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■--白石草(はじめ)さんから大切なお知らせ
++ 広瀬 隆 (小学校高学年)…20回          

 白石草(はじめ)さんから、大切なお知らせです。
白石さんが取材した映像「チェルノブイリ.28年目の子どもたち」を今、インターネットで無料配信しています。
 政府は、原発を早期に再稼働したいために、福島の住民を帰還させ、マスメディアを使って「健康被害は起きないキャンペーン」に躍起です。
 「チェルノブイリ.28年目の子どもたち」は、それに対抗するビデオです。
過剰な演出はいっさいない静かな内容で、政府が一番知られたくない現状を記録してきました。
よろしければ、以下をご関係者に広げていただけると幸いです。

以下、拡散をお願いします。  白石
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映像報告「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」
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 今年3月で、福島第一原発事故から3年を迎えた。しかし現在も年間20ミリシーベルトを避難基準に設定したまま、住民の早期帰還策が進められている。
 OurPlanetTVではチェルノブイリ事故後28年経つウクライナへ足を運び、子どもたちの健康状態や学校生活などを取材した。汚染地域の子どもや住民の罹患率が今も上昇する中、医師、教師たちの懸命な努力が続けられている。
映像報告「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」(YouTube版)
DVD「チェルノブイリ・28年目の子どもたち」購入ページ
(1枚2000円で自由に上映会を開催できます。共同購入もお得です)
.. 2014年06月05日 10:43   No.743001

++ 柳田真 (大学院生)…118回       
劣化ウラン兵器禁止市民ネットワーク ニュース100号発刊にあたり
 │ 原子力のゴミが放射能兵器になることをバクロできた。
 │ 放射能(兵器)が生き物にもたらす超危険を警告できた。
 └────(たんぽぽ舎)

1.劣化ウラン兵器禁止市民ネットワークは10年間前の2004年3月に東京文京区民センターを超満員にして結成された。11団体と個人で。目的は2つ。

 イ.新たな被爆者を生み出す放射能兵器・劣化ウラン兵器禁止を目指し、国内外でキャンペーンを行う。
 ロ.劣化ウラン兵器による白血病・ガン等に苦しむイラクの子どもなどへの医療支援。

 2つ目の目的については議論があった。市民団体の力量からみて、やり切れるかどうかと心配の声があった。でも討論の中で、「被害に苦しむ人への支援活動なしでは、運動の意味が半減するというAさんの主張に皆が納得して、キツイけれど、2つの目的でやろうとなった。これは正解だった。今の運動にも当てはまる。

2.主な活動は次のとおり。
 ・定例会―初め月2回、のち月1回。
 ・ニュースの発行―初め月1回、今は2ヵ月に1回。
 ・写真パネル等の貸し出し―豊田直巳氏、西村陽子氏作成
 ・イラクの子どもへの医療支援カンパ
 ・原水爆禁止の大会への参加―8月、広島をメインに参加
 ・集会の開催―劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー(毎年11月上旬)
 ・政府交渉の実施―外務省と防衛省と交渉を実施した。

3.10年間を振り返って

 イ.原子力のゴミ(=劣化ウラン)が放射能兵器になることをバクロできた。
  原子力が核兵器になるだけでなく、放射能兵器にもなって多くの人々を苦しめることを明らかにした。原子力産業が"軍事と一体のもの"であることを明らかにした。
 ロ.放射能(兵器)が生き物にもたらす超危険を多くの人々へ警告できた。
  →廃止をめざす声を広げた。核兵器廃絶を長年訴える原水爆禁止団体の集会で、劣化ウラン弾の被害に苦しむ子どもたちの写真を掲げたときの、その団体幹部から(中高年が多かった)の驚きの反応が今も鮮やかに思出される。

  原子力=核の本質は放射能であることを広めた。これは2011年3・11東電福島原発事故後の運動にも引き継がれ、役立っていることと思う。

 ハ.この運動を通して全国各地の多くの人々と繋がった。それが原発ゼロをめざす今の運動に繋がっている。

.. 2014年06月06日 08:55   No.743002
++ 上岡直見 (幼稚園生)…3回       
.「美味しんぼ」健康被害は規制委資料で証明!
 └──── 環境経済研究所(技術士事務所)

