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「リレー参加作品『振り回される人々』」作者★にょろ〜ん
「来て」「ん?俺に言ったのか?」「そう」 窓辺に居たのにもかかわらずものの3秒くらいでつかつかっと寄って来て俺の腕を引っ張った。長門らしからぬ行動だな。ハルヒ達もそう思ったらしく頭に?が飛んでいる。俺は長門に引っ張られたまま部室棟の踊り場まで来た。やれやれどこぞの団長様だ? 「どうした長門?」 無表情のはずなのに焦っているように見える。いつも一緒に部活をやっているんだからそんな事ぐらいは容易(たやす)く分かるようになってきた・・・ってそんなのは今関係ないな。話が脱線するのは俺の悪い癖(くせ)だ。 「涼宮ハルヒによる世界の改変(かいへん)が行われた」 何っ!またか?今度は何が起こるんだ? 「そっそれは古泉達は知っているのか?」 「知ってはいない。現時刻では私と貴方(あなた)だけ」 何故? 「何が改変されたのか不明だから。貴方以外に知らせる必要は無いと統合思念体は考えた」 「なるほど・・・でこれから俺は何をすればいい?」 「何もしなくていい。いつも通り古泉一樹らと部活をしているだけでいい」 「分かった何か有ったら教えてくれ」 長門は小さく頷くと足早に部室へ戻っていった。・・・はぁ何故いつも休息を取りたくなるとこうなんだ?ハルヒは心でも読めるのか? おーい日常に飽きてるそこのお前〜ちょっと俺と入れ替わってみないか? なんてな。
部室に戻るともう長門はいつも通り読書をしていた。 「ねぇキョンなんの話をしてたの? 有希に聞いても黙ったままだし・・・」 自分の知らない事は何でも知りたくなる精神が発動中のハルヒは机に踏ん反り返りながらこっちを睨んでいる。3歳児ぐらいだったら余裕で泣かす事が出来るんじゃないか? 「・・・あ〜それはだな。まぁ後で言うよ」 「ふ〜ん・・・不純な事じゃないでしょうね?」 違うわバカ。 「まぁいいわ!ほらみくるちゃん立って!キョン早くカメラを構えなさい!」 「ふえぇ!?まだ撮るんですかぁ?」 いきなり話を振られて戸惑いを隠せない朝比奈さん。この人はもう存在が女神だ・・・。断言できる!ルーブル美術館に像として飾られてても絶対不自然じゃないね。 「当たり前じゃない!ほらほらポーズ!」 「うぅ〜。はい〜」 「おいハルヒ!いい加減にしろ!」 表面上は怒っているがあとでバックアップを取っておこうとか思ってる俺は何かの末期かもしれない。 「何でよ!この素晴らしき曲線美をカメラに抑えないなんて人類の大きな損害よ!」 びしっ!と朝比奈さんを指差すハルヒ。 一部同感。しかし、 「ここは写真部じゃないんだぞSOS団だ!不思議なものを撮るならまだしも朝比奈さんを撮ってどうするんだ!」 むっとしてた顔もいつも通りの顔に戻ったハルヒ。 「まぁ・・・それもそうね」 少し思案する顔になってからふっと顔が輝いた。20面相か?こいつは。 「それなら今から不思議なものを写真に撮りに行きましょう!」 ・・・墓穴ってしまった。チラッと横を見ると微笑みフェイスの例の奴が肩をすくめてこっちを見ていた。 いけ好かない野郎め。
(〜霊夢に続く〜)
.. 2009年09月12日 16:26 No.476001
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