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■--浜岡原発を考える静岡ネットワーク
++ 清水 寛 (小学校中学年)…13回          

.「浜岡原発を考える静岡ネットワーク(浜ネット)」(4月11〜12日) 応援ツアー報告
 | 「日本と原発」映画上映と河合監督の講演
|  浜ネットとの交流、浜岡原子力館見学、防波壁視察など
 └────  (たんぽぽ舎ボランティア)

 4月11日に浜岡原発を考える静岡ネットワーク(浜ネット)の総会が静岡県勤労者総合会館で行われた。今年の浜岡応援ツアー(代表 山本勇祐)は首都圏から10名の仲間が参加し、私は特に浜岡原発の防波壁を見たくて初めて参加した。   
総会後の記念上映会『「日本と原発」と河合監督トーク(浜岡原発訴訟弁護団長)』、その後の浜ネットとの交流会、懇親会に参加した。記念上映会には200名が参加し、河合監督(河合弘之弁護士)のトークでは、講演のあとに自ら、飯館村民歌「夢大らかに」を熱唱され、会場は大喝采であった。翌日は中部電力の浜岡原子力館見学、防波壁の視察、焼津市歴史民俗資料館に展示されている昭和29年に「ビキニで被曝した第五福竜丸コーナー」の見学などを行った。浜岡原子力館は原発のPR館で、昨年の展示に比べて安全性が強調された展示に変わっていたとのことであった。また、防波壁は18mから22mに嵩上げする工事が行われていたが、昨年立ち入りできた所が立ち入れなくなっていたとのことである。ここでは特に印象に残った『静岡県内の「日本と原発」上映会』と「河合監督のトーク」及び「原発訴訟第18回口頭弁論」について報告する。
まず、『静岡県内の「日本と原発」上映会』について紹介する。「浜ネット」主催で3月29日から4月末までに静岡県下10市で企画実施されていた。また、三嶋市内では、『市民ひろば「日本と原発」上映会』主催ですでに4回実施し、4・5月で6回企画し、さらに4月26日に河合監督を囲む特別企画も予定され、「日本と原発」上映などの積極的な取組みは河合監督の期待に応えていた。
次に、「河合監督トーク」で語られていたうち、印象に残った「この映画の目的」、「高浜原発差し止め仮処分訴訟での福井地裁判決」、『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないか(集英社インターナショナル、2014年刊)の誤りの指摘』について紹介する。
〇「この映画の目的」について、一つは国民にこの映像を通して原発の問題を広く広げたいとのことであった。400か所で自主上映しても何万人しか見てもらっていない。自主上映を広くやってほしい。この映画は日本の原発問題の論点を、一つを除いてすべて載せた。「原発とテロ」の問題については除いた。「本気でやれば、誰かが助けてくれる」が好きで、この映画は緻密な朋友弁護士 海渡雄一による脚本とプロの映像制作者の協力が得られ、本格的な作品となったとのことである。
目的の二つ目は、裁判官を説得するため、原発問題の全体像を見せたいとのことであった。「伊方原発差し止め仮処分訴訟」では、裁判所で映画を見た。裁判官を説得するためには、やさしく、わかりやすく、科学的なものでなければならないと述べられていた。
.. 2015年04月16日 08:24   No.901001

++ 清水 寛 (小学校中学年)…14回       
〇「高浜原発差し止め仮処分訴訟での福井地裁判決」についての話では、樋口英明裁判長が3月11日に結審しようとしたら、被告側が立って裁判官3人を忌避すると主張し、忌避申し立てがあって結審できなかった。樋口裁判長は4月1日付で名古屋家庭裁判所に転任になった。ところが裁判所法に「第28条 緊急性のあるものは戻って職務代行できる。」ことになっており、再稼働という緊急性があるので4月14日の裁判は、樋口英明裁判長が判決を出すことになったとのことである。
〇『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないか』(矢部宏治著、集英社インターナショナル、2014年刊)の誤りの指摘
 この本は売れている。著者は「基地と安全保障」の専門家である。著者は「日米原子力協定があったために、日本の原発は止められない」と主張しているが、「日米原子力協定」には「原子力発電」という文言は書かれていない。1から10まで、核拡散の防止である。なぜ脱原発できないのか、条文から理解できない。「統治行為論もあり、原発は勝てない」は間違である。私たちの原発差し止め仮処分訴訟においても、統治行為論が国側や電力側から主張されたことはないし、これを使った判決を裁判所が出したことはない。日米原子力協定が廃止されない限り、日本が脱原発できないなどということはないのである。脱原発を実現していくうえで、困難はすでにいくらでもある。敵をその実態以上に強大に描き、過剰に深刻な捉え方をすることは、味方を奮い立たせるのではなく、むしろ意気阻喪させることが多い。(当日配布資料;「法延で再稼働を食い止める 日米原子力協定は脱原発の壁か」河合弘之、世界SEKAI 2015.5,150−158 )
◆最後に浜岡原発の「原発訴訟第16回口頭弁論」についてであるが、4月16日に東京高裁で13時30分から開始される。浜岡原発本訴訴訟団は「過酷事故時に31キロ圏、85万人避難できない避難計画であること」を口頭弁論で立証する予定で、静岡から中型バスで高裁に集まるが、首都圏からの多数傍聴参加も求めている。