○ たんぽぽ舎メールマガジン[TMM:No2188]の「避難させずに屋内退避を押付けるための「試算」」の記事では、原子力規制委員会が5月28日の会合で「緊急時の被ばく線量及び防護措置の効果の試算(案)」を発表し、100テラベクレルのセシウム137が放出される仮想事故では、UPZ(概ね5〜30km圏)では屋内退避すればIAEA基準(100ミリシーベルト/週)を下回るとして、住民を避難させない方針を打ち出していると指摘された。

原子力規制委員会定例会議  こちら
同「資料2」
  こちら

○ これは、先月末までに全国の原発サイトで出揃った「避難時間シミュレーション」の結果がおよそ実行不可能な机上の空論で、UPZの避難は不可能であると露呈したことと連動した動きであろう。この問題は別に論じるとして、注目すべきは同「試算」こそが「美味しんぼ」で表現された健康被害が「風評」などではなく実害である可能性が極めて高いことを示唆しているという点である。
○ 現実の福島事故で放出された放射性物質の推定量は、国会事故調参考資料4.1-1等にも示されるとおり10000〜15000テラベクレル(2011年3月11日〜17日)である。規制委員会議事録でも「試算」の放出量はセシウム評価で福島事故のおよそ100分の1と述べられていることと一致する。風速・風向や放出期間の設定など試算にも曖昧な点が多いが、およその目安として福島事故で起きたことは「資料2」のグラフを100倍にしてみればよいということである。
 「資料2」でいう「防護措置をしない場合」とは、まさに町民避難の段取りのために屋外を奔走していた井戸川さんのことだ。100倍した被曝量は明確に確定的影響が出現する範囲に相当する。「美味しんぼ」健康被害は規制委資料で証明されたようなものだ

.. 2014年06月09日 11:22   No.743003
++ 山崎久隆 (社長)…422回       
規制委員人事案に見る福島への悪影響
 |  汚染水放出を「推進」する心配
| 田中知教授が入ることで、トリチウム汚染水が大量放出される危機が迫っている。
 └──── (たんぽぽ舎)

○ 2013年8月21日、ある報告書がひっそりと原子力学会から出された。
その内容は『福島第一原発の滞留水循環冷却で発生する汚染水で、課題となっているトリチウム処理に関する対応策』というものだが、原子力学会が出すからとても画期的と思いきや、『海洋希釈放出が「現実的」』などと陳腐なものだった。あまりニュースにもなりそうにはないのだが、これをまとめたのが『日本原子力学会・福島発電所事故調査委員会』で、その委員長が田中知・東京大学教授だ。
 現在、汚染推対策については規制庁も東電の打ち出す方式に問題が無いとはしていない。特に凍土方式遮水壁については、着工を「黙認」はしているが、いわゆる「認可」しているわけではないという中途半端な状態だ。
 20数項目にわたる質問を出して、一定の回答はあったものの、信頼性が確保できるかなど課題はまだ多いと見ているようだ。
○その中心にいるのが更田委員だが、田中知教授が入ることで、トリチウム汚染水が大量放出される危機が迫っている。
 もともと規制委員会も「基準以内の水は放出してもかまわない」というスタンスではある。しかし「本当に基準内であるのか、もし基準を超える放出が起きそうな事態になったらどうやって止めるのか」という安全対策に重大な欠陥がある福島現地の状態が、簡単に放出を認められない事情があった。
 定期的に起きているようなタンクからの汚染水漏れ、大雨が降ったら簡単に決壊する堰、今も3年前の原発汚染水が溜まっているトレンチが何時破損するか分からない4m盤の惨状、こういったこと一つ一つをとっても、基準内であることを「担保不能」な現場の実態を知るにつけ、「基準以内の水」であると確認する術があるのかどうか不安になるのは当然である。

