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では・・・。 心霊探偵 FILET 奇妙な出会い 春先の暖かい風が頬を撫で、藤原光希は気だるそうに校庭へ目をやった。誰もいない校庭では、草木が心地よさそうに春風になびいている。 今年、小学校の最上級生となった彼は、始業式を終え、今はクラスの席替えの最中だった。 彼が退屈な時を過ごしているのは他でもない。自分と近くの席になる者になど、興味がなかったからだ。 「光希!」 幼馴染の米村健が、光希に声をかけた。 退屈そうだな、と言い、健はにやりと笑った。放っとけよ、光希はそっぽを向いた。 「お前、自分の席くらい見に行けよ。後で先生五月蝿いぞ」 健は、青木を顎で指した。光希達の担任である彼は、二十代半ばの、明るい男の人だった。教室の後ろの壁にもたれかかっている。 「・・・無理だろ」光希は前の黒板を指差した。「女子が陣取ってるもん」 黒板には、A4の用紙が貼られていた。席順を示したものだ。その前には、十数名の女子が集まり、その周りを男子が文句を言いながら取り囲んでいる。 「・・・遠くから見えるだろ?」健は苦笑した。 面倒くさ、と言いながら、光希は席を立った。 光希がふと後ろに目をやると、四人の少年少女が教室の後方に集まり、談笑していた。 変だな、と光希は思った。用紙に集まっていないからではない。彼が不思議に思ったことは、五年間、この若草小学校に通っていながら、光希が彼等と顔を合わせた事がないことだった。 転校生、ではないだろう。そんな話は聞いたことがない。 彼等は、一人は椅子に座り、他の三人は、壁にもたれたり、立ったりしていた。 変なこともあるもんだ、と光希は首を捻ったが、すぐにその場から離れた。あまりじろじろと見ていては、向こうが不審に思うかもしれないからだった。 人込みをかきわけ、光希は用紙が見える位置に来た。そして、用紙から自分の名前を探し始めた。 それは、すぐに見つかった。 彼の席は一番後ろ。同じ班の人の名前は、烏羽楓、水無月灯、木ノ下薫、中橋翔。 彼らの名前を、光希は聞いたことがなかった。すぐに彼は、彼等は、あの四人組だということを悟った。
.. 2010年03月28日 18:51 No.2635001
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