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■--拡散するセシウム 
++ 山崎久隆 (社長)…466回          

昨年秋収穫の南相馬のお米から検出
 │レベル3相当の放射性物質拡散
 └────(たんぽぽ舎)

 フクイチで2012年8月に発生していたセシウムを含む塵の拡散は、今年7月
にようやく明るみに出た。

 発端は昨年秋に収穫された米の放射能汚染だった。
 20キロ圏外の南相馬市太田地区で収穫された米から、キログラムあたり100
ベクレルの基準を超えるものが見つかった。合計27検体はいずれも20キロ圏外
にある水田で収穫されていた。他にも20キロ圏内で収穫された米でも基準を超
えるものは見つかっていたが、とても不自然な分布だった。
 20キロ圏の内側でも25ベクレル以下のものもあれば、20キロをかなり超えた
原発から30キロ付近でも50ベクレルを超えるものもあり、事故時に放出された
セシウムの影響とは考えにくい分布だった。

 農水省は今年1月になって規制庁に「相談」したという。
 セシウムの出所は福島第一原発ではないか、それも前年8月に発生していた
ガレキ撤去時に拡散したものではないかと考えた。農水省が公表している映像
データは、明らかにセシウムの「侵入」が「外部から」であることを示してい
る。

 セシウムが水田の土壌から稲に取り込まれるならば、その痕跡は全体に広が
っているはずなのに、稲穂の一部に高い集積が見られた。このような蓄積を起
こす理由は外部からの付着しか考えられない。
 基準を超えた米が作られた水田は、最も高いところでもキログラムあたり
2600ベクレルほど。当然ながら対策としてゼオライトを投入し、カリ肥料も沢
山いれている。通常ならば水田から米にはセシウムはあまり蓄積されない。
しかし外から飛んでくるセシウムでは、防ぎようがない。

 東電は2012年8月のセシウム拡散事故については認めている。何しろ双葉町
郡山地区のモニタリングポストはそれまでの100倍の値に跳ね上がっていた。
ただし短時間で元に戻ったため警告されることはなかった。
 その時、福島第一・3号機の5階オペレーションフロア、もちろん爆発の影
響で露天状態だが、そのフロアではガレキを取り除く作業が行われていた。
(事故当時2011年3月)12日と19日の2日にわたり、合計12名が被曝をしたと
報告されている。ガレキ拡散は当時から確認されていたのに、それを外部に
警告すらしなかった。
.. 2014年09月16日 08:21   No.795001

++ 山崎久隆 (社長)…467回       
9月11日テントひろば記者会見での発言
 │  水汚染対策+廃炉プロセスの破綻
 │  セシウム拡散の原因はガレキ撤去作業
 └──── (たんぽぽ舎)

○汚染水問題は、東電の対処能力を超えていると思います。
氷を投入して汚染水を凍らせる作戦は失敗し、ドライアイスも効果は無く、コンクリートで固める方法を試みるというのですが、コンクリートの場合失敗すると後がないといった問題もあります。
 凍らない理由は単純で、水の流れがあるからです。熔け落ちた燃料を冷やすために入れる水も汚染水になって流れ出しています。流れは原子炉から、あるいは外周の地下水から生じています。
 東京電力福島第一原発の周辺地域は、今でも高い空間線量がありますが、それ意外に建物や敷地から大量の放射性物質が拡散しています。
○それが一昨年の8月にとうとう大量放出事故を起こしました。
 その影響で昨年度の福島県産米にキロあたり100ベクレルを超える米が見つかる事態となりました。
 セシウム米は南相馬市太田地区の一部から見つかっていますが、その周囲も50ベクレルなどの汚染がありました。しかしこは原発から20kmを超える地域です。ゼオライトやカリ肥料などの対策を施せば大きな汚染はないはずの地域で、非常に高い汚染が見つかった原因は、8月のセシウム拡散事故しか考えられない。
 農水省も南相馬市もそう考えていて、東電も可能性は否定できないとしているのに、その補償さえされていません。
 さらに怖いのは、拡散した放射性物質は塵状のものであることから、人が吸い込むこともあっただろうということ。
 米の表面付着で大量の汚染が確認された地域に、大勢の市民が住んでいます。
 太田地区だけではない。SPEEDI、もう解体することになってしまった、唯一の放射性物質拡散予測システムが、南相馬から飯館にかけての拡散を推定しています。
 図を見て下さい。(注:原子力規制委員会の環境防災Nネットで公開されている空間線量データグラフ
  こちら )
 2012年の8月20日に原発から2.8kmの双葉町郡山地区に高いピークがあります。これが放射性物質の拡散を記録したものと思われますが、すぐに元に戻ったことと周辺には恒常的にもっと高い地域も沢山あるため、警告はされていません。この前日までに原発内では12名が被曝をしたとされる拡散事故が起きていますから、大きな拡散事故の発生を東電も十分認識していました。
○この後に放射性物質は南相馬に、飯館に拡散していったのですが、その先ではもうモニタリングポストに有意な反応は見られません。塵の拡散では、よほど高い濃度でないと観測できない欠陥が再度明らかになったということです。