.. 2014年06月11日 08:45   No.743004
++ 山崎久隆 (社長)…423回       
 しかし新しい規制委員は、おそらくそんなこと知ったことではないのだろう。
自ら主張してきた「基準に達しない水」は、東電に対して「排出せよ」と言い出すに違いない。
○この場合、トリチウムの排水法定基準は「1リットルあたり6万ベクレル」である。
 しかし東電は、これを十分達成するための「安全率」的な下駄を履かせ、「1リットルあたり1500ベクレル」と四十分の一の自主基準を設けた。これに基づき地下水バイパスは5月21日から反対の声を押し切って実施されているが、田中委員は、これにどのような意見を出していくかが大きな問題だ。
○そして東電の汚染水対策のうち、もう一つ重要な設備の再開がある。
 それは「サブドレン再稼働」である。
 1〜4号機周辺には約60本の井戸が掘られており、3.11以前にはフル稼働で日量850トンの地下水を汲み上げて放出していた。しかし地震と津波で壊滅的打撃を受け、今に至るも稼働不能状態である。この井戸が動かないため、原発周辺の地下水は、以前は地上から12m以上の深さ(おおむね原子炉建屋基礎板付近)に止まっていたのに、今では地表に溢れんばかりになっている。
 この地下水を食い止めるために凍土方式遮水壁が建設されているのだが、サブドレンが働くことで、さらに地下水を下げることが出来、建屋内部の汚染水を抜く作業に着手できるという計画だ。
○問題は、その地下水をどうするのかであるが、原発から数百メートル離れた上流部分で汲み上げているパイパス地下水と異なり、原発の間際で汲み上げれば当然原子炉建屋やタービン建屋内の汚染水も吸い出すことになる。この中には高濃度の放射能を含むと考えられるが、セシウムなどは現在建設中の処理建屋で取り除く計画だ。ALPS2号のような設備なのだろうと思われる。
 しかしトリチウムは除けない。そのため、現在のところ東電はサブドレン水をどうするかを「未定」としている。だがタンクの増設計画を見る限り「サブドレン水用タンク」が建設されるようには見て取れない。
 結局またしても、汚染水の海洋放出になってしまうのではないかと強く危惧するが、それを後押ししそうなのが、新たに委員に就任しそうな田中知である。
 福島第一の今後にとっても、とんでもない人事案になっているのではないだろうか。

.. 2014年06月11日 09:04   No.743005
++ 石垣敏夫 (小学校低学年)…7回       
除染土は全国にある東電の土地に引き取らせましょう。
 |  除染土:石原環境大臣が「最後は金目でしょ」中間貯蔵施設巡り
 └────  (さいたま市)
みなさん
 除染土は全国にある東電の土地に引き取らせましょう。
 使用済み核燃料は当面、各電力会社の土地に保管させましょう。それしか方法がありません。
 青森県六ヶ所村も常に危険な状態です。
どこの住民でも危険な除染土、廃棄物など引き受けられません。
 全ての原発再稼動中止宣言が出されたとき、保管場所を日本国民・市民は考えなければなりません。
なぜなら、「原発安全神話」に騙されていた国民・市民も責任の一端があるからです。
 現在、除染土を引き取らず、再稼動申請をしている、東電とそれを認めようとしている現政府は大犯罪者です。
                  
以下転載
  石原環境大臣「最後は金目でしょ」中間貯蔵施設巡り
  テレ朝 14年6月16日(月) 17時25分
  こちら
 中間貯蔵施設の建設を巡り、石原環境大臣が「最後は金目でしょ」と発言しました。
 福島第一原発の事故で汚染された土壌などを保管する中間貯蔵施設の建設で、住民説明会が15日に終わったことを受け、石原大臣らが菅官房長官に報告しました。
 報告後、石原大臣は「最後は金目でしょ」と記者団に述べ、地元への補償などで建設に理解を求める考えを示唆しました。
 菅官房長官:「中間貯蔵にかかる様々な話が出たことは事実だが、個別具体的な内容は控えたい」
 政府は、地元の同意を得て中間貯蔵施設の建設を急ぎたい考えですが、石原大臣の発言が地元の反発を招く可能性もあります。

.. 2014年06月19日 07:56   No.743006
++ 小若順一 (小学校低学年)…5回       
放射線科学−3つのまちがい
 |  6月10日に「スペースたんぽぽ」で行われた「子どもの痛みをなくす
 |  調査プロジェクト」第5回報告会での講演内容を紹介
 └──── (食品と暮らしの安全基金代表) 

