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○老朽原発内に緊急時対策所とは 高浜3,4号機の緊急時対策所(免震重要棟)はまだ建設中です。そのため「代替緊急時対策所」を隣接の高浜1,2号機の原子炉補助建屋内に設置するとしています。 この提案は1,2号機は運転しない前提となっています。原子炉等規制法では原発の運転期間を40年と規定しており、約40年が経過する高浜1,2号機は本来は廃炉となるはずです。しかし関電は「規制委の認可を受ければ最大20年延長できる」という例外規定を適用して運転期間を延長することを目指し、そのための特別点検を12月1日から始めています。実際に1,2号機を運転しようとすれば、上記の提案の前提が崩れ、3,4号機も審査し直す必要が生じます。 福島第一原発事故では免震重要棟がなかったら、もっと深刻な事態になっていたといわれています。これは何重にもひどい関電のデタラメな提案です。緊急時対策所についての関電のこんな提案をよしとする規制委の審査書案審査はまったく認められません。
○MOX、プルサーマルは審査なし 高浜3,4号機は昨年の7月に審査を申請しましたが、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料をふつうの原発で使うプルサーマル発電をすることを前提としています。しかしこの審査書案ではMOX燃料とプルサーマル発電に関する記述はわずか1ヶ所です。MOXについては、ホウ酸水の濃度を上げて中性子の吸収度を上昇させ、核分裂連鎖反応が進む速度を抑える方針としていますが、これが過酷事故の時本当に有効なのかは証明できていません。 そもそも規制委にはMOXに関する審査基準が存在せず、MOXの危険性をどんな基準でどのように評価したのかわかりません。これではウラン燃料を使った発電に比べ、より危険といわれるプルサーマル発電が前提の高浜3,4号機をまともに審査したとはいえず、審査は無効です。
.. 2015年01月30日 07:57 No.860004
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