|
リレー参加作品 『序Ⅱ ~始まった暴走~』 作者 新月
教室に足を踏み入れた瞬間、突然何かが教室の窓をブチ破って入ってきた。よりにもよって俺の席の所の窓から。 「うおぅ!?」 もう少し早く登校していたら、教室内だけでなく俺も大変な事になる所だった。それより、今突入して来やがったのは一体なんだ? 目を凝らすと微かに動いているのが見えた。どうやらただのモノではなさそうだ。 俺は興味本位でその物体に近づいてみた。 ……人、だよな? 間違いない、『人』だ! その『人』は黒い服を着てうつ伏せに倒れていた。おまけに白髪交じり。 どこかで見たような項(うなじ)だが、誰だっけ? いやいや、そんな事を考えている場合じゃない! 「大丈夫ですか!?」 俺は大声で呼びかけて揺さぶった。すると、 「ぐっ、私としたことが」 その『人』はゆっくりと立ち上がり、体を支えるように傍にあった机に手をついた。ようやく顔を確認できる。 が、驚きの連鎖はまだ終わっていなかった。 教室の窓を壊して転がり込み、俺の目の前でふらつきながらも立っている人物、それは……。 ――新川さんだった。 スーツはすっかりボロボロになっていて、隙間から見える傷が痛々しい。 「何があったんです!? どうしてこんな事に!?」 「ううっ……」 「駄目だ、手当てしないと。おい、誰か医務し――」 振り返ると、さっきまで教室にいるはずの幾人の生徒、全員がいなくなっていた。不思議に思い、両隣の教室に慌てて向かったが、綺麗に全員消失していた。 これはどういうことだ? なんで皆いなくなっちまったんだ? 頭の中はパニック状態に陥っていた。 「まさか」 1つの不安が頭をよぎった。
.. 2010年03月15日 21:55 No.670001
|