○「放射線科学―3つの間違い」

 私は昨年までのウクライナ現地調査で、「非汚染地域」でも頭痛が出ていることを発見していた。
7割以上の子どもに頭痛が出ている村の食事は1.1ベクレル/kgだった。
この村に昨年5月、化学肥料を提供して、食事中のセシウム137を減らし、今年2月に再び、自覚症状を調べると、化学肥料を使った家庭では頭痛が減っており、使っていない家庭は頭痛が減っていなかった。
 したがって、1.1ベクレル/kgの食事で頭痛が出ていたことが確認された。
 それより線量の高い食事では、足痛、めまいも出ていたことが確認できた。
 関東地方の土壌中の放射性セシウムは、100−1000ベクレル/kgだが、自覚症状を調査しているウクライナの村の土壌は、7―8ベクレル/kg。
 日本の方がはるかに汚染度が高いから、岩手から関東までは、さまざまな自覚症状がすでに出ているのに、気づいていないと考えられる。
○驚くほど低い汚染で、さまざまな症状が出ていたから、放射線の科学が、次の3点で間違っていたことがわかった。
(1) 放射線の危険性は、ガン死を調べて評価しているのに、「健康影響なし」と表現するのは間違っている。ガン死が確実に出ているかどうかの論争では、ガン死しかわからない。
(2) 食品汚染のシーベルト計算は間違っている。
臓器と細胞を「均一」として、内部被曝の影響を計算する。しかし、ボトルに入った清涼飲料のように、臓器や細胞の中身が均一になっているわけがない。
(3) 内部被曝した放射能が、遺伝子からどの距離にあるかを無視している。放射線(ガンマー線)が当たる確率は、遺伝子からの距離の2乗に反比例して小さくなる。
 遺伝子DNAの「糸」は直径2nm(10億分の2m)で、細胞の直径は、その数万倍。
 遺伝子の内部や、遺伝子が巻き付いたヒストンというタンパクから出る放射線と、
 隣の細胞から出た放射線が、遺伝子に当たる確率を模式化すると、1万×1万→1億分の1。
 隣の細胞から出た放射線ですら、遺伝子に当たる確率は、外部被曝と大差なくなる。重要なことは、細胞内のどこに放射能があるかだ。
○この3つが間違っているから、「50歳以上の人は、基準以下の汚染食品を食べても影響はない」という常識も間違っていた。
 やっと歩けている老人が、放射線で筋肉を傷けられると、歩けなくなる。脳も同様で、記憶力が悪くなっているのに、脳細胞が多く傷つくと、認知症のような症状が出る。
 忘れることでミスが増えるので、気分が落ち込み、鬱状態から鬱病にもなる。
 食品による内部被曝を間違って計算しているから、安全なはずの基準の、その1万分の1で、7割の子どもに頭痛が出ていたわけだ。

.. 2014年06月25日 08:51   No.743007
++ 山田昌郎 (小学校低学年)…5回       
.「サクラと環境・原発の調査集」第11集が完成
 |  サクラ調査の最大の意義は専門家にお任せせずに自らデータを
 |  収集するという主体的な姿勢にある
 └──── (サクラ調査データ集計担当 2014年8月記)

 はじめに
  たんぽぽ舎サクラ調査は2004年に始まり、今回で11回目となりました。調査結果は、1〜9回目までは印刷物(パンフレット)として、10回目からはホームページ上で公開しています。今年も南は宮崎から北は北海道まで,多くの参加者による調査結果が寄せられましたので、昨年と同様にホームページ上で公開いたします。
 今年は日本全国原発稼働ゼロで夏を越しつつあり、各種世論調査では再稼働反対の意見が多数を占め、5月には福井地裁で大飯原発運転差し止め判決が出るなど、うれしい方向性が見られる反面、民意と憲法を無視する政権が原発再稼働と軍国化への動きを加速させています。憲法99条で公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負うと規定されているのに、よりによって公務員のトップが憲法を事実上破壊して、辞職もせずにいるというのは異常な状況ではないでしょうか。
 こうした状況に至ったのは、主権者である国民による政権の監視が甘かった、いわゆるお任せ民主主義であったことも一因としてあるでしょう。サクラ調査の最大の意義は、専門家にお任せせずに自らデータを収集するという主体的な姿勢にあると思います。
 この報告集に目を通されて、来年新たにサクラ調査を始めてみようかとお思いになる方がいらっしゃれば、データ集計担当者として望外の幸いに存じます。

.. 2014年08月19日 08:48   No.743008
++ 山崎久隆 (社長)…457回       
汚染水問題はまだまだ続くが 夏の電力需給問題もまだ続く?
 |  産経新聞の記事を見て 東西連携(電力の広域融通)をする気が
 |  ない国と電力会社−その無責任さ
 └──── (たんぽぽ舎)

