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■--原子力規制委員会を傍聴して
++ 柳田 真 (課長)…160回          

=福島トラブルに無力な規制庁
 |  放射能汚染水の漏れと最近のトラブル(8つ)への対応―お粗末
 |  重要施設の5年ゆう予問題は、議題に明示せずという卑劣なやり方
 └────  (たんぽぽ舎)

               
(1)4月10日「5年ゆう予問題の重大局面の委員会」と聞き、傍聴を申し込んだ(たんぽぽ舎の友人らも10人弱。全体で40名ほど)。 六本木ファーストビル1階
で傍聴登録証と身分証明の提示を求められ、その後、13階の部屋へ。広い部屋でまだ十分傍聴者の余裕あり。配布された資料は約200頁。議題は1−6の6点。
そのうちの1と6の要点を報告します。
(2)第1議題は「東京電力福島第1発電所における地下貯水槽からの漏えい及び、最近の事故、トラブルをふまえた対応について。
資料1(A4版8頁)と資料2(3頁)が出されたが、その中身はほとんど経過報告のみで、注目した規制庁の今後の対応の項は、わずかな字数で、かつ抽象的なもの。重大問題なのに、規制委のやる気が伝わってこないしろものだった。その文章を参考までに示す。皆さん、これで納得しますか? (この文章へヤジ多し、1日400トンの汚染水だぞ、他)今後の対応
 ○原子力規制委員会から指示を受けた東京電力の対応について、今後、特定
  原子力施設監視・評価検討会等において確認していく。
 ○3月18日の停電事故以降、福島第1原子力発電所において事故・トラブル等が頻発していることを受け、原子力規制委員会/原子力規制庁の対応の強化策を検討する。「東電の8つのトラブル」についての方針は次のようなもの(2点のみ)。「対応の強化」というが、具体策は不明。これにもヤジが飛んだ、「具体的に何をやるのか?」。
 ○設備の信頼性向上や廃炉に向けた作業体制の充実強化のため、事業者に対して継続的な改善を求めるとともに、それらを確実なものとする原子力規制委員会/原子力規制庁としての対応の強化。
 ○今後も発生しうる事故・トラブルに対して、現地検査官の対応や情報発信についての原子力規制委員会/原子力規制庁としての対応の強化。

(3)「重要施設の5年ゆう予」問題は、議題として提示されたかどうかも私にはよくわからない扱いであった。パブリックコメントにかける(4月11日<予定>から
わずか30日間)というもの。これに対して「5年ゆう予の理由を説明してくれ」、「なぜ重要施設が5年ゆう予か」、「地震、津波は待っててくれないぞ」など多くのヤジが飛んだ。

 しかも私たちに配られた資料はその部分が黒くて読めないもので、これに対して抗議の声があちこちで上がった(あんたたちはいつも真っ黒だね)。これらの声に答えず、議事終了として田中委員長らは退席してしまった。(会議終了後、規制庁職員が謝って読めるコピーを配布してくれた)。

(4)12時頃から規制庁、規制委員会への抗議行動が1階の道路わきで、(40名ほど)行われた。緊急署名も提出された(緊急署名は今後も継続)。「5年ゆう予
撤回!」「再稼働反対!」「規制庁解体」のコールが響いた。
.. 2013年04月11日 09:04   No.525001

++ 柳田真 (大学生)…74回       
福島第一原発汚染水問題でしゅう態さらした規制委
 |  地下貯水槽の使用中止に反対した更田豊志委員、
 |  原子力ムラ出身の面目やくじょ。経産大臣すら中止と言ってるのに
 └──── (たんぽぽ舎)

1.東京電力福島第一原発の地下貯水槽で、高レベルの放射性汚染水がもれている問題で、東京電力広瀬直己社長は、10日記者会見し、「社会に与えた影響が最も深刻な事故と受け止めている」と話した。(4月11日毎日新聞朝刊)

