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苦渋 被ばく自力検査 福島県外は国費対象外 国、負担増恐れ?難色 首都圏で広がる動き
東京電力福島第一原発事故を受け、福島県以外の地域で、住民団体が被ばく検査を自主的に実施したり、自治体が支援したりする動きが広がっている。背景には、首都圏などでも局所的に空間放射線量が高い地域があるのに、福島県のように国費で被ばく検査する制度がないので自助努力せざるを得ないという、苦渋の現実がある。 首都圏の母親や常総生協(茨城県守谷市)が、昨年九月「関東子ども健康調査支援基金」を設立。三百万円を出し合ってエコー検査機を購入し、茨城、千葉両県の公民館などで毎月、子どもの甲状腺検査を続けている。医師三人がボランティアで活動を支える。 受検者から千円のカンパをもらうが、「郊外の会場でも、定員がすぐに埋まってしまう」と荻(おぎ)三枝子共同代表(60)。三月までに計八百十六人が受検した。 首都圏では、栃木県那須町寄居や那須塩原市関谷などの地区で、空間放射線量が今年に入ってからも毎時〇・三〇〜〇・四〇マイクロシーベルト(国の除染目標は〇・二三マイクロシーベルト)を観測。福島県並みの高線量地域が残されている。基金は今後、栃木など他都県でも検査していく予定だ。 自治体も独自の予算で、住民が病院などで検査を受ける費用を助成している。 栃木県那須町は、十八歳以下の甲状腺検査費を全額助成。茨城県ではつくば市や常総市などが三千円を上限に助成している。千葉県内では初めて松戸市が、近く同額の助成を始める。 福島県内では国の補助により、原発事故当時十八歳以下だった住民はだれでも無料で甲状腺検査を受けられる。補助がない首都圏では、民間や自治体が自助努力を強いられるわけだ。(中略) 千葉県の九市長が昨年十月、子どもと妊婦に福島県と同内容の健康管理を保障するよう復興庁に求めたが、国は応じていない。 沢田昭二・名古屋大名誉教授は「国は検査費が膨大になることを恐れているのかもしれない」と指摘。「微量な放射線でも障害が現れる人もいる。原発事故に責任がない自治体やボランティアが検査をやらざるを得ない現状は、国の責任の放棄だ」と憤る。(後略)(4月22日朝刊より抜粋)
.. 2014年04月23日 12:31 No.722004
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