【吉田調書より】 『シビアアクシデント上は、MUW(注;Make Up Water System補給水系)だとか、FPを最終注水手段として、何でもいいから炉に注水するようにしましょうという概念はいいんですけれども、設計している側に、本当にそれを最終的に注水ラインとして使うんだという意思があるんだとすると、耐震クラスをAクラスにするでしょう。それ以外のラインが全部耐震クラスAだし、電源も二重化しているようなラインが全部つぶれて、一番弱いFPと、MUWは今回なかったわけですけれども、そういうものを最後に当てにしないといけない事象というのは一体何か、私にはよくわからないです。』
◯ 原子力規制委員会は、3月18日(水)の規制委定例会議で「議題1 九州電力株式会社川内原子力発電所第1号機の工事の計画の認可について」を検討し1号機の工事計画認可を決定した。 「再稼働阻止全国ネットワーク」では急遽、早朝に「川内原発再稼働をやめろ!工事計画認可抗議行動〜資料を非公開のままで、パブコメもせずに、工事計画の認可を決定するな!」の抗議行動を実施し、抗議・要請書を提出し、数人が傍聴し不規則発言を発したが、及ばなかった。 この日田中委員長が出席したのはこの議題1だけで、すぐに国会に移った。定例会議の開始時刻を早めてでも今日中に実施したかった儀式がこの「川内工事計画認可決定」だった。1号機だけでかつ保安規定も入らず2号機と共用施設の審査がまだの状態で決定を急いだのは、前日からの廃炉決定報道(計5基)、既に原発稼働無しで550日経過、川内原発の設置変更許可(昨年9月10日)から半年も経過、などなどの状況で、今年度中に再稼働への進展を演出する必要があったのだろう。 その証拠に、1号機の補正書は会議間際の3月16日に提出され(これもマスキングだらけ、かつ更田委員に「九電は全体に提出資料を管理する体制を欠く」と云わしめたほど誤字脱字多)、2号機の工事計画補正書は4月以降になり、一方世界(原子力マフィア)向けに早速3月18日に英文ニュースリリース(Approval of Plan for Construction Works for Kyushu Electric Power Company’s Sendai Nuclear Power Station Unit 1)を発表し、更に明くる19日には1号機のみの「使用前検査申請書」を九電に提出させた。なお、この申請書には「使用の開始の予定時期」は平成27年8月と記されている。