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■--核と人類
++ 東京新聞 (社長)…1290回          

 パグウォッシュ会議を前に 政治を動かすのは市民

  原爆の開発を当時のルーズベルト米大統領に提言したのは物理学者のレオ・シラードだった。シラードは、ナチスドイツが核兵器を先に開発することを恐れていた。だが、日本への原爆使用は「核軍拡競争を招く」と反対した。
 米大統領は、核兵器開発の助言は聞いたが、不使用には耳を傾けなかった。それが「核の時代」の始まりの風景だった。
 核兵器保有国は旧ソ連、英、仏、中と増えていった。核実験が繰り返され、放射性降下物による汚染が地球規模で広がった。
 核実験に伴う健康被害は第五福竜丸だけではない。各国とも軍事機密扱いで、情報がほとんど公開されていないだけだ。秘密が多いのも、核に特有の暗部である。
 核の利用は軍事から民生に広がっていく。アイゼンハワー米大統領は、1953年の国連演説で「平和のための原子力」という考え方を示した。核不拡散の推進を目的の一つとして、海外での原発建設を進めた。インドが原発からプルトニウムを取り出し、原爆の製造に成功するなど、核の拡散を招いた。
 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)は多くの死者を出した。福島第一原発事故(2011年)では今も、10万人を超える住民が故郷に戻れないままである。
  戦後、核兵器が実戦で使われたことはないが、最近、テロリストによる核の使用が心配されている。過激派組織「イスラム国」(IS)のような組織には、核の抑止力は働かない。原発の安全神話だけでなく、平和利用も核の抑止力も壊れた神話になっている。
  希望もある。世論調査会社「ユーガブ」は今年7月「原爆開発は間違いだった」と答えた米国人が62%もいたと発表した。
  シラードは晩年、「住みよい世界をつくる協議会」を設立した。核軍拡競争に反対する政治家を支援するのが目的だった。核兵器と戦争の廃絶を目指すパグウォッシュ会議にも関わった。
 第61回の同会議が来月1日から長崎市で始まる。200人近い専門家が世界から集まる。
  歴史は、学者の知性だけでは政治を動かせないことを教えている。政治家を動かすには、市民(有権者)の力が必要だ。人類は核と共存できるのか。会議では、その答えを探り、世界に向けて発信してほしい。科学者にはそうする責任がある。 (井上能行) 
      (10月30日5面「社説」より)

.. 2015年11月02日 11:41   No.977001

++ 東京新聞 (社長)…1291回       
伊方再稼働同意 なぜ
        (10月31日「金曜日の声 官邸前」より)

 東京都世田谷区の主婦川本嘉子さん(66)
 輸出した原発で福島事故のようなことが起きたら政府はどう責任を取るつもりなのか。地球上から原発をなくして自然エネルギーに転換していくべきだ。今夏、原発ゼロが実現できたのだから。

 東京都杉並区の無職上原伊佐夫さん(70)
 核のごみ問題が解決していないのに、四国電力伊方原発の再稼働に地元の愛媛県が同意したのは信じられない。沖縄の普天間飛行場移設問題も同じだが、政府の強引な姿勢に納得がいかない。


.. 2015年11月02日 11:50   No.977002
++ 朝日新聞 (社長)…460回       
電力10社 経常黒字 震災後初 燃料安で収益改善 9月中間決算
           (10月31日見出しのみ)


.. 2015年11月02日 11:56   No.977003
++ 東京新聞 (社長)…1292回       
発電計画 世界の温暖化対策に逆行 「石炭火力2000万キロワット新設」
  欧米廃止の方向 環境省は懸念 増やすべきは「再生エネ」
  原発稼働に頼るな COP21で孤立も

   地球温暖化対策のため、石炭火力発電所を、米国は2020年までに総出力8000万キロワット以上閉鎖し、英国やカナダは10年かけて段階的廃止を目指すという。だが、日本では、2000万キロワット以上の新設計画を控えている。石炭火力の二酸化炭素(CO2)排出量は、天然ガス火力の倍もある。11〜12月にパリで国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が開催されるが、日本は世界の目指す方向に背を向けたままでいいのか−。 (後略)
    (10月28日「こちら特報部」より抜粋)



.. 2015年11月02日 12:06   No.977004
++ 愛媛新聞 (小学校中学年)…14回       
◆「伊方再稼働阻止へ抗議継続」 八幡浜で全国団体相談会

