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■--惨劇に翻弄「小さき人々」の歴史書いた
++ 東京新聞 (社長)…1340回          

  アレクシエービッチさん−ノーベル文学賞記念講演

  講演では、第二次世界大戦やソ連のアフガニスタン侵攻で家族を失ったり、惨劇を目の当たりにした「小さき人々」の声をあらためて紹介。戦争の歴史では英雄の武勇伝が描かれがちなのに対し、「私は英雄を求めてはいなかった。注目されない目撃者や参加者の物語を通じて、歴史を書いてきた」と強調した。
 チェルノブイリ原発事故で被害を受けた人々の証言を集めたノンフィクション作品「チェルノブイリの祈り」で知られるが、祖国も甚大な被害を受けただけに「(原発事故の作品は)長年書くことができなかった」という。 (中略)
 アレクシエービッチさんは、来年春に福島を訪問する予定。6日の記者会見では、東京電力福島第一原発事故について「チェルノブイリ事故以上に原子力エネルギーの危険性を世界に示した」と述べている。
   (12月8日夕刊1面より抜粋)


.. 2015年12月15日 08:29   No.993001

++ 東京新聞 (社長)…1341回       
子どもの心 照らしたい 故郷を応援 タレントなすびさん

  「なすび」という名前を聞いて、ナスのような長いひげ面を思い出す人は多いだろう。テレビ番組の企画で懸賞で獲得した物だけを食べる生活を1年半も続け、全国区の人気者になったタレントさん。あれから17年。今、なすびさん(40)は故郷の福島で、復興応援団として八面六臂(ろっぴ)の大活躍をしている。素顔は意外に真面目。胸に秘める決意は「福島の子どもたちが引け目を感じないように、背中を見せてやりたいんです」。思いのたけを聞いてみよう。 (中略)
 食堂が津波でぼろぼろになっていて、そこの人たちが「ごめんね、なすびちゃん、あんたのサインや写真や、全部流されちゃった」と寂しそうに言うんです。僕との思い出なんか、そんなに大切にしてくれるのかと泣けてきた。高校の仲間にも「俺たちが声をあげても誰も聞いてくれない。おまえは有名だから力になるんだ」と励まされました。僕でも役に立つんだと思ったとき、故郷の福島を裏切らないと決めたんです。 (中略)
 イベント会場などに行くと、子どもたちが僕の顔を指さして「あー、なすびだー」と騒いでくれます。それが一番、うれしいですね。福島の子どもは、大人になって県外に出て行けば、差別や区別を受けると思います。多分、それはある。でも、少しでも状況がよくなるように、子どもが胸を張れるように、明るくて楽しい福島の土台をつくってあげたいと思います。
     (12月8日朝刊4面3・11後を生きる
       「坂本充孝のふくしま便り」より抜粋)


.. 2015年12月15日 08:35   No.993002
++ 東京新聞 (社長)…1342回       
福島事故後 天下り38人 もんじゅ請負先など横滑り
  原子力機構

  高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が、機構OBらが経営する「ファミリー企業」と不透明な契約を続けている問題で、福島の原発事故後もOB38人が20法人に天下っていたことが分かった。機構は、契約のあり方を抜本的に改善するとしていたが、疑念を招く根本原因であるOB問題は実質的に手付かずだったことになる。
  (中略)
  これらはいずれも、数年前までもんじゅなどに携わってきた人物が、業務の請負先のトップや現場責任者に横滑りする形だ。後任の機構職員らは、先輩や上司だった人物を相手にすることになり、ミスがあっても口を出しにくく、発注を打ち切りにくい風土を生みだしかねない。 (12月9日朝刊1面より抜粋)


.. 2015年12月18日 08:48   No.993003
++ 東京新聞 (社長)…1343回       
断層論議 見えぬ決着 青森・東通原発
  運転10年、再稼働できず

