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■--(無題)
++ シャノ (ボス)…615回          

心霊探偵 続き
「お前、どこだった?」光希の後ろから、健が顔をのぞかせた。そして、目で光希の名前を探し当てると、げっ、と声をもらした。
「あ〜・・・よりにもよって・・・」
「なにが?」
 光希は怪訝そうに尋ねた。
「なにがって・・・。あ〜・・・お前オカルト信じないもんな」健は、前髪をかきあげて続けた。
「あの4人、変な噂が流れてるんだよ」
「変な噂?」
 光希は聞き返した。健は眉をひそめ、こくりと頷いた。
「放課後に訳の解らないことを言ってたり、時々何もないところをじっと見てたり、4人だけでヒソヒソ話してたり・・・。それに、烏羽と水無月の家は、寺や神社だからさ・・・」
 健があまりにもっともらしく言うので、光希はげんなりとため息をついた。
「お前、それ信じてんの?」
「え?あ、いや、信じてはないけど・・・あんまり見た奴が多いから・・・」
「どうせ、噂だろ?」
 しどろもどろという健を軽くあしらうと、光希は自分の席についた。健は何も言わない。昔から、光希がオカルト関係の噂を信じないことを、彼はよく知っていた。 
.. 2010年03月28日 14:36   No.2631001

++ シャノ (ボス)…619回       
続き
 数分後、全ての生徒が席を移動した。
 担任の青木は、教壇に立つと、満足そうにクラスを見渡した。
「一年間このメンバーだからな、知らない奴とも仲良くなっとけよ」
 はーいと、生徒たちの返事が教室に響いたところで、休み時間開始の合図が鳴った。
 解散、と青木が言い、生徒はガタガタと席を立ち、友人と話し始めた。
 その時、光希の前に座っていた、茶髪の少年が振り向いた。
「君、藤原君でしょ?」
「どうして俺の名前・・・」光希は驚いた。
「紙に書いてあったから」少年は笑って答えた。
「僕は、烏羽楓。よろしくね」
 よろしく、といいながら、光希は再び驚いていた。楓という名前から、女子だと思っていたのだ。それに、楓は、華奢な体つきに、整った顔立ちをしており、男子と言われても、あまりピンとこない。
 一番驚いたのは、彼の眼だ。楓の眼は、翡翠のような緑色をしていた。いくらか、外国人の血が入っているのかも知れない。
「よろしくね〜」
 楓の隣に立っていた少女が、光希に声をかけた。
「私〜木ノ下薫〜。薫って呼んでね〜」
 随分と、のんびりした話し方だな、と光希は思った。
 薫は、好奇心に目を輝かせている。人懐っこく、天真爛漫なのかもしれない。茶色いショートカットの髪と言い、顔立ちと言い、話し方と言い、実年齢よりも、幾分幼く見えた。
「よろしく。そういえば、会ったことないな」
 光希は、さりげなく、気になっていたことを聞いた。
「俺らは、見たことはあるけど」
 いつの間にか、光希の横に立っていた長身の少年が、苦笑交じりに言った。
「俺は中橋翔、よろしく。話すのは、初めてだっけ」
 よろしく、と光希は言った。
 翔は、黒髪を短く切った少年で、話し方と言い、仕草と言い、どこか大人びて見えた。背も高く、同い年のはずなのに、年上に思える。
「灯〜。起きて〜」
 斜め前の席で、薫が黒いキャップ帽をかぶった少女を起こしている。
 少しして、彼女は大きく伸びをし、頬杖をついた。
「ねむ・・・・」
「灯、おはよ〜」薫がのんびりした口調で言った。薫の話を聞いていると、こちらまで眠りそうになる。
「おはよう言うても、昼やけどな。おはようさん。で、あんた、藤原光希やろ?うち、水無月灯言うから。まぁ、よろしゅー」
 早口でそういうと、灯は再び机に突っ伏した。
「しょうがないな、灯は。ごめんな、光希」あっけにとられる光希に、翔が言った。
「いや、別にいいけど・・・」
 変わったやつだな、と光希は思った。
「光希は、前何組だったの?」
 楓が言った。
「3組」光希は答えた。
「そうなの〜?私たちは、2組だったよね〜」
 薫が言うと、翔が訂正した。
「違う違う、1組だろ?」
「あれ〜?そうだったけ〜」
 光希は思わず笑った。
 そんな風に話をしていると、あっという間に時間が過ぎて行き、休み時間終了の合図が鳴った。
 光希は彼等に好印象を持っていた。
やはり、噂は噂。あることないことが、噂としてながれているだけだ・・・。
 このときは、彼はそう思っていた。


.. 2010年03月28日 15:39   No.2631002


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