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「リレー小説参加作品『廃墟ビルでの出来事』」 作者★ユリア
長門の言葉に返す間もなく俺たちの前に何かが現れた。 ハルヒの顔が驚きと笑顔に満ち溢(あふ)れる。古泉もいつになく驚いてるようだ。朝比奈さんの目からはすでに涙がこぼれていた。こんな状況でもやはり彼女は最高だ。 いや、今はそんなことを考えてるヒマはない。とりあえず目の前にいる何かをどうにかしなければ…。 だがどうすればいい? その瞬間目の前にいる何かとは別の何かが俺たちの前を横切った。 一瞬の出来事だった。まばたきをした後には目の前からは何もいなくなっていた。俺はその直後横にいる長門を見た。長門の手からはかすかに煙が見える。 やはりコイツか……。 「ちょっとみんな!今の見た?今何か出たわよ!!」 ハルヒは嬉しそうな声で言った。 「はうぅーー〜…いっ…今の何ですかぁーー〜〜…?」 朝比奈さんは涙声だ。可愛い。 「これは驚きましたね。まさか本当に幽霊が出るとは」 古泉はもういつものニヤケスマイルに戻っていた。さっきの驚いた顔はなんだったのだろうか…。 「おい、長門、一体何がどうなってんだ?なんであんなものがこんな廃墟(はいきょ)ビルに出るんだよ」 俺は小さな声で長門に言った。 少し間をおいて長門から返事が返ってきた。 「涼宮ハルヒが望んだから。」 直球だな。まぁそんなことはもう、うすうす気づいてたんだが、認めたくなかっただけだ。そう、現実逃避(げんじつとうひ)とゆうヤツだ。 さっきの嬉しそうな顔とはウラハラにムッとした顔でハルヒが言った。 「キョン!!ちゃんと写真は撮ったの!?」 バカ。さっきのどこに写真をとる時間があったと言うんだ。 「何!?撮ってないの?あんた何をしてたのよ!!これじゃあSOS団カメラマンは失格よ!!!」 ああ。そうしていただきたい。ちなみにいつから俺はカメラマンになったんだ? 「ちょっと何か言いなさいよ!!」 「……あのなぁハルヒ、もう帰ろうぜ。事実あんなものもでたんだし危険だ。朝比奈さんも怖がってるだろ。」 「何言ってるのよ!帰るわけないでしょ!!冒険はまだまだこれからなんだから!!」 はぁ。またか。誰かこのハルヒを止めてくれ。 「うぅーー…もっ もう帰りましょぉよぅー……。」 「みくるちゃん!!!なに弱気なこと言ってるの!?いーい!あなたは幽霊と戦うミニスカ戦士なのよ!!!」 「ふえぇーー!!な、ななな、何ですかぁ〜〜〜それは〜〜〜!!!」 「さぁ!もっとスカートつめて!!」 「いーーーーやぁーーーーーー。」 また何かはじまったようだな。まぁ朝比奈さんが可愛いのでよしとしよう。 そして古泉だがなんだ?アレは。なぜそういつもニコニコ……いや、ニヤニヤしていられるんだ? それともアレか?頭がおかしいのか?アイツは。 長門はあいかわらず無表情だし。 「それで長門、どうするよ、これから。」 「涼宮ハルヒに従うしかない。もしかしたら涼宮ハルヒによって行われた改変の事実に繋がるかもしれないから。」 ちっ…… なんか面倒くさいことになってきやがった。 「さぁ!みんな!!さっさと次へ行くわよ!」 そして俺たちSOS団の5人は廃墟ビルの奥へと進んでいった…
(静真に続く〜)
.. 2009年09月20日 00:04 No.489001
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