  産経新聞に興味深い記事が載ったので、紹介がてら実態を述べてみたい。そもそも「東西連携をする気が無い国と電力会社」である。
 8月3日「原発ゼロの夏、西日本への電力融通に「絶対に止められない」周波数変換所」という記事が掲載された。一見、書いていることにウソはないし、もっともな話だと誰もが思うだろう。しかし「書かれてないこと」に大きな意味があることもある。そして一番「もっともな話」と思っていないのは電力会社の経営陣だ。

○広域融通

  今年の夏は東日本から九電と関電に向けて広域融通を計画していることに関して、記事は次のように記述する。
 『電源周波数は東日本が50ヘルツ、西日本が60ヘルツと異なっており、電力の融通には周波数変換所の存在が不可欠だ。静岡、長野両県の3変換所では「絶対に止められない」として、これまでにない緊張感を持って融通の指令を待っている。』
 『東日本大震災後初めて「原発稼働ゼロ」となる今夏、関西電力と九州電力が今月の電力ピーク時に東日本から計58万kwの電力の融通を受ける。』
 間違いではないけれど違和感を感じる。
 緊張感というが、今年初めてのこと?と疑問が湧くのが普通だろう。昨年動いた原発は関電の大飯原発276万kwだけだから、逼迫というのならば去年も同じ。
 むしろ2011年から3年以上も経過して、どうして連系設備が原発1基分程度しかないかを考える必要がある。さらに120万kwの設備を通じて行う連系が「58万kw」というのも中途半場だ。
 なお、8月28日までの間に連系所を通して東から西に融通した電気はない。


.. 2014年09月02日 10:09   No.743009
++ 山崎久隆 (社長)…458回       
○普段は使わない設備

  『静岡市清水区にある中部電力東清水変電所は、平成18年に周波数変換設備を設置し、現在の変換能力は30万kw。「光サイリスタ」と呼ばれる半導体で交流電気をいったん直流に変換し、周波数を変換する。今回の融通では、前例がないほど設備をフル稼働させることになる。青島清和所長は「少しのミスで、西への電力供給が途絶えてしまう。プレッシャーは非常に大きい」と話す。』
 「前例がないほど設備をフル稼働」という短い記述に、その秘密が凝縮されている。
 この設備、普段はほとんど使われていないようだ。
 東京電力と中部電力の間に位置する変換所は、東日本と西日本の間の変換とは言え、設備は東電・中電間なので、この両者で整備されてきた。言うまでもなく利用率の非常に低い設備を何百億円も掛けて整備しろといっても普通はしない。
仮にその設備が緊急時に重要なものであったとしても。変換所そのものは中部電力の変電所に設置されているが、ここまで敷設する送電線は両電力が敷設する。
 東京電力にしてみれば、需要家のいない中部電力への送電線をわざわざ資金を投じて新設するわけだから、完全な持ち出しになる。中部電力側は自前の変電所に設備を設けるだけだから経費は東電よりも少なくて済む。
 震災時に東日本への救援の一環として、西側から電力を送ったが、変換所3箇所の能力は予定の120万ではなく103万しかなかった。最大能力を発揮できなかった理由は、東電側の送電線建設が遅れていたからだった。
 このような施設は国が設置して電力会社に保守委託をするべきものだっただろう。とりわけ電力と言った極めて高い公共性を有するものなのだから。
 国も電力もそのような考えを持っていなかったため、整備は遅れに遅れ、震災時には103万kwしか出来ていなかったのだ。
 この時もフル稼働したかというと、実際にはわずかな期間使われただけで、夏のピークも含めて大きな役割を果たしてはいない。
 現在は震災時と逆に、東から西に送るための設備となっている。
 既に東日本では火力の増設等で必要な電力設備の整備は出来ており、夏・冬のピーク時でも変換所を通しての電力融通は必要ない。
 むしろ電力設備に占める原発の比率が40〜50%もあった九州関西電力エリアに不足する可能性が出てきたので、東から西に救援が必要になるというわけだ。
一体今まで関電も九電も何をしていたのかと、批判すべきことではないか。