.. 2015年04月16日 08:30   No.901002
++ 柳田 真 (高校生)…63回       
関西電力東京支社へ集まろう 17日(金)17:30から18:15
 |  高浜原発3,4号機運転差止決定に従え 関電は「異議申し立て」するな
 |  規制委審査は根底から否定された「審査基準は合理性欠く」
 |  主催:再稼働阻止全国ネットワーク(第4波)
 └──── (たんぽぽ舎)

1.4月14日高浜原発3,4号機再稼働差し止めの仮処分が出ました。仮処分は「即時の効果」をもちます。全国各地の原発反対運動、再稼働反対運動と国民の世論(60%から80%)が、福井地裁のこの決定を実現した背景の力です。
 これまでの司法が99%以上、国の原発推進の肩を持って国と電力会社の言い分を100%認めていた中で、今回の再稼働差し止めの英断をした樋口英明裁判長は、「けう」な存在だと思うが、それは4年前の2011年3・11福島大惨事以降の全国の原発反対の盛り上がりがあります。(全国各地で開かれる毎週の金曜行動や、数万人の集会やデモなどの実施)

2.関西電力本社と東京支社へみんな集まろう
 関西では、関西電力本社や京都支社などへ、多くの市民が「高浜原発再稼働やめよ」と迫っています。私たちも連帯して、関西電力東京支社(富国生命ビル9F=東京、日比谷公園の前)へ集まろう。再稼働阻止全国ネットワークの4回目の行動です。
 時間は、17:30から18:15までの45分間(従来の時間=30分より15分延長しています)
 プラカードやノボリ旗など、私たちの声を明示したものを持ち寄ろう!
 なお、関西電力東京支社への申し入れ文や要望書のある方は、17:00に富国生命ビル前に集合して下さい。
 17日(金)の金曜行動に参加される方もぜひその前に、関西電力東京支社前に集まろう。
(関西電力東京支社から国会方面まで徒歩10から15分、金曜行動は18:30から開始なので時間的に間に合います)

3.原子力規制委員会の田中委員長のまき返し発言を許さない
 規制委員会の基準と審査は、「大甘で合理性を欠く」と根底から否定された。規制委員会田中委員長は、さっそく「地裁決定は事実誤認がある」とまき返しています。これらの発言の根本的誤りについて、今後、私たちも勉強成果を発表していく予定です。

.. 2015年04月17日 08:01   No.901003
++ にしざきやよい (小学校中学年)…14回       
晴れ男も一休み、雨の中、傘、傘、揺らしての抗議行動
 |  でも、145回は晴れ男に頼らず自分のパワーで
 |  晴れさせたいもんです がんばるぞー \(^o^)/
 |  4月10日第144回官邸前・国会前抗議行動報告
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

