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■--全面勝利
++ 山田和明 (小学校中学年)…12回          

画期的、高浜原発3,4号機運転差し止仮処分命令発令される。
 └────(たんぽぽ舎会員、神奈川)

 小雨交じりの福井地裁前には大勢の市民とマスコミ関係者が固唾をのんで判決を待っていた。午後2時に弁護団と差し止め申し立て人が「やっぱり司法は生きていた」の勝利宣言をかざして現れた。報道関係のシャッターの中、歓声と拍手がしばらく鳴り止まない。興奮気味の人びとが抱き合ったりして、あちこちで握手がうずまいた。
 この判決が日本で初めて原発を止めるという歴史的な日になった。
 司法の歴史において住民の人格権ひいては子供の未来を守るという司法の期待を果たした輝かしい日でもあります。
 樋口裁判長は新規制基準は合理性を欠き、原発の安全性を確保していないと主張。故に人格権を侵害される具体的危険性が存在すると。
 全国の他の原発にも同じことがいえる。
 この仮処分命令を全国の反原発運動の力強い武器として闘い続けよう。
.. 2015年04月16日 08:12   No.900001

++ 阿部則子 (幼稚園生)…3回       
司法は生きているか?
 |  2つの決定(福井地裁決定◯と鹿児島地裁決定×)から考えよう
 └──── (たんぽぽ舎ボランティア)

  4月14日、福井地裁の「高浜原発再稼働差し止め仮処分の決定」から、10日も経たない4月22日、鹿児島地裁が下した決定は「再稼働の差し止めを認めず」だった。
 福井地裁が新規制基準に対して「緩やかにすぎ、合理性に欠く。適合しても安全性は確保されない」と判断したのに対して、鹿児島地裁の判断は「科学的知見に基づき。不合理な点は認められない。審査も厳格で詳細」だった。
 鹿児島地裁で判定を下した前田裁判長はこの新基準で「重大事故が起こらない」と本気で信じているのだろうか。
 地震対策も火山噴火対策もプラント評価も不十分、避難対策も住民理解も得られないまま、原子力規制委員会は川内原発に対して審査合格を出した。
 東日本大震災の折、「想定外」という言葉を何度聞かされたことだろう。しかし、東日本大震災、東電福島第一原発事故が起き、全くコントロールできていない現実に向かい合えば、科学的知見がいかに不確実なものか予測できるはずだ。もう「想定外」ということばは使えないのだ。


.. 2015年04月30日 08:01   No.900002
++ 坂東喜久恵 (小学校高学年)…25回       
除染しても戻れないとわかっている、帰れない」
 |  原発事故の責任追及・検察審査会頑張れ集会
 |  5月21日福島原告告訴団が集会と院内集会
 └──── (たんぽぽ舎)

  福島原発告訴団は、福島第一原発の事故と被害について、責任追及のため数次にわたり東京電力や旧保安院の担当者を告発しています。
 検察が不起訴を決めた案件を検察審査会で再度審議し、起訴を求めています。
「審査会頑張れ、きちんと起訴相当を決定してほしい」と、毎度福島からも駆けつけて激励行動をしています。
 5月21日は春というよりは初夏という感じで、審査会が開かれる東京地裁前には、200人弱の人が昼過ぎから集合。「検察審査会頑張れ」と集会を持ちました。
 武藤類子さんのあいさつから始まり、今も避難している方々からの、「除染しても戻れないとわかっている、帰れない」等々の切実な訴えが続きました。また国の被害者切り捨ての政策に大きな怒りが訴えられました。
 担当の弁護士(海渡、安田両氏)からは、各告訴の流れや状況についての説明。
 広瀬隆さんは、「今も、そしてこれからガンが増えてくるという心配がある。裁判については疑問だったが、このところ少し信じられるようになった。でも、裁判も出来ないなんて変だ。」と訴えました。次回は、6月18日(木)です。

.. 2015年05月25日 08:02   No.900003
++ 冨塚元夫 (高校生)…68回       
第五検察審査会は被疑者を起訴して下さい
 |  法廷で事故責任が追及されることを望みます。
 └────  (たんぽぽ舎ボランティア 千葉県船橋市在住)