2.同じ日(10日)午前開かれた規制委員会(第2回)で、−柳田らも傍聴−規制委の対応は後手で、お粗末で、具体性がなく、原子力ムラようごのものだった。配付資料から抜粋紹介する。「…4月8日、更田委員が東京電力相澤副社長と面談
し、イ.これまでの推定にとらわれず原因究明をしっかりおこなうこと、ロ.モニタリングや漏えい水の拡散評価等を適切に行うこと、ハ.職員の負担軽減のため体制強化を検討すること等を要請。」
 柳田−「要請」とは何ごとだ、もっと協力に指示すべきなのに。アリバイだ。

3.規制委の更田豊志委員は、8日午後の記者会見で、地下貯水槽の使用中止は「現実的でない」と強調したばかり。翌日に新たな水もれが発覚し、貯水槽が使えなくなる後見の悪さも残した。(4月10日茨城新聞)

4.茂木経産大臣ですら、「地下貯水槽の使用中止→地上のタンクへ移せ」と明言している時機に、原発の安全を担うはずの規制委員会−規制庁がお粗末なつくりの地下貯水槽のようご発言をしている事実は、規制庁のしゅう態=本質をあら
わしたもの、といえよう。

5.原子力規制庁の森本英香次長は、9日の会見で対応の遅れを認めざるを得なかった。「原子力規制委員会は安全の観点からチェックする役割を担っており、反省すべき点がある」と。(4月10日茨城新聞)
 規制委は東電に貯水槽が使えない場合の移送先の検討などを指示したが具体性は乏しいまま。危機的な場面でも事業者まかせの対応は旧保安院時代のままであることを印象づけた。国会事故調(黒川清委員長)が、旧・経産省原子力保安院や内閣府原子力安全委員会についても「電気事業者のとりこになっている」と批判した・そのまま。改善されていない。

6.福島県民に新たな不安が拡がっている。これらの声に“敏感”に答えよう。
我々も方針を立て、行動しよう。10日の傍聴の後の抗議集会では、規制委への怒りの声と規制庁解体のコールも参加者から出た。
 必要なのは、汚染水トラブルへの根本対策と福島第一原発を廃炉にする具体策を示すことだ。再稼働のための規制庁はいらない、廃炉庁に改組せよ、と要求したい。
 規制委批判を相手の土俵内で闘うのでなく、もっと根本的にとらえて、組み立て直そう。

7.4月18日(木)緊急学習会のご案内
『福島第一原発での放射能汚染水のダダもれ・またも 海へ?東京電力の無責任、規制委員会のだらしなさ、怒る漁民』
−原因はどこに?私の提案する対策いくつか−

日 時:4月18日(木)18:30開場、19:00から21:15まで
講 師:後藤政志(元原発技術者)、山崎久隆(たんぽぽ舎)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
資料代:800円

.. 2013年04月12日 09:05   No.525002
++ 岡野純一 (幼稚園生)…1回       
神戸の金曜行動は神戸関電ビルをオキュパイしていた
 |  38回続いている、参加者は60〜100名。
 └──── (原発さよなら千葉 会員)

 報告が遅れてしまいましたが、3月15日の和歌山に続き、翌週22日に神戸の関電前抗議行動に初めて参加してきました。
 関西電力神戸支店は三宮駅から南へ真っ直ぐ下った旧外国人居留地の一角にあります。神戸関電ビルは阪神大震災で被災した後に建て替えられ、当時は神戸市内一番の高層ビルであり、ライトアップされた姿は「神戸復興のシンボル」と見る向きもあります。
 神戸関電ビルの通用門の前で数十人がギターとドラムを先頭にコールをしています。道路を隔てるわけでもなく、ガードマンが制止するわけでもなく、神戸関電ビルの真ん前を文字通りオキュパイしています。IWJのカメラも見えます。
 「責任者」の腕章をしている若い男性に声をかけると、この日で38回を数え最盛期に200名を超え、現在は60〜100名との事。
この日はあいにくの小雨のなか80名でした。
 よく見ると「責任者」の腕章は何人もいて運営スタッフの意味のようです。
初めて参加された方や2〜3回目という方も何人もいらっしゃいました。
私も経産省前テントへの仮処分のことなど発言させていただきました。
先ほど話を聞いた男性が「確かに全国的な結びつきはまだまだ弱いですね」とおっしゃっていました。