  桜もすっかり葉桜、肌寒い曇り空からパラパラと雨が降ってきた。今日144回は、雨と気温低下の為国会前はお休み、と連絡入る。春は何処へやら。
 関電前でも傘をさしての抗議行動、なんか今日は、富国生命ビルから出てくる人が多い、外人さんの一団が出てきて、私たちにエールを送ってくれた。
 通りかかる人達も、「福島事故は収束してない、事故収束もままならないのに、再稼働はありえない」とスピーチすると、こちらを注視する人が多い。
 1人でも多くの人に、関心を持って欲しい、官邸前も大事だけど、あまり関心のない人々に、呼びかけることも大事、だよね。
 金曜抗議に本格的に雨の降るのは久し振り、私が晴れ男と信じてるYさんが、今日はきっと来てないのだな、だって彼の姿が見えない日は、必ず天気が悪い、逆に彼が登場すると雨が止む。Yさん来ないかなぁ。ま、たまには雨の抗議行動も良いかな、諦めの早い所が私の良いところだからね。
 さてさて、雨の中、ビラ撒きはなかなか難しい、湿気でビラがフニャフニャするし、傘からはみ出たトコは本格的に濡れるし、受け取る方も傘を片手に持ってのことだから、いろいろ渡されると、道にばら撒きかねない、今日はあまり無理せず、やりましょう。ビラは余ったら近所にポスティング出来るしね。
 希望のエリアに着くと、あれれ、見覚えのあるノボリが、Yさんだぁ、こんなに雨の降ってるのに、Yさんは、晴れ男じゃなかったのか、イヤイヤ晴れ男にも調子の悪い事も有ろう、事にYさんは、テントの件や現地行動で多忙だし、お疲れでパワーも落ちるよね、次に期待、と、勝手に心の中で納得。近づいて行って「コンバンワ」と挨拶、Yさんは何も知らず、雨でもニコニコ。
 希望のエリアは、雨にもかかわらず盛況だ、スピーチにも次々と人が立つ、私も東電、九電、関電前抗議について宣伝、関電の人間の鎖も宣伝、上手くは話せないけど場慣れして来ていい感じ。茨城在住の方が言ってたけど、「茨城でも、被曝、放射線、原発の話題は、言わない、言えない状況」だって、「自身も知り合いに農業をやってる人がいるので特にそんな人の前では、話せない」と言ってた。
 こんな悲しい状況、無いよね、怒るしか無いよね、怒るしかないよ。
 怒りパワーで、次はきっと晴天じゃ!!

.. 2015年04月17日 08:11   No.901004
++ 木村雅英 (大学生)…87回       
またまた田中委員長の「ぼそぼそ」発言で非科学的決定
 |  老朽美浜原発3号機の再稼働審査を敷地内活断層調査の判断なきまま開始決定
 |  原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その45
 └──── (再稼働阻止全国ネットワーク)

  原子力規制委員会が、またまた田中委員長の「ぼそぼそ」発言から非科学的・政治的決定を行った。
 去る4月8日(水)の原子力規制委員会定例会議で予定されていた6つの議題が終わったあと、田中委員長が「ちょっと私から1つ皆さんに御意見を伺いたいというか、御審議していただきたい」と話しだし、石渡委員も曖昧にすり寄った応答をして、結局次の決定をした。
 「関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の新しい規制基準に基づく審査の進め方について、原子力規制委員会は8日の定例会合で、原子炉直下の断層が活断層かどうか明確な判断を下さないまま、審査を本格化させる方針を決めた」(東京新聞4月9日朝刊)。
 これについては、同日午後の記者会見で、珍しく各社(日経、NHK、共同、日テレ、朝日、時事、毎日、共同)の記者が多岐に亘って鋭く詰め寄り、次の回答を引き出した。
・美浜3号機は40年廃炉を目前にしており早く審査を開始しないと延長に間に合わない(来年11月まで)
・4月6日に「美浜発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合評価会合」が行われたが、明示的に結論は出ていない
こちら
・この日に森田安全規制管理官が、2日後の原子力規制委員会定例会議でこうした審査開始の議論が行われる可能性があることを、4名の有識者に伝えた
・この有識者会合の動画を観た田中委員長が、火曜(7日)朝に規制委定例会議に諮ることを決めた(森田発言と矛盾!)
・それで、これだけ注目される話題なのに、8日(水)の規制委までは議題に上げずに田中委員長の「ぼそぼそ」で討議開始し、決定した

  この記者会見は、各社記者がもろもろの角度で続けて問題点を指摘し、まるで記者による委員長への団体交渉の様相を呈した。
 田中委員長と原子力規制委員会と原子力規制庁が、関電の思惑に寄り添い、「疑わしきは安全側に」に反し、有識者の意向を確認もせずに、自分たちで決めたこと(敷地内活断層無を確認してから審査開始)を破り、かつ議題として上げずに、美浜3号審査開始を決定をしたのだ。
 原子力規制委員会が原子力マフィアそのものであることを如実に示している。
よろしければ、是非記者会見をご覧いただきたい。

.. 2015年04月17日 08:16   No.901005
++ 吉田照勝 (小学校中学年)…12回       
高浜原発3・4号機再稼働、司法が止めた
 |  「山動きたる日きたる」 人権を守る司法は生きていた
 |  原子力規制委員会の『基準地震動』のゴマカシが明らかになる
 └──── (たんぽぽ舎会員)