  東北電力東通原発(青森県東通村)が8日、2005年の営業運転開始から10年を迎えた。東日本大震災以降の長期停止で実働は5年余り。東北電が17年4月以降を目指す再稼働は、敷地内断層をめぐる議論の長期化で道筋が見えない。
 原子力規制委員会は活断層の存在を前提とした審査を示唆しており、東北電は徹底抗戦か戦略転換かの岐路に立たされている。 (後略)
    (12月9日朝刊27面より抜粋)


.. 2015年12月18日 09:00   No.993004
++ 東京新聞 (社長)…1344回       
恥ずかしい国   鎌田 慧

  「連合」ってなんだ。682万人の労働者が参加する「ナショナルセンター」。でもさっぱり存在感がない。経団連の影に隠れているわけではないようだが、控えめで前にでてこない。
 そのうち力を出すだろうと期待がないわけではないが、原発事故に伴い労働者が被ばくしても、集団的自衛権の行使容認が閣議決定されても、まるで眠りこけたままだ。
 原発や兵器産業の大企業が組織の重要部分を占めている。とはいえ、いのちと生活に無関心な労働組合ってなんだ。
 派遣労働者は死ぬまで派遣労働者という残酷な法律が作られた。今度は雇った労働者を経営者が気にくわなければ、勝手にクビにしカネを投げ与えてすむ、「解雇の金銭解決」が認められようとしている。これを止められない連合は誰と連合しているのか。
 「カネをもらって転職したら」と経営者はいいたいようだ。しかし「カネでない魂の問題だ」という労働者がいる。人間の尊厳、労働者のプライドをなめてはいけない。
 労組をつくろうとして解雇される「不当労働行為」もカネで解決されるなら、これはもう戦前の暗黒時代に逆戻り。いまでさえ、会社や上司にもの申すと、生意気、反抗的とクビにされがちだ。「カネさえ払えばいいだろう」。そんな恥ずかしい社会を「美しい国」というのですか、安倍さん。 (ルポライター)
    (12月15日「本音のコラム」より)


.. 2015年12月18日 11:22   No.993005
++ 沖縄タイムス (幼稚園生)…1回       
戦争、原発 死線くぐる 2つの国策 怒りと無念 2度失った「安住の地」
  福島 満州に苦難の記憶重ね

  東京電力福島第一原発事故では多くの人が古里を失い、福島県では今も10万人以上が県内外で避難生活を送る。その中には、満蒙開拓団として旧満州(中国東北部)に渡り、死線をくぐって引き揚げた人たちもいる。戦争と原発。2つの国策は人々を翻弄し、怒りと無念さを残した。 (中略)
 福島県三春町の仮設住宅。全村避難が続く葛尾村から移り、独り暮らしを続ける岩間政金(90)は「国が手のひらを返せば全部がだめになる。むなしいもんだ」と、ため息をついた。(中略)
 それでも、より深刻なのは「原発だ」と言い切る。「放射能は目に見えないから戦えない。本当に厄介な代物だぞ」
 戦争も原発も「国が進めて庶民が犠牲になる」と実感する。仮設住宅では、老人の孤独死も珍しくない。それも犠牲者だ、と思う。「原発はいろんなものを壊したが、又動き始めた。これも国策なんだな」。冷たい北風を肌に感じながら、岩間は遠くの山に目をやった。その向こうには、気の遠くなるような廃炉作業が続く福島第一原発事故がある。
   (12月15日「私たちはどこへ 戦後70年」より抜粋)


.. 2015年12月18日 11:29   No.993006
++ 東京新聞 (社長)…1345回       
伊方海水漏れ 約9万4千リットル 放射性物質含まず

  愛媛県と四国電力は15日、定期検査中の四国電力伊方原発1号機(愛媛県伊方町)で、タービン建屋地下1階の配管から冷却用の海水約9万4千リットルが漏れたと発表した。 (後略) (12月15日2面より抜粋)


.. 2015年12月18日 11:36   No.993007
++ 東京新聞 (社長)…1346回       
福島2号機事故 悪化の一因 逃がし弁作動装置溶ける?

