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「リレー小説参加作品『原因』作者:ふぁいヴ」
「・・・不可視遮音フィールドによるバグはわたしのミス。展開させたことに気づいた何者かがフィールドを破壊し、そこに生じた不具合により発生した」 長門はつらつらとそんなことを述べた。 「もうひとつの世界に飛ばされたあなたは無事。そのあなたはここにいるあなたと繋がっている。ここに導くよう朝比奈みくるが仕向けたから。倒れた涼宮ハルヒたちに修正を施すことが優先」 拳銃を撃ってハルヒたちを気絶させた後、いちど長門宅に戻った俺は、長門にこう伝えられ廃墟ビルへと舞い戻った。 とりあえず、この倒れたハルヒたちをどうにかしなくてじゃ事が始まらない。 「・・・さて、長門。ハルヒたちをどうすればいいんだ?」 「わたしが修正する。ここで待ってて」 言われたとおりにすると、長門は一番近くに倒れていた魅惑の朝比奈さんに近寄った。 長門の手が朝比奈さんの額にかざされた。 「・・・っ!!」 何が起こったのだろうか。 カメラのフラッシュを百集めたくらいの光が、一瞬にして瞬いた。 「・・・・・・」 長門は無言で体勢を戻して、俺のほうに体をむけた。 「・・・事件が起こる2時18分以前から、事件が起こるまでの事件に係る原因を取り除いた」 そう言って、ハルヒと古泉、倒れた長門のもとへ行き、それと同じことをした。 「・・・長門」 「・・・何?」 「・・・さっきから聞きたかったのだが、もうひとつの世界を創ったのは長門なんだよな?」 そう、と頷き、長門は歯切れが悪そうに・・・こう言った。 「・・・創らなければあなたは不可視遮音フィールドのバグに巻き込まれ存在しなかったことになる。こうするしかなかった」 「・・・そうか」 でも俺は、長門を別に責めたりはしない。 だって、いつも助けてくれたのは長門だ。少し小難しい脱出プログラムでも、今こうやって俺がいるのだから問題ない。 「事態が悪化したのはわたしの責任。情報統合思念からだはフィールドを破壊した人物の探索に努めている」 そこで俺はある疑問に気が付いた。 さっきまで俺がいた、もうひとつの世界を思い出しながら俺は問うた。
.. 2010年01月03日 13:05 No.598001
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