  福井地裁玄関前は一斉に歓声が上がった、高浜原発3・4号機再稼働は司法が止めた。大飯・高浜原発差止仮処分弁護団、大飯・高浜運転差止仮処分申し立て人方々の歓喜は、支援者とともに裁判所を埋め尽くした。
 「山動きたる日きたる」申し立て人声明で、発せられた言葉である。
 「普通にくらす市民のわたしたちでも、社会を変えることができるのだと実感した日となった。仮処分申し立て人になるということは、大きなリスクとそれを乗り越えてでも闘うという強い決意がこの日を迎えることができた」
 この判決をばねに脱原発運動をより大きな流れにしていかなければいけない。
 日本は世界で起こる地震の1割が集中する世界有数の地震国である。原発の耐震設計は「平均像」で成り立っている、直下地震の想定を考えようとしない田中俊一委員長をはじめとする原子力規制委員会の『ゴマカシ』評価が暴かれた日である。
 7年前の岩手・宮城内陸地震で4,022ガルを観測している。関西電力は、この地震を見て見ぬふりでゴマカシ続けた。
 3.11後に高浜原発の基準地震動を370ガルから700ガルに小手先の引き上げをした。基準地震動がひと桁上がると、電力会社は耐震設備に莫大な資金が必要となる。原子力規制委員会は、都合の悪い数値は黙認し、電力会社が評価した数値のゴマカシをカムフラージュさせる組織でしかない。
 耐震設計を厳しくすると、経済優先の原子力発電所は成り立たなくなる。「世界一厳しい基準」は『ゴマカシ』方便にしか過ぎない。
 国策追認の姿勢から原子力規制委員会とともに「原子力ムラの影の一員」と揶揄されてきた裁判所。福井の決定は、もやもやした空気全てを払拭させた。三権分立の統治制度・人権を守る司法が生きていたことを知る4.14である。
 人格権を全てに優位にした決定が、他の裁判に引き継がれる流れに変わって欲しい。放射能汚染のツケを次世代に残さないために、脱原発運動を進めていかなければならないことを再認識した。

.. 2015年04月20日 08:00   No.901006
++ 山崎久隆 (社長)…524回       
規制委員会の認識不足:自らの考え違いを露呈する田中委員長
 |  問題意識どころか認識さえなかったことが、ここで曝露された
 |  高浜原発差止決定と原子力規制委員会
 └──── (たんぽぽ舎)
 
【吉田調書より】
 『シビアアクシデント上は、MUW(注;Make Up Water System補給水系)だとか、FPを最終注水手段として、何でもいいから炉に注水するようにしましょうという概念はいいんですけれども、設計している側に、本当にそれを最終的に注水ラインとして使うんだという意思があるんだとすると、耐震クラスをAクラスにするでしょう。それ以外のラインが全部耐震クラスAだし、電源も二重化しているようなラインが全部つぶれて、一番弱いFPと、MUWは今回なかったわけですけれども、そういうものを最後に当てにしないといけない事象というのは一体何か、私にはよくわからないです。』

○原子力規制委員会の認識不足
  福島第一原発事故で、消防用水ラインを使って原子炉に注水をしたことに関連し、その健全性を一番心配していた吉田所長の証言だ。
 結果的に炉内に水は入ったものの、到底、炉心の水位を回復させるには至らず、特にNHKの解析によると、3号機の炉心については注水量が圧倒的に足りず、炉心燃料により蒸発した水つまり水蒸気は、これまで考えられていた「冷却効果がある」どころか、むしろ燃料被覆管のジルコニウムと反応(ジルコニウム―水蒸気反応)し、その発熱により燃料破損を加速していたと考えられている。
 場面としては異なるものの、耐震クラスの低い系統がシビアアクシデント対策の系統配管として使われている矛盾を的確に指摘しているのが吉田証言である。
 教訓を得るというならば、耐震クラスの異なる系統が連続して存在すること、あるいは建屋構造と敷設配管のクラスの食い違いによる、想定されるシビアアクシデント対策における挙動の不確定さなどについて十分な考察が必要だった。
 規制委員会に問題意識があったならば、少なくてもクラスの違いを改善する、すなわちクラスの異なる設備が接続されている場所を高いクラスで統一するなどの対策を要求したはずだ。ところが、そのような問題意識どころか認識さえなかったことが、ここで曝露された。
 田中俊一委員長は、仮処分決定文を批判するにあたり、次のように語っている。 「耐震重要度分類で給水設備はBだと書いてありますけれども、これはSクラスです。(中略)プール自体も、プールに給水するところも、あるいはプールの水を監視する水位計等も、みんな耐震上はSクラスにしています。」
 実際には、原子力市民委員会のメンバーの滝谷紘一さん(元原子力安全委員会事務局参与)によれば「判決文要旨での「給水設備」は、本文では「冷却設備」として記述されているのでBクラスは正しい。従って、田中委員長の発言にある「給水設備はSクラス」というのは、事実誤認です。」ということだ。
 さらに、「Sクラスの燃料取替用水タンクと使用済み燃料プールがBクラスの冷却設備でつながっていることになり」設計基準が異なるため、プールが健全でも冷却設備が損壊する具体的可能性があるとの仮処分決定文は妥当と指摘している。


