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「瀬戸内海に津波は来ない」として四国電力は津波対策を | 一切、とってこなかった | 伊方原発の敷地内には原子炉直下に断層があると明記されている 今年7月8日に、原子力規制委員会の「原発の新規制基準」なるものが施行され、四国電力はただちに伊方原発3号機の再稼働を申請した。その後の報道を見ると、どの新聞も、伊方原発には活断層がないので、最も早く再稼働のゴーサインが出されそうだ、といった調子で報じている。「伊方原発に活断層がない」などと、一体何を根拠に報道界がデタラメを記事にするのだろうか。まったく信じがたい報道界の知識水準である。 2012年9月4日に愛媛県伊方原発環境安全管理委員会・技術専門部会で、四国電力が公表した「伊方発電所の安全対策の実施状況などについて」には、伊方原発の敷地内には、原子炉直下に断層があると明記されているのだ。四国電力は、これを勝手に「活断層ではない」と断定している。原子力規制委員会も、これをまったく調査していないのである。なぜ大飯原発のように掘って調査しないのか。 事実は、以下の通りである。 「瀬戸内海に津波は来ない」として、これまで四国電力は一切、津波対策をとってこなかった。 ところが過去には、山のように瀬戸内海での津波記録がある。 第一に、2011年12月25日に、NHK・Eテレでようやく、高知大学の地質学者・岡村眞教授がおこなった重大な調査結果が放映された。それによれば、東海・東南海・南海の三連動超巨大地震が目前に迫っている。岡村教授が2004年に大分県佐伯市(さいきし)米水津(よのうづ)の龍神池の調査に入った。津波の周期的な襲来の痕跡を示す砂層が8つ発見され、周期は最短で300年だった。1707年の宝永南海地震から300年後は2007年、すなわち現在になる。岡村教授の音波探査による調査では、6200年前、4000年前、2000年前に地震が起こって、ほぼ2000年周期で地震が起きていたことが明らかになり、前回の地震からすでに2000年経っているため、最大1000ガルの揺れが予測される巨大地震が目の前に迫っている。「伊予灘の活断層は、過去1万年間に活動しておらず、大地震発生の危険度は低い」としてきた四国電力の調査は、一体何だったのか! 第二に、887年の仁和南海地震では、大阪湾に大津波の記録がある。 第三に、1596年9月4日(文禄5年)、大分県別府湾でM7級の海底地震が発生し、津波が押し寄せ、瓜生島が一夜で水没した。同日、伊予地震のため伊予郡保免村(愛媛県松山市保免)の薬師寺の本堂や仁王門が崩壊し、周布郡北条村(愛媛県西条市北条)の鶴岡八幡宮が転倒し、翌9月5日に伏見でマグニチュード8近い大地震が起こり、豊臣秀吉の伏見城天守閣が崩落し、城内で数百人が死亡した。これは阪神大震災と同じ断層系の有馬・高槻断層系の活動によると推定される。西条市の幸の木遺跡では、これを裏付けるように、12世紀以降の液状化跡が発見されている。これらの事実を付き合わせると、1596年9月には、慶長別府湾地震(豊後地震)で動いた別府湾と、慶長伊予地震で動いた四国の中央構造線と、慶長伏見地震で有馬高槻構造線が動いた伏見の断層が、400キロメートルという長大な範囲にわたってほぼ同時に動いた巨大地震だった可能性が高い。
.. 2013年10月23日 11:23 No.633001
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