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原発事故が起これば、琵琶湖の水は汚染され、関西経済は破綻する | 大飯原発差し止め訴訟1月22日(水)福井地裁・第6回口頭弁論(上) └──── 原告(大阪)
私は大阪府高槻市にすんでいる原告団の一人で水戸喜世子と言います。大学では物理学を専攻しました。教壇に立つ時期もありましたが、おおむね、主婦をしてまいりました。 私の家からまっすぐ北に向かって直線を引くと、大飯原発にぶつかります。直線距離にして80キロメートルに位置しています。なんと大飯原発と福井市の距離も80キロメートルですから、まぎれもない地元であると認識しています。 琵琶湖の恩恵にあずかる大阪府民として、私の抱えている不安を述べたいと思います。
◆汚染されたら復元には100年かかる
お配りした地図が、琵琶湖と原発の位置関係です。北側に野坂、北東側に伊吹、東南側に鈴鹿、西側に比良と1,000メートル前後の山系が琵琶湖の周りをゆったりと取り囲んで、ここから流れる雨水が120余りの河川となって琵琶湖に注ぎ込んでいます。この河川の水こそが琵琶湖の水源であり、それは瀬田川となり、やがて宇治川、淀川と名前を変えて、京阪神1,450万人の生活を潤してくれています。この周りを取り囲む山々が汚染されたらどうなるか、それに対して40年にわたり環境中の放射線測定をしている京都大学原子核工学の河野益近さんは、「山に人が入り、手を入れて枝を茂らせ、落ち葉を幾重にも重ねて地表を覆う努力をしても、復元するには100年かかる」と言っています。(詳しくは気仙沼上流を調査した「海洋と生物」209号の論文をご覧ください)。 その汚染された山から流れ込んだ川の汚染物質の行き着く先について、(当時)京大防災研山敷准教授〈水環境工学〉の調査結果をお話しします。江戸川、荒川の上流から関東平野を貫いて流れ着いた東京湾の河口に、長期にわたってホットスポットが作られることを、観測を通じて突き止められました。その報告の内容は、別紙でご覧になってください。 河野さんの調査を裏付ける発言として、ベラルーシに定期的に通って、診察活動をしておられる鎌田実医師が、次のような記事を書いておられました。「チェルノブイリでは今でも多くの消防士が森の火災を警戒して常駐している」と。これは言うまでもなく、森が27年たった今も、多くの放射能を抱え込んでいることを示しています。火事になったら、環境中に放射能をまき散らすことになり、森を除染することは不可能であることを示しています。 多くの専門家は、琵琶湖の湖底に沈むのは、砂ではなく、粘土質なので、一度、事故が起こり、琵琶湖に放射性物質が流れてきたら湖底の粘土にとじこめられて、かなり長い間保持されることになるだろうと予測しています。 (次号「中」につづく)
.. 2014年04月16日 08:24 No.719002
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