.. 2014年09月16日 09:44   No.795002
++ 山崎久隆 (社長)…468回       
○セシウムを拡散させた作業は、使用済燃料プールから燃料を抜くためには避けられないガレキ撤去作業でした。しかし拡散対策をしないままで、現場作業員も住民も被曝するのは当然です。
 国も東電も、持てる技術と資金を十分投入しなければ、破たんの道を突っ走る原発を制御できません。
 規制委員会もアンダーコントロールではなく、アン・コントロール状態の原発にこそ全力を投ずべきです。
 真後ろに立っている経産省の役割、当然税金で仕事をしている官僚の任務は、紛れもなく原発の終息以外に無いのです。経産省の官僚はいますぐ、鹿児島県庁ではなく、福島第一原発に行くべきです。
 福島第一原発事故の責任は、国、経産省、そして東電役員にありますから、さまざまな切り口で追求します。そのうちの一つが「経産省前テントひろば」です。
 また、東電の責任追及としては、株主代表訴訟を取り組んでいる原告の一人でもあります。9月25日に11時から東京地裁103号法定で第13回口頭弁論が開かれます。どうぞおこし下さい

.. 2014年09月16日 09:50   No.795003
++ 木原壯林 (小学校低学年)…9回       
〈緊急声明〉 川内原発を「新規制基準」に適合とし、再稼働を画策
 | する原子力規制委員会(規制委)を満身の怒りを込めて弾劾する
 └────(汚染水問題を憂うる京都府民の会)

 規制委は、九州電力川内原発の新規制基準適合性審査に関し、合格通知にあたる審査書案を7月16日に発表し、9月10日には正式な適合通知「審査書」を決定した。この間、形式的に国民の意見(パブコメ)を求めはしたが、寄せられた約 17,800 のうちの多くの再稼働反対の意見は、ほぼ完全に無視している。国民を愚弄し、民主主義を否定する行為である。私たちは、以下の理由により、この暴挙を断固として弾劾し、適合判断の撤回を求める。
(1)人類の手に負えない原発の再稼働を画策すること自体が誤りである
 安全な原発など存在せず、原発は人類と共存し得ないことは、福島原発の惨状を見れば明白である。事故炉は、高放射線量のため、未だに内部や地下の状態が分からず、事故収束の目途は全く立っていない。汚染水は、1 日 400tの割合で増え続け、土壌に浸透した汚染水、タンクから漏洩した汚染水は海に漏洩し、数年後には米西海岸に到達しようとしている。汚染水の漏洩を防ぐために、土壌を凍らせた凍土遮水壁の建設を始めたが、凍結には失敗している。凍ったとしても、その深さは十数メートルで、地下水はその下を容易に出入りできる。汚染水から多種類の放射性物質を除去するための装置ALPSも導入されたが、トラブル続きである。除染土壌を詰めた袋の老朽化・破損も著しい。凍土遮水壁やALPSのような大型プラントを期待通りに連続運転でき、放射性汚染物を長期保管できるほど、科学・技術は進歩していない。装置さえできれば永久に問題を解決できると考えるのは、科学の現状が分かっていない素人か、人々を騙してお金儲けをしようとする輩である。
 このように人類の手に負えない原発の再稼働を画策すること自体が誤りである。いま切実かつ緊急な課題は、福島の惨状に対する対策、被害者救援と、全原発の廃炉を如何に安全かつ早急に実現するかの検討である。このことは、多くの人々が望み、また、福井地裁判決でも指摘されている。

