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■--文殊の知恵
++ 東京新聞 (社長)…1313回          

   鎌田 慧

 福井県敦賀半島の先端にあって、「夢の増殖炉」と喧伝されてきた「もんじゅ」も、命運が尽きようとしている。1985年に着工されたが事故続きで、さすがの原子力規制委員会もさじを投げたようだ。
同じ半島に建設された新型転換炉「ふげん」は、とっくの昔に廃炉が決定。英米仏でも高速増殖炉は事故を起こして撤退した。もっとも危険な原発が、お釈迦様のそばに仕えたホトケを誇称していたもんじゅだけでも、建設維持管理費を含めて1兆円を空費した。
それとつながっている「リサイクル機器試験施設」には、820億円も投入されている。さらに巨額でもっとも危険な青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場は、建設から22年たってなお、いまだ稼働できる見通しにない。
「核燃料サイクル」はいつまでたっても、原料のプルトニウムは減らない、という魔術のような輪廻が想定されてきた。しかし、そんなにプルトニウムをつくってどうするのかとの疑惑は深い。
すでに日本の備蓄量は47.8トン。原爆材料の6000発分。富国強兵・国威発揚内閣では、アメリカの核の傘から脱却しよう、小型原爆所持は憲法違反ではない、などと言い出しかねない。
青森県で行われた「護憲大会」で、私はもんじゅのあとは、再処理工場反対運動を拡大しようと発言した。(ルポライター)
    (11月17日「本音のコラム」より)

.. 2015年11月18日 08:35   No.984001

++ 東京新聞 (社長)…1314回       
核燃料サイクルに12兆円 コスト年1600億円、廃炉費も
  メドなく半世紀 国民負担続く

  高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が廃炉になる可能性も出てきたことを受け、本紙はもんじゅを中核に国が進めてきた核燃料サイクル事業にかかったコストを、あらためて調べた。いずれ必要になる廃炉費用も考慮し集計した結果、少なくとも12兆円が費やされ、もんじゅが稼働していない現状でも、今後も毎年1600億円ずつ増えていくことが分かった。実用化のめどのない事業に、巨額の国民負担が続く実態が浮かんだ。 (中略)
 しかし、もんじゅはほとんど稼働せず、再処理工場や混合酸化物燃料(MOX燃料)工場は未完成。ウラン資源を循環させるサイクルがほとんど動いていない中、本紙の集計結果からは、既に電事連の試算額の6割以上が使われた。
 今後40年操業すれば、さらに巨額のコストが必要になる。これは、核燃サイクルを続ければ、電事連がはじいた19兆円では収まらないことを示唆している。
 核燃サイクルの財源は、税金か、電気料金に上乗せされた分かの違いはあるものの、国民負担であることに変わりはない。

  見切りつける好機

  <大島堅一・立命館大教授(環境経済学)の話>
 実現の見通しが立たない核燃料サイクルに、12兆円以上が費やされてきた事実は深刻に受け止める必要がある。何も生み出さない事業に、今後も毎年1600億円ずつ消えていくのは、民間企業ではあり得ず、異常な事態といえる。
 (もんじゅ問題は)核燃サイクルに見切りをつける大きな好機ではないか。
 国民も、自分のお金が税金や電気料金の一部として、見込みのない事業に使われている現実をよく考える必要がある。
   (11月17日1面より抜粋)


.. 2015年11月18日 08:44   No.984002
++ 南日本新聞 (小学校低学年)…8回       
対テロ施設2年延長 規制委、一律の期限撤廃 ルールなし崩し懸念

  原子力規制委員会は13日、定例会合を開き、新規制基準で原発に設置が義務付けられた対テロ施設・設備の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」について、2018年7月まで猶予している設置期限の延長を了承した。一律だった整備期限を撤廃し、プラントごとの設定に変更する。(中略)
 再稼働した九州電力川内原発(薩摩川内市)の場合、1号機が20年3月、2号機は同5月までとなり、おおむね2年延びる。 (中略)
 会合で、田中俊一委員長は「(18年7月までとした期限は)審査の実態を踏まえると現実的でなかった」と述べた。 (後略)
   (11月14日より抜粋)


.. 2015年11月19日 08:09   No.984003
++ 東京新聞 (社長)…1315回       
原発のテロ対策・特定重大事故等対処施設
  先送りの怪・2018年7月→20年以降
  矛盾・猶予さらに延長 新規制基準で設置を義務づけたはずが…
  矛盾・設置せぬまま運転 情報の秘匿を地元は懸念
  再稼働申請は16原発26基なのに「特重」申請は3原発6基

  原発の新規制基準は、テロ対策の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」設置を義務付けている。だが、新基準開始から5年後の「2018年7月」まで猶予期間があり、どの原発も整備を終えていない。義務の猶予は、おかしな話だが、原子力規制委員会は13日、審査の遅れを理由に、「原発本体工事の計画認可を受けて5年以内」と猶予期間の延長を決めた。パリでテロがあったばかり。原発とテロについて考えた。(後略)
    (11月18日朝刊「こちら特報部」より抜粋)



