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本日、私と同じ大腸ガン体験者などの会員で組織する機関誌が送られて来て、埼玉県支部の機関誌に私の体験談が載りました。 団体の名前は「日本オストミー協会」と言い、「オストミー(Ostomy)」とは吻合術の意を表わす語で、具体的にはストーマ造設術のこと、転じて「造設されたストーマ(人工肛門 人工膀胱)」を意味すると言います。 支部に入会すると(年会費4000円)、全国紙の会報も同時に送付されて来ます。現在、埼玉支部には350名ほどが入会しており、全国では1万1000名の会員がいると言います。それだけ大腸ガン、膀胱ガンの施術者が多いということですが、人数が多いことは決して喜ばしいことではない反面、有り難い面もあります。 実は今回、私は辛かった入院生活を主に書いたのですが、退院後すぐに行き始めた日帰り天然温泉(隣接の大宮市)に通い詰めて1ヶ月半後、湯上り直後に経営者がやってきて、「実はお客さんからクレームがあったので、以後のご利用を遠慮願いたい」との申し入れがありました。 私にとっては全く「青天の霹靂」で、その場で反論したかったのですが、その気持ちをグッと抑えて、申し入れに従うことにしました。なぜなら、いくら「見栄え」の論争を個人でやっても不毛と思ったからです。人工肛門者は入湯の際、袋を折りたたんで肌色の防水シートを貼って入るわけですが、そうした姿に「オヤ、変わった姿だな」と目を向ける人は100人に2人か3人程度です。その人達も「ああ、この人は手術を受けて療養に来たんだな」とすぐ納得するわけですが、もちろん中には「あんな人達を温泉に入れるべきではない」と考える人がいても不思議ではありません。 温泉に長く浸かっていると、ガスが出てきて袋が大きく膨らむことがあります。そうした場合、ペチャンコの時より確かに目立ちます。この申し入れがあった日は、そうした「稀のケース」の日だったのですが、しかし全くの「見栄え」で入湯を拒否される謂われは無いはずです。衛生面では全く問題ないわけですから、「理はこちらにあり」ですが、しかし「イヤなものはイヤ」と言う人の説得は厄介です。 ともかく、私はこうしたことは「団体の力を借りるほかない」と思って、先月の支部会合で問題を提起し、支部長も前向きな姿勢を示してくれました。支部では「会員にはマナーの順守を徹底しているが、会員外で防水シートを着けない事例なども報告されている」とのことで、「勝手な振る舞いをして社会に迷惑や誤解を助長させているかも知れない」会員外の存在も初めて知りました。 温泉は、まさしく術後の方々に最適な養生場所と思います。それが利用できないのは「最も不合理なこと」で、社会の「偏見」はたとえ小さなものでも是正して行かなければなりませんが、今までに団体の力で公共施設へのマルチ(多目的、多機能)トイレ設置の義務付けを獲得してしています。良い方向に団体の力を向けられたら、と思っています。 何しろ、私が温泉にこだわる理由は、手掛けた単行本の最後が温泉本だったこともあります。国際医療福祉大学、前田眞治(まさはる)教授の『温泉の最新健康学』(悠飛社、2010年刊、定価1600円+税)が、それです。 ※掲載されたワード文章を添付します。 (^-^)M・S
.. 2013年09月05日 11:05 No.605001
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