第五検察審査会御中

 検察審査会が被疑者らを起訴し、法廷で事故責任が追及されることを望みます。

 福島原発告訴団が東電元幹部を訴えた訴訟に付き、検察審査会は第一回審査において東電元幹部3人を起訴相当としました。しかし検察当局はその判断を尊重せず不起訴処分にしたわけですが、この間告訴団と東電株主代表訴訟の弁護団は東電が起訴に相当するという証拠を数々入手し、裁判所に提出してきました。
 12月4日の東電株主訴訟第14回口頭弁論では、添田孝史著「原発と大津波 警告を葬った人々」が明らかにした新証拠、すなわち「1997年7省庁手引きは地震調査研究推進本部の報告以前に福島県沖の津波地震を想定していた。15メーター以上の津波の可能性を武藤・武黒は知っており、土木学会に再調査依頼したのは時間稼ぎだった」を提出しました。
 東電株主代表訴訟第18回口頭弁論では原告側海渡弁護士が新たな証拠の準備書面(2008年9月10日に行われた東電の秘密会議)の説明を行いました。この秘密会議は東電福島第一発電所第2会議室にて小森所長(当時)も出席して行われました。この会議で、文科省管轄の地震調査研究推進本部(推本)の長期評価を受けて東電の土木調査グループが2007年11月ころに15.7Mの津波の可能性を報告したことを踏まえて、もはや津波対策を避けることは不可能だという結論に達しました。こうした結論を東電元幹部が再び無視して津波対策を怠ったという事実が暴かれました。
 更に今年5月25日には東京新聞がIAEAがまとめた東京電力福島第一原発事故の最終報告書を報道しましたが、東電や規制当局の認識の甘さを痛切に批判しているものです。
 また5月29日朝日新聞ディジタルにも、災害・事故の備え「不十分」IEAEの東電事故報告書が報道されました。福島第一原発を襲った津波は最高で15、5メートルに達したが、東電の事故前の想定は高さ5、7メートルだった。報告書は、地震や津波について十分な検討がなされていなかったと指摘。震災前、福島沖で<http://www.asahi.com/topics/word/マグニチュード.html> マグニチュード8.3の地震が起きれば津波が高さ15メートル程度となると試算されていたにもかかわらず、東電は措置をとらず、当時の <http://www.asahi.com/topics/word/原子力安全・保安院.html> 原子力安全・保安院もすぐには求めなかった、とした。
 日本の検察当局がこのような報告をも無視して、不起訴という結論を出したことまったく理解できません。
 第五検察審査会におかれましては、告訴団弁護団の数々の証拠とIEAEの報告に基づいてご判断されるよう切にお願いいたします。
                         2015年7月2日


.. 2015年07月06日 08:10   No.900004
++ 渡辺マリ (小学校中学年)…15回       
海渡雄一弁護士お勧めの本
 |  『朝日新聞「吉田調書報道」は誤報ではない
 |  隠された原発情報との闘い』 彩流社刊
 └────  (たんぽぽ舎ボランティア)

 東電株主代表訴訟の弁護団長でもある河合弘之、同弁護団の海渡雄一執筆
『朝日新聞「吉田調書報道」は誤報ではない 隠された原発情報との闘い』
                            彩流社刊
・2014年5月20日の朝日新聞スクープ「吉田調書」はなぜ取り消されたのか。
吉田調書を報じた2人の記者は、朝日新聞連載「プロメテウスの罠」の執筆も担当し、血のにじむような努力と、丁寧で執拗な取材でこの記事を書きあげました。
 3・11直後から関係者への徹底的な取材、「東電テレビ会議記録」をはじめとした膨大な客観的な証拠の入手と読み込みがあってこそ、吉田調書そのものにたどり着き、吉田調書の間にある、事故の真実に迫ることができたのです。
 2011年3月15日の未明、日本の存亡に関わる重大事態でした。
記事からはひとたび起きた原発過酷事故の暴走は手の付けられないこと、現場の 混乱が伝わってきます。
・東電株主代表訴訟の争点である津波対策の経緯についても詳細に記載されています。 こちら
                     (以上、海渡雄一弁護士)
・7月15日(水)「所長命令に違反・撤退」は誤報だったのか?」第2弾を
 海渡雄一弁護士に来て頂き学習会を開きました。講演会に来て下さった大勢の皆様、ありがとうございました!
 更に詳しくお知りになりたい方、またこの講演会に来られなかった方にお勧めの本です。
・東電の嘘つき体質、都合の悪い事は何でも隠す体質、金儲けのためなら何でもする東電の悪辣さが本当によくわかる本です。



