっかり聞いてくれ」
「質問、よろしいですかな?」
「言ってみよ、ホイック」
「なんか我々精霊達は日に日に大きくなる力を感じるんだ。邪念とも野望とも思えない、なんか執念のような」
「なるほど、では急がねばならんな。それはプロイツェンの『進化への執念』と見て間違いあるまい。あまりもの執念の大きさが、エネルギーに変換され始めているのだ」
「マジで!?そりゃヤバイぜ」
「そこで紋章の力を引き出せる戦士達の力が必要なのだが・・・。・・・どうやら、紋章の力が覚醒しているのは3人だけのようだな」
「そうか、テントムのような超進化は覚醒した内に入らないんだ。だからヒエン君、マルス君、そしてトラルー君だけなんだ」
「それといいことを教えてやろう。トラルーは光の紋章だけではなく、風の紋章も使える」
「な、なんだって!?それはどういう・・・」
「あ、分離能力!分離して片方は光、もう片方は風の紋章の力を得られるんだ!」
「その通りだ、トラルー。知らない者もいるだろうから教えておこうか。トラルーは本来2体の精霊が合体した姿なのだ。かつて一度その姿を見せていたが、今では若干姿と名前が変わっている」
「よーし、やってみろよ」
「ワテは知ってたんやけどな」
トラルーは2体の精霊に分離した。かつてラミティーの頃に一度だけ起こった、分離現象。それが今では能力となっている。マリン改めウェーブ、リーフ改めハーブ。
「おお、懐かしい!まさかホントにまた分離できるとは思ってなかったぜ!」
「そうだね、たまに分離してみたいと思う時期があったけど、これでいつでも分離できるね」
「そしてもう一つ、ウェーブとハーブがトラルーに合体して行動するようになった要因は、このスパルクルなのだ」
「なんと、合体能力を与えてしまう力もあったのか。これは科学者として是非とも研究してみたいものだね」
「さて、我が伝えたい事はただ1つ。プロイツェンを『進化への執念』が覚醒する前に叩くのだ!さもなくば、悪夢の光景が目の前に広がってしまうだろう。そして、全ての世界は奴に飲み込まれる」
「わかった。必ず、覚醒前に奴を倒す」
「では、2つに別れて行動してもらうか。交星族諸君は先発隊として先に帝都へ向かってくれ」
「分かった。紅蓮龍騎にだけ関わる話もあるみたいだからね。では、お先に!」
そしてトラルー達が帝都へ向かったのを確認すると、パルパレーパはヒエン達の方をみやり、そしてユウガの魂を体の中から呼び起こした。

※この後は、ヒエン達とユウガとの会話という事で

(58.88.137.37).. 2006年07月17日 06:09   No.156058
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…143回       
「ふぇー,いきなり合体させられるもんだから驚いちまったぜ;
 それはさておき話はパルパレーパのじっちゃんから聞いたぜ。
 プロイツェンの奴が世界を丸ごと自分の物にしようとするなんて,噂には聞いていたがまさか此処まで凄まじいものになろうとは予想だにしてなかった。
 アイツの進化への執念は今,かつての世界の驚異マステリオン並みにヤバイものになってきやがった。
 早い内に叩かなきゃいけないが,先ずは・・・こっちの紋章の戦士達の事について話しておかないとな」
「ゆーちゃん,まず光龍装と紋章の関係についての事なんだけど・・・」
「ああ,光龍装は名匠ならヒイロニウム使って誰でも作れるが,それはただの器に過ぎない。
 但し強度はあるからある程度の耐久力は持ってる。 ・・・其処でその耐久力をアップさせる為に収まるのが紋章に秘められた力なんだ。
 だけど『水』と『風』と『火』の紋章だけ特異で,装備出来る奴が2人居るんだよ」
「トラルー君の片っぽとアズマさんの事だよね,それと『水』はボクとセドナさん,だとしたら『火』の紋章はヒエンちゃんの他に・・・」
「・・・俺が使えるって事だな,ゆーちゃん」
「その通り,かつて8つの意志に選ばれた者がいればそいつに紋章と光龍装を託すと使用可能になるって訳だ。
 ただ,お前等も知っている通り8人の内で今現存するのはコウガとクウガとソウガとリュウト,それにトラルーだけだ。
 トウガはスパイラルマウンテンの護衛に当たっているから『風』の戦士だったといえど無理がある。
 それで選ばれたのがアズマさんとハーブ君って訳だ。
 だけど2人使用出来る奴が居る紋章は使用者によって使える能力も若干異なる。
 こう言う時は例のアレって訳さw」
「成る程,憑依合体によって2人それぞれの能力をどちらでも使えるようにする訳か」
「そう,コウガが紅蓮龍騎だった時みたいに多数の能力が使えるようになれば人数が少なくても戦術はかなり豊富になる。
 一人で何度でも攪乱出来るかも知れないぜ」
「そっか,そうすればプロイツェンも段々混乱してきて攻撃も当たりやすくなるよね!」
「だけどそうしたら怒りから進化への執念目覚めさせちゃうんじゃ・・・;」
「確かにそれは一理ある。 だけどな・・・」
「だけど?」
「一つだけ手がある,これがその唯一の手段だ」
「・・・スプレー?」
「名付けて『退化スプレー』。
 進化した者を退化させる力を持って居る液体を入れてあるんだ。
 コイツを一吹きすれば,幾ら奴が進化しようともまた元の状態に戻せる」

