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高浜原発・若狭湾原発銀座・再稼働のリスク | 琵琶湖と若狭湾は若狭街道・丹後街道で繋がり地形的に放射性物質の通路となる | 高浜原発と京都府県境は最短5km・それでも原発地元自治体の同意対象になれない └──── (たんぽぽ舎会員) ○京都から琵琶湖西岸のJR湖西線は、のんびりとした田畑と静かな琵琶湖のほとりを進む鉄道である。琵琶湖の北西部近江今津駅から路線バスで若狭湾小浜市に抜けられる。 古くから若狭街道、丹後街道は日本海側から京都への物資交流の重要な街道である。街道を挟んで北の武奈ケ嶽、南には駒ケ岳、多田ケ岳の山々が聳え、その山間を琵琶湖に流れる石田川、若狭湾に流れていく北川がある、若狭湾原発銀座から琵琶湖への起伏の少ない通路である。琵琶湖と若狭湾は最短で約20km足らずである。 この若狭湾には、高浜、大飯、美浜、敦賀の3原発と高速増殖炉「もんじゅ」を合わせ、計14基が並んでいる。 ○2011.3.11福島第一原子力発電所爆発事故当時、住民へ指示は、発電所を中心に同心円を2つ描き、内側の円は半径20km圏で避難指示、その外側半径30kmの住民には屋内退避指示を出した。原子力発電所から噴出する高濃度放射性物質は周辺地域に同心円状に等しく汚染するのではない。原発からの汚染物質は、原発からの距離の遠近だけではなく、山間の谷に沿って風の通り道となり、高濃度放射性物質のホットスポットとなった。 現在でも谷の道、山・林・田畑は、高濃度汚染地帯になっているのが福島の現実である。 若狭湾原発銀座で原発事故が起こると、高濃度の放射性物質が若狭湾から、若狭街道、丹後街道の山間に沿って一挙に琵琶湖に流れ込み、伊吹山地、鈴鹿山脈、に囲まれた滋賀県大津市、比良山地南部の京都盆地に澱みとなって留まる。 琵琶湖から流れ出る水は、瀬田川、宇治川、淀川と名前をかえて大阪湾に流れる。京都市は琵琶湖疏水から取水している。南禅寺境内を通過する水路閣、銀閣寺から哲学の道側旧運河は鴨川に至る。琵琶湖の放射性物質の汚染は、水の都大阪・古都京都・神社仏閣・社会生活の影響は計り知れない、西日本の経済・社会生活は壊滅的なダメージを受けることになる。 ○2月12日高浜原発3・4号機について原子力規制委員会は「新規性基準を満たしていると」正式に審査決定、今後の焦点は地元の同意である。関西電力と福井県知事は地元自治体の同意対象を、川内原発と同様に少数町民(高浜町民10,842人、2015.1)の立地自治体だけで合意することを既成事実化しようとしている。高浜原発から京都府県境最短5kmであってもカヤの外である。福井県内の少数の意思によって再稼働が認められようとしている。 福井県は電源三法交付金によって恩恵を受け、原発立地自治体の公共施設に莫大な原発マネーが費やされている。高浜町・おおい町の体育施設、公共施設、道の駅、JR駅舎,等々どの建物も並外れた凝った建築物である。これが゛ハコモノ゛原発マネーの威力かと現地に行って驚かされる。原発事故が起きれば若狭湾の漁業は、ヤリイカ、アマダイ、越前カニ等豊富な魚種に影響を及ぼす。 ○福島原発事故後、漁業の放射性物質汚染調査で、福島県久ノ浜沖アイナメからセシウム合計4,400Bq/kgの検査結果が報告されている(水産庁水産物汚染調査2012.7)。 福島の漁業被害の現実を原発立地の漁業関係者は知ってほしい。若狭湾原発周辺で原発被災者になれば、関西方面の自治体に避難することになる。原発立地自治体は、それほどのリスクを背負い原発の再稼働にYESと答えることが必要なのだろうか。
.. 2015年02月19日 08:34 No.872008
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