|
戦時中、戦争のニュースは大本営発表ということで報道する。勝った勝ったというのだけれど、実は負けているのだ。まけていることを国民はしらされていなかった。さすがに昭和十九年あたりには国民も大本営発表に不審の目をむけるようになったらしい。真実を知っているのは戦場で戦っている兵士と軍の上層部だけで、政治家も知らない者がおおかった。こんな話もある。鈴木貫太郎大将が、連合艦隊司令長官の古賀大将がなくなったことをきいて、いつなくなったのかと聞いたら、海軍大臣の嶋田大将は、軍の機密事項だから教えられないと言ったという。鈴木貫太郎は俺は海軍大将だぞ、嶋田はけしからんやつだと怒ったとかいうが、それはもっともだろう。ごく仲間うちだけで、秘密にして、知っておくべき人にも、真実を告げない。国民は健忘症か。親方日の丸がだめなことは、大本営発表でわかっているではないか。しかし、そういうことを許したのは結局国民に智恵と勇気がなかったのだ。今の国民も過去の経験に学ぶことがないと同じことをくりかえすだろう。
.. 2007年07月11日 21:35 No.93001
|