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住民の避難先 検証不十分 最終段階に 川内原発、午後に核燃料装填
九州電力は7日午後、原子力規制委員会の審査に適合すると認められた川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉に核燃料を装填する作業を始める。その後の検査で問題がなければ8月10日ごろに原子炉を起動し、同13日前後に発電と送電を開始して再稼働する予定。2号機についても10月中旬の再稼働を目指す。 燃料装填により再稼働に向けたプロセスは大詰めを迎える。今後の作業が順調に進めば、東京電力福島第一原発事故を受けて2013年7月に施行された新規制基準に適合した原発として初の運転再開となる。 (中略) 規制委は燃料装填後も検査を継続し、冷却系配管などの設備に不具合があれば九電に対策を求めるため、再稼働時期がずれ込む可能性もある。九電は今後、重大事故を想定した訓練を実施し、問題がなければ原子炉の起動試験に移る。 (後略) <解説> 九電、自治体に説明せず 火山の巨大噴火リスクや周辺住民の避難計画の不十分さなどいくつも重要な問題が山積したまま、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)が、再稼働に向けた最終段階に入った。 川内原発は、桜島を中心とした姶良(あいら)カルデラをはじめ、数多くの火山に囲まれている。九電は何十年も前に巨大噴火の予兆をつかむことができるため対応は可能だとし、原子力規制委員会もその主張を妥当と判断している。 しかし、5月に同県の口永良部島(くちのえらぶじま)新岳の噴火が示したように、ただでさえ噴火予知は非常に難しい。巨大噴火の場合は、現代の科学による観測データがなく、どんな過程を経て噴火に至るかよく分かっていない。火山の専門家からはさらに難しいとの指摘が相次いでいる。 使った核燃料は自らが高熱を発するため、2年間はプールの水で冷やしてからでないと外部に運べない。にもかかわらず九電は、核燃料をどこにどう緊急搬出するか、いまだ十分に検討していない。 鹿児島県や薩摩川内市は既に再稼働に同意したが、屋久島や種子島などで九電に説明を求める動きが広がっている。だが、九電は公の場で反対意見が出るのを避けるため、説明会を開こうとしない。 避難計画は、国際原子力機関(IAEA)が定める国際基準の中で、5つ目の最後のとりでとなる。鹿児島県や周辺自治体の計画はできたが、避難住民の受け入れ態勢の協議などはほとんどされていない。計画に実効性があるのか、規制委も含めどこも検証しない。 (7月7日夕刊1面より抜粋)
.. 2015年07月09日 09:30 No.934001
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