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│ 地下水対策を怠った結果−東電の後手・後手、東電の資金ケチリが原因 │ 建屋は地下水に浮いたコンクリートのハコ <下> └────(たんぽぽ舎)
▼大きな地震に遭遇したら
68年の新潟地震で詳しく映像が記録されたことで存在がはっきりした「液状化」。今回の東日本太平洋沖地震でも広い範囲で液状化被害が出た。海沿いでは浦安市の、内陸では久喜市のそれが大きくクローズアップされた。原発敷地内でもおそらく起きていただろうが、津波に洗い流されて顕著な液状化は確認されてはいないようだ。今の福島第一原発周辺地盤は、その時よりも遙かに 高い地下水位である。震度6の地震が襲えば、建屋周辺は液状化する。 液状化では地上に地下水が土砂と共に噴出する。この水が福島の場合は汚染水なのだから、とんでもない危険地帯に変貌する。 汚染水の表面線量は、高いところで160ミリシーベルト/時、低いところでも数十ミリシーベルトに達する。この汚染水が地上に噴出したら、その場にいた作業員はたちまち高線量の沼地に取り残されることになる。 そのうえ、液状化により建屋が傾斜する。最悪の場合は、横転するかもしれない。新潟地震の時に倒れたアパートを思い出される人もいるだろう。 真横に倒れなくとも、大きく傾斜するだけで十分重要機材を破壊する。特に使用済燃料プールと冷却水を送る配管類が破壊された場合、深刻な事態になるだろう。 底まで心配しなければならないのは、福島第一原発の地下水位が過去に例がないほどの高さに挙がっていることと、タービン建屋と原子炉建屋では地下の高さが異なり、タービン建屋は岩盤に固定されておらず、浮き上がる危険が高いことと、原子炉建屋も上部構造物が撤去されている4号機は全体が軽くなっていることなどが理由だ。 液状化するような地震が「起きない」という楽観論を採用するものはいないだろう。むしろ、今後何十年も燃料取り出しや廃炉処理をする間に何度も大きな地震に遭遇する可能性のほうが遙かに高い。 依然として、本質的な安全対策を真っ先にするべきなのは、福島第一原発であることに変わりはない。再稼働などに資源を投入する余裕など、この国にはない。
.. 2013年08月23日 12:06 No.595001
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