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この決め方はおかしい 毎日社説 原子力政策 国民の意見を聞け 日本の原子力政策の基本方針は半世紀以上、国の原子力委員会が策定してきた。以前は「長期計画」、最近は「原子力政策大綱」として、ほぼ5年ごとに見直されてきた。 福島第一原発の過酷事故後、原子力委の在り方を見直している国の有識者会議は、この「大綱」を廃止することで大筋合意した。今後は、経済産業省が検討中の国のエネルギー基本計画の中に盛り込まれることになる。 原子力政策は国のエネルギー政策全体の中に位置づけるべきで、その点では合理的だろう。ただし、ここには大きな問題が残されている。このままだと原子力政策が経産省主導で決定されることだ。原発推進の組織に政策決定をゆだねてしまうとすれば、事故の教訓が生かされない。(中略) ところが、安倍政権はエネ・環会議を廃止し、「原発ゼロ」を白紙に戻した上で、脱原発派の多くを排除した経産省の審議会で年内に基本計画をまとめようとしている。ここでは推進派の声が強く、事故を経て原子力政策のどこがどう変わるのかが見えてこない。(中略) あたかも、原発事故などなかったかのような議論に驚く。 加えて問題なのは、国民の声がどう反映されているのかがわからないことだ。原発事故の反省のひとつは、排他的な原子力ムラの中で物事を決定したことだ。にもかかわらず、メンバーの選定基準さえ不透明な審議会方式による政策決定の方式が変わらなければ、また同じ過ちを繰り返すことになる。(中略) 国民は原発政策を安倍政権に白紙委任したわけではない。国民の意見を取り入れた透明性の高い決め方でエネルギー政策を見直すべきだ。 (11月4日 より抜粋)
.. 2013年11月17日 09:26 No.651001
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