|
噴火規模の指標として、噴火の大きさ(マグニチュード)を示す火山爆発指数(VEI)があります。噴出量によって0(少ない)〜8(多い)まで分類されています。スマトラ島トバの噴火(7万4000年前)はVEI8(噴出量1000キロ立方m以上)、鬼界カルデラ(7300年前)はVEI7(噴出量100キロ立方m以上)、最近の比較的大きな噴火としてピナツボ火山(フィリピン)の1991年噴火はVEI6(噴出量10キロ立方m以上)、日本でここ数百年の間の大きな噴火の一つは富士山の1707年噴火(宝永噴火)でVEI5(噴出量1キロ立方m以上)、そして樽前山の1739年噴火が近年の日本でVEI5の最後の噴火となっています。 世界的に見ると、大噴火は満遍なくおこっているのですが、日本でだけ近年はポッカリとおこっていません。富士山の宝永噴火の前まではVEI5の噴火も頻繁にあったのですが、以降、突然静かになりました。VEI4の噴火でさえ、20世紀の前半までです。それは100年前の1914年の桜島大正噴火と、1929年の北海道駒ケ岳の噴火で、その後、VEI4は途絶えています。この静かさは異常に思うほどです。 たとえば、インドネシアでは頻繁に大噴火がおこっています。VEI4も5もありましたし、もっと大きなタンボラ1815年(VEI7)、クラカタウ1883年(VEI6)の噴火もありました。それに比べて最近の日本は異常に静かです。このあたりで比較的大きな噴火がおきても不思議でないと想像はできます。 (出典:「科学」2014年1月号)
.. 2014年07月11日 08:27 No.761001
|