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◆「原発審査に火山学者が異論」 (5月30日テレビ朝日「報道ステーション」)
○ 鹿児島市吉野町、眼前に桜島。井村隆介・鹿児島大准教授が案内。錦江湾の海底は直系20kmの巨大な窪地。カルデラ噴火の跡。「火砕流は数百度、完全に想像を超える噴火が起こる」。姶良(あいら)カルデラは今も活動中。 井村隆介さんが案内して川内原発から2.8km地点へ。「シラス」と呼ばれる、固いがさらさらした白っぽい土が火砕流の跡。3万年前に姶良カルデラから出た。九州電力は当初、「火砕流の痕跡は川内原発にはない」としていたが、3月19日、火砕流が原発に及ぶ可能性を認めた。 規制委の火山影響評価ガイドでは「(運用期間中の原発に)火砕流到達の可能性がある場合、"立地不適"」とされている。九電が原発敷地内に火砕流が及ぶ可能性を認めた以上、立地不適となると思われたが「運用期間中に噴火する可能性は低い」との九電の主張を規制委が追認してしまった。 井村隆介さんは「新規制基準では、地震の影響は十数万年レベルで検証しているのに、火山では数万年レベルのことすら考慮されていないのはおかしい」と。 ○ 報道ステーションによる火山学者へのアンケート結果(34人が回答)。 「川内原発の運転に影響がない、とした規制委の判断は妥当か?」 → Yes:5人、No:21人、その他:8人。 「巨大カルデラの噴火の前兆を捉えることは可能か?」 → Yes:9人、No:17人、その他:8人。 石原和弘・日本火山学会原子力問題対応委員長「(規制委が)非常に楽天的なのに驚いた。50年100年先にどんな状況になるか見当がつかない。火山の場合、噴火により前兆やプロセス、噴火様式が変わる。海底にあるカルデラ火山の観測はほとんどなされていない」。 藤井敏嗣・火山噴火予知連絡会会長「稼働期間内に噴火があるかどうかの判断すら難しいのに、それがいかにもできるように書いてあるのがまずおかしい。今(火山噴火の)中長期の予知はできない。噴火は規則正しく起きるのではない。過去を調べて統計的に噴火を予測する手法は確立していない」。 ○ テレビ朝日の記者が会見で質問。「藤井火山噴火予知連会長は『姶良カルデラが運用期間中に破局的噴火を起こさないと断言できない。モニタリングでは破局的噴火かどうか兆候は判断できない』と答えているが?」。田中俊一規制委員長「最近の研究ではカルデラ噴火の場合、数十年前頃からマグマが大量に蓄積する。当然、地殻変動とかが検知できる」。 規制委による火山影響評価ガイド作成の際に意見を聞かれた中田節也・東大地震研教授「大きな噴火でも予兆が出ることは間違いないが、数年前にわかるかと言われるとまず"不可能"だろう。モニタリングさえすれば何でも分かるという感じでガイドがまとめられたのは不本意」。 記者の質問に田中委員長は「現時点で火山影響評価ガイドを見直す考えはない」としたが、規制委は巨大カルデラ噴火に関して新たな基準作成のための調査を開始している。しかし、姶良カルデラは過去のデータが少ないなどの理由で調査の対象外! (概要まとめ)
.. 2014年06月05日 11:18 No.744003
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