満席のバスが郡山駅前に着いたのは昼前だった。ビッグアイの展望台から山々と市内が一望でき、昨年1万6千人が熱い思いで集まった開成山公園も見えた。「3・11」は誰にとっても特別な日。人間の尊厳をふたたび問う日だ。 ある会議で「それではフクシマを見捨てるというのですか?」という悲痛な声を聞いたとき、本気でバスツアーを組んで3・11は郡山を歩こうと思った。 少人数でもひとりずつの想いが伝わる、手作りのデモと集会を、と。チラシも手書き。見出しは「二年目の3・11 スリー・ノン(3NON)の女たち WALK in 郡山」。三つの「NON」は各自の自由な意思表示。例えば、風船やプ ラカードにNO原発、NO WAR、NONバイオレンス、NONセクショナリズムなど。 近藤さんや現地の女たち、たんぽぽ舎の協力で準備や情報の拡散が進んだ。