.. 2015年04月20日 08:35   No.901007
++ 山崎久隆 (社長)…525回       
○仮処分決定と規制委員会
 仮処分決定文から、関係箇所を引用する。
  『債務者は,電源を喪失しても使用済み核燃料プールに危険性が発生する前に確実に給水ができると主張し,また使用済み核燃料プールの冷却設備は耐震クラスとしてはBクラスであるが(別紙3の別記2の第4条2二参照),安全余裕があることからすると実際は基準地震動に対しても十分な耐震安全性を有しているなどと主張しているが,債務者の主張する安全余裕の考えが採用できないことは2(2)オにおいて摘示したとおり(筆者注;安全余裕に逃げることは認められない)であり,地震が基準地震動を超えるものであればもちろん,超えるものでなくても,使用済み核燃料プールの冷却設備が損壊する具体的可能性がある。』
 関電の主張は、クラスの違う設備を、そのまま設置したら、高いクラスの設備が低いクラスの破損により波及的に破損を生じる、つまりB、Cクラス設備と共倒れになることを耐震設計審査指針は禁じているから、実際にはSクラスで設備設計をしていると主張する。
 規制委もそう考えていたのだろうが、考えているうちにいつの間にか、規制庁がSクラスで設備されていると思い込んだのだろうか。
 いや、話はもっと深刻で、関電が言うように「Sクラスの設備として設計、施工している」をもって、Sクラス設備と見なしたということなのだろう。つまり、規制基準と異なる設備であるにもかかわらず、強度がより高いSクラスで施工しているから問題ないと考えた。しかしそれでは、クラス別規制の意味が無い。高い規制を要求するには合理的な理由があるし、実際にはSクラスで作るべきところがAクラスでかまわない程度の規制要求だとしたら、基準がおかしい。基準をなおすべきを、設備の強度を上げれば良いとの考え方は間違いなのは言うまでもない。裁判所はその矛盾を突いたのである。

○報道姿勢の問題
  田中委員長の発言は、瞬く間に全国に報道された。新聞もテレビもこぞって取り上げた。しかし間違っていることを指摘した報道は今のところ見当たらない。
 官邸は田中委員長の発言を引用しながら「推進の姿勢は変わらない」と言い続けるが、前提が間違っているのだから本来は実に滑稽な話である。しかしそういう報道も見受けられない。
 今や政権批判はテレビも新聞もタブーと化した。出来るだけ政権の不興を買わないように立ち振る舞うメディアばかりだ。
 例え間違った主張でも、「権威」をまとって拡散し続ければ、人々には強い印象が残る。こういった印象操作が、現政権の得意技だ。
 まともな論議など出来ようはずもないから、こういう手法ばかりがまかり通る。特に国会では本当の議論は3.11以後しばらくして消滅した。再稼働へと前のめりになっていくに従い、ますますこの傾向は強まる。
 それが新たな安全神話「規制委員会の新規制基準」へと肥大化している。何のことはない。以前の「安全委員会の安全審査」を、言葉を換えたに過ぎないのだ。 報道はそれにもほとんど反応はしない。これでは規制庁の広報機関と変わらないではないか。

.. 2015年04月20日 08:44   No.901008
++ 石鍋 誠 (幼稚園生)…1回       
強風の中、100名以上が参加
 |  仮処分決定で盛り上がる4/17関西電力東京支社抗議行動
 └──── (全国再稼働阻止ネットワーク)

