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2年半遅れ 3号機、除染難航
政府は12日、東京電力福島第一原発の廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定し、本年度中に始めるはずだった3号機原子炉建屋プールからの使用済み核燃料の取り出しを少なくとも2年半遅らせる方針を決めた。除染しても、プールがある階の放射線量が下がらず、崩落した壁の上に遮蔽(しゃへい)板を設置するなどの難工事が避けられなくなったためだ。 水素爆発で建屋が大破した3号機は、深刻な汚染が広範囲に残る。核燃料を取り出す装置の設置後も、作業員による点検や修理は欠かせない。周辺の線量を下げておく必要がある。 東電は粉じんを除去し、床のコンクリートも削ることで汚染は百分の一まで減らせると期待していたが、放射性物質は予想以上に床に深く染み込み、2割しか減らない場所もあった。 汚染度が高いのは、壁が崩落した建屋北側。現状のまま重い遮蔽板を置けば崩れる可能性があり、東電は何カ月も対応を検討してきた。建屋の外側に骨組みを新設し、遮蔽板の重みを受け止める工法で乗り切る見通しが立ったという。ただし、骨組みの設置場所は狭く難工事となる。実際に取り出しを始められるのは2017年度後半の見通しだ。 17年度後半からの取り出し開始が予定されていた1号機でも、3年はずれ込むことになった。先行した3号機のがれき撤去が予定通りに進まなかった経験を踏まえた。2号機の時期もずれ込んだが、具体的な計画そのものがまだ決まっていない。 (6月13日より)
.. 2015年06月15日 11:16 No.925001
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