.. 2015年08月05日 08:11   No.900005
++ 渕上太郎 (幼稚園生)…2回       
脱原発の国民的意志の表明は、原発がある限り止むことはない
 |  東京高裁不当判決に対する「経産省前テントひろば」の声明
 └──── 「経産省前テントひろば」

  「テント裁判」において東京高裁(民事24部 高野伸裁判長)は、2015年10月26日、判決を下した。大方の予測通りの判決で、基本的には原告(国側)の主張をほぼ全面的に認め、「テントを畳んで経産省の管理地から退去せよ」「一日当たり2万1917円の金員を払え」「これには仮執行の条件を付す」というものである。 不当判決である。私たちは、直ちに最高裁への上告と仮執行停止の申立の手続きをとった。
 私たちは、2011年の9月11日来、今日までこの公共空き地にテントをたてて、脱原発を訴えてきた。この裁判も2013年5月より2年半になろうとしている。そして残念ながら、判決の当日、愛媛県の中村時弘知事が伊方原発3号機再稼働の同意を表明した。
 私たちの意志は明快である。原発の再稼働はならぬ、ということである。
  わが「経産省前テントひろば」は、2011年東電福島第一原発事故について、その責任を誰も取らず、大事故の原因究明もままならないままでの原発の再稼働・推進の方向が民主党政権のもとで露骨な姿を示すようになったちょうどその頃に、国民の脱原発の意志の自由な表現としてつくられたものである。今日でもそうだが、国民の大多数が原発に反対している。
 原発の否定は今や広く国民の意志である。しかし決して一枚岩ではなく、この国民の意志は幅広く様々な特徴を持ち、矛盾を含むものである。当然のことである。
 しかし、今日の安倍自公政権は、この様々な傾向をもつ民意を巧みに分断し、あるいは取るに足らないものとして再稼働に突き進んでいる。つい最近の川内原発の再稼働は、鹿児島県知事と議会、薩摩川内市長と市議会の同意だけでよしとして、地元住民の不同意の意志を無視したまま再稼働を強行、九州電力自身は不同意住民の説明会開催要求を拒否したままである。
 しかも、原発の安全性及び避難の問題等の最終責任については、電力事業者、原子力規制委員会、政府、原発立地行政等々がそれぞれ勝手な言い分で責任逃れを言い、極めて分かり難くしている。

.. 2015年11月02日 11:10   No.900006
++ 渕上太郎 (幼稚園生)…3回       
 規制委員会は「適合性審査は安全性を担保するものではない」と言い、政府は「規制委員会によって安全性が確認された原発の再稼働を進めていく」と言い、原発立地の知事・市長は「国民の生活レベルを守り、わが国の産業活動を維持する上で再稼働はやむを得ない。政府の再稼働方針を理解する(鹿児島県伊藤知事)」といった調子である。
 最近の林幹生経産大臣は「原子力規制委員会が世界最高水準の規制を進めているわけですから、それをクリアできる十分なものが得られれば進められるのかと思っております」などと言っている。
 結局のところ、我が国の政治は、一部電力業者の経済的利益を優先させ、原発問題を「電力の安定供給がなければ経済的発展が成り立たない」という、あたかも全国民経済の趨勢を左右するかのような論議にすり替えて、ついには一電力業者にすぎない九電と一体となって川内原発1・2号機の再稼働を強行してしまった。次の原発再稼働は、四国電力伊方原発3号機、関西電力高浜3・4号機などとされている。
 民意を無視した一部原発の再稼働が行われてしまった今日、脱原発運動はどうするのか。これでお終い(おしまい)というわけではあるまい。
 闘いはけっして負けてはいない。脱原発の運動はけっして短期的な展望のもとで闘われ始めたのではないし、1つの原発の廃炉に30年〜50年という時間と莫大な費用が掛かるであろうことは、もとより明らかであった。
 脱原発の運動は、曲折を経ながらも、粘り強く闘いを継続していかねばならない。
  経産省前テントひろばの闘いも同様である。例え、高裁判決によってテントが無くなるとしても、闘いの主導権を確保しつつ、継続されるであろう。
  脱原発の国民的意志の表明は、原発がある限り止むことはない。
                     2015年10月26日 高裁判決にあたって

.. 2015年11月02日 11:18   No.900007
++ たんぽぽ舎 (社長)…795回       
福井地裁の「差し止め仮処分の取り消し」(異議審決定)に抗議する
   高浜原発再稼働強行に政府も事業者も手段を選ばず
   差し止め仮処分の却下に対する抗議声明
  
