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「原発と戦争」いのちを危険にさらすこのふたつの愚かな再稼働を 人間としての誇りと努力で食い止めたい 鎌田 慧(ルポライター)
放射性セシウムなどがじわじわ海にむかって漏れ続けている。福島原発事故から4年がたったが、やむ気配はない。放射性汚染水の除去装置に、700億円もの国費が投入されたが効果は出ていない。肝心のメルトダウンした核燃料棒さえ、どこにあるのか分からない。 フクシマの子どもたち100人以上に、甲状腺がんや、その疑いの例が発見された。原発内では、収束作業に、1日6000人もの労働者が従事し、周辺の地域ではそれに匹敵する労働者が、これまた見通しのない除染作業を行っている。 故郷を、家庭を、仕事を奪われた人たちが、まだ12万人もいる。絶望のまま世を去る年寄りがあとをたたない。それでも、電力会社は平然と再稼働の準備をすすめ、政府は原発推進を叫ぶ。 老朽化した5基は廃炉にして、ほかを再稼働させる作戦である。費用は電気代に上乗せして、消費者に負担させるつもりのようだ。事故による、どんな悲惨も、あたかも局地戦の犠牲者としてしか数えられていない。 誰も責任をとらず、被害を軽微にしか発表しないのは、先の戦争とおなじだ。安倍政権は沖縄にすべての犠牲を押しつけ、自衛隊派兵の準備を整えている。原発と戦争。 いのちを危険にさらすこのふたつの愚かな再稼働を、人間としての誇りと努力で食い止めたい。それが与えられた役割だと思う。 (3月31日「本音のコラム」より)
.. 2015年04月08日 09:20 No.898001
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