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被ばく者の棄民化 「原発事故被害者の切り捨てを許さない東京集会」と「フクシマを忘れるな!さようなら原発講演会」。おなじ5日の午後と夕方にひらかれた。 再稼働反対集会でも、福島のひとたちに発言していただいているが、運動が前のめりになりがちだ。脱原発運動の原点は福島の被害者である。その苦難を知り、忘れることなく一緒に引き受ける構えがたりない。その運動に向けた集会だった。 安倍内閣は、避難指示解除、帰還「強制」、避難者の家賃補助と補償の打ち切りを強行しようとしている。「経済的な圧迫は精神的な拷問だ」とわたしは発言した。すでに甲状腺がんと確定された子どもは115人、これからますますふえるだろう。帰りたい、しかし、帰りたくない。放射線への恐怖の前で、相矛盾するフクシマの精神的苦しみを、わたしたちも受け止めなければ。 「人々をロングラップ島に居住させることは、人類にかかわる最も価値のある生態的な放射線研究の機会をもたらす」。南太平洋での核実験のまえ、ヒロシマ・ナガサキでも被爆者を治療することなく研究していた米国原爆傷害調査委員会(ABCC)の調査報告書の一節。『小児科医ドクター・ストウ伝』(長澤克治)に紹介されている。被災者を追い詰め、人体実験のような帰還強要。一方での再稼働。米軍のような非人道的行為といえる。 (ルポライター) (12月8日29面「本音のコラム」より)
.. 2015年12月10日 08:26 No.990001
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