主催団体のブログはこちらです。
原発ゼロ!核兵器ゼロ!ZEROこねっと こちら

.. 2013年04月12日 10:44   No.525003
++ 村上達也 (幼稚園生)…3回       
.【「小国寡民」で、いいじゃないか】
 │ 地方自立の根本理念は「小さくともキラリと光る」、
 │ 低成長時代の地方の自立は、自らの力量で切り開く。
 └────(東海村村長のことば)

「我がまちはこういう所だ」と、始めるべきと思うが福島原発事故の後のこの時期、原子力発祥の地と言われ村内に原発を抱えた者としてどうもその気になれない。不粋な話だが、いきなり原発問題から入らせてもらう。

 古里を追われている福島県民は十六万人、また福島、郡山市などの放射能高汚染地区に住み続けているのが数十万人、こういう犠牲者を生んだあの福島原発事故の原因究明は本当になされたか。その結果、原子力政策、エネルギー政策は変わったか、体制や仕組みはどうなったか、これら国民的、国家的課題は事故勃発から二年近く経とうとするが、方向性が何も見えない。国会は政争に
明け暮れ何事も決定できない政治状況も一因、でもそれが根本とは思えない。
 原因はこの国の真髄に、我々日本社会の精神構造、意識構造にあるのではないか。我々日本人は「和」を特別重視するが、実はそれは言葉を換えれば仲間意識、利害を共有する利益共同体内だけのことでないか。集団内では「長いものには巻かれろ」と俗化して「和」は力を発現する。「原子力ムラ」なる言葉が事故後盛んに使われてたが、言いえて妙だ。この「原子力ムラ」、原子力共
同体は事故後早くは批判の俎上に乗せられたが、時の経過と共に勢力を復活し、あれだけの事故を起しておきながらも改革を拒んでいる。
 「原子力ムラ」とは何ぞや。一言で政官業学マスコミが一体となった強力な利益共同体、そして権力集団化としている。比肩できるものは戦前の軍部、これは原子力開発が「国策」として推進されてきた当然の帰結。この「ムラ」の中には原発立地自治体も組込まれている。

.. 2013年04月13日 12:17   No.525004
++ 村上達也 (幼稚園生)…4回       
 損害賠償額は五兆円、除染費用は二〇兆円とも言われている。その金は誰が負担するか、言うまでもなく国民だ。かかる事故を起しておいて原発復権を策する自体、傲慢である。先の大戦は自己中心的驕慢な陸大出のエリート軍人達が仲間内の世界で全て判断、決定し国を滅ぼした。今も「この国はエリートが滅ぼす国」なのだ。「原子力ムラ」のエリートも同じだ。目先の金に惑い戦前
と同じ轍を踏むまい、所詮原発マネー依存での繁栄は「一炊の夢」に如かず。

 一直線の発展など歴史にあった例はなく、栄枯盛衰は世の常、東日本大震災(天災)と福島原発事故(人災)で知らしめられた。実は二〇年も前から日本は大きな転換点に立っていた。日本の経済力は一九九四年に世界のGDPの十八、八%も占めたが、今や八、四%にまで落ち、今後更に減少していくのは避けられない。しかしこの国は成長発展の夢を追い求め転換期の二〇年を失い国家財政を破綻に追い込んでしまった。一方少子化(人口減)の中で高齢者の絶対数は急増を続けてる。三万七千人の我が村も過去一〇年で高齢者が3千人以上増えた。これらはこの国の置かれた状況の一面だが、言えることは経済成長の言葉が出たら、冷めた目で対し、自らも住民の行政需要に財政規模の拡大で応える成長前提の図式は捨てようということ。行政も住民も意識転換が求められている。
 村にはニュートリノ研究、ハドロン研究などを行う世界最先端の原子核研究施設、大強度陽子加速器(J−PARC)というものが数年前にできた。原発は労せずして巨額の金をくれるが、この施設からは電源交付金などは勿論、税金も入らない。しかし社会的価値や文化的価値は絶大、世界中の優れた研究者が村にやってくる。この価値をまちづくりに活かせるか否かは私たち住民の力
量にある。こういう時代だから挑戦し甲斐がある。