.. 2014年09月02日 10:17   No.743010
++ 山崎久隆 (社長)…459回       
○変換所火災事故になぜ触れない

  『原発への依存度が高い関電と九電は今夏、東電からの融通分も含めて、ようやく「予備率」(最大需要に対する供給余力)3%を確保。厳しい状況の中で、各変換所の安定稼働を心から願っている。』
 『こうした西日本の思いに対し、「震災の際の恩返しだ」と話すのは、60万kwの変換能力を持つ東京電力新信濃変電所(長野県朝日村)の中村牧雄所長だ。
2011年の東日本大震災後、電力不足に陥った東日本に、約2カ月間、西日本から電力を融通してもらった経緯がある。』
 『同変電所では、毎日の定期巡視に加え、保守・工事担当者も隔週での特別巡視を実施。中村所長は「五感を研ぎ澄まし、異常が起こる前に予兆をとらえたい」と話した。』
 一つ一つの変換所を紹介しながら、東西連系について記述しているのだが、この変換所には大変な事件が起きていたことを「スルー」している。後段の「特別巡視」の持つ意味が、その事件をスルーしているため分からなくなっている。
 昨年の8月3日、まさしく需要のピーク、「少しのミスで電力供給が途絶えてしまう。プレッシャーは非常に大きい」変換所で火災事故が発生した。その事故が起きたのは新信濃変電所にある変換設備そのものだった。30万kwの設備が2基とも、コンデンサの火災で停止し、復旧に数日かかっている。
 このときも変換所は使用されていなかったので、西側も東側も電力不足には陥らず、何の問題も起きなかったが、仮に稼働中の60万が落ちていれば広域停電もあり得たであろう。そのような「前例」があったからこその「特別巡視」なのだ。


.. 2014年09月02日 11:57   No.743011
++ 山崎久隆 (社長)…460回       
○老朽火力にいつまで頼る?

  『西日本では老朽化した火力発電所のフル稼働が続いており、トラブルでさらなる融通が必要になる可能性もある。そうした事態のため、30万kwの変換能力を持つ電源開発佐久間周波数変換所(浜松市天竜区)も万全の態勢で待機。変換所を統括する佐久間電力所の坪田吉和所長(55)は「今はギアをニュートラルに入れた状態。すぐにでも走れます」と表情を引き締めていた。』
 震災から3年半、東電と東北電は被災した原発に変わる設備として、ガスタービン火力を増強した。川崎、千葉、鹿島火力などでコンバインドサイクルという、ガスの燃焼熱を再利用する設備が付けられ、熱効率を引き上げた。既に震災前に匹敵する規模の設備を、原発無しで整備した。
 被災していない関西や九州も、その段階で原発から火力へとシフトしていれば、十分まかなえる設備容量になっていただろう。しかしそうはしなかった。理由はいくつもあるが、一番大きいのは、火力を自前で増強しなくても広域融通で十分まかなえることを知っていたからだ。九電、関電以外の電力会社は原発が全部止まっても十分まかなえる設備を有しているが、さらに両方の電力会社に合計300万kwは融通できるほどの設備を有している。
 それでも足りないならば、東西融通つまり変換所を通して120万kwを送ることが出来る。合わせて420万の電力間連系は、北海道、四国、北陸のピーク時に匹敵する規模である。

○設備投資の失敗

  国や電力会社は老朽火力の危険性を繰り返し強調する。しかし現実に起きている広域停電の原因は全て自然災害である。
 台風や竜巻、土砂崩れのような災害で送電系統が破壊されて停電になることに誰も疑問に思わないのかも知れないが、それだって設備があまりに脆弱に過ぎると思われるものもずいぶんある。
 都市部ならば電線地中化や多重な回線システムを整備すれば、土砂崩れの被災家屋以外には直ちに電力を供給することも出来るし、風害はほぼ無くせる。それをしていないから、何日経っても電気が復旧しない。他に代替がない水道やガスとは事情が異なる。
 老朽火力を無理矢理動かして故障したため停電する(実際にあるとは思えないが仮にあったとしても)事態と、自然災害により長期にわたり広域停電することとは設備の脆弱性という観点からは変わりはない。ところが火力の故障については「電力の供給義務違反になりかねない」として、「絶対に避けるべきだ→原発が動かないのが原因」という図式が推進側の頭の中にはできあがり、これを国民に平気で押しつけるのだが、「天災で停電→それはしょうがない」といった図式もいつのまにか私たちにも刷り込まれている。
 電力網も「供給契約」を履行するためにあるのだから、災害に強く施工する義務がある。方法が無いわけでもなんでもなく、単なる先送りで災害時の停電が頻発するのだから、これだって立派な供給義務違反だ。
 実際には起きてもいない「老朽火力の故障」を口実とした供給危機キャンペーンは、裏返せば電力会社の設備への投資失敗を隠ぺいする悪質なデマといって良い。

.. 2014年09月02日 12:06   No.743012


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