  東京電力は17日、福島第一原発事故の際、2号機で原子炉圧力容器内の蒸気を抜いて圧力を下げる「逃がし安全弁」と呼ばれる弁を作動させるための装置の部品が、高熱で溶けていた可能性があると発表した。「原子炉の圧力を下げる作業が難航し、注水が遅れた要因の一つとなった可能性もある」としている。
 東電によると、溶けた可能性があるのは逃がし安全弁を作動させるために窒素ガスを送り込む「電磁弁」と呼ばれる装置のゴム製シール材。耐熱温度は約170度だったが、検証の結果、高温だと短時間の使用にしか耐えられないことが分かったという。
 2号機では事故4日目の2011年3月14日、事故発生直後から原子炉に注水を続けてきた冷却装置が停止、消防車による代替注水を試みたが、原子炉圧力が高く水が入らなかった。
 東電は圧力容器の蒸気を抜くため仮設バッテリーを使って8個ある逃がし安全弁を開く操作をしたが難航。操作するうち、弁が開いて注水が可能になった。
 これまで弁が開かなかった理由は未解明とされていたが、東電は、電磁弁のシール材が溶け窒素ガスが漏れ、逃がし安全弁が作動しなかった可能性があるとしている。再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)では長時間の使用に耐えられるシール材に交換する方針という。
    (12月17日夕刊1面より)



.. 2015年12月18日 12:44   No.993008
++ 東京新聞 (社長)…1347回       
福島県「住宅無償」打ち切り 自主避難者対象 家賃を2年補助

  東京電力福島第一原発事故の避難区域外から避難した「自主避難者」への住宅無償提供を福島県が2016年度末で打ち切る方針をめぐり、その後も住み続ける避難者に、同県が家賃6万円程度を上限に17年度は半額、18年度は3分の1を補助する方向で検討していることが分かった。年内にも正式に決定する。
 福島県の推計では、県内外への自主避難者は約9千世帯、約2万5千人。補助は低所得世帯や、県内に家族を残したまま母子避難する世帯などが対象となる見込み。
 県関係者によると、県が家賃6万円以下の民間賃貸住宅を災害救助法に基づき「みなし仮設住宅」として避難者に提供していることを踏まえ、補助の対象となる家賃の上限額を設定。期間は無償提供打ち切り後2年間とする。(中略)
 福島県は今年6月、自主避難者への住宅無償提供を16年度末で打ち切る方針を発表していた。
    (12月15日朝刊3面より抜粋)


.. 2015年12月18日 12:49   No.993009
++ 東京新聞 (社長)…1348回       
東芝とエンロン   竹田茂夫

 東芝の不正会計問題で旧経営陣の刑事告発が論議され始めたという。手心を加えた会計監査法人にも制裁が加えられるはずだ。だが、何を裁くべきか。利益の虚偽記載で日本の企業や市場に疑念を生じさせたことだけが罪なのか。投資家や市場は「公共性」のごく一部を代表しているにすぎない。
 米国エンロンの例を考えてみよう。同社は1990年代に、パイプライン網の会社から規制緩和の時流に乗ってインフラ事業と取引仲介業の巨大企業へと変身を遂げた。度重なる実業の失敗を隠すために活用されたのが証券化や時価会計や事業の簿外化といった法と金融のトリックだ。不確実性にあふれる将来を無理やり「現在価値」に一次元化しようとしたのだ。エンロンの教訓は規制緩和の内実、つまり経営者の貪欲や傲慢や企業組織の病理と同時に虚業を生む市場原理の危うさを明らかにした点にある。
 先月末の東芝の発表によれば原発商売の先行きについて減損の必要はない、つまり十分にもうかるはずだという。ただし、今後15年間に原発子会社が全世界で64基の原発を受注するという前提が設けられている。幹部自身がありえないとするこの数字を達成して、本体の破綻を避けるためには、現政権の原発再稼働・原発輸出路線の先兵になるほかはないように思われる。 (法政大教授)
     (12月17日朝刊「本音のコラム」より)


.. 2015年12月22日 08:17   No.993010


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