 低成長時代の地方の自立は外側の力を願ってもだめ。外部依存でなく自らの力量で切り開く他ない。危険を冒して原発マネーに依存し時代の変化に不適応となる愚は避けねばならない。そう言えば地方自立の根本理念は「小さくともキラリと光る」であった。「小国寡民」、それでいい。いわんや広域連合、道州制などもっての外だ

.. 2013年04月13日 12:46   No.525005
++ 東京新聞 (社長)…317回       
大飯原発、新基準案に不適合
 │  防潮堤や作業拠点 規制委、停止判断避ける
 └────(4月11日 より)

 7月に施行される原発の新しい規制基準案を、原子力規制委員会が10日、示した。想定できる最大級の津波を防ぐ防潮堤や、地震や放射能に耐える作業拠点の整備など数多くの設備が要求されるが、唯一稼働中の関西電力大飯原発(福井県おおい町)は、新基準の施行段階ではその多くを満たしていない。規制委はどう判断するのか。(中略)
・・・・・作業拠点が完成するのは2015年度中で、関電はそれまでは、代わりの施設として3、4号機の中央制御室の横にある会議室をあてるとしている。
 しかし、中央制御室は原子炉に近い。(中略)関電は既存の防潮堤を数メートルかさ上げして新基準に対応する考えだが、想定すべき最大級の津波の規模を検討するのはこれからだ。
 テロや過酷事故の際に通常の制御室とは別に、独立して原子炉を制御・冷却できる「第2制御室」の要求については、5年以内に整備すればよいと猶予期間が設けられた。(中略)
 田中氏は「大飯は対策が進んでいる」「(津波よりも)原発の敷地が高い」など予断を持った発言を繰り返す。
 新規制委が自ら決めた新基準。初めて判断を迫られる大飯原発で、例外扱いがまかり通れば、規制委への信頼が大きくゆらぐのは間違いない。

.. 2013年04月13日 13:17   No.525006
++ 東京新聞 (社長)…320回       
食への不安 なくしたい
 │  市民の放射能測定所倍増  全国90カ所 データベース準備
 └────(4月10日より抜粋)
※「食への不安 なくしたい」:この記事には、たんぽぽ舎の共同代表の鈴木千津子さんも取材を受け、20年以上にわたる経験をベースにコメントを伝えています。

○ 東京電力福島第1原発の事故から2年が過ぎた今も、市民団体による放射能測定所が全国的に増えている。東京都国分寺市の市民団体が世話人を務める全国ネットワークが把握しているだけでも、1年間で倍以上に。国や自治体が公表する
空間放射線量や食品中の放射性セシウムの濃度とは別に、「自分で確かめたい」と考える市民の動きは止まらない。
 2011年10月に発足した市民測定所の情報交換グループ「全国市民放射能測定所ネットワーク」(国分寺市)のリストに、北海道から沖縄まで90カ所の測定所が並ぶ。原発事故から約1年後の12年3月11日にあった測定所は、事故前から活動していた4カ所を含め、40カ所ほどだった。
 「放射能をきっかけに原発や食品の問題を学ぼうとする市民が増えている。原発事故のあった11年に福島県内を中心に次々と開所し、12年から全国的に広がった」
 ネットワーク世話人の石丸偉丈さん(40)が話す。測定所の3分の2以上は、実際に放射能汚染のあった東北や関東地方に集中。(中略)
○ チェルノブイリ原発事故から3年後の1989年から測定を続ける千代田区の市民団体「たんぽぽ舎」の共同代表、鈴木千津子さん(66)は、「食品から検出されるセシウム濃度は低くなっている。でも、降り積もったセシウムを消し去るこ
とはできない。汚染に関心を持ち続けてほしい」と話した。

.. 2013年04月15日 09:08   No.525007
++ 多辺田 政弘 (幼稚園生)…1回       
明治公園での逮捕(3月9日)−私の経験について「今後のため」報告し
ま    す。脱原発運動の今後に少しでも役立てば・・・(連載その1)
 └────   (編集部)著者の了解を得て公開します。今後の不当弾圧に役立つので。
      なお、長文なので6−7回に分けて掲載します。
(原文は縦書きなので和数字の日付けは算用数字に直して掲載)