(219.169.212.198).. 2006年07月17日 10:22   No.156059
++ 飛天王コウガ (オリカ王)…144回       
「凄っ; これゆーちゃんが開発したの?」
「いや,ハロルドが試行錯誤の末作り上げた科学薬品だ。
 これが成功するまでに色々な原生モンスターに試してきたらしいんだ。
 実験で成功が確認された物だけを持ってきたから安心してくれ」
「成る程,あのマッドサイエンティストのハロルドちゃんがねぇ・・・;
 でもこれがあればプロイツェンには充分対抗出来そうだわ」
「そうだな,それで残りの戦士の覚醒についてはどうするんだ?」
「紋章の力は引き出すって言うか俺も同じ物持ってるから此処で強制的に覚醒させる事も可能だ。
 直ぐにでも行きたいなら此処で俺が覚醒させてやるけど」
「ったく俺は戦いたくてうずうずしてるんだ,さっさと覚醒してもらえねぇと堕天使の本性が目覚めて殺戮に走っちまう;」
「・・・如何致しましょうか,マスター」
「オウガ,此処はソル達にあわせて覚醒しよう。
 此方とていざ戦う時に覚醒出来ていなければ意味がない・・・;」
「私も早く彼女らの力になりたい・・・覚醒させて頂けますね」
「私も同じだ。 光龍装の力を早めに覚醒させ,プロイツェンに対しての驚異を知らしめてやれば,彼方も気が動転する者が必ず現れる。
 そして魔黒装を量産し,不完全な形で装備させるはずだ。
 そうすれば此方の力を大きな物に見せる事も可能だろう」
「全員一致で覚醒させる,それで良いんだな?」
「ああ,頼むよゆーちゃん」
「よし,光龍装カプセルを右手に持ってくれ。
 紋章タグは持っていたら左手に持ってくれ。
 アズマはこれから俺が風の力を注入するから左手はフリーでいい。
 ・・・全員準備は出来たな? 行くぞ!」

カプセルと紋章が輝き出す。
それと共に,アズマの左手にユウガの左手から橙色の光の球が置かれる。
すると紋章タグ(光の球)とカプセルが一つの光となって彼らに纏われる。
アズマには風をイメージしたような翼のモチーフの多い鎧と拳銃が,ソルには大地をイメージしたような緑色の鎧とダブルセイバーが,オウガには時をイメージしたようなローマ数字などが刻まれた鎧と大剣が,そしてリュウトにはネレイドに洗脳されていた時のオウガのような漆黒の鎧と真っ黒な刀身の刀が自分の武器と共に装備された。

「これが光龍装の力なんでしょうか・・・」
「何か力が漲ってきたぜ! これならプロイツェンの野郎も捻り潰してやれそうだな!!」
「・・・感じる,周囲の風が僕を護ってくれている事を・・・!」
「禍々しくも強く正義に味方するこの闇の力・・・,これが私の求めていた強さなのか・・・」
「これで覚醒は完了だ。
 進退の都に行くには覚醒して扉を開ける必要があるから必ずトラルー達と合流してくれ。
 決戦の時は近くなっている・・・!
 さぁ行くんだヒエンちゃん! そしてコウガ達!
 俺もいざとなればパルパレーパのじっちゃんの力借りてそっちに向かうぜ!」
「ありがとう,それじゃあまた後で会おう!」

こうしてヒエン達一行はユウガの元を離れ,一路帝都を目指す。
一人遺跡に残ったユウガは其処でヒエン達の無事を祈るのであった。

「・・・必ず生きて戻って来いよ,コウガ・・・!」

(219.169.212.198).. 2006年07月17日 10:59   No.156060
++ マイン (オリカ王)…147回       
「お、ヒエン達追いついてきた。何か持ってるようだけど」
「ん?ありゃ『退化スプレー』でっせ。進化した者を元の姿に退化させてまう特殊な薬品や」
「ほう。それに残りの紋章を覚醒させたか」
こうして、決戦の地ヴァルハラへの道のりの途中でトラルー達はヒエン達と一旦合流した。そして遺跡内部での出来事を聞き、再び先発隊として、インシュリンらと合流すべく、帝都へと赴くのだった。

     ー第6章へ続くー

(58.88.137.37).. 2006年07月17日 17:14   No.156061


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