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声明 | 川内原発の「合格」はありえない | 審査書決定に抗議し再稼働を許さず全力で阻止する └────
1.原子力規制委員会は9月10日、川内原発1、2号機の設置許可変更申請書について「審査書」を決定した。パブリックコメントに対して17,819件の意見が集まり、そのほとんどが審査に対して批判的なものと見られるが、決定に際して真摯に検討し、決定に反映されたものは無かった。極めて不当なものである。
2.火山の評価についても、根拠はないままに安全に影響する可能性は小さいなどと結論づけ、新たな安全神話を作ったに過ぎなかった。多くの火山学者は予知、予測そのものを不可能に近いと批判しており、姶良カルデラの火砕流が到達したり周囲の火山の火山灰が降り注ぐことも十分あり得る立地地点についての妥当性は考慮されなかったのは規制委員会の軸足が「規制」ではなく「推進」に置かれたものであることを明確に示した。
3.基準地震動Ssの策定については、どのような根拠があるかさえはっきりせず、単に540ガルを620ガルに引き上げた程度で「規制委員会の要求に従った」と、もはや科学とは無縁の策定方法には呆れるほかはない。「震源を特定しない地震」はマグニチュード7.3クラスの地震さえあり得るとの地震学者の指摘や、既設原発で最大の柏崎刈羽原発の2300ガルが、実際にマグニチュード6.8の地震を経て策定されたことからも、620ガルで十分などと断言できるはずはない。基準地震動を少なくても既往最大の柏崎刈羽を最低限超えるものでなければならない。
4.原子力の「審査」は何のために行うのか。そのことを規制委員会は、繰り返し考える必要がある。東京電力福島第一原発事故により、大勢の人々が被曝し、故郷も仕事も失った。これを繰り返さないためのものではないか。そのためには、事故が起こること、事故から逃げられること、被曝は避けられることを保障しなければならない。ところが規制委員会は防災を審査対象外としている。これが審査を有名無実にした最たるものである。IAEA第五層の防護、すなわち住民を守ることを放棄した規制委員会の「審査書」は無意味である。
5.これはいくつもある手続きのたった一つに過ぎない。むしろこれから、審査書で実施、実現されるとした耐震、対津波、電源喪失対策などの工事認可がある。その内容が妥当なのかどうか、本当にSs620ガルで耐えられる設備になるのか、電源喪失対策はできるのか、そして燃料崩壊、メルトダウン、格納容器破壊を阻止できるのか、厳しく監視しなければならない。
6.重要なのは、立地自治体及び隣接自治体の市民の声を議会や首長に働きかけ、同意をしないように、強く強く働きかけていくことだ。 大飯原発差し止め訴訟は「人格権」が「経済活動」よりも優越する権利であることをはっきりと示した。逃げられない住民の命を危険にさらしてまで行われる「経済活動」にどのような価値があるのかが問われている。 原発が地域活性の唯一の方法などではないし、事故が起きれば地域は破壊され、つながりも崩壊してしまうことは双葉町を始め福島県の現実を見れば明らかだ。
7.全国の力を結集して川内原発の再稼働を止めよう。そして伊方、泊、高浜、柏崎刈羽、日本中の原発の再稼働を止めるためにがんばろう。
.. 2014年09月12日 09:14 No.793003
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