◎ 関西電力高浜原発3、4号機の再稼働差し止めを命じた福井地裁の仮処分決定を不服として、関電が申し立てた異議申立について福井地裁(林潤裁判長)は24日、再稼働を認める決定(差止仮処分の取り消し)を行った。これで2基は法的に再稼働が可能な状態になった。
◎ すでに西川福井県知事は今回の決定を知っていたかのように司法判断も待たず、22日に再稼働に同意している。これで再稼働への手続きは完了したとして、関西電力は核燃料の装荷を開始する。
 しかし30キロ圏内の自治体、滋賀県や京都府の自治体の意見は無視されたまま高浜町長や福井県知事だけで決める行為は誤りである。3.11以後の日本では立地自治体や県だけで是非を決めることはできないというのが福島第一原発事故の教訓である。仮処分決定の意義は、そこにもあった。
◎ 仮処分は昨年12月に、原発が再稼働された場合「人格権を侵害される具体的危険性がある」として申し立てた。これに対して4月14日に福井地裁(樋口英明裁判長)は関電の安全対策の不備や規制委の新規制基準の不合理性を指摘し、再稼働差し止めを命じる決定を出していた。これに対して関電が異議を申し立てていた。
 差止の仮処分とは、本訴訟では判決確定までに時間が掛かりすぎ、原告の権利が守れないと判断されたときに、暫定的に行われる手続きである。その判断を一旦下した同じ裁判所で覆えすことは、二重の権利侵害になる行為である。
◎ これと同時に大飯原発3、4号機の差止仮処分の決定も却下された。こちらは福井地裁で5月21日「関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止め」を命じる判決をくだしているので、決定と判決が逆転してしまっている。
 「生存を基礎とする人格権が公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である」とは、判決の理念だが、差止決定も同じ考え方に立つべきであった。
◎ これらの決定は、いずれも国の原発推進の方針(行政の意思決定)が、裁判所の判断(司法の意思決定)を変更させるものである。三権分立は権力が一つの機関(政府)に集まることにより権利の濫用を防ぐための仕組みだが、今の政府は権力を集中して行政、立法権を一本化しつつある。これに司法権をも加えた権力集中をもくろんでいる。すなわち立憲主義の根幹を破壊している行為だ。
 差止決定を出した樋口裁判長を神戸家庭裁判所に異動させ、新たに3名の判事を着任させての逆転決定である。狙いは差し止め判決と決定を覆そうという魂胆だった。
◎ 政府により原発再稼働を最優先する行為は、次の原発事故を引き寄せる行為に他ならない。
 私たちは、これからも粘り強く運転をさせない取り組みを続けていく。


.. 2015年12月25日 08:04   No.900008
++ 米山創 (幼稚園生)…1回       
柏崎刈羽原発再稼働反対にむけて
 |  「東電前抗議行動」に加え、改めて「新潟現地連帯行動」再開を
 └──── (たんぽぽ舎会員) 

○泉田裕彦知事(56歳)は4選出馬を答弁
 2月26日新潟県県本議会で自民党所属小峯議員の質問に答え、10月24日任期満了に伴い、「次期知事選挙で県民に信を問いたい」と答弁した。
私達にとってとても良い事です。
 泉田県政は現在3期目です。この間「ゆめおこし政策」など実績をあげている。新潟県農業の中心である米作は堅調であり、輸出米の40%を占めている。TPPで影響を受けるだろう「こしひかり」から新たに非こしひかり系米として「新之助」を開発し2017年より販売を行うとしています。
 県政全般はほぼ及第点を付けられるだろう。
○柏崎刈羽原発再稼働と日本ロジッテク64億円問題
 たんぽぽ舎メルマガ柳田報告にもある様に新潟県は「福島メルトダンウン公表問題」への東電の姿勢を厳しく批判し公表しています。知事選を巡り安倍内閣・自民新潟県連と対立するのは柏崎刈羽原発「再稼働問題」と「64億円の欠損問題」にあります。
 新潟県企業局は新電力「日本ロジッテック協同組合」への売電、県内11ヵ所の水力発電から得た売電収入=1キロワット当たり日本ロジッテク協同組合15.9円(ちなみに東北電力7.46円)契約は昨年4月から来年3月までです、県は売電で得た収入は「福祉にあてる」企画だったのです。今後日本ロジッテクへの未回収金回収と新たな売電先を開拓しなければなりません。
 恐らく県自民党議員はこの事を追及してくるだろう。
 昨年来自民党県連はこの知事選に別の新人を擁立する動きも行っており、また知事選に先立つ、今夏「参議院選」にも「一票でも多く」として選対本部を立ち上げています。
 一方野党共闘の中で民主党の動きは「菊田衆議院議員の参議院へのくらがえ」は果たして県民の投票行動にどう結びつくのか疑問です。
 かかる状況の中で、たんぽぽ舎も加わる「再稼働阻止全国ネットワーク」の行動の中に「東電前抗議行動」に加え、改めて「新潟現地連帯行動」を再開する時期が来ていると思います。
※柏崎刈羽原発差し止め請求裁判
 第14回口頭弁論 3月7日(月)15時 新潟地方裁判所


