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■--箱根山小噴火 情報の出し方に工夫を
++ 東京新聞 (社長)…1160回          


  神奈川県の箱根山でごく小規模な噴火が起き、気象庁が昨日、噴火警戒レベルを3(入山規制)に引き上げた。不便もあるだろうが、安全を最優先したい。それが火山との付き合い方だ。
 各地で火山活動が活発化している中、箱根山は5月6日に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられた。約2カ月でレベル3となった。
 心配されているのは、昨年秋、御嶽山(長野、岐阜県)で起きたような水蒸気爆発だ。大涌谷周辺の想定火口域で爆発が起きると、噴石が周囲700メートルまで飛ぶ可能性がある。箱根山は広いので、規制区域は一部に限られているが、避難を強いられた人もいる。地元の人からは不安の声も出ている。
 レベル2になってから今回の噴火まで爆発はなかった。「箱根山全体が危険だと誤解されている」との指摘があり、気象庁は火山情報の表記を「箱根山」から「大涌谷周辺(箱根山)」と変えた。関係者が知恵を絞り、観光への影響を抑える努力をしてきた。
 一方、地震活動は一時、低下したが、地殻変動が続いていたことから、警戒レベルは変えなかった。安全を最優先した専門家の見識に敬意を表したい。
 だからこそ、一つ注文を付けたい。噴火活動はどうしても長期化する。警戒レベルがずっと同じだと、警戒心は薄くなる。
 噴火のあった6月29日は、午前7時32分から約5分間、火山性微動が観測された。火山性微動は熱水やマグマの移動を示すとされる。箱根山での観測は初めてだった。このような場合、警戒を強めた方が良いことを、誰にでも分かるように伝える工夫をしてほしい。たとえば「2強」のような表現はできないだろうか。
 箱根山では約3200年前、大規模なマグマ噴火が起きたこともある。その兆候は見えないが、油断はできない。大噴火も初めは水蒸気爆発から始まることが多い。いったん活動が始まると、その後、どのような噴火が続くのかを予想するのは難しいという。気象庁などは観測により力を入れてほしい。
 噴火の制御はできないが、噴火は必ず終息する。御嶽山は6月26日、警戒レベルが3から2へ引き下げられた。蔵王山も同月16日、火口周辺警報が解除された。箱根山でも、終息する日まで火山情報に敏感でありたい。それが風評被害を防ぐ方法でもある。
   (7月1日「社説」より)

.. 2015年07月02日 08:23   No.932001

++ 毎日新聞 (課長)…165回       
美浜3号機:早期の地震想定促す 規制委、審査中断を示唆

 原子力規制委員会は1日、来年11月末に運転開始から40年を迎える関西電力美浜原発3号機(福井県)について、今年8月末までに想定する最大の揺れ「基準地震動」が確定できない場合、再稼働に必要な安全審査を打ち切る方針を示した。地震想定の引き上げに慎重な関電に「タイムリミット」を設けて、見直しを迫った格好だ。
 原発の運転期間は原則40年だが、一度だけ最大20年延長できる。関電は美浜3号機の運転延長を目指し、3月に安全審査を申請。延長のためには、来年11月末までに老朽化対策も含めた審査を終える必要がある。          (中略)
 今後、関電が規制委の指摘通り、見直しを受け入れて基準地震動を確定すれば追加の耐震補強工事が必要となり、安全対策費が膨らむ可能性がある。一方、4キロを維持すれば期限内に基準地震動を確定できず、廃炉が現実味を帯びる。いずれにしても、関電は難しい判断を迫られる。(後略)
          (7月2日より抜粋)


.. 2015年07月06日 08:40   No.932002
++ 朝日新聞 (社長)…450回       
美浜 審査中止を示唆 規制委地震想定未定なら
          (7月2日見だし)


.. 2015年07月06日 08:47   No.932003
++ 東京新聞 (社長)…1161回       
50火山避難計画義務付け 改正活火山法成立

 全国50の活火山の周辺自治体や観光施設に避難計画づくりを義務付け、住民や登山者、観光客の安全確保を強化する改正活動火山対策特別措置法(活火山法)が1日の参院本会議で自民、民主、公明、維新の党などの賛成多数により可決、成立した。箱根山(神奈川県)など各地で火山活動が活発化する中、63人の死者・行方不明者が出た御嶽山(長野、岐阜県)噴火災害の教訓を生かして被害を防ぐ。
 政府は年内の施行を目指す。気象庁が常時観測する50火山の周辺129市町村を、施行までに警戒地域に指定し、避難計画作成を義務化。うち20市町村派既に避難計画はあるが、残りの市町村の計画策定を支援するため、改正法は政府に専門家を確保するよう求めている.(後略)
             (7月1日より抜粋)