.. 2014年09月22日 12:18   No.795004
++ 木原壯林 (小学校中学年)…10回       
(2)規制委に人類の未来に関わる原発問題を判断する資格・能力はない
そもそも、福島の原発事故を最悪の事態に導いたのは、現代科学・技術を過信し、安全神話を作り上げ、それによって利益を得ようとする原子力ムラの人々の誤った原発推進と事故対応である。この事故は人災と言っても過言ではない。したがって、福島事故の後は、原発を推進してきた人達は、深く反省し、謝罪と恭順の意を表して謹慎するか、原発の犯罪性を認めた上で、原発全廃のために貢献すべきである。にも拘らず、5人中の4人を原子力ムラの出身者で占める規制委は、厚顔にも、原発の延命に繋がる再稼働審査を行い、電力や政府の言いなりの結論を国民に押し付けようとしている。結局、同委員会は、原発の再稼働、新設、輸出の推進のための検討委員会である。
 原子力は、総合科学であり、理工学分野だけでなく農学、医学、さらに社会科学も関連する。したがって、規制委のように限られた領域から集めた人材では、原発事故への対応を考え付かず、原発の安全性を評価する能力に欠けるのは当然である。規制委が中立を標榜するなら、原子力界中心の人選ではなく、国内外を問わず、広分野に人材を求めるべきである。そうすれば、もっと知恵が出る。世の中には、原子力界よりはずっと優秀な知恵者が多数いる。しかし、広く人材を求めれば、「原子力ムラ」が浸食され、崩壊するから、政府はそうしない。それが、原子力政策の本質である。
(3)安全を担保出来ない「審査基準適合」判断は、人々を愚弄するものである
 上述のように、国民を欺くために設置された規制委は、自らが作った科学的根拠も希薄な新基準で川内原発再稼働を審査し、適合とした。ところが、どんな審査基準を作っても、安全な原発はできないことは、田中委員長の発言からも明らかである。同委員長は、「安全を担保したとは言っていない」というコメントを付けて、責任逃れをしているが、この審査書が原発再稼働を大きく前進させようとしていることは明白であり、人々をバカにするにも程がある。これは、殺人兵器でもその製造法が兵器推進団体が作った基準に適合していれば、その製造を認め、その兵器の犯罪性については議論しないというのと同類である。こういう人達は、次に事故が起これば、「想定外」といって言い逃れるに違いない。
 なお、新基準で謳う過酷事故対策は、国際的には(例えば原発を推進するIAEAから)従来より求められてきたものであり、「世界で最も厳しい」とは真っ赤なウソである。日本の原発は完全な安全対策がとられており、過酷事故は起こり得ないと考えていた日本の規制当局が福島事故まで国際的要求を無視していただけである。