.. 2015年11月19日 08:21   No.984004
++ 東京新聞 (社長)…1316回       
米原発子会社損失 東芝 ようやく詳細公表 東証指摘、開示基準に違反
  12年度762億円計上

  東芝は17日、子会社の米原発大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)が過去に巨額の損失を計上していたにもかかわらず公表しなかったことが東京証券取引所の開示基準に違反していたとして、損失の詳細を公表した。不正会計問題以降も続く東芝の情報開示への消極的な姿勢に、投資家らの不満が高まっている。
 16日に東証から違反の指摘を受け、ようやく開示した。東芝は「本社の財務諸表に影響がないため基準に該当しないと考えていた。適切に情報開示ができなかったことをおわびする」と説明している。
 東芝によると、2011年の東京電力福島第一原発事故の影響で世界的に原発の新規建設が延期。これを受け、WHは12年度に新規建設事業で約557億円、原発の監視制御システムの開発などを行う「オートメーション」事業で約205億円の計約762億円の損失を計上。資産の評価額を低く見直す減損処理を行った。 (後略)
  (11月18日朝刊7面より抜粋)



.. 2015年11月19日 08:33   No.984005
++ 毎日新聞 (課長)…176回       
マンハッタン計画歴史公園 被爆地の声聞き整備へ 米でオープン

  米国が第二次世界大戦中に進めた原爆開発計画の関連施設群で構成される「マンハッタン計画歴史公園」が10日、オープンした。被爆の現実を反映するよう求める声を踏まえ、米政府は広島、長崎の関係者の意見も聞きながら展示物の内容などを検討する方針で、公園全体の形が整うのは数年先になる見通しだ。(後略) 
     (11月11日より抜粋)


.. 2015年11月19日 08:39   No.984006
++ 東京新聞 (社長)…1317回       
原発ゼロへ再考を 原子力は高くつく

  きょうは原発推進の人たちにとくに読んでいただきたい。原子力発電は結局、高くつく。そろばんを弾(はじ)き直し、原発ゼロへと考え直してみませんか。
 やっぱり金食い虫でした。
  原子力規制委員会が日本原子力研究開発機構に示した、高速増殖原型炉「もんじゅ」の運営を「ほかの誰かと交代せよ」との退場勧告は、その操りにくさ、もろさ、危険さを、あらためて浮かび上がらせた。
 そして、本紙がまとめた「核燃料サイクル事業の費用一覧」(17日朝刊)からは、もんじゅを核とする核燃料サイクルという国策が、半世紀にわたって費やした血税の大きさを実感させられる。
■巨費12兆円を投じて
  原発で使用済みの核燃料からプルトニウムを抽出(再処理)し、ウランと混ぜ合わせてつくったMOX燃料を、特殊な原子炉で繰り返し利用する−。それが核燃料サイクルだ。
 その上もんじゅは、発電しながら燃料のプルトニウムを増やしてくれる。だから増殖炉。資源小国日本には準国産エネルギーをという触れ込みだった。
 それへ少なくとも12兆円以上−。もんじゅの開発、再処理工場(青森県六ケ所村)建設など、核燃サイクルに費やされた事業費だ。
 国産ジェット機MRJの開発費が約1800億円、小惑星探査機「はやぶさ2」は打ち上げ費用を含めて290億円、膨らみ上がって撤回された新国立競技場の建設費が2520億円…。
 12兆円とはフィンランドの国家予算並みである。

.. 2015年11月20日 08:14   No.984007
++ 東京新聞  (幼稚園生)…1回       
■1日5500万円も
  ところが、もんじゅは事故や不祥事、不手際続きで、この20年間、ほとんど稼働していない。止まったままでも1日5500万円という高い維持管理費がかかる。
 もんじゅは冷却に水ではなく、大量の液体ナトリウムを使う仕組みになっている。
 ナトリウムの融点は98度。固まらないように電熱線で常時温めておく必要がある。1700トンのナトリウム。年間の電力消費量は一般家庭約2万5千世帯分にも上り、電気代だけで月1億円にもなるという。
 発電できない原子炉が、膨大な電力を必要とするという、皮肉な存在なのである。
 もんじゅ以外の施設にも、トラブルがつきまとう。さらなる安全対策のため、再処理工場は3年先、MOX燃料工場は4年先まで、完成時期が延期になった。MOX燃料工場は5回目、再処理工場に至っては、23回目の延期である。
 研究や開発は否定しないが、事ここに至っては、もはや成否は明らかだ。これ以上お金をつぎ込むことは是とはされまい。
 核燃料サイクルが、日本の原子力政策の根幹ならば、それはコストの面からも、根本的な見直しを迫られていると言えそうだ。
 欧米で原発の新増設が進まないのは、3・11以降、原発の安全性のハードルが高くなったからである。
 対策を講ずるほど費用はかかる。原発は結局高くつく。
 風力や太陽光など再生可能エネルギーにかかる費用は普及、量産によって急速に低くなってきた。
 国際エネルギー機関(IEA)の最新の報告では、太陽光の発電コストは、5年前より6割も安くなったという。
 ドイツの脱原発政策も、哲学だけでは語れない。冷静に利益を弾いた上での大転換だ。
 原子力や輸入の化石燃料に頼り続けていくよりも、再生エネを増やした方が、将来的には電力の値段が下がり、雇用も増やすことができるという展望があるからだ。
■そろばん弾き直そう
  核燃料サイクル事業には、毎年1600億円もの維持費がかかる。
 その予算を再エネ事業に振り向けて、エネルギー自給の新たな夢を開くべきではないか。
 電力会社は政府の強い後押しを得て、核のごみを安全に処理するあてもまだないままに、原発再稼働をひたすら急ぐ。
 金食い虫の原発にこのまま依存し続けていくことが、本当に私たち自身や子どもたちの将来、地域の利益や国益にもかなうのか。政治は、その是非を国民に問うたらいい。
 持続可能で豊かな社会へ向けて、そろばんをいま一度弾き直してみるべきだ。
  (11月19日朝刊5面「社説」より)