.. 2016年02月29日 08:12   No.900009
++ 槌田 敦 (小学校高学年)…24回       
原発裁判、大津地裁決定の根拠について
 |  大津地裁での活動をなさった皆さんと「民間規制委」が共闘できるよう期待したい
 └──── 2016.3.14 (物理学者)

 3月9日、大津地裁(山本善彦裁判長)は、滋賀県在住の市民の訴えを認め、運転中の高浜原発3,4号機の運転差し止めを決定した。この決定での判断根拠は次の通りである。
◎ 「その災禍の甚大さに真筆に向き合い二度と同様の事故発生を防ぐとの見地から安全確保対策を講ずるには、原因究明を徹底的に行うことが不可欠である。この点についての債務者の主張及び疎明は未だ不十分な状態にあるにもかかわらず、この点に意を払わないのであれば、そしてこのような姿勢が、債務者ひいては原子力規制委員会の姿勢であるとするならば、そもそも新規制基準策定に向かう姿勢に非常に不安を覚えるものと言わざるを得ない。」
「原子力発電所の危険性を実際に体験した現段階においては、債務者において本件各原発の設計や運転のための規制が具体的にどのように強化され、それにどう応えたかの主張及び疎明が尽くされない限りは、本件原発の運転によって債権者らの人格権が侵害されるおそれがある。」
 極めて明快な判断である。そして、危険な科学技術を使いこなしてきた科学技術発達の歴史を踏まえている。現在、原子力にはこの「二度と同様の事故発生を防ぐ」ことができるか、どうかが問われているのである。
◎ これに対して、元東京高裁判事は、この決定理由が50数ページ、また裁判官の判断理由が13ページと、どちらも少ないことだけを根拠にして、「乱暴な印象」と批判した(朝日新聞3月10日)。このように決定の内容について言及せず、ページ数だけを根拠に予断と偏見を並べる者が東京高裁判事だったことに寒気を感ずる。
 大津地裁には、今回の決定と一見矛盾するかのように見える同一の山本裁判長による決定がある。それは、2014年11月27日の決定で、高浜3,4号機の再稼働の差し止めを却下したのであった。その理由は再稼働は差し迫まってはいないとするものであった。この「同様の事故を防ぐ」という審査には膨大な作業を必要とし、短時間で結論が得られる筈はないからであった。
 ところが、この大津地裁の決定後わずか2カ月余、2月12日に、高浜3,4号機について新規制基準に適合との関西電力の要請による規制委の判断がなされた。大津地裁の決定は無視されたのである。そこで、今回の差し止めという決定になったと考えられる。
◎ 日経新聞は、その社説で「(新規制)基準は福島事故を踏まえ」ているとし、この決定は「規制の意味について認識不足」と断じた(2016.3.13)。認識不足は日経新聞の方である。
 福島事故の再発防止どころか、その教訓の具体例もこの基準には一切存在していない。
 そこで、鹿児島の住民は「民間規制委」を立ち上げ、この「再発防止」を主軸にして活動をすることにし、九州電力川内原発に規制勧告(16項目、後に1項目追加)を突き付けた(2014年12月22日)。
 また、愛媛と関東の住民は共同で、四国電力伊方原発3号機に対して、「再発防止」の18項目の規制を勧告した(2016年1月18日)。
 今後、関西の住民と共に関西電力に対して規制勧告することになる。
 そして本丸東京電力に対しても。
 大津地裁での活動をなさった皆さんと「民間規制委」が共闘できるよう期待したい。


.. 2016年03月16日 08:10   No.900010


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