.. 2015年07月06日 10:33   No.932004
++ 東京新聞 (社長)…1162回       
規制委審査 残る疑念 重なる「保安院体質」川内原発 迫る再稼働
九電に配慮? 情報隠しも 老朽化・火山対策…電力側の都合追認

  2013年9月以来、原発稼働ゼロが続いてきたが、九州電力は7日から再稼働に向け、川内原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)に核燃料を入れ始める。これまで避難経路や火山噴火予測の不備が批判されてきた同原発だが、原子力規制委員会による各種の審査にも疑問符が付けられている。住民団体などからは「福島原発事故以前の旧原子力安全・保安院時代と変わらない」という憤りの声が聞こえる。
 「このまま再稼働に突き進んでよいのか。見過ごしている欠陥は数多い」 市民団体「再稼働阻止全国ネットワーク」の木村雅英さんはそう語る。
 再稼働には、原子力規制委員会が設けた新規制基準に基づく3つの審査を通過することが求められる。
 3つとは原子炉の基本設計や方針などを見る「原子炉設置変更許可」、原子炉の詳細設計を扱う「工事計画認可」、さらに運転管理ルールに関する「保安規定認可」。川内原発1号機の場合、規制委が原子炉設置変更許可を認めた際「新基準の適合第一号」と脚光を浴びたが、それで審査が終わったわけではない。
 なかでも、木村さんは工事計画認可を問題視する。

.. 2015年07月06日 11:38   No.932005
++ 東京新聞 (社長)…1163回       
  九電が提出した工事計画認可申請書は規制委がホームページ上で「公開」している。敷地の図面や配管図、耐震に関する計算の結果などが詳細に書かれているが、黒枠の中を白塗りして非公開にしている部分があちこちにある。
 どの部分を非公開にするかは、九電が商業機密などの理由から決めている。市民団体「たんぽぽ舎」副代表の山崎久隆さんは「九電の都合のよいように情報が隠された。これでは認可が妥当なのか否か、第三者が検証できない」と憤る。
 「核分裂を止める制御棒が地震時に正常に動くかという問題がある。その検証には、制御棒を差し込む配管が地震でどれだけ変形するかというデータを見なくてはならない。だが、申請書では非公開だ」
 規制委設置法は「情報公開を徹底し、透明性を確保しなければならない」と定め、同法に関する国会決議も「推進側の論理に影響されることなく、安全確保を第一に」としている。しかしそれが尊重されているとは到底言いがたい。
 九電は配管などが地震の揺れで変形して機能が喪失しないか解析し、申請書に「問題ないレベル」とみなせる数値を示している。
  これについても、木村さんは「規制委は計算過程を記した資料を九電から受け取っていないと言う。つまり、九電の解析をうのみにしただけ。審査に値しない」と訴えた。だが、原子力規制庁の担当者は「計算は事業者(電力会社)の責任で適切に実施する。役所が全てチェックするわけではない」と受け流した。
 問題は申請書の審査にとどまらない。原子炉等規制法は、事業者が原発に関連する工事に着手する前に、規制委からその工事計画の認可を得なければならないと定めている。
 だが、規制委は13年6月、認可前の工事を容認する方針を示した。前身の原子力安全・保安院時代、福島原発事故後に緊急安全対策を指示、事業者が対策を始めていた点に配慮したという。だが「本当の狙いは再稼働準備を急ぐためでは」との疑念は消えない。 (後略)
<デスクメモ>
  「アイデア」ものと感心した。原子力規制庁の白抜き資料である。黒塗り資料は珍しくない。だが、隠す部分が白い資料には黒塗りのような怪しさがない。黒を白と言いくるめるとはこのことか。これも役人の仕事のうちなのだろう。「税を払ったら、いくらも残らない」。あるニュースの断片を思い出す。(牧)
   (7月3日「こちら特報部」より抜粋)


.. 2015年07月06日 11:43   No.932006
++ 茨城新聞 (部長)…196回       
研究施設・低レベル廃棄物 処分場、国と選定
  原子力機構案 自治体に協力要請

