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前回メールの補足をしておきます。仏独共同公共放送アルテは、EU(ヨーロッパ連合)27カ国、人口約5億人に放送しているとのことです。日本で言えば、NHKの3チャンネル(Eテレ、旧教育放送)のようなもので、視聴者のレベルは高いと言います。またEUのほかフランスの旧植民地・アフリカ諸国にも数多く放映されているとのことです。 ビロリ氏は、「アメリカバージョン版も造り、アメリカでも放映する予定だ」と語っていたので、それが実行されたのか定かではありませんが、いずれにしろ、今回の石原莞爾将軍の90分番組が欧米人に与える、与えた影響は、甚大なものと推測できます。 なお、ビロリ氏が手に入れたという「石原将軍が天津の病院に慰問に行っている8ミリフィルム」ですが、彼は「イタリアへ行った時、ローマの古書店で手に入れた」と言っておりました。 今回のビロリ氏の「裏切り」的な所業は、かつて石原将軍亡き後、親族が資料の多くを秦 郁彦・日大教授に貸し出して、結局まとめられた著作が『軍ファシズム運動史』(KAWADEルネサンス、1980年刊、定価7560円)で、石原将軍がファシストとして描かれた事例に似ています。これを知って親族が怒り、悲しんだという……。 ビロリ氏が初めて石原将軍の存在を知ったのは、フランス週刊誌の記者として赴任した中国東北部の旧満州とのことです。そして、それは今日の中国政府側の主張に沿った「偽満洲」という認識で建国の由来を捉えたのだと思われます。思想的にはフランス生まれのマーク・ピーティ著『「日米対決」と石原莞爾』(たまいらぼ、1993年刊、定価10,185円)の影響を受けたと言っていたので、いずれにしろ、好戦的だった「前期の石原莞爾」像だけしか、認識の中には無いわけです。 まさしく、「群盲、巨象を撫でる」の典型事例が、30数年ぶりに再現されたわけです。 ところで、ナポレオンには無関心だったビロリ氏ですが、石原将軍はナポレオンはじめ、多くのフランス書籍を日本に持ち帰っており、その中にはナポレオンの死後翌年に発行された『ナポレオン人生譜』(上下巻、1822年)の原著もあります。これは大戦にみまわれた当のフランスにも残っていない数少ない原著の一つで、約200年前の貴重なこの刊行物が山形県酒田市の図書館(光丘文庫)にひっそりと眠っていることは、「知る人ぞ知る」事柄です。 先週(6月19日)、ロンドンではそのナポレオンのデスマスクが、2500万円で落札されたというニュースが流れました。一方、日本では織田信長のデスマスクが存在することも、テレビのクイズ番組で明らかとなりました。「本邦初公開」のビッグニュースで、子孫が保存してきたことや、スケートの織田信成選手との顔相一致もあって、その確証性は高いと思われます。 ▼「世界ふしぎ発見!」の映像 こちら このデスマスクの作成にはアフリカ・モザンビーク出身の「弥助」と呼ばれていた大柄の黒人が関与していた可能性が高く、その存在は数々の古文書でも明らかになっています。しかも、取材班がモザンビークに行ったところ、そのデスマスクのような女性達の化粧と、「着物」に似た衣服と発音の相似性など傍証も高いものがあります。 それにしても、リンカーン大統領も含め「戦国乱世の覇者」にデスマスクが付きものであったとは、今回、初めて知ったことです。レーニン、スターリン、毛沢東、金日成親子、ホー・チ・ミンの「冷凍保存」、これはマリリン・モンローだけで結構と思います。 (^-^)M・S
.. 2013年06月26日 20:14 No.562006
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