一.逮捕までの経緯
2013年3月9日に明治公園で行われた「3・9 さよなら原発集会」には、私は妻と一緒に参加しました。途中で弟とも待ち合わせて一緒に会場に向かいました。私たちは「脱原発」の主張にかねてから賛同しておりましたので、一昨年の3・
11フクシマ原発事故以来、「脱原発」の集会やデモには何度か参加したことがありました。
ところで、私は六十六歳(3・9当日)で三年前に心臓バイパス手術(糖尿病の合併症による狭心症・心筋梗塞のため)を受け、その際左足の静脈の一本を冠動脈パイパスに使ったため、左足側の腰痛や歩き辛さが「後遺症」として若干残りました。集会当日に家を出た時は、「今日のデモはどうしようかな」と迷っていました。しかし、集会で演壇に立たれた大江健三郎さんが、あのご高齢にも拘らずスニーカーを履いて今日はデモ・コースを最後まで歩かれる積りで来られた、との紹介が集会司会者からあったので、私も今日はデモ・コースを完歩しようと決めました。
少し予定時間より押していた集会が終わって、用意された二つのデモ・コースの出発口に隊列が並び始めました。私たちは(集会演壇に向かって左手出口から出発する)「一般市民グループ」の参加する「Aコース」の隊列に加わることにしました。出発前にお手洗いを済ませようと考え、演壇左側の上段後方の広場に設けられていた仮設トイレで用を済ませてから、Aコースの先頭の方を探しました。
Aコースの隊列は、既に前のほうからびっしりと詰まって並んで、後ろの方には特定の団体の旗を立てた隊列が続いていました。私たち(妻と弟も一緒に)は市民グループのいくつかの旗の見えるAコースの先頭集団を見つけ、出発直前だったので遅れまいと急いでその隊列の横まで行き、隊列の横から(出発口に向かって左側の芝生の囲みを横切って)加わろうと小走りに駆けて行きました。
 時間は3時半近くでしたが、まだデモは出発前でした。私の記憶では、前回(昨年だったと記憶していますが)の明治公園からのデモ出発時には、警察によるデモ規制は公園を出たところから始まったように思っていました。今回は会場(公園)出口の手前から警官が二メートル前後の間隔で並んでいました。
 その間隔のある規制警官の列の間を急いで擦り抜けようとしてところ、規制警官が「ここはダメ」と手を広げてようとしたような感じでした。デモの隊列は目前でしたので、私はもう少しでデモ隊の列に駆けこめると思いました。目指す隊
列まであと一、二メートルだったので、近寄った警官の間をすり抜けられるだろうと安直に考えました。しかし、背の高い若い警官のほうが、六十六歳の「足の衰えた」年寄りの私より、運動神経も体力も遥かに上でした。後で冷静に考えて
見れば、周囲の状況判断を出来ずに直線的に行動を取ったことになります。