  研究用原子炉の運転などで出る低レベル放射性廃棄物の処分方法を検討する文部科学省の作業部会が1日、同省であり、処分場設置場所の選定について、国と、処分の実施主体となる日本原子力研究開発機構(原子力機構)が、地方自治体に受け入れ協力を要請する案を初めて示した。施設の立地基準では「安全性」「環境保全」など計4つの評価項目を設けるなどとした。
     (中略)
  立地基準の評価については、(1)安全性(2)環境保全(3)経済性・利便性(4)社会的要件-の4項目を設け、候補地要件としては安全性と環境保全の全て、経済性・利便性の一部を満たすことを条件とした。その上で複数の候補地を比較検討するときは、地域社会の理解などの項目が盛り込まれた社会的要件などを検討する。
    (中略)
  原子力機構によると、当面の処分対象となる同廃棄物は200リットルドラム缶に換算して約55万6100本分と見込まれる。原子力機構の施設からこのうち約8割が発生し、うち約7割の発生源が東海村や大洗町など本県内に集中している。
 処分方法は放射能レベルにより異なるが、主に地表から深さ数メートルから10メートルに溝などを掘り50〜300年程度の管理が必要とされる。
   (7月2日1面より)


.. 2015年07月06日 13:51   No.932007
++ 坂本充孝のふくしま便り (幼稚園生)…1回       
20ミリシーベルト基準を許さない 避難指定解除 南相馬住民の決意

  東京電力福島第一原発の事故で放射線量が局所的に高いホットスポットとなった特定避難勧奨地点の指定を解除したのは違法として、福島県南相馬市の住民約530人が、国に解除の取り消しと1人10万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのは、今年4月17日のことだった。
 原告団の1人で「南相馬・避難勧奨地域の会」事務局長の小沢洋一さん(59)は、訴訟を「20ミリシーベルト基準撤回訴訟」とも呼ぶ。「人の命が何より大切とはっきりさせる訴訟だ」とも。 
 小沢さんと現地を歩いた。 (中略)
  たしかに地域の線量は驚くほど高い。小沢さんと一緒に実際に線量計をもって計測して歩いたところ、田畑の際などで空間線量が毎時10マイクロシーベルトを超えるような場所が随所にあった。政府は年間20ミリシーベルトの積算線量に達する目安を毎時3.8マイクロシーベルトとしているが、楽に超えてしまう。
  南相馬・避難勧奨地域の会の末永伊津夫会長は「東京五輪に間に合わせたいのか、政府は避難区域の解除に躍起になっている。その基準とされるのが年間20ミリシーベルトですが、無理があるのは明らかです。もしもこれが既成事実となったら、将来、世界のどこで原発事故が起きても20ミリシーベルトまでは大丈夫となる。こんなむちゃを黙認するわけにはいかないのですよ」と話す。
    (7月7日東京新聞朝刊4面「3・11後を生きる」
         


.. 2015年07月08日 08:25   No.932008
++ 東京新聞 (社長)…1164回       
九電東京支社前で「原発は不要」抗議

  東京・有楽町にある九州電力東京支社が入るビルの前では7日夕、市民ら約230人(主催者発表)が集まり「核燃料を入れるのやめろ」「命を守れ、未来を守れ」と声を上げた。
 毎週金曜日に首相官邸前で脱原発を訴えている「首都圏反原発連合」が呼び掛けた。 (後略) (7月8日朝刊2面より

.. 2015年07月09日 08:15   No.932009
++ 東京新聞 (社長)…1165回       
薩摩川内市民ら「原発動かすな」

  再稼働に向け最終段階に入った九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の正門前では7日朝、再稼働に反対する市民ら約100人が詰め掛け、40人以上の警察官や警備員と向き合った。ものものしい雰囲気の中、市民らは原発の核燃料装填を止めるよう訴えた。
 集まった市民らが「避難計画がずさんなまま原発動かすな」「原発が動かなくても電気は足りている」「核燃料装填は事故への第一歩だ」などと抗議する
     (中略)
  抗議に参加した川内原発建設反対連絡協議会長の鳥原良子さん(66)は、原発から12キロに住む。「事故時の住民の避難計画は大事なのに、原子力規制委員会は審査しない。おかしな審査を通って核燃料を入れるとは、怒り心頭だ。原発を動かす人は、目先の利益しか考えていない」と憤った。
  原発の30キロ内で高齢者の通所施設を経営する江藤卓朗さん(58)は「事故の混乱時に、認知症のお年寄りや障害者を安全に避難させるのは不可能。薬をのませられないし、スタッフも被ばくする」と指摘した。
        (7月7日夕刊7面より抜粋)


.. 2015年07月09日 08:23   No.932010


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