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福島の放射線は「国の測定数値」の2倍だった 独自調査で判明
<11年度に福島県内で甲状腺検査を受けた3万8114人のうち、 3人にがんが判明、7人にがんの疑いー>
2月13日に福島市内で開かれた「県民健康管理調査の検討委員会」で、衝撃の報告がなされた。異常のみられた人々の平均年齢は15歳の若年で、県内の居住地域に偏りはない。通常、甲状腺がんになる子供は100万人に1人だということを考えると、かなり高い発生率である。(中略) 国はかねてから「原発周辺を除く地域の放射線量は低く、人体への影響は少ない」と主張してきた。その根拠の1つとなっているのが、原発事故後、文部科学が各地域に設置した「モニタリングポスト」(以下、ポスト)と呼ばれる機器による放射線測定値。ポストの測定値は、いわば国の「お墨付き」の数字なのだ。 だがその数値に、嘘があることが判明した。科学者や医師などの研究グループ「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が、福島県内570カ所を独自に調査し、数値の異様な低さを指摘したのである。同グループのメンバーで、琉球大学名誉教授の矢ヶ埼克馬氏が解説する。 「昨年8月から10月まで、官公庁が使う高精度のサーベイメーターで、ポストに近づけて放射線量を測定したところ、公表値の2倍近くの高い数値を示したんです。サーベイメーターとポストの表示数値の差は、周囲が除染されている場所では51パーセント、除染されていない場所では54パーセントになりました。これだけ違うと、もはや誤差の範囲とはとてもいえません」(中略) 最初に訪れたのは市東部、渡利地区の「花見山ウォ―キングトレイル」。駐車場に置かれていたポストが示していたのは、毎時0・693マイクロシーベルトだ。 だが線量計をかざすと、数値はみるみる上昇。最高で毎時1・234マイクロシーベルトを示したのである。その差は56パーセント。つまりポストの表示値は、本誌の測定数値より半分近くも低いのだ。毎時0・693シーベルトという放射線量は、ただでさえ国の除染目標値である0・23マイクロシーベルトを大きく上回っている。それが実際には、さらに2倍近く汚染されていたとしたら人体に影響がないわけがない。年間に直すと約10ミリシーベルト。この被曝量は、一般の人が浴びる限度の10倍にのぼる値なのだー。(後略) (3月8・15日号より抜粋)
.. 2013年03月02日 09:11 No.504001
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