.. 2013年04月15日 09:24   No.525008
++ 多辺田 政弘 (幼稚園生)…1回       
警官の制止を聞かずに、ただ目的に向かって走りぬけようとした「呆け掛かっ
た老人」(私のことですが)を、大男の若い警官が条件反射的に一瞬にして年寄
りの手を捕まえ捻り倒しながら「カクホ!」と叫んだように記憶しております。
その瞬間、それを見ていたデモ隊の数人が私を助け出そうと駆けより私の右手や
身体を引っ張り、一方、警官たちがバラバラッと駆け寄り、逃すまいと私の上に
圧し掛かってきました。重量級の警官たちが何人も圧し掛かってきた訳ですから、
「潰されるて死ぬんじゃないか」という恐怖が過ぎりました。地面に押しつぶさ
れた私の頭の上でデモ隊の何人かと警官たちが私の身柄の奪い合いを、まるで
「綱引き」のように始めたのです。間もなく左手に手錠が掛かり、その手錠は左
手首を締め上げ初め、それが痛いのなんの、「どちらも、引っ張り合うのはもう
止めてくれ」と息絶え絶えのなかで思いました。
手錠が掛かった瞬間に、私は取りあえず警察に行かなければならないだろう、
そうすると少なくとも数日の留置・拘留は覚悟しなければならないだろうと観念
しました。そう諦めて、覚悟した瞬間に、「どうせ捕まったなら一通り警察や留
置場や検察庁とやらをこの目で見てやろう」という好奇心が不思議に湧いて来ま
した。
この逮捕の瞬間に就いて、後に、四谷署での取調べのときと東京地検での検事
取り調べの中で分ったことですが、私を捕まえた若い警官は「被疑者が手を前に
伸ばして突き倒したので公務執行妨害で逮捕した」と報告していたようなのです。
私には「警官を突き飛ばそうという考え」も「突き飛ばしたという記憶」も全く
ありませんでした。「手を前に伸ばして」というのは、二人の警官の間を擦り抜
けてデモ隊のほうに走り寄ろうとした状況から、そういう形になっていたかもし
れない、とは思いましたが、それは警官に手を上げたという意味では全くなかっ
たことは間違いありません。私の脳裏の残像をもとにその瞬間を再現してみれば、
若い警官が制止を聴かずに自分の身体の横にぶつかってきた男に、カッとなって
反射的に、腕を捕まえ捻り倒した、ということだったのです。ただそれだけだっ
たのです。多分、若い警官がもう少し冷静だったら、飛び込んできた「ボケ老人」
を制止して後方に回ってデモに加わるように促せばよかっただっけの話ではなか
ったかと、後の取り調べの時に思いました。また、現場の警察官が冷静さを欠い
ていたのは、初めから警察側に「とにかく抑え込め」という空気(あるいは指示)
があったからではないでしょうか。
 そういう状況を客観的に振り返ってみれば、確かに私の迂闊さ(不注意)もあ
ったのですが、「(不必要な場所での)過剰規制」と「(若い警官の感情的)過
剰な逮捕」つまり「逮捕権の乱用」が引き起こした偶発的事件だった、と見るの
が最も妥当な見方なのではないか、と思います。またもう一歩踏み込んで、あの
時のデモ出発前の公園出口手前の規制は「デモへの参加妨害」という警察側の
「越権行為」だったのではないか、と考えることもできるでしょう。しかし、私
はそのことを取り調べの中では敢えて争うことはしませんでした。(但し、もし
起訴になれば、デモ出発前の出口での「不要な過剰警備」は、法廷での「重要な
争点」の一つになるだろうとは考えましたが)

.. 2013年04月15日 09:52   No.525009
++ 多辺田 政弘 (幼稚園生)…2回       
さて、話は逮捕時に戻りますが、一瞬にして起こったその揉み合いの風景の中で、はっきり憶えていることが一つあります。女性の弁護士さんが「私は弁護士の何某です」と叫びながらもみ合いの塊に近づいてきてくれたことです。それは私の中に何やら「希望(望みの綱)」のようなものとして頭の隅に響きました。
後に(釈放後に)、その渦中にいた私の妻や弟から聞いて分かったことですが、彼女は横浜の岡部法律事務所の岡部玲子弁護士でした。妻の話では、私がもみくちゃにされている時、デモの人に向かって岡部先生は「離れなさい!」と言って
くれたそうです。メチャ無茶な押し合いへしあいが止んで、警官にやっと助け起こされたのは、多分その直後だったのではないかと私の記憶の中で符号しました。因みに、これも後でわかったことですが、その現場に散乱して残っていた物(サ
ングラスや本や帽子など)を拾って預かってくれたのも岡部弁護士でした。釈放後、その回収物の中に、鞄に入れておいた私の二冊の本もあったことを問い合わせて下さり、送付して下さったのも岡部弁護士でした。
 また、これも釈放後に知ったことですが、この混乱の中で傍にいた妻(六十八歳)が、取り押さえに掛かっていた警官たちに「この人は体調が悪いので止めて下さい」と必死で叫んで助けを求めていたら、その周りにいた警官(特定はでき
ないが)にキツイ肘鉄を胸部に食らったそうです。まだその打たれたところは痛むようです。とにかく年寄りにも見境なく暴力をふるったようです。――「人間に配慮を欠いた」社会と政治を見事に反映しているように思えてなりません。

.. 2013年04月15日 10:55   No.525010


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