|
電力、値上げで大口顧客流出進む 13年度1万4400件
原発を保有する電力会社9社と契約を打ち切った企業や自治体が2013年度1万4400件に上ることが13日、分かった。12年度より約7割増加しており、電気料金の値上げで顧客の流出が加速している。 大部分が特定規模電気事業者(新電力)に契約を切り替えたもようだ。国が進める電力改革で、16年には家庭向け市場も全面自由化される計画。顧客流出がさらに進めば、電力会社の経営に大きな打撃となる。 各社によると、13年度に契約解除が最も多かったのは東京電力で約8450件。12年度から約2割増えた。自由化対象の3・8%に当たる数だ。14年度に入っても4月1日だけで約1300件の打ち切りがあった。最大市場の首都圏での競争激化に加え、原発事故による東電離れもある。 東京都は新電力との契約を昨年10月時点で半年前の10倍の約300施設まで増やした。都立高校が中心で、都の担当者は「東電から供給を受けるより年間2億円近くコストが削減できる」と話す。 東電以外では、関西電力が12年度比49倍の2987件、九州電力も約7倍の1095件と流出件数が大幅に増えた。両社とも13年4月に抜本値上げをしたことが影響したとみられる。 13年度中に値上げしなかった中部電力は流出件数が半減し、約500件だった。ただ企業向けを値上げしたことし4月1日は当日だけで約300件の契約解除があり、今後も増える可能性がある。 原子力規制委員会は九電川内原発を優先審査中で、夏にも終了が見込まれるが、再稼働の見通しは立っていない。その他の原発は審査自体になお相当時間がかかることが想定される。各社とも値下げは当面難しく、顧客流出を食い止める手だてが見当たらない状況だ。(5月15日より)
.. 2014年05月16日 10:25 No.733002
|