  毎月第3金曜日に行っている関電東京支社抗議行動は4回目となる。4月14日の高浜原発3、4号機の運転を禁じた福井地裁の仮処分決定は、何よりも原子力規制委員会の「安全審査を根底から否定」、すべての原発に当てはまるとしたことだ。反・脱原発への強力な後押しとなった。
 安倍政権、原発立地自治体は常に「規制委判断」を盾にしている。田中俊一委員長は直ちに「科学的、専門的知見を踏まえず、事実誤認がある」と反論し、菅官房長官は「粛々として進める」を復活させ、安倍首相は司法判断を無視して再稼働へののめり込み方針を崩さない。
 関電東京支社抗議はこうした状況の中、前回受け取りを拒否した要請書を渡し返答を受けることに主眼を置いた。
 東京支社は日比谷公園向かいの富国生命ビル9階に入っている。午後5時に市民サイド10数人が、ガードマン4人を配置した担当者がエレベーター脇の廊下で対応。仮処分決定を反映させた要請文を阻止ネットと反原発自治体議員・市民連盟が読み上げた。担当者は「個別的案件には答えられない。本店が検討する」として要請内容には一切答えず硬直姿勢に終始した。
 昼間25度近い気温上昇と寒気通過に伴う天候の急変で強風に見舞われたがビル前の抗議行動には横一列に100名以上が参加した。コールを皮切りに発言者が次々に高浜原発の危険性と関電への抗議を発する。基準地震動の耐震性誤認、「原発ありき」の再稼働を前提とした「ベースロード電源」批判、何も審査してないMOX燃料の危険性など、ほとんどが福井地裁の仮処分決定内容と一致している。 しかし予測通り関電は17日の夜、仮処分決定を不服として、異議と決定の執行停止を福井地裁に申し立てた。
 阻止ネットでは21日(火)午後1時から参議院議員会館講堂で規制委院内ヒアリングを主催、規制委の欺瞞審査を追及する。5月には、全国一斉規制庁抗議・要請行動、6月には、関西電力東京支社包囲のヒューマンチェーンも実施。最新案内を確認し、ぜひお誘いあわせてご参加ください。



.. 2015年04月20日 08:51   No.901009
++ 柳田 真 (高校生)…64回       
.「核発電所」と呼ぼう―「原子力発電所」ではなく
 |  作家・村上春樹さんの提案に賛成
 |  原発再稼働は日本を滅ぼす 連載27回
 └──── (たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)

1.今や、世界を代表する作家となられた村上春樹さんが「原子力発電所」ではなく「核発電所」と呼ぼう(原発ではなく核発と呼ぼう)と提案されている(長文のインタビューの後半部分で)。大賛成である。私も折に触れて述べたり、又、書いたりもして「核発電所」が物事の本質を示す正確な名称だと主張してきたが、村上春樹さんのこのインタビュー記事を見て、嬉しく思い、紹介します。
 なお漢字圏の国(中国、韓国、台湾)はずっと核発電所(略称、核電)という名称を使っています(「原子力発電所」ではない)。
 日本は1945年8月の広島・長崎の原爆投下の被害があるがゆえに、核の導入をたくらむこの国の支配層は民衆の反発を恐れ、核発電所でなく、「原子力発電所」の名称で国民をゴマかして導入してきた歴史がある。残念ながら一部の革新勢力はそれにのせられてきた「負の歴史」がある。共に取り組んで克服して、原発早期廃止(全廃)に前進しよう。2度目の原発大惨事の発生の前に。

2.インタビュー記事の紹介
 ☆村上:地震も火山もないドイツで原発を撤廃することが決まっているわけです。危険という理由で。原発が効率的でいいなんて、ドイツ人は誰も言っていません。
 ★記者:読者との交流サイトで「原子力発電所」ではなく「核発電所」と呼ぼうと提案していますね。
 ☆村上;「ニュークリアプラント(nuclear plant)」は本来「原子力発電所」ではなく「核発電所」です。ニュクリア=核だから。
 原子力は、アトミックパワー(atomic power)です。核が核爆弾を連想させ、原子力が平和利用を連想させるので「原子力発電所」と言い換えているのでしょう。今後はちゃんと「核発電所」「核発」と呼んだらどうかというのが僕からの提案です。
(聞き手は共同通信編集委員 小山鉄郎)毎日新聞4月19日号より)
(インタビューの全文は新聞紙面の6段分約7000字の原稿、そのうち原発に触れた部分約330字を紹介)(その他の部分でも歴史問題等についての村上さんの考え方を述べていて参考になる文章です。)
※柳田の“核発電所だ”の文章は『隠して核武装する日本』(影書房)に載っています。



.. 2015年04月21日 07:59   No.901010


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