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−そもそも個別的自衛権も違憲 | 9/3学習会・「安全保障法制の何が問題なのか−歴史認識、安全保障環境、 | 軍事をめぐる利権、核兵器の潜在的保有力としての原発」に | 参加して学んだこと 講師:吉沢弘志さん └──── (たんぽぽ舎ボランティア・講座運営委員)
9月4日「NHKラジオ第一」夜10時のニュースで、「日米共同訓練がアメリカで行われている」と報道された。自衛隊約1100人、米軍約3000人参加。離島上陸作戦を行っており、水陸両用車AAV7が使われています。 この上陸訓練は数年前から行われており、当初自衛隊の参加は200人程度だった。これを聞いて前日の「スペースたんぽぽ」学習会を思いだしました。 吉沢弘志さんによると、水陸両用車は、古い装備で朝鮮戦争で使われて以来実戦で一度も使われていません。古い兵器も新鋭兵器もアメリカに言われたものを言われた値段で買う日本。軍備兵器のヴァージョンアップに応じてますます攻撃型の作戦が立てられ、そうしたハードが先行してソフトである日米ガイドラインが作られる。 安保法案も先行した攻撃型新鋭兵器とそれに見合った作戦のソフトです。安保法案だけでは完全ではなく、国家安全保障会議、特定秘密保護法、改悪盗聴法、マイナンバー制、共謀罪などによって戦争総動員体制が完成する。 この間、かつて政府高官や官僚としてイラク、インド洋等に自衛隊を送り出してきた人々が大勢この戦争法案に反対しています。一線を越えた危険性を感じているのだと思います。しかし、一線を越える寸前まで事態を進めて来たという歴史があります。 大量破壊兵器がなかったイラクを攻撃した結果は、イラクの混乱とイスラム国の台頭と大量の難民の発生です。自衛隊の国際貢献が現場では交戦寸前まで行き着いています。最小限の自衛権の範囲拡大の結果です。そもそも日本国憲法は個別的自衛権も認めていません。 憲法前文は、平和主義を宣言しています。先日来日した平和学者ヨハン・ガルトゥングさんの積極的平和主義に通じるものです。憲法9条は武力の行使のみならず、武力による威嚇も禁じています。「抑止力」は威嚇を言い換えたものです。 国の交戦権を認めないのは、日本国憲法だけではありません。国連憲章は日本国憲法のお手本になった条約であり、平和主義で成り立っています。 …「第2次世界大戦後の国際連合憲章(1945)は,〈すべての加盟国は,その国際関係において,武力による威嚇又は武力の行使を,いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも,また,国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない〉(国連憲章2条4項)という原則をおいた。ここでは,疑問の余地のあった〈戦争〉に代えて,より広い範囲に及ぶ〈武力行使〉という表現が用いられ,さらに初めて〈武力による威嚇〉も禁止された。」… 米ソ冷戦によって、国連憲章の平和主義がゆがめられ、朝鮮戦争によって日本国憲法の平和主義がゆがめられて来ました。アメリカの世界戦略は対テロ戦争になりましたが、これは策略です。 戦争体制づくりを許さず、平和主義の原点に立ち返るべき時です。
.. 2015年09月09日 08:11 No.958001
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