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「リレー参加作品『真実』」作者★ユリア
古泉はしぶしぶ口を開いた。 「僕、古泉一樹は、あなたを助けるためにここへ来たのではありません。」 は?場の空気が一瞬で変わった。 「僕はウラの世界が創られた理由と事実を知るためだけにここへ来ました。もしもあなたが危険な状況になったとしても場合によっては見捨てていたでしょう。これは機関からの命令です。」 何を言ってやがる?意味が分からない。 「先程も言ったでしょう。僕はあなたを裏切った。と。」 「だがさっきお前は言っただろ?裏切ったのは俺のためだって。」 「はい、確かに言いました。」 コイツは何が言いたいんだ?話が矛盾してやがる。 「一体どうゆうことだ?」 意外にも俺は冷静に質問した。 「説明しましょう。」 俺の質問に古泉は真剣に答えた。が、また説明か?? いや、今はつっこんでいい場面じゃないが・・・。 「僕はあなたを裏切りました。しかしそれと同時に機関からの命令も裏切ったのです。」 理解しかねない説明だったが、なんとか返答した。 「それはどっちの味方として言ってるんだ?」 古泉は少し困ったような顔をしたがすぐにもとの表情に戻り、答えた。 「それは・・・自分でも分かりません。」 俺は古泉のこんなにもはっきりしない答えに驚いた。 それより分からないってどうゆうことだ?そんなの俺たちにもとうてい分からない。 ・・・・・・ 俺が分かりもしないことに悩んでいると再び古泉が口を開いた。 「言っていることの意味が分からないのは自分でも分かっています。しかし今の僕にはこの答えしか出せませんでした。」 「じゃあ!何故あの時、大怪我を負ってまで自分は人形じゃないと証明しようとしたんだ?」 「機関からの命令は絶対でした。しかし僕にあなたを助けないことなどできなかったのです。」 場が沈黙(ちんもく)した。俺はなんと答えればいいのか分からなかった。 すると今まで横で静かに話を聞いていた長門が口を開き古泉に言った。 「それが機関からの命令・・・」 「はい」 古泉は長門の言葉に応じる。深刻な返事だった。 すると続けて長門が驚きの言葉をはっした。 「機関がそんな命令をくだすとは思えない。何者かの手によって操られていると考えるのが適切。」 なんてこった。敵はそんなにも大きな力を持つヤツだってのか? し――んとなり、凍りつくような空気になった。 ・・・・・・・・・・・ 「――・・・・・・まさか!!」
(★☆★☆静真に続く★☆★☆)
.. 2009年12月01日 06:55 No.577001
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