.. 2014年09月22日 12:26   No.795005
++ 木原壯林 (小学校中学年)…11回       
(4)「審査基準適合」判断は、電力会社の都合に合わせるデタラメ判断である
 百歩譲って、新審査基準に照らし合わせて、審査することを認めたとしても、この審査結果には、極めて多くの疑問がある。そのことは、多くの人々によって指摘されているから、ここでは、問題となる項目の一部だけを順不同で例示する。
・原発の運用期間中に巨大噴火が生じる可能性について、火山噴火の規模と時期の予測は不可能であると認めながら、モニタリングを実施すれば、噴火を予知でき、原発事故を避け得るかの如く誤魔化している。火山学者は、モニタリングで火山噴火は予測できないと断言している。
・汚染水流出問題が適合性審査の過程で完全に無視され、流出防止対策が要求されていない。
・コンピュータを使った解析が、格納容器の破損や水素爆発に至らないとの根拠に用いられているが、コンピュータ解析の結果は、計算の前提となる条件とデータの質に強く依存する。しかし、現代科学は実証された完全な条件やデータを持ち合わせていない。したがって、解析者の恣意が大きく結果に反映される。
・地震動の想定が過小評価になっている。
・事故時の避難計画について、規制委の審査対象ではないとし、パブコメで修正を求められても完
全に無視している。国民の安全など頭の片隅にもない冷血漢の所業である。。
このような問題点を勘案すると、この審査は、電力会社が譲歩可能な範囲内で決めた条件、すなわち再稼働をさせるための条件への適合検査と言わざるを得ない。

.. 2014年09月22日 12:36   No.795006
++ 木原壯林 (小学校中学年)…12回       
(5)原発が再稼働されれば、福島の復興は遅れ、被曝労働が強化される
 安倍政権の下で進められる投資の拡大とオリンピックの準備で、労働力が都市部に集中し、福島原発被害地では労働力が不足し、人件費や資材の価格が高騰し、土壌の除染や汚染水対策は遅延し、事故収束作業も難航している。一方、福島第一原発敷地や近辺には、放射線レベルが極めて高い場所が随所にあり、労働者不足と相まって、被曝労働の強制が行われている。原発が再稼働すれは、福島の事故収拾にあたれる人員はさらに不足する。とくに、西日本から集まっていた原発関係の作業員や技術者の許容残り線量は少ないため、福島を離れる可能性が高い。このように、原発再稼働は、福島の復興をさらに遅延させる。原発再稼働とそれを推進する規制委審査は許されない。
(6)「審査基準適合」判断は、原発輸出を有利にするためでもある
 原発が格安な発電手段でないこと、安全な原発はないこと、使用済み燃料や放射性廃棄物の安全な処分・保管法がないことは、誰もが気付いている。それでも原発を再稼働させようとするのは、暴利に繋がる原発輸出のためでもある。日本の全原発を廃止したら輸出が困難になるからである。その意味で、規制委は「死の商人」である原発製造関連企業の手先と言われても仕方がない。
(7)再稼働は再事故の準備である。規制委は解散し、全原発廃炉委員会の設置を
 上記のように、規制委は経済に牛耳られて、再稼働を策動するのみで、人間の尊厳や人格権を尊重しようとする態度のかけらも持ち合わせていない。その意味で、人類への敵対者である。「国民の生命、健康および財産の保全に資する」という設置目的は、忘却の彼方である。
再度の大惨事=地獄への扉を開ける再稼働を画策する規制委を徹底糾弾・解散させ、人間の立場に立って、全原発の即時廃炉を安全に進める委員会の設置を要求しよう。
川内原発再稼働は許せない。規制委は「審査基準適合」判断を撤回せよ!
原発再稼働と輸出を推進する安倍政権を打倒しよう!
地元自治体の再稼働同意を阻止しよう!

2014年9月11日        汚染水問題を憂うる京都府民の会
連絡先:木原壯林 〒607-8,466 京都市山科区上花山桜谷40-5

.. 2014年09月22日 12:43   No.795007
++ 温品惇一 (幼稚園生)…1回       
甲状腺がん「過剰診断」キャンペーンをやめ、健康診断を拡大せよ!
 |  福島原発事故で膨大な量の放射能がまき散らされたが
 |  その影響で健康を害していないか調べるのは当然
 |  政府・東電の責任逃れは許されない
 └──── (放射線被ばくを学習する会・共同代表)