  脱原発を訴える「再稼働阻止全国ネットワーク」(東京)の全国相談会・交流会が31日、愛媛県八幡浜市内であり、地元同意の手続きを終えた四国電力伊方原発3号機(伊方町)の再稼働をさせないよう抗議行動を継続する方針などを確認した。
 ネットワークは全国16カ所の市民団体などで構成。31日は北海道や鹿児島など各地から約150人が集まった。
 愛媛からは「伊方原発をとめる会」の草薙順一事務局長らが、中村時広知事の同意表明や伊方原発の運転差し止め訴訟などの状況を説明。八幡浜市で再稼働の是非を問う住民投票の実施を目指した署名活動が行われていることも紹介し、協力を呼び掛けた。
  ルポライターの鎌田慧さんもマイクを握り「原発の運動は全て負けたわけではなかった。計画があったが原発が建たなかったところは幾つもある。勝った記憶も呼び起こして頑張っていきたい」と訴えた。
      (11/1ON LINE)

.. 2015年11月04日 08:14   No.977005
++ 東京新聞 (社長)…1293回       
知事再稼働合意に抗議 松山で反対集会、デモも 伊方原発

  松山市の市民団体「伊方原発をとめる会」は1日、市内で四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働に反対する集会を開き、10月に再稼働に同意した中村時広知事に抗議の声を上げた。
 市中心部の城山公園であった集会には数千人が参加。全国から集まった人たちが、トラックの荷台を利用した特設ステージに立ち、「原発事故があった福島県ではいまだにたくさんの人が避難生活を続けている」「原発は人間の力ではコントロールできない」などと声を振り絞った。
 菅直人元首相も登壇。「事故が起きて放射性物質が瀬戸内海に漏れたら簡単には元に戻せない」と警告した。
 参加者らは「再稼働反対」「ミカンを守れ」などと叫びながら松山市内をデモ行進。岡山市の事務員、逸見みゆきさん(50)は「汚染水が漏れたら岡山県まで来るかもしれない」と不安がった。
  また、とめる会はこの日、再稼働への同意を撤回するよう求める知事宛ての文書を2日に県へ出すと明らかにした。
 3号機の再稼働は年明け以降の見通し。     (11月2日2面より)


.. 2015年11月04日 08:21   No.977006
++ 東京新聞 (社長)…1294回       
原発再稼働で地元に交付金 経産省、同意促すアメ

  経済産業省は31日までに、原発が再稼働した際の立地自治体に対する支援策として、最大で25億円の交付金を支払う新制度を導入した。すでに官報に掲載し、運用を始めた。立地自治体への交付金を手厚くすることで、原発再稼働に対する地元の同意判断を促す狙いがあるとみられる。
 10月16日付の官報などによると、国は原発の立地自治体に、原発1基の再稼働につき年間最大5億円の交付金を5年間支払う。
 地元の原発が再稼働した自治体は、原発が停止したままの自治体より多くの交付金を得られる仕組み。財源は電力利用者が納める「電源開発促進税」が充てられる。
 交付金が大きな財源になっている原発の立地自治体は原発の長期停止で財政が悪化している。原子力規制委員会の原発審査が進み、今後各地で再稼働をめぐる地元協議が始まるとみられる中、新たな交付金が自治体の同意、不同意の判断に影響を与える可能性がある。
  九州電力川内原発1,2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働によって原発ゼロが終わったことを踏まえ、経産省は稼働実績に応じて立地自治体への交付金に差をつける方針を決め、具体策を検討していた。
         (11月1日2面より)


.. 2015年11月04日 08:27   No.977007
++ 東京新聞 (社長)…1295回       
再稼働とブラック企業  鎌田 慧

  松山市の城山公園で、「STOP伊方原発再稼働!11・1全国集会」が開かれたので参加した。わたしはまだ原発が姿を現す前、1970年代のはじめに、愛媛県伊方町でお会いした井田與之平さんのことを話した。
  旧地主であり、村長だった方で、80歳を超えて一人暮らしだった。2階建ての広壮なお宅は荒れ放題で、畳は薄汚れて寒々としていた。井田さんは奥座敷のちいさなこたつに端座していた。
 用地買収に反対していた井田さんの留守にやってきた四国電力の社員が「売却しなかったら、土地収用法で安く取られてしまう」と妻のキクノさんをだましてハンを突かせた。それを悔やんで、彼女はいのちを断った。
  「絶対安全と土地をとられ、いのちを奪われ、いのちを奪われないでも、心に深い傷をうけたものは誰が償ってくれるでありましょうか」
  わたしは伊方原発を「金権力発電所」と書いたが、それは伊方のことばかりではない。原発はウソと策略とで、貧しい地域に侵攻してきた。
  9月の中間決算で、東京電力は3651億円の経常利益。原発が稼働していなくても各社とも黒字。「経営の安定のためには再稼働は必要だ」と東電社長。消費者のためでも日本経済のためでもない。会社の安定のために、人間のいのちと健康を犠牲にする。これってブラック企業でしょう。(ルポライター)
     (11月3日27面「本音のコラム」より)


