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朝倉こと涼宮ハルヒ(あくまで俺の予測だが)は、数歩後ずさりする。 1歩。2歩。ここで後ろの壁に背中が当たり、動けなくなる。 ハルヒ(仮)は驚愕の顔で口を開いた。 「なんで……分かったの? そんな……」 まるで、自分が沙○子のおじを殺したかと思っていたが、実際は殺してなかったという圭○のように。 俺はここで、俺なりの考えを教えた。 「古泉がさっき言っていただろ。<見てください……僕にも、ちゃんと赤い血が流れてるんですよ。……そこにいる人形たちとは違うんです……>と。<そこにいる人形達>と。そしてお前も言った。<この中(この家の中)に居る>と。つまり、あの5人は人形。残るは朝倉(ハルヒ)と古泉と俺だけ。あとはもう簡単……だよな?」 コ○ン君のようにずばりと言い当てて見せた。いや、声変更マイクは使ってないが。 ハルヒはしまったという顔を1瞬見せてから、すぐに強気の顔になった。 「……そうよ。私はもう、自分がどんな存在なのかを知った。神なんだってね。望んだものはすべて手に入る。……地球滅亡も、なにもかも」 ニタァっと笑みを零(こぼ)す。いつものハルヒじゃないことは誰でもわかる笑みだった。 俺の背筋に寒気が走る。 ダメだこいつ……。早くなんとかしないと。 だが、何か出来るわけでもない。下手すれば、世界滅亡の危機である。 ハルヒが脳内で臨む。それだけで何億、何兆以上の生物などが絶滅。 俺のたった一つのミスった行動で、世界滅亡ルートなのだ。 こんな状況で焦らないやつがいたら、俺はそいつを神と崇めるね。うん。 しかし、どうする。俺は悩んだ。馬鹿な頭で必死に。 ……よし。まずは誰がハルヒにその<願望が実現化する程度の能力>を与えたのかを聞いてみよう。そう思った。 刹那、一閃の白い光が目に映る。 「!?」 俺は反射的に目をつむった。しかし、その光はまぶたを閉じていても明るく感じた。 俺は状況が把握できず、ただただ立ち尽くしていた。目をつむって。 ……数秒が経過。もう明るすぎず、さっきの白い光は消えている模様。 まぶたを閉じていて、光が一切ない。俺は目を開ける。 ……目の前では、ハルヒが倒れていた。 「なっ!? ハルヒッ!?」 俺は咄嗟に駆け寄る。一応脈をとってみるが、異常なし。一体何が……? そう思っていると、後ろから小さな声がした。 「大丈夫。涼宮ハルヒは今、眠っている状態」 俺は振り向いた。そこには、見慣れた姿の宇宙人。 紫色のショートカットな髪、我が高校の制服。まっすぐな瞳。 長門有希が君臨していた。
.. 2009年11月26日 17:52 No.573001
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