|
原発工事「関係企業」受注 川内再稼働同意 2県議に報酬
九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全対策を審議し、再稼働に同意した県議会原子力安全対策等特別委員会(15人)に所属する県議2人の家族や親族が経営する会社が、東京電力福島第1原発事故後に川内原発の関連工事を受注していたことが分かった。両県議は相談役や顧問として会社から報酬を得ていた。受注件数は少なくとも計10件で、約1億7000万円分に上る。 2人はいずれも自民党の外薗(ほかぞの)勝蔵県議(薩摩川内市区選出、当選4回)と小幡兼興県議(出水市区選出、同5回)。 県に提出された工事経歴書などによると、外薗県議の息子やおいらが代表を務める二つの建設会社が、2011年5月から14年3月までに、仮駐車場の整備や海水ポンプエリアの防水対策工事など川内原発関連の工事を計6件受注していた。受注総額は7858万円で、1件が元請け、5件が下請けだった。所得等報告書によると、外薗県議は11年秋まで2社の相談役を務め、報酬を得ていた。 小幡県議の親類の建設会社(薩摩川内市)は、12年1月から13年6月までに原子力規制委員会の規制基準に適合するための工事を含む川内原発関連の4件を受注。全て元請けで、総額は9627万円。小幡県議は顧問として報酬を得ていた。外薗県議の関係会社は原発関連以外でも、九電の事業に関する工事を受注していた。 両県議が所属する県議会の特別委は昨年11月に賛成11、反対3で再稼働を求める陳情を採択した。両県議も賛成し、外薗県議は再稼働推進の立場から積極的に発言もしていた。 鹿児島県議会には、県議が「県発注工事を受注する企業の役員に就任しない」という政治倫理要綱があるが、九電などの民間企業についての規定はない。だが鹿児島オンブズマンの続博治代表は「賛否が分かれる再稼働を公平に審議しなければならない立地自治体の県議の関連する会社が、工事を受注していたことは当然問題視されるべきだ。条例などで規制すべきだ」と指摘。取材に対し、外薗県議は「工事と議会の審議は全く関係ない」と反論した。 (1月14日より)
.. 2015年01月22日 08:56 No.856003
|