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原発賠償和解案−社説 福島県浪江町の住民に原発事故の慰謝料の一律増額を認めた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、東京電力が和解案を拒んだ。東電が早期解決に協力するのは義務だ。和解案に従うべきだ。 和解案は、住民1万5千人の慰謝料増額について、国が賠償指針で定める一人当たり月10万円から5万円増額し、15万円とした。 東電は回答期限を二回延長した末、全面拒否する回答書を、ADRを運営する政府の原子力損害賠償紛争解決センターと町に提出した。 (中略) 何よりも、加害者の東電から和解を決裂させることが認められては、被災者の負担を減らすために設けられた、ADRという早期解決の枠組みが信頼されなくなる。町はセンターに東電が受諾するよう説得を求める上申書を出した。 浪江町のケースが示したのは、国の賠償指針が、被害の実態に見合っていないということだ。 (中略) 事故から3年を過ぎて、当初は予想されていなかった被害が表れている。実態調査や検証を欠かさず、賠償基準の見直しに生かしていくべきだ。 東電は、浪江町の和解案を他の地域の賠償にも反映させていく。それが公平感を保つ、本来のあり方ではないか。) (7月5日 社説より抜粋)
.. 2014年07月07日 11:05 No.759001
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