○ 子どもの甲状腺がんは非常にまれで、15〜19歳でも10万人当たり0.5人です。ところが福島では6月30日現在、104人が甲状腺がん・疑いと診断されています。10万人当たり35人です。会津地方は10万人当たり20人台なのに、郡山市周辺やいわき市では40人台、二本松市周辺では実に60人台です。放射線被ばくとの関係が考えられます。
 放射性物質の飛散に県境はありません。大気中の浮遊性微粒子の放射能を測定した最近の研究で、福島原発事故初期のプルームにより、これまで言われていたより大量の放射能が県外にも拡散していたこと、シミュレーションにはこれが反映されていないことが分かりました。福島県外の健診も必要です。
○ 甲状腺がん多発に驚いた当局は「検診には不利益もある」「甲状腺がん検診は過剰診断だ」などと言い、何とか甲状腺がん検診をやめようとしています。これは進行の遅い大人の甲状腺がんと、進行の早い子どもの甲状腺がんを一緒くたにした暴論です。
 大人の場合、進行の遅い直径10ミリ未満の甲状腺がんは経過観察でもよいとされまていますが、福島の子どもたちの甲状腺がんは平均14ミリ。微小がんではありません。
 福島県立医大で手術した54例のうち45例(83%)は腫瘍の大きさが10ミリ超、あるいはリンパ節や他の臓器への転移があり、診断基準から見て手術するレベルで、7例は腫瘍が気管に近いなど手術が妥当だったと発表されています。
 福島原発事故によって膨大な量の放射能がまき散らされました。その影響を受けて健康を害していないか、調べるのは当然のことです。政府・東電の責任逃れを許してはなりません。
 詳細は こちら をご覧ください。

.. 2014年10月03日 09:38   No.795008
++ 倉田 謙 (幼稚園生)…1回       
市立小中20校保管の放射汚染除去物を学校敷地内に埋めるな!
| 放射能汚染除去物は東電に引き渡すべき
 └──── (横浜市港北区の損保代理店の爺です)

○横浜市教育委員会は放射性汚染除去物を『それぞれの学校敷地内に埋めるとの方針を明らかにした』と本日の新聞で報じられました。小中学校に埋めることは駄目で,放射能汚染除去物は東電に引き渡すべきと存じます
○また19兆円から25兆円の国費を投入して、福島では未だ放射性物質はジャジャ漏れ、『放射能はコントロール出来ている』と国民や世界の人々に嘘を吐(つ)くのは駄目です。
 原発は地震国に於ける最大のリスクです、もはや『国策では無い』原発を再稼働するのは人格権を損なうとの判例も出ました。将来世代を担う子供達に『大人は何をしていた』と問われることの無いように、また『無知・無関心な国民では無い』と抗議行動をしましょう。
○(東京新聞10月2日より抜粋)
 福島第一原発事故後、横浜市立小中学校20校が保管している放射能汚染を伴う除去物について、市教育委員会は1日の市議会決算特別委員会で、それぞれの学校敷地内の地中に埋める方針を明らかにした。除去物の放射線量が下がった一部の学校は、すでに埋めたという。
 市は、対象物から1センチの距離で毎時0.59マイクロシーベルトの空間線量が測定された場合を、除染などを行う基準(目安)にしている。 (中略)
 質疑で井上さくら氏(無所属)が「空間線量が低くても、放射性物質濃度が高い事例がある」などと指摘したが、岡田優子教育長は「空間線量で影響を把握している」として、除去物そのものは調べない考えを示した。 (後略)


.. 2014年10月14日 16:15   No.795009
++ 山崎久隆 (社長)…476回       
一人一人の被曝量を抑えながら有効な過酷事故対策をおこなうには
 │ 出来るだけ大勢の人員を投入するしかない  (その2)
 │  津波が来なくても海水ポンプは電動機とポンプそのものが
 │  火山灰で機能不全となる
 └──── (たんぽぽ舎)

