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「リレー小説参加作品『もうひとつの世界』」作者♡ムーラ
俺とハルヒの周りを覆(おお)った白い影が消えて無くなった直後、俺はなんと、あのいつもの文芸部室にいた。しかし、さっきまで横にいたハルヒは何故か居なくなっていた。 どうなってんだ? 俺はなんでここにいるんだ? ハルヒは何処にいったんだ? 俺にはもうそれだけしか考える知能が無かった。 すると、文芸部室の古ぼけたドアがギィーと不気味な音と共に開いた。 「ハルヒっ!?」 しかし、ハルヒだと思った俺の目にとんでもない奴らが飛び込んできた。俺は咄嗟(とっさ)に目を擦り、そして自分の目を疑った。こいつらが古泉が言っていた「ハルヒに自分の力を自覚させようとしている誰か」なのか? 俺は震える自分の口から、決死の一言を呟(つぶや)いた。 「…なんで、そこにいるんだ? …俺。」 そう。そこには紛れも無く、俺と姿のそっくりな、もう一人の「俺」が立っていた。そして、もう一人の「俺」の周りにはハルヒ、そして長門と朝比奈さん、古泉までもがいた。 しかし、明らかにそいつらの様子は可笑(おか)しかった。もう一人の「俺」は勿論(もちろん)のこと、その周りにいる「長門」もいつもの長門では無い。少し、微笑んでいるように見える。「朝比奈さん」も俺を蔑む(さげすむ)様な目つきで見ている。そして、「古泉」もあのいつもの気持ちの悪いニヤケスマイルでは無く…なんて、こいつはいつもと同じスマイルだ…。しかし、言葉に言い表すことが出来ないが、こいつも普段の古泉では無い。 無論(むろん)、「ハルヒ」でさえもまるで、俺を冷笑(れいしょう)しているかの様な微笑みでこっちを見ていた。 「お前らは一体、何なんだっ! 本物のハルヒは何処に行った! …答えろ。」 俺が必死の形相(ぎょうそう)で奴らを睨むと、古泉らしき「古泉」が一歩、前に出てやっと口を開いた。 「あなたは、今、自分が何処にいるかお分かりですか?」 この「古泉」も俺をイライラとさせる、上から目線のものの言い方だ…。 「分らない…。そんなことよりも、お前らは何モンだ?」 すると、「古泉」はまずそこからでしたねと言うような微笑みと共に答えた。 「僕達は…もうひとつのSOS団、とでも言っておきましょうか。」 「もうひとつのSOS団だと…?」
.. 2009年10月08日 13:47 No.518001
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