.. 2015年11月06日 10:13   No.977008
++ 東京新聞 (社長)…1296回       
もんじゅ改善「手詰まり」 規制委 機構を聴取 対応批判

  高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題で、原子力規制委員会は2日、運営する日本原子力研究開発機構の児玉敏雄理事長から安全管理体制の改善状況を聴いた。児玉氏が「(完了まで)もう少しだ」と進展を強調したのに対し、規制委側からはリスクの高いもんじゅの担い手としての資質を疑う声が相次いだ。
 この日の臨時会で児玉氏は、来春をめどに組織的な問題点を洗い出し、職員の教育に注力することを説明し、「引き続きもんじゅの運営を担っていきたい」と訴えた。
 これに対し、規制委の委員からは「手詰まりと聞こえる。ナトリウム漏れ事故を受けた1996年の改革以降、ずっと改善の機会はあったが、違反を繰り返している」(更田豊志-ふけたとよし-委員)などの批判が出た。
 田中俊一委員長からも「(点検などは)検査があるからやる、というものでない。非常に心もとない」と、機構にはもんじゅの運営を任せられないとの発言があった。
 規制委は4日にあらためて議論し、もんじゅを機構から切り離し、新たな組織に移管することなどを、所管する文部科学省に勧告する可能性が高い。
    (11月3日3面より)


.. 2015年11月06日 10:24   No.977009
++ 東京新聞 (社長)…1297回       
もんじゅ廃炉へ現実味 核燃料サイクル計画破綻
   移管勧告へ  担い手探し困難

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉が現実味を帯びてきた。原子力規制委員会は点検漏れ問題で文部科学省に対し、信頼できる運営主体を探すか、安全対策を抜本的に改善するかを勧告する。どちらかを実現しないと、廃炉は避けられない。もんじゅは国が推進してきた核燃料サイクル計画の中核的な存在。なくなれば、10兆円をつぎ込んできた計画は名実ともに破綻する。
 規制委は4日、現在の運営主体の日本原子力研究開発機構では、停止しているもんじゅの保全管理もできておらず、運転は任せられないとの判断を下した。
 かつて「夢の原子炉」とうたわれたが、20年以上も前に造られ、稼働期間はわずか250日。冷却材に爆発的燃焼の危険性が高いナトリウムを使い、維持費もかさむ。機構は20年前のナトリウム漏れ事故以降、甘い管理体制を改善する機会は何度もあったが一向に進まない。まだ待てというのか−。
 規制委の委員5人は全員一致で、文科省への勧告という重い決断をした。
 核燃サイクルは、一般的な原発系と高速炉系の二系統で、使用済み核燃料を再利用する計画。10兆円が投じられてきたが、どちらの循環も回るめどはない。原発で核燃料をMOX燃料として再利用するプルサーマルは、海外で製造した燃料を使って一部始まったが、使用済みMOXをどうするのかは白紙。もんじゅがなくなれば、高速炉系の「輪」は名実ともに消える。 (中略)
来週にも勧告の具体的な内容が決まり、文科省に出される。これまでの経過からすると、文科省からは中途半端な回答しか出てこないこともあり得る。中途半端で認めれば、規制委の存在理由が問われる。
 一方、文科省の回答を不十分とし、もんじゅの廃炉まで踏み込めば、昨年4月のエネルギー基本計画で核燃サイクルの維持ともんじゅ存続を打ち出した政府の方針と対立する。
 4日の記者会見で、田中俊一委員長にあらためて覚悟を問うと、「(核燃サイクルを)どうするかは国の政策マター(問題)で、私たちがどうこういう話ではない。申し上げているのは、もんじゅの安全の問題への懸念だ」と述べた。
        (11月5日より抜粋)


.. 2015年11月06日 11:28   No.977010


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