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| 日本人はモンゴル産のウランを買いますか? | そのゴミをモンゴルに引き取らせますか? | 市民による国際連帯運動の拡がりを | −核の廃絶を目指して全9回シリーズ 第4弾−の報告 | 講師:今岡良子さん(大阪大学言語文化研究科准教授) └──── (たんぽぽ舎講座運営委員)
○ 8月2日(土)「スペースたんぽぽ」において、大阪大学准教授・今岡良子さんを迎え、モンゴルで密かに進む核廃棄物処分場建設の計画についての講座をおこないました。 講演は、モンゴルのマルダイ鉱山跡の話から、ドラーン・オール鉱山のILS法による、2700トンのウラン採掘にともなう汚染、水面下で進行する包括的燃料サービス(CFS)構想の危険へと、高く澄んだ声で力強く語られていく。 マルダイ鉱山跡地のボタ山に線量計を近づけると5.8μSV/時を示した、ボタ山の上の線量は24μSV/時と高線量であった。 マルダイ鉱山はロシアの核兵器の原料であるウランを採掘するための鉱山であった。 マルダイ周辺の住宅の中の線量は0.2μSV/時であったが、マルダイから建築資材を運んで建てた家では0.4μSV/時であった。周辺住民は低線量被爆の問題を抱えて生きている。 ○ 仏アレバ系開発会社ゴジェ・ゴビ社が2010年12月から半年にわたり、化学薬品でウランを溶かして吸い上げる方式(ILS法)でドラン・オール鉱山から、2700トンのウランを抽出した。 周辺地域では2012年12月から鉱毒被害により、家畜の異常死や奇形があいついだ、アルタンホヤング首相は専門家の調査をもとに「原因はウランではなく、セレン、銅、アンチモンの可能性がある。」と発表。死んだ家畜はゴジェ・ゴビ社によって証拠隠滅のために焼却された。 ゴジェ・ゴビ社が試験採掘をおこなった、ドルノゴビ県のオラン・バドラフとズーン・バヤンの遊牧民は同社の操業停止と早急で公正な調査を求めて、会社を実力封鎖した。 ○ モンゴル産のウラン燃料を原発導入国に輸出し、使用済み核燃料はモンゴルが引き取る「包括的燃料サービス(CFS)」構想の実現に向けた日本、米国、モンゴル3カ国政府の合意文書原案が2011年7月18日に明らかになった。モンゴルで騒ぎが大きくなったため、モンゴル外務大臣は「現行法ではモンゴル産でない核廃棄物の受け入れは難しい。」と発表、幕引きを計った。 CFSには、鉱山開発、精錬事業、輸送ルートの建設から処分場建設まで巨大な利権が潜んでおり、国際原子力マフィアの最重要テーマであるために、いまでも水面下で進行しており、3・11以降、消えていたウランの文字が外務省のホームページに復活した。
※今回の講座の記事が8月5日(火)の東京新聞に掲載されます。 ◎次回の−核の廃絶を目指して 全9回シリーズ 第5弾−は、 「台湾特別編」台湾第四原発の映画「こんにちは貢寮(コンリャオ)」上映と講演 日 時:8月9日(土)18時〜20時 講 師:陳 威志(たん うぃち)さん 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円(学生400円)
.. 2014年08月08日 12:47 No.773001
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