○撤退は正しい

 命令違反であろうと何であろうと、あの時点でほとんどが第一原発を離れた
のは、吉田所長でなくても全く正しい判断だと思う。ただし、本来は交代の人
員が投入されるべきであるし、もっと機材や燃料や電源などを運び込んでいる
べきであった。しかしそんなものはどこからも来なかった。吉田調書の最も衝
撃的な部分「打つ手なし」「茫然自失」だったのである。
 このような原発事故の対策は一つしかない。それは「人海戦術」だ。一人一
人の被曝量をなるべく低く抑えながら有効な手を打つには、出来るだけ大勢の
人員を投入するしかない。東電の発電所ならば全従業員を交代で投入するしか
方法は無い。日本には原子力災害のための即応部隊など存在しないのだから。
 原子力災害への訓練も覚悟もない国だったことが、3基の炉心崩壊と1基の
破壊をもたらしたが、福島原発事故以後も何ら体制は変わっていない。
 そのような中では、犬死にさせないのならば撤退するほかはなかったのだ。
 問題は、そのような実態が何も変わっていないのに、まだ原発を動かそうと
する人間が存在することだ。もう一度言うが、犬死にさせたくなければメルト
ダウンをしようが爆発しようが、原発の過酷事故を前に撤退しか方法は無い。
 九州電力は、間違っても国や他電力の要員の応援など期待してはならない。
誰も来ないし助けてもくれない。主観的に助けに行きたいメンバーがどこかに
居ても、法律と組織がそれを許さない。だから死にたくなければ撤退するほか
はなくなる。それでも原発を動かすならば、それは単なる自殺行為である。

○火山灰は川内を福島にする

 巨大噴火、破局噴火、カルデラ噴火、川内を襲う火砕流、などなど。川内原
発が直面する危機は繰り返し警告されてきている。

.. 2014年10月27日 11:20   No.795010
++ 山崎久隆 (社長)…477回       
 しかしこれに対して田中規制委員長は「運用期間中には巨大噴火には遭遇し
ない」「モニタリングすれば事前に対策可能」との九州電力の主張をそのまま
受け入れて審査書を交付している。これは新たな安全神話の拡散だ。
 そのうえ川内原発を襲う危機はカルデラ噴火だけではない。
 桜島を始め、川内原発周辺には火山噴火により火山灰が降り注ぐ可能性のあ
る火山が目白押しだ。
 現在噴火中の桜島は勿論、霧島山系の新燃岳や口之永良部島は既にこれまで
に噴火した実績がある。特に桜島は過去三年にわたり毎年1000回も噴火をし続
けている。今年はこれまで500回あまりと、若干減っているが、これもマグマ
が溜まり大規模噴火が迫っているかもしれない。
 100年前の大正噴火の際と同程度の噴火が起きたと仮定し、噴煙が川内原発
に向かったと仮定すると、10センチから15センチほどの降灰になる可能性があ
る。
 これは原発を十分危機的状況にするレベルだ。
 火山灰は3センチ程度で車の通行が出来なくなり、事実上交通を遮断する。
原発への輸送はおろか住民避難も困難を極める。
 この状態で送電網は遮断され、外部電源喪失になる。非常用ディーゼル発電
機は火山灰が吸気口から吸い込まれ、フィルターもすり抜けて止まってしまう
だろう。言うまでもなく全電源喪失、ステーションブラックアウトである。
 これが川内を福島にしてしまう火山灰の脅威だ。津波が来なくても海水ポン
プは電動機とポンプそのものが火山灰で機能不全となる。
 その後何が起きるかは、福島第一原発事故の吉田調書が物語る事実が全てだ。

本質的に何も変わっていない発電所の安全管理では、事故の収束などおぼつか
ない。運が良ければ最悪を回避できる程度だ。
 その確率が最も高い原発を再稼働させる九州電力は、事故と共に破たんする
だろう。その責任は国と規制庁と地元自治体にある。   

.. 2014年10月27日 11:30   No.795011


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