.. 2015年11月20日 08:20   No.984008
++ 東京新聞 (社長)…1318回       
原発テロ対策施設先送り 規制委員長、一転釈明 警戒強化を指示

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は18日の定例記者会見で、パリ同時多発テロを受け「(原発などの)警戒態勢を強化する」と明らかにした。規制委事務局によると、原発や核燃料サイクル施設を持つ事業者に、作業員らの出入りの管理や警備員による巡視強化を指示した。
 原発のテロ対策をめぐっては、原子炉への航空機衝突などに備え義務付けている「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の設置期限を規制委が延長したことが問題視されている。
 田中氏は「今回のようなテロが起き、心配になるのは分かる」としながらも「特重施設は対策を重層的にするものだ」と述べ、現状でも一定程度対策ができていると釈明した。
 特重施設は、原子炉が攻撃を受けても冷却機能を維持するための施設。原子炉建屋から100メートル離れた場所に代替の制御室や注水設備などの設置を求めている。再稼働後の設置が許容されており、九州電力川内原発(鹿児島県)にもまだない。
 規制委は当初、設置期限を一律に2018年7月としていたが、審査の長期化などで間に合わない事業者が多く出そうなことから、13日の定例会合で「審査合格から5年」と、さらに猶予期間を延ばすことを決めた。
             (11月19日朝刊3面より)


.. 2015年11月25日 08:19   No.984009
++ 毎日新聞 (課長)…177回       
◆「虚偽説明する組織とは一緒に仕事ができない」
  「14〜15メートルの津波が来ることは2年半前に社内で分かっていた
   のに対応を取らなかった」
         以上3行は「事故情報編集部」が追加した見出しです
  柏崎刈羽原発:新潟知事が東電に不信感 再稼働同意に慎重
                 上記は、毎日新聞の見出し

◯ 新潟県の泉田裕彦知事は毎日新聞のインタビューに応じ、同県内の東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の再稼働を巡り「虚偽説明する組織とは一緒に仕事ができない」と述べ、極めて慎重な考えを示した。2011年3月の東電福島第1原発事故の際、炉心溶融(メルトダウン)の公表が遅れた東電への不信感を示したもので、現状の東電には再稼働の同意を与えない考えを強調。原子力規制委員会は柏崎刈羽原発の安全審査を進めているが、再稼働に必要な地元同意を早期に得るのは困難だ。
◯ 福島原発事故の際、政府は当初から「メルトダウンが進んだ可能性がある」と説明していたが、東電は「データが十分そろっていなかった」などとして、事故発生から2カ月後の5月までメルトダウンしていたことを認めなかった。知事は「東電は『分からなかった』との見解をいまだに変えていないが、(発生)当日に分かっていたのではないか」と疑問を呈した。
 原発を襲った巨大津波についても、「14〜15メートルの津波が来ることは、2年半前に社内で分かっていたのに対応を取らなかった」と主張し、柏崎刈羽原発の再稼働について「議論する段階にない。事故の検証と総括が先」と突き放した。
◯ 一方、知事は柏崎刈羽原発の運営を東電本体から分離して別会社にし、運営会社が緊急時の対応で最終責任を持つよう求めている。東電は今年4月に新潟本社を設立したことで理解を求める方針だが、知事は「財務機能と意思決定権がなく、本社という名前の出先機関があるだけ」と不満を表明。一方で、東電以外が原発運営を担うことにも「本社が別のところにあれば意味がない」と述べ、県内に本社組織を置くことにこだわった。
◯ また、規制委が、原発の外部から炉心冷却作業を行えるような設備など、原発のテロ対策設備の設置期限を先延ばししたことについて「安全性を確保する方向性と一致するのか」と批判。政府が再稼働していない原発のある自治体への交付金を減らす方針であることに不快感を示した上で、「(交付金に)依存しているわけではない」と再稼働が遅れることによる地元自治体の財政への影響を否定した。 (11月21日より)



.. 2015年11月25日 09:41   No.984010


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