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◆「津波予見できた」 送迎バスで園児死亡 仙台地裁 園に賠償命令
東日本大震災の津波に私立日和(ひより)幼稚園(宮城県石巻市)の送迎バスが巻き込まれ、園児5人と女性職員が死亡した事故で、仙台地裁は17日、津波に関する情報収集を怠ったとして園長の過失を認め、園側に損害賠償を命じた。同震災の避難を巡り、学校や勤務先などの管理者の安全配慮義務違反を認定した初の司法判断で、原告側は「画期的」と評価。長女の愛梨ちゃん(当時6歳)を亡くした佐藤美香さん(38)は「これでやっと、娘に良い報告ができる」と語った。 震災犠牲者の遺族らが、学校や勤務先など管理者の安全配慮義務違反を主張し、賠償を求めた少なくとも9件の訴訟で初の判決。損害賠償請求の時効(3年)を迎える来春を前に、同種訴訟を検討している遺族らにも大きな影響を与えそうだ。 訴訟では、犠牲になった4園児の遺族が計2億6680万円の損害賠償を求めていた。(中略) 判決で、斉木教朗裁判長は過去の地震・津波被害の報道などを踏まえ「たとえ1000年に1度の大地震発生を予想しえなかったとしても、約3分続いた地震を実際に体感したのだから、津波に関する情報を収集する注意義務があった」と判断。園側に対し、計1億7660万円を支払うよう命じた。(中略) 送迎バス出発時には既に、大津波警報発令と高台避難が呼びかけられており「バスの走行ルートは、海岸から200〜600メートル、海抜0〜3メートル程度の低地帯だったから、津波被害は予見できた。情報収集義務を果たしていればバスを発車させることはなく、園児死亡との因果関係がある」と結論づけた。(後略) (9月18日より抜粋)
.